金勝アルプス登山ガイド 天狗岩・落ヶ滝を巡る日帰り周回コース

滋賀県栗東市に広がる金勝(こんぜ)アルプスは、標高400〜600mほどの山々が連なる低山地帯です。花崗岩がつくり出す奇岩群をはじめ、天狗岩(てんぐいわ)からの展望、落ヶ滝(おちがたき)、オランダ堰堤(えんてい)など、変化に富んだ景観を楽しめます。

関西圏から日帰りで訪れやすい一方、登山道には岩場やロープ場、渡渉、滑りやすい急斜面もあります。本記事では、一丈野駐車場を起点に天狗岩や落ヶ滝を巡る周回コースを中心に、金勝アルプス登山の見どころやアクセス、歩く際の注意点を紹介します。

2026年8月10日 更新

金勝アルプス登山の魅力と特徴


花崗岩に尾根に並び立つ金勝アルプスの景観

金勝アルプスは、滋賀県栗東市南部に広がる、龍王山や鶏冠山などの山々からなる山域です。標高は600m前後ながら、花崗岩の風化によって生まれた天狗岩や耳岩などの奇岩、沢や滝、琵琶湖方面を望む展望がそろい、変化に富んだ登山を楽しめます。


天狗岩から望む、金勝アルプス随一の大パノラマ

なかでも、一丈野駐車場から落ヶ滝、天狗岩、耳岩、オランダ堰堤を巡る周回コースは、金勝アルプスの代表的な登山ルートです。低山ですが、岩場やロープ場、渡渉、滑りやすい斜面があるため、登山に適した靴と装備を用意し、時間に余裕を持って歩きましょう。

金勝アルプス登山口へのアクセス方法


駐車場の脇から林道を進んで登山開始

今回紹介する周回コースの登山口は、滋賀県大津市上田上桐生町にある一丈野駐車場付近です。車のほか、JR草津駅から路線バスでもアクセスできます。


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車でのアクセス

新名神高速道路の草津田上ICから一丈野駐車場までは、車で約15分です。国道1号の「草津3丁目」交差点から向かう場合も、所要時間の目安は約15分です。

一丈野駐車場は通年利用でき、普通車約95台を収容します。トイレも設置されているため、金勝アルプス登山の拠点に便利です。

清掃協力金は、普通車・軽自動車が1日600円、自動二輪車が1日200円です。原則として土・日曜、祝日が有料ですが、7月下旬から10月末までは毎日有料となります。料金や利用条件は変更されることがあるため、出発前に栗東市の公式サイトで最新情報を確認してください。

なお、桐生辻には駐車場がありません。路上駐車はせず、一丈野駐車場を利用しましょう。

公共交通機関でのアクセス

JR琵琶湖線・草津線の草津駅東口から、帝産湖南交通バスの桐生線に乗車し、終点の「上桐生」バス停で下車します。乗車時間は約30分で、バス停のすぐ隣に一丈野駐車場と登山口があります。

運行本数は限られるため、往路だけでなく帰りの便も事前に確認しておきましょう。季節や曜日によってダイヤが変わる場合があるため、利用当日は帝産湖南交通の公式サイトで最新の時刻表と運行情報を確認してください。

落ヶ滝・天狗岩を巡る金勝アルプス登山コース


紅葉越しに見る奇岩と滋賀・大津の町並み

金勝アルプスの登山ルートは、滝や岩場、展望と変化に富み、歩く楽しさにあふれています。一丈野駐車場を出発し、沢沿いを進んで落ヶ滝を経由、さらに奇岩群を抜けて天狗岩へ向かう周回コースが代表的です。


天然のアスレチックのような登山道を進む

標高はそれほど高くありませんが、岩場のアップダウンや沢沿いの滑りやすい区間、ロープ場などがあるため注意が必要です。以下の標準コースタイムは約3時間ですが、休憩や食事、写真撮影の時間は含まれていません。時間に余裕を持って計画しましょう。

体力に余裕があれば鶏冠山や竜王山まで足を延ばすことも可能で、のんびりとした低山ハイクからしっかり歩きたいロングコースまで、金勝アルプス登山の魅力を幅広く味わえます。

標準コースタイム
一丈野駐車場/上桐生登山口→(35分)→落ヶ滝→(1時間5分)→天狗岩→(6分)→耳岩→(1時間10分)→オランダ堰堤→(10分)→一丈野駐車場/上桐生登山口

一丈野駐車場からスタート 渓流歩きと落ヶ滝の景観を楽しむ


渡渉を繰り返しながら、ワイルドな登山道を進む

登山は一丈野駐車場からスタートします。登山口からは渓流に沿って緩やかな登りが続き、木漏れ日の差し込む森の中を進みます。ほどなく沢沿いの道となり、耳に心地よいせせらぎとともに歩けるのも魅力です。


一枚の岩壁を伝う、見応えのある落ヶ滝

小さな渡渉を繰り返すため、雨の後や水量が多いときは、濡れた岩や足元に注意して進みましょう。やがて現れる「落ヶ滝」は金勝アルプスを代表する景観のひとつで、美しい白布のような流れが訪れる人を魅了します。金勝アルプス登山の序盤を彩る、印象的な見どころです。

落ヶ滝から尾根道へ 岩場の登りと展望を味わう


途中に現れる「馬の背」は上らなくても通過できる

落ヶ滝を過ぎると、登山道はいよいよ本格的な山道へと変わります。沢を離れて尾根道に取り付き、急登を繰り返しながら標高を上げていきます。花崗岩がむき出しになった岩場を登る箇所もあり、変化に富んだ歩きごたえがこの区間の特徴です。


花崗岩が立ち並ぶ稜線まできたら、天狗岩まではあと少し

途中には展望の開けるポイントがあり、眼下には滋賀の田園風景や琵琶湖を望むことができます。やがて樹林帯を抜けると明るい岩稜歩きとなり、金勝アルプスらしい独特の景観が広がります。岩場では足元を確かめ、必要に応じて手も使いながら慎重に進みましょう。


最後はロープで岩登りをして天狗岩山頂へ

こまめに休憩を取りながら進むと、やがて天狗岩直下の広場に到着します。天狗岩へ登るにはロープを使う岩場があるため、混雑時は前後の登山者との間隔を空けて通過しましょう。

天狗岩に到達 金勝アルプス随一の大パノラマ


360度にわたって琵琶湖周辺の大パノラマを眺められる

金勝アルプスを代表する見どころが「天狗岩」です。巨大な花崗岩は、長年の風化と侵食によって生まれた奇岩。岩上からは琵琶湖や周囲の山並みを見渡す、大パノラマが広がります。


天狗岩から味わう、息をのむような高度感

天候が良ければ、比叡山(ひえいざん、標高848m)や比良山地の山並み、遠く京都方面まで望めます。低山ながら高度感のある眺望を楽しめることが、金勝アルプス登山の大きな魅力です。


遠目から見ると、天狗岩がいかに特異な山頂か分かる

天狗岩周辺には大小さまざまな奇岩が連なり、自然が生み出した造形美を間近で堪能できます。ただし、岩上には足元が切れ落ちた場所もあります。眺望や写真撮影に気を取られず、強風時や岩が濡れているときは無理に登らないようにしましょう。耳岩付近から望む、琵琶湖を背景にそびえる天狗岩の姿も見逃せません。

天狗岩から耳岩を経てオランダ堰堤へ


時折ロープを掴みながら、天狗岩尾根を下山

天狗岩を堪能したあとは、耳岩を経て、天狗岩尾根と呼ばれるルートをたどって下山します。巨岩の間を縫うように進み、ロープを使って急斜面を下る場面もある、変化に富んだ道のりです。砂利で足元が滑りやすい箇所では、慎重に進みましょう。


金勝アルプスと近江富士の共演を楽しむ

標高を下げると、天狗岩の向こうに美しい円錐形の山が姿を現します。これが近江富士の名で親しまれる「三上山(みかみやま、標高432m)」です。金勝アルプスの稜線から三上山を望む景観は、この山域ならではの印象的な眺めです。


登山道沿いにひっそりと残る産業遺産オランダ堰提

耳岩から1時間10分ほど下ると「オランダ堰堤」へ到着します。オランダ堰堤は明治時代に築かれた石造りの砂防堰堤で、平成元年に「日本の産業遺産300選」に選ばれました。近代砂防の歴史を伝える産業遺産としても見応えがあります。


鮮やかな紅葉越しに浮かぶオランダ堰提

堰堤周辺は水の流れと石組みの調和が美しく、季節ごとに異なる風景を楽しめます。ここから約10分で一丈野駐車場へ戻り、金勝アルプスの周回登山は終了です。

金勝アルプス登山後に立ち寄りたい日帰り温泉

金勝アルプスを歩いたあとは、周辺の日帰り温泉で汗を流してはいかがでしょうか。気軽に立ち寄れる温泉と、客室での休憩が付いた日帰りプランを利用できる施設を紹介します。

おふろcafé ニューびわこホテル


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ニューびわこホテルに併設された「おふろcafé びわこ座」では、天然温泉やサウナを楽しめます。客室での休憩と入館がセットになった日帰りプランもあり、下山後に汗を流すだけでなく、静かな部屋でゆっくり体を休められるのが魅力です。

入浴後にひと休みしてから帰路につけるため、岩場やアップダウンが続く金勝アルプスを歩いたあとにもぴったり。温泉と休憩を組み合わせて、登山の疲れをゆっくり癒やしたい人におすすめです。


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金勝アルプス周辺の日帰り温泉・デイユースプランを探す

金勝アルプス周辺の大津・草津・栗東エリアには、温泉や客室休憩、食事などを日帰りで楽しめる施設があります。下山後に温泉で汗を流したい、客室でゆっくり休みたいなど、過ごし方に合ったプランを探してみましょう。帰宅ルートや利用時間、プラン内容を比較して選ぶのがおすすめです。


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金勝アルプス登山に関するよくある質問

金勝アルプスを歩く前に確認しておきたい、コースの難易度や所要時間、見どころ、服装・装備、アクセスについてまとめました。登山計画を立てる際の参考にしてください。

Q. 金勝アルプスの登山は初心者でも楽しめますか?

A. 金勝アルプスは標高400~600mほどの低山ですが、今回紹介する周回コースには岩場やロープ場、渡渉、滑りやすい急斜面があります。登山経験の浅い人は、経験者と同行し、時間に余裕を持って歩くと安心です。雨天時や雨上がりは岩や沢沿いの道が滑りやすくなるため、無理をしないようにしましょう。

Q. 金勝アルプスの登山コースの所要時間はどのくらいですか?

A. 一丈野駐車場から落ヶ滝、天狗岩、耳岩、オランダ堰堤を巡る周回コースの標準コースタイムは、約3時間です。休憩や食事、写真撮影、天狗岩周辺での滞在時間は含まれないため、実際の行動時間は4~5時間程度を見込んでおくとよいでしょう。

Q. 金勝アルプスの見どころはどこですか?

A. 主な見どころは、落ヶ滝、天狗岩、耳岩、オランダ堰堤です。なかでも天狗岩は金勝アルプスを代表する奇岩で、岩上から琵琶湖や比良山地などを望めます。沢沿いの道や花崗岩の岩場、近代砂防の歴史を伝えるオランダ堰堤など、変化に富んだ景観も魅力です。

Q. 金勝アルプスの登山で注意すべきポイントはありますか?

A. 岩場やロープ場、渡渉があり、砂地や濡れた岩は滑りやすいため注意が必要です。特に雨天時や雨上がりは難易度が上がります。また、登山道には複数の分岐があるため、事前にルートを確認し、登山地図や地図アプリを携行しましょう。

Q. 金勝アルプスの登山に適した服装や装備は?

A. 滑りにくくグリップ力のある登山靴を履き、動きやすく体温調節のできる服装で歩きましょう。レインウェア、水分、行動食、登山地図などの基本装備も必要です。岩場では手を使うため、荷物はリュックにまとめ、必要に応じてグローブを用意すると安心です。

Q. 金勝アルプスへのアクセス方法を教えてください

A. 今回紹介するコースは、一丈野駐車場付近の登山口を利用します。車の場合は、新名神高速道路の草津田上ICから約15分です。公共交通機関では、JR草津駅東口から帝産湖南交通バスに乗り、終点の「上桐生」バス停で下車します。バスの運行本数が限られるため、往復の時刻を事前に確認しましょう。

奇岩と滝を巡る金勝アルプス登山を楽しもう


花崗岩がそびえる天狗岩の頂

金勝アルプスは、落ヶ滝や天狗岩をはじめとする奇岩、琵琶湖方面を望む展望、歴史あるオランダ堰堤など、変化に富んだ景観を楽しめる山域です。

今回紹介した周回コースは日帰りで歩けますが、岩場やロープ場、渡渉、滑りやすい斜面があります。登山に適した靴と装備を用意し、休憩を含めて余裕のある計画を立てましょう。下山後の日帰り温泉や周辺観光も組み合わせながら、金勝アルプスならではの山歩きを楽しんでください。

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1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部を卒業後、商社やメーカーで営業職を経験。2019年より複業でトラベルライターとしての活動を始めた後、2021年には本業も旅行業界へ転身し、国内OTAで宿泊施設の集客支援に従事。2025年からは、会社員としては旅行業界から離れ、SaaSスタートアップ企業へ転職。フルリモート勤務を行いながら、フリーランスのトラベルライティング事業を手がけ、地元愛知の製造業支援 × 観光・アウトドアコンテンツ制作という2軸で、地方創生に取り組んでいる。執筆記事は3,000本以上にのぼる。地方の魅力に光を当てながら、「旅をきっかけに人生が少し豊かになる体験」を発信。登山、自転車旅、秘湯巡り、島旅が趣味で、毎年の北海道旅行を家族の恒例行事にしている。notehttps://note.com/yuhei_tonosho
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