【近畿】の登山コースガイド

近畿

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検索結果171件中  1-20件
  • 女人道

    女人道

    女人堂バス停下車。バス停前の不動坂口女人堂は、高野七口の中で、現存する唯一の女人堂です。まずは弁天岳に登ったのち、高野山の表玄関口、高野山大門に下ります。車道を横切り、お助け地蔵参道経由で相の浦口女人堂跡へ。谷を渡ると、背後から弁天岳がせり上がり、伐採地の上水峠に到着します。しばらく緩やかな起伏が続き、ろくろ峠の大滝口女人堂跡に下ります。小辺路ルートの林道を右に進み、薄峠手前の分岐を左下へ。やがて、今なお厳しい修行が続けているという円通律寺参道に出ます。参道を右へ、次の分岐を左に登って、大峰口女人堂跡の弥勒峠へ。緩やかな起伏の尾根道が続いた後、急斜面を下ると、中の橋駐車場に降り立ちます。ここで車道を摩尼トンネル方面に進み、トンネル手前の山道を左に登り、摩尼峠経由で奥の院峠を目指します。奥の院峠を直進、これより高野三山で呼ばれる摩尼山、楊柳山、転軸山を登ることになります(高野三山(コースガイド)参照)。高野山森林公園から鴬谷の集落を抜け黒河口女人堂跡へ。すぐの路地を右に入り、女人堂バス停に帰り着きます。
    女人堂バス停下車。バス停前の不動坂口女人堂は、高野七口の中で、現存する唯一の女人堂です。まずは弁天岳に登ったのち、高野山の表玄関口、高野山大門に下ります。車道を横切り、お助け地蔵参道経由で相の浦口女人堂跡へ。谷を渡ると、背後から弁天岳がせり上がり、伐採地の上水峠に到着します。しばらく緩やかな起伏が続き、ろくろ峠の大滝口女人堂跡に下ります。小辺路ルートの林道を右に進み、薄峠手前の分岐を左下へ。やがて、今なお厳しい修行が続けているという円通律寺参道に出ます。参道を右へ、次の分岐を左に登って、大峰口女人堂跡の弥勒峠へ。緩やかな起伏の尾根道が続いた後、急斜面を下ると、中の橋駐車場に降り立ちます。ここで車道を摩尼トンネル方面に進み、トンネル手前の山道を左に登り、摩尼峠経由で奥の院峠を目指します。奥の院峠を直進、これより高野三山で呼ばれる摩尼山、楊柳山、転軸山を登ることになります(高野三山(コースガイド)参照)。高野山森林公園から鴬谷の集落を抜け黒河口女人堂跡へ。すぐの路地を右に入り、女人堂バス停に帰り着きます。
  • 高野三山

    高野三山

    奥の院前バス停下車。中の橋参道から奥の院参道を経て、御廟橋へ。水向地蔵脇に高野三山巡りの石碑があり、ここから高野三山巡りをスタートします。石碑の指し示す方向に従って、谷沿いの道を奥の院峠へ。左右の道が女人道で、左にとって高野三山の一山目の摩尼山山頂を目指します。如意宝珠が祀られる摩尼山を後に、緩やかな起伏が続く女人道をたどります。黒河峠を直進、急斜面を登り切ると高野三山最高峰の楊柳山に到着します。 なおも女人道を進み、北西尾根を一気に下って子継峠へ。右の道は豊臣秀吉が馬で駆け下ったとされる黒河道で、ここでは左の広谷沿いの道を下ります。一本松分岐で車道を横断、三山目の転軸山を目指します。やがて弥勒菩薩が祀られる転軸山に到着。南から西尾根を急下降、シャクナゲ園を経て中之橋霊園へ。霊園内の管理棟前を通り抜け、奥の院参道から中の橋を経て奥の院前バス停に戻ります。
    奥の院前バス停下車。中の橋参道から奥の院参道を経て、御廟橋へ。水向地蔵脇に高野三山巡りの石碑があり、ここから高野三山巡りをスタートします。石碑の指し示す方向に従って、谷沿いの道を奥の院峠へ。左右の道が女人道で、左にとって高野三山の一山目の摩尼山山頂を目指します。如意宝珠が祀られる摩尼山を後に、緩やかな起伏が続く女人道をたどります。黒河峠を直進、急斜面を登り切ると高野三山最高峰の楊柳山に到着します。 なおも女人道を進み、北西尾根を一気に下って子継峠へ。右の道は豊臣秀吉が馬で駆け下ったとされる黒河道で、ここでは左の広谷沿いの道を下ります。一本松分岐で車道を横断、三山目の転軸山を目指します。やがて弥勒菩薩が祀られる転軸山に到着。南から西尾根を急下降、シャクナゲ園を経て中之橋霊園へ。霊園内の管理棟前を通り抜け、奥の院参道から中の橋を経て奥の院前バス停に戻ります。
  • 高野山発見の道

    高野山発見の道

    星のくにバス停から国道を北にとって、すぐの三差路を右上へ。天辻峠に出て、一気に登って大日山に登ります。大日山を後に、稜線道を西に下り、送電鉄塔下へ。行者山、唐笠山を眺めた後、急坂を下って、舗装林道の出屋敷峠を横切ります。白石山、松村山、セト山と緩やかな起伏が続き、紀和峠へ。周辺は、春にはミツバツツジの花回廊となります。紀和峠を急登して、高塚、スナダラリ峠、城本山、牛のタワ、鐘割峠へと、しばらく小さなアップダウンが続きます。 やがて大峰主稜線の眺望が左手に開け、舗装道と合流、すぐに高野山と野迫川村との車道分岐の天狗木峠に到着します。斜め左の登山道を陣ヶ峰へ。祠の前を左にとると陣ヶ峰山頂に着きます。樹林のすき間越しに高野の峰々を望むことができます。祠前に戻り、西尾根の踏み跡の薄い道を一気に下って、車道に下ります。桜峠を経て奥の院前バス停に向かいます。
    星のくにバス停から国道を北にとって、すぐの三差路を右上へ。天辻峠に出て、一気に登って大日山に登ります。大日山を後に、稜線道を西に下り、送電鉄塔下へ。行者山、唐笠山を眺めた後、急坂を下って、舗装林道の出屋敷峠を横切ります。白石山、松村山、セト山と緩やかな起伏が続き、紀和峠へ。周辺は、春にはミツバツツジの花回廊となります。紀和峠を急登して、高塚、スナダラリ峠、城本山、牛のタワ、鐘割峠へと、しばらく小さなアップダウンが続きます。 やがて大峰主稜線の眺望が左手に開け、舗装道と合流、すぐに高野山と野迫川村との車道分岐の天狗木峠に到着します。斜め左の登山道を陣ヶ峰へ。祠の前を左にとると陣ヶ峰山頂に着きます。樹林のすき間越しに高野の峰々を望むことができます。祠前に戻り、西尾根の踏み跡の薄い道を一気に下って、車道に下ります。桜峠を経て奥の院前バス停に向かいます。
  • 高野山から十津川へ

    高野山から十津川へ

    【1日目】 千手院橋バス停から金剛三昧院入口碑の建つ参道を南下、次の三差路を右にとって、大滝口女人堂跡のろくろ峠に登ります。しばらく林道を歩き薄峠を左折して、大滝への古道を下ります。御殿川にかかる橋を渡ってから馬殺し坂を経て大滝集落へ。緩やかな登りが続き、左から高野龍神スカイラインが合流、しばらく車道を歩きます。水ヶ峰の古道を一気に登って水ヶ峰旅籠跡へ。山腹を絡むと、タイノ原林道が合流します。何度か林道と古道が交差し、やがて平辻を経て大股集落に下ります。 【2日目】 大股橋を渡り、つづら折れの急坂を登っていきます。やや登りが緩やかになった頃、萱小屋跡に到着します。なおも緩やかな登りが続き、檜峠へ。夏虫山への道を右に分け、山腹を絡むと六字名号碑の立つ四ツ辻に出ます。直進は伯母子岳、右は護摩壇山ですが、ここでは左の伯母子峠へ。 峠から右へ20分ほどで、伯母子岳山頂に到着します。山頂からは護摩壇山をはじめとする奥高野の山々、大峰山脈の眺望が開けています。峠に戻って、五百瀬方面へ。自然林の山腹道を緩やかに下っていくと、旅籠跡の石垣跡が残る上西旅籠跡に到着。尾根道に入って、水ヶ元茶屋跡からのつづら折れの石畳道を経て、待平屋敷跡へ。やがて急坂道となり、伯母子岳登山口の車道に降り立ちます。三田谷橋を渡り、五百瀬トンネルを抜けてしばらく歩けば三浦口バス停です。 【3日目】 三浦口バス停の先に進んで右に折れ、吊橋の船渡橋を渡ると、三浦峠への登りにかかります。しばらくして防風林の巨木がそびえる吉村家跡へ。つづら折れの急坂が続き、湧き水の三十丁の水場に到着。のどの渇きを潤したのち、山ひだをトラバース、展望の良い三浦峠へ向かいます。 峠を南に下って西中方面へ。途中、地蔵菩薩が祀られる古矢倉跡、出店跡を経て、樹林帯の中を緩やかに下っていきます。矢倉観音堂まで下れば、西中バス停まであとわずかとなります。バス停から十津川温泉まではひたすら舗装道が続くため、時間を見ながらバスを利用しても良いでしょう。
    【1日目】 千手院橋バス停から金剛三昧院入口碑の建つ参道を南下、次の三差路を右にとって、大滝口女人堂跡のろくろ峠に登ります。しばらく林道を歩き薄峠を左折して、大滝への古道を下ります。御殿川にかかる橋を渡ってから馬殺し坂を経て大滝集落へ。緩やかな登りが続き、左から高野龍神スカイラインが合流、しばらく車道を歩きます。水ヶ峰の古道を一気に登って水ヶ峰旅籠跡へ。山腹を絡むと、タイノ原林道が合流します。何度か林道と古道が交差し、やがて平辻を経て大股集落に下ります。 【2日目】 大股橋を渡り、つづら折れの急坂を登っていきます。やや登りが緩やかになった頃、萱小屋跡に到着します。なおも緩やかな登りが続き、檜峠へ。夏虫山への道を右に分け、山腹を絡むと六字名号碑の立つ四ツ辻に出ます。直進は伯母子岳、右は護摩壇山ですが、ここでは左の伯母子峠へ。 峠から右へ20分ほどで、伯母子岳山頂に到着します。山頂からは護摩壇山をはじめとする奥高野の山々、大峰山脈の眺望が開けています。峠に戻って、五百瀬方面へ。自然林の山腹道を緩やかに下っていくと、旅籠跡の石垣跡が残る上西旅籠跡に到着。尾根道に入って、水ヶ元茶屋跡からのつづら折れの石畳道を経て、待平屋敷跡へ。やがて急坂道となり、伯母子岳登山口の車道に降り立ちます。三田谷橋を渡り、五百瀬トンネルを抜けてしばらく歩けば三浦口バス停です。 【3日目】 三浦口バス停の先に進んで右に折れ、吊橋の船渡橋を渡ると、三浦峠への登りにかかります。しばらくして防風林の巨木がそびえる吉村家跡へ。つづら折れの急坂が続き、湧き水の三十丁の水場に到着。のどの渇きを潤したのち、山ひだをトラバース、展望の良い三浦峠へ向かいます。 峠を南に下って西中方面へ。途中、地蔵菩薩が祀られる古矢倉跡、出店跡を経て、樹林帯の中を緩やかに下っていきます。矢倉観音堂まで下れば、西中バス停まであとわずかとなります。バス停から十津川温泉まではひたすら舗装道が続くため、時間を見ながらバスを利用しても良いでしょう。
  • 伯母子岳

    伯母子岳

    本コースはアプローチが良くないため、車利用がおすすめです。高野龍神スカイラインから分岐した奥千丈林道の東方面にある伯母子岳遊歩道入口からスタートです。 遊歩道に入ると、緩やかな起伏のブナ、ミズナラの原生林の道となります。口千丈山を越えると、正面前方に牛首の峰の眺望が開けてきます。牛首の峰の北山腹を絡み、深タワの分岐へ。左は伯母子峠に向かう遊歩道ですが、ここでは主稜線を急登、伯母子岳山頂を目指します。春にはドウダンツツジ、ヤマツツジの花が咲く道で、秋には紅葉が目を楽しませてくれます。伯母子岳山頂からの眺望は360度、西に牛首の峰から口千丈山、護摩壇山へと連なる山稜、南には鉾尖岳、崖又山、北には夏虫山、東には赤谷峰、その向こうに大峰連山が薄く霞んでいます。 帰路は山頂から東の伯母子峠へ。峠から左の伯母子岳の北山腹を絡み、深タワに出て口千丈山を経て伯母子岳遊歩道入口に戻ります。
    本コースはアプローチが良くないため、車利用がおすすめです。高野龍神スカイラインから分岐した奥千丈林道の東方面にある伯母子岳遊歩道入口からスタートです。 遊歩道に入ると、緩やかな起伏のブナ、ミズナラの原生林の道となります。口千丈山を越えると、正面前方に牛首の峰の眺望が開けてきます。牛首の峰の北山腹を絡み、深タワの分岐へ。左は伯母子峠に向かう遊歩道ですが、ここでは主稜線を急登、伯母子岳山頂を目指します。春にはドウダンツツジ、ヤマツツジの花が咲く道で、秋には紅葉が目を楽しませてくれます。伯母子岳山頂からの眺望は360度、西に牛首の峰から口千丈山、護摩壇山へと連なる山稜、南には鉾尖岳、崖又山、北には夏虫山、東には赤谷峰、その向こうに大峰連山が薄く霞んでいます。 帰路は山頂から東の伯母子峠へ。峠から左の伯母子岳の北山腹を絡み、深タワに出て口千丈山を経て伯母子岳遊歩道入口に戻ります。
  • 護摩壇山・龍神岳

    護摩壇山・龍神岳

    護摩壇山バス停より、ごまさんスカイタワーの左横から遊歩道をスタートします。緩やかに高度を上げ、護摩壇山山頂へ。護摩壇山は源平屋島の戦いに敗れ、この地に逃れてきた平清盛の孫、平維盛が護摩を焚いて平家の行く末を占った山と伝えられています。展望が得られないため、東隣の龍神岳、耳取山まで足をのばします。龍神岳山頂からは、西に護摩壇山、南に鉾尖岳・崖又山の大パノラマが広がっています。さらに東に進み、林道を横断、耳取山へ。こちらは樹林に囲まれ、展望は期待できません。 護摩壇山山頂に戻り、南尾根を下ってブナ原生林の散策を楽しみます。高野龍神スカイラインを横断、ワイルドライフの森遊歩道へ。シロヤシオ・ヤマツツジの森を満喫。車道に下ってから六里ヶ峯分岐へ。ここを左にとって、護摩壇山森林公園ワイルドライフへ。広い芝地でひと休憩のち、再び遊歩道へ。五百原谷源流のモミ、ツガ、トチノキの森を抜け、護摩壇山バス停に戻ります。
    護摩壇山バス停より、ごまさんスカイタワーの左横から遊歩道をスタートします。緩やかに高度を上げ、護摩壇山山頂へ。護摩壇山は源平屋島の戦いに敗れ、この地に逃れてきた平清盛の孫、平維盛が護摩を焚いて平家の行く末を占った山と伝えられています。展望が得られないため、東隣の龍神岳、耳取山まで足をのばします。龍神岳山頂からは、西に護摩壇山、南に鉾尖岳・崖又山の大パノラマが広がっています。さらに東に進み、林道を横断、耳取山へ。こちらは樹林に囲まれ、展望は期待できません。 護摩壇山山頂に戻り、南尾根を下ってブナ原生林の散策を楽しみます。高野龍神スカイラインを横断、ワイルドライフの森遊歩道へ。シロヤシオ・ヤマツツジの森を満喫。車道に下ってから六里ヶ峯分岐へ。ここを左にとって、護摩壇山森林公園ワイルドライフへ。広い芝地でひと休憩のち、再び遊歩道へ。五百原谷源流のモミ、ツガ、トチノキの森を抜け、護摩壇山バス停に戻ります。
  • 果無山脈縦走

    果無山脈縦走

    【1日目】 ヤマセミ温泉バス停から右手にヤマセミ温泉館を見送り、小森の集落へ。最奥の民家脇から果無越えの古道に入ります。果無越えは大塔宮こと護良親王が切目から十津川に向けて逃走した経路と伝えられています。一気に高度を上げ、主稜線の道を左へ。しばらくして和田の森に到着します。左手に林道が並行する縦走路が続きます。展望の良い伐採地を通過、まずはツツジ・松が茂る安堵山へ。護良親王が逃走に際し、ここまで登れば誰も追撃して来ないだろうと安堵したという故事が、その名の由来と伝えられています。 安堵山を後に、なおも縦走路を東へ。林道と出合った後、すぐに右手からスーパー林道龍神本宮線が合流します。左上の展望台からは、重畳と波打つ大塔山脈の眺望が開けており、これより詩情漂うブナ原生林の縦走路に入ります。 黒尾山を越えると、樹林のすき間から冷水山へと連なる山稜が開けてきます。主稜線を登り返し、冷水山山頂へ。春、シロヤシオの花が群生する山頂で、北側に展望が開けています。 山頂を後に、主稜線を東へ。ブナ・ヒメシャラ原生林の道をカヤノダン・公門の崩と進みます。北に進路を変えると、大峰の山稜が開けてきます。しばらく緩やかな起伏の縦走路を進みます。ブナの平と呼ばれるブナの原生林を左手に見送ると、ブナの平の峰に到着します。南側足元に八木尾谷の樹海が広がり、その向こうに、熊野川が薄く霞んでいます。今夜はこの付近で、テントを設営します。 【2日目】 ブナの平の峰を後に主稜線を東へ、春の新緑、秋の紅葉のプロムナードを楽しみます。石地力山山頂からは、果無山脈主稜線をはじめ、大峰山系の眺望が開けています。果無峠は熊野古道の小辺路が通る峠で、第17番の観音石仏が祀られています。右は熊野本宮大社方面ですが、ここでは左の十津川温泉方面に下ります。第18番観音石仏の先で大峰山脈の展望が開けています。 なおも下ると石仏三体を祀る観音堂に迎えられます。観音石仏に導かれながら、天空の郷、果無集落に下ります。急勾配の石畳を下って、二津野ダム湖畔へ。左にとって柳本の吊橋を渡り、トンネルを抜けるとホテル昴バス停はすぐです。
    【1日目】 ヤマセミ温泉バス停から右手にヤマセミ温泉館を見送り、小森の集落へ。最奥の民家脇から果無越えの古道に入ります。果無越えは大塔宮こと護良親王が切目から十津川に向けて逃走した経路と伝えられています。一気に高度を上げ、主稜線の道を左へ。しばらくして和田の森に到着します。左手に林道が並行する縦走路が続きます。展望の良い伐採地を通過、まずはツツジ・松が茂る安堵山へ。護良親王が逃走に際し、ここまで登れば誰も追撃して来ないだろうと安堵したという故事が、その名の由来と伝えられています。 安堵山を後に、なおも縦走路を東へ。林道と出合った後、すぐに右手からスーパー林道龍神本宮線が合流します。左上の展望台からは、重畳と波打つ大塔山脈の眺望が開けており、これより詩情漂うブナ原生林の縦走路に入ります。 黒尾山を越えると、樹林のすき間から冷水山へと連なる山稜が開けてきます。主稜線を登り返し、冷水山山頂へ。春、シロヤシオの花が群生する山頂で、北側に展望が開けています。 山頂を後に、主稜線を東へ。ブナ・ヒメシャラ原生林の道をカヤノダン・公門の崩と進みます。北に進路を変えると、大峰の山稜が開けてきます。しばらく緩やかな起伏の縦走路を進みます。ブナの平と呼ばれるブナの原生林を左手に見送ると、ブナの平の峰に到着します。南側足元に八木尾谷の樹海が広がり、その向こうに、熊野川が薄く霞んでいます。今夜はこの付近で、テントを設営します。 【2日目】 ブナの平の峰を後に主稜線を東へ、春の新緑、秋の紅葉のプロムナードを楽しみます。石地力山山頂からは、果無山脈主稜線をはじめ、大峰山系の眺望が開けています。果無峠は熊野古道の小辺路が通る峠で、第17番の観音石仏が祀られています。右は熊野本宮大社方面ですが、ここでは左の十津川温泉方面に下ります。第18番観音石仏の先で大峰山脈の展望が開けています。 なおも下ると石仏三体を祀る観音堂に迎えられます。観音石仏に導かれながら、天空の郷、果無集落に下ります。急勾配の石畳を下って、二津野ダム湖畔へ。左にとって柳本の吊橋を渡り、トンネルを抜けるとホテル昴バス停はすぐです。
  • 八郎峠越え

    八郎峠越え

    大辺路には、古道が2ルート存在している箇所があります。清水峠、休平峠の海岸沿いのルート。そして、八郎峠の山側のルートです。諸説あるものの、海岸沿いのルートが「官道」で、浸水や風雨により、通行できなかったときには、山側の八郎峠ルートが大辺路の機能を果たしたものと考えられています。 紀伊田原駅から国道42号に出て、堂道橋手前を左折、次の三差路を右にとります。正法寺を過ぎてすぐ、斜め右の古道へ。民家が途切れた頃大辺路入口から左上、八郎峠越えの古道に入ります。緩やかに高度を上げると岩稜まじりの道となり、山腹を左にトラバース、八郎峠を右に登って八郎山山頂へ。熊野詣での人々が、この八郎山に登ったかは定かではないものの、熊野灘を望む360度の絶景に心を癒されたのではないでしょうか。 帰路は、八郎峠を右にトラバース、野葉の木の峠を下ります。左に地蔵尊を見て、農道を直進、T字路を右にとって、太地駅へと向かいます。
    大辺路には、古道が2ルート存在している箇所があります。清水峠、休平峠の海岸沿いのルート。そして、八郎峠の山側のルートです。諸説あるものの、海岸沿いのルートが「官道」で、浸水や風雨により、通行できなかったときには、山側の八郎峠ルートが大辺路の機能を果たしたものと考えられています。 紀伊田原駅から国道42号に出て、堂道橋手前を左折、次の三差路を右にとります。正法寺を過ぎてすぐ、斜め右の古道へ。民家が途切れた頃大辺路入口から左上、八郎峠越えの古道に入ります。緩やかに高度を上げると岩稜まじりの道となり、山腹を左にトラバース、八郎峠を右に登って八郎山山頂へ。熊野詣での人々が、この八郎山に登ったかは定かではないものの、熊野灘を望む360度の絶景に心を癒されたのではないでしょうか。 帰路は、八郎峠を右にトラバース、野葉の木の峠を下ります。左に地蔵尊を見て、農道を直進、T字路を右にとって、太地駅へと向かいます。
  • 八鬼山越え

    八鬼山越え

    JR大曽根浦駅から尾鷲節歌碑の立つ三叉路に向かいます。三叉路を左折し、八鬼山古道入口へ。古道に入ると、しばらく緩やかな登りが続きます。やがて町石地蔵を祀る駕籠立場に到着します。町石地蔵は、矢ノ浜から八鬼山間の50町の古道沿い、1町毎に旅人の無事を願って、祀られたもので、現在、35体ほどの地蔵が残されています。やがて八鬼山越え最大の難関、七曲がりに突入。つづら折れの石畳道で高度を上げ、蓮華石・烏帽子石を過ぎると九木峠はすぐです。 峠を右にとって火の神様を祀る荒神堂へ。ひと登りで江戸道と明治道の分かれ辻の八鬼山山頂に到着します。傍らには町石地蔵が集められています。左の江戸道を進み、すぐの分岐を左折、熊野灘を望むさくらの森広場に立ち寄ります。ひと休みしたのち、十五郎茶屋跡から石畳道を一気に下って名柄一里塚跡へ。平坦道を進むと、目の前に三木里海岸が開けてきます。八十川橋手前の車道を右折すると、JR三木里駅まで、あと少しです。
    JR大曽根浦駅から尾鷲節歌碑の立つ三叉路に向かいます。三叉路を左折し、八鬼山古道入口へ。古道に入ると、しばらく緩やかな登りが続きます。やがて町石地蔵を祀る駕籠立場に到着します。町石地蔵は、矢ノ浜から八鬼山間の50町の古道沿い、1町毎に旅人の無事を願って、祀られたもので、現在、35体ほどの地蔵が残されています。やがて八鬼山越え最大の難関、七曲がりに突入。つづら折れの石畳道で高度を上げ、蓮華石・烏帽子石を過ぎると九木峠はすぐです。 峠を右にとって火の神様を祀る荒神堂へ。ひと登りで江戸道と明治道の分かれ辻の八鬼山山頂に到着します。傍らには町石地蔵が集められています。左の江戸道を進み、すぐの分岐を左折、熊野灘を望むさくらの森広場に立ち寄ります。ひと休みしたのち、十五郎茶屋跡から石畳道を一気に下って名柄一里塚跡へ。平坦道を進むと、目の前に三木里海岸が開けてきます。八十川橋手前の車道を右折すると、JR三木里駅まで、あと少しです。
  • 天狗倉山・オチョボ岩

    天狗倉山・オチョボ岩

    JR尾鷲駅下車。尾鷲神社に立ち寄ったのち、大島元橋北詰へ。北浦町のコクボ谷沿いの路地をしばらく進むと岩屋堂参道入口に到着します。参道に入って、八畳岩に立ち寄ったのち、観音石像を祀る岩屋堂へ。大岩の下に西国三十三ヶ所の観音石像が整然と並べられています。岩屋堂を後に、支尾根の道に取り付くと、右下に尾鷲湾の眺望が開けてきます。覗岩を経て、急斜面を一気に登っていきます。やがて天狗倉山の東尾根の尾鷲トレイル道に突き当たります。まずは、尾鷲トレイル道を左にとって天狗倉山山頂へ。天狗岩に登ると、尾鷲湾をはじめ、大台ヶ原方面の大パノラマが開けています。 天狗倉山をあとに、尾鷲トレイル道を東にとってオチョボ岩へ。尾鷲湾を眼下に熊野灘の絶景が広がっています。尾鷲トレイル道を水地越峠を経て猪ノ鼻口方面に下っていきます。猪ノ鼻口を左にとって、JR相賀駅へと向かいます。
    JR尾鷲駅下車。尾鷲神社に立ち寄ったのち、大島元橋北詰へ。北浦町のコクボ谷沿いの路地をしばらく進むと岩屋堂参道入口に到着します。参道に入って、八畳岩に立ち寄ったのち、観音石像を祀る岩屋堂へ。大岩の下に西国三十三ヶ所の観音石像が整然と並べられています。岩屋堂を後に、支尾根の道に取り付くと、右下に尾鷲湾の眺望が開けてきます。覗岩を経て、急斜面を一気に登っていきます。やがて天狗倉山の東尾根の尾鷲トレイル道に突き当たります。まずは、尾鷲トレイル道を左にとって天狗倉山山頂へ。天狗岩に登ると、尾鷲湾をはじめ、大台ヶ原方面の大パノラマが開けています。 天狗倉山をあとに、尾鷲トレイル道を東にとってオチョボ岩へ。尾鷲湾を眼下に熊野灘の絶景が広がっています。尾鷲トレイル道を水地越峠を経て猪ノ鼻口方面に下っていきます。猪ノ鼻口を左にとって、JR相賀駅へと向かいます。
  • 西南尾根〜霊仙山往復

    西南尾根〜霊仙山往復

    霊仙山は他の鈴鹿北部の御池岳、藤原岳などと同様石灰岩地質の山で、ゆったりとのびやかな山稜が広がっている。現在はシカ害で笹はほとんど見られないが、草地の広い山稜には池が点在し、ところどころに石灰岩地特有の白くごつごつとしたカレンフェルトが見られる。その広大な山上には三角点峰、最高点峰、経塚山の三つのピークがあり、のびやかな山稜からの雄大な眺望と、花の多さが魅力の山である。 登山道として榑ヶ畑道、谷山谷道(現在通行禁止)、柏原道、梓河内道、西南尾根の5つのコースがあげられるが、よく歩かれているコースは榑ヶ畑道、柏原道、西南尾根の3コースで、ここではこの山の魅力をもっとも楽しめるコースとして西南尾根をとりあげる。 西南尾根は、廃村となった今畑集落跡から尾根を登るにつれ草地の山稜が広がり、眼下には近江平野と琵琶湖の展望、そして早春にはフクジュソウの花と、日本アルプスを思わせる山稜歩きが楽しめる、鈴鹿の山でもトップクラスにあげられる登山コースといえる。 このコースの取り付き点は芹川源流部の最奥の落合集落で、路線バスは走っていないのでマイカーでの登山となる。落合から芹川の左岸側の斜面にあった今畑集落跡へと登る道がある。今畑は現在お寺と蔵が残されており、春はそこここにフクジュソウが咲き乱れている。この集落跡から西南尾根の基部となる笹峠までは、ブナの大樹もあるよく踏まれた峠道が続いており、五月の連休ころならヤマシャクヤクの花も見られる。 笹峠はひろやかな伐採後の植林地で踏み跡が少しわかりにくい。正面に高くのび上がる西南尾根の急斜面に取り付くと、滑りやすいあやふやな道の急登が続く。しかし登るにつれ、琵琶湖の眺望と幾重にも重なり連なる鈴鹿の山並みがぐんぐんと広がる登りとなり、やがて近江展望台に着く。 ここからは石灰岩特有のごつごつとしたカレンフェルトの突き出す歩きにくい道となるが、ゆるやかな草地と灌木帯の、晴れていれば爽快な尾根が続いていく。春は花の多い楽しい道で、とくにフクジュソウの群落は見応えがある。ただ天気の悪い日は草地だけに風当たりが強く、ゆるやかに広がる尾根なので、注意が必要だ。 南霊岳を過ぎると左に浅くゆるやかな草地の谷をはさんで、霊仙山の頂上が目の前に見えている。この谷間には小さな池が三つ点在しており、声も聞こえてくるほどの距離で、そのまま頂上稜線と並行しながら進んでいくと、霊仙山最高点ピークに着く。ここは人も少なくて落ち着く頂上で、伊吹山を正面に見て、天気が良ければ御嶽、乗鞍から笠、穂高、槍などの北アルプス南部の山々や白山まで望む、贅沢な眺望が楽しめるピークである。この最高点ピークから広い斜面をいったん少し下るとT字路となり、左へと登れば三角点ピークの霊仙山頂上に出る。ここからも無類の展望が広がっている。 目の前の経塚山から右が柏原道、左に進めば榑ヶ畑道で、春、秋の登山シーズンは多くの登山者が行き交うが、ここでは往路の西南尾根を引き返す。
    霊仙山は他の鈴鹿北部の御池岳、藤原岳などと同様石灰岩地質の山で、ゆったりとのびやかな山稜が広がっている。現在はシカ害で笹はほとんど見られないが、草地の広い山稜には池が点在し、ところどころに石灰岩地特有の白くごつごつとしたカレンフェルトが見られる。その広大な山上には三角点峰、最高点峰、経塚山の三つのピークがあり、のびやかな山稜からの雄大な眺望と、花の多さが魅力の山である。 登山道として榑ヶ畑道、谷山谷道(現在通行禁止)、柏原道、梓河内道、西南尾根の5つのコースがあげられるが、よく歩かれているコースは榑ヶ畑道、柏原道、西南尾根の3コースで、ここではこの山の魅力をもっとも楽しめるコースとして西南尾根をとりあげる。 西南尾根は、廃村となった今畑集落跡から尾根を登るにつれ草地の山稜が広がり、眼下には近江平野と琵琶湖の展望、そして早春にはフクジュソウの花と、日本アルプスを思わせる山稜歩きが楽しめる、鈴鹿の山でもトップクラスにあげられる登山コースといえる。 このコースの取り付き点は芹川源流部の最奥の落合集落で、路線バスは走っていないのでマイカーでの登山となる。落合から芹川の左岸側の斜面にあった今畑集落跡へと登る道がある。今畑は現在お寺と蔵が残されており、春はそこここにフクジュソウが咲き乱れている。この集落跡から西南尾根の基部となる笹峠までは、ブナの大樹もあるよく踏まれた峠道が続いており、五月の連休ころならヤマシャクヤクの花も見られる。 笹峠はひろやかな伐採後の植林地で踏み跡が少しわかりにくい。正面に高くのび上がる西南尾根の急斜面に取り付くと、滑りやすいあやふやな道の急登が続く。しかし登るにつれ、琵琶湖の眺望と幾重にも重なり連なる鈴鹿の山並みがぐんぐんと広がる登りとなり、やがて近江展望台に着く。 ここからは石灰岩特有のごつごつとしたカレンフェルトの突き出す歩きにくい道となるが、ゆるやかな草地と灌木帯の、晴れていれば爽快な尾根が続いていく。春は花の多い楽しい道で、とくにフクジュソウの群落は見応えがある。ただ天気の悪い日は草地だけに風当たりが強く、ゆるやかに広がる尾根なので、注意が必要だ。 南霊岳を過ぎると左に浅くゆるやかな草地の谷をはさんで、霊仙山の頂上が目の前に見えている。この谷間には小さな池が三つ点在しており、声も聞こえてくるほどの距離で、そのまま頂上稜線と並行しながら進んでいくと、霊仙山最高点ピークに着く。ここは人も少なくて落ち着く頂上で、伊吹山を正面に見て、天気が良ければ御嶽、乗鞍から笠、穂高、槍などの北アルプス南部の山々や白山まで望む、贅沢な眺望が楽しめるピークである。この最高点ピークから広い斜面をいったん少し下るとT字路となり、左へと登れば三角点ピークの霊仙山頂上に出る。ここからも無類の展望が広がっている。 目の前の経塚山から右が柏原道、左に進めば榑ヶ畑道で、春、秋の登山シーズンは多くの登山者が行き交うが、ここでは往路の西南尾根を引き返す。
  • 烏帽子岳〜三国岳

    • 5時間35分

    烏帽子岳〜三国岳

    • 5時間35分
    烏帽子岳は炭焼きが盛んだった名残で、多くの踏み跡があったようだが、今はかなり整理された。時山からの鉄塔の巡視路、細野からの道、篠立から狗留孫岳を経由する道の3コースとなっている。三国岳は時山の阿蘇谷道と滋賀県側からの百々女鬼谷道、鞍掛峠からの県境尾根の道などがある。 鉄塔の巡視路は、時山集落の背後から烏帽子岳に向けて伸び上がる、急峻な尾根にある。時山バンガロー村から登り始めるが、要所に中部電力の巡視路の札と道標があり、これに従って桧の植林地の急斜面の道を登って行く。 ジグザグを繰り返す道はふたつ目の鉄塔を過ぎて傾斜が少しゆるくなり、いったん伐採地の明るい尾根に出てから、常緑樹の中に入る。このあたりで道が分かれるが、左の道に入り急な尾根を登って行く。暗い常緑の林は登るにつれて次第に落葉樹が増えて明るくなり、雰囲気も変わってくる。 尾根は緩急があるものの急な登りが多く、シャクナゲが出てくるようになると、稜線も近くなりさらに急登が続く。やがて道は分かれるがどちらも稜線に出る道で、烏帽子岳へは左をとり、少し登ると三国岳と烏帽子岳を結ぶ稜線に出る。 左に進むと何度かアップダウンがあり、途中に小さな岩の出たところからは霊仙などの大きな眺望が開ける。15分ほどで烏帽子岳頂上に着くが、頂上直下で右から狗留孫岳からの尾根道が合流している。烏帽子岳頂上は樹林に囲まれ展望はまったくきかない。東へ5分ほどのところに三角点ピークがあるが、ここもほとんど眺望はない。 三国岳までは直線的なゴツゴツとした細い尾根が続いている。稜線上のコルにある鉄塔まではほぼ下りで、道はしっかりとしているが、鉄塔を過ぎると踏み跡はあやふやとなるが、尾根はわかりやすい。三国岳に近づいたところでヌタ場があり、この先、急な登りとなる。尾根の右端の岩場に沿って細々とした踏み跡をたどると、県境尾根に出る。逆コースの場合は少し分かりにくい下りとなるだろう。 県境尾根に出てから左に5分ほど登ると三国岳の頂上に着く。三国岳は二つの頂上からなり、この少し先に最高点ピークがある。どちらの頂上も展望はそう良くない。 県境尾根を北に進む。急な歩きにくい下りがしばらく続き、下りきったところから815mピークの右斜面の山腹道となり、稜線に戻ったところで、左の滋賀県側からの道が合流している。阿蘇谷のコルはこの先で、コルから右に阿蘇谷へと下る。 浅い谷の流れに沿って下って行くと、広々としたダイラに出る。雑木林に包まれた美しい谷間が開けている。谷は狭い谷と変わり流れに沿って下って行く。しばらく下ると尾根をマド状のコルで乗り越してワサビ田跡を過ぎると、再び右から本流と出合う。谷を渡ったところに炭焼き窯跡があり、もう少し下ったところからしっかりとした広い道となり、時山の集落に出る。阿蘇谷道は近年の大雨で荒れているので注意したい。
    烏帽子岳は炭焼きが盛んだった名残で、多くの踏み跡があったようだが、今はかなり整理された。時山からの鉄塔の巡視路、細野からの道、篠立から狗留孫岳を経由する道の3コースとなっている。三国岳は時山の阿蘇谷道と滋賀県側からの百々女鬼谷道、鞍掛峠からの県境尾根の道などがある。 鉄塔の巡視路は、時山集落の背後から烏帽子岳に向けて伸び上がる、急峻な尾根にある。時山バンガロー村から登り始めるが、要所に中部電力の巡視路の札と道標があり、これに従って桧の植林地の急斜面の道を登って行く。 ジグザグを繰り返す道はふたつ目の鉄塔を過ぎて傾斜が少しゆるくなり、いったん伐採地の明るい尾根に出てから、常緑樹の中に入る。このあたりで道が分かれるが、左の道に入り急な尾根を登って行く。暗い常緑の林は登るにつれて次第に落葉樹が増えて明るくなり、雰囲気も変わってくる。 尾根は緩急があるものの急な登りが多く、シャクナゲが出てくるようになると、稜線も近くなりさらに急登が続く。やがて道は分かれるがどちらも稜線に出る道で、烏帽子岳へは左をとり、少し登ると三国岳と烏帽子岳を結ぶ稜線に出る。 左に進むと何度かアップダウンがあり、途中に小さな岩の出たところからは霊仙などの大きな眺望が開ける。15分ほどで烏帽子岳頂上に着くが、頂上直下で右から狗留孫岳からの尾根道が合流している。烏帽子岳頂上は樹林に囲まれ展望はまったくきかない。東へ5分ほどのところに三角点ピークがあるが、ここもほとんど眺望はない。 三国岳までは直線的なゴツゴツとした細い尾根が続いている。稜線上のコルにある鉄塔まではほぼ下りで、道はしっかりとしているが、鉄塔を過ぎると踏み跡はあやふやとなるが、尾根はわかりやすい。三国岳に近づいたところでヌタ場があり、この先、急な登りとなる。尾根の右端の岩場に沿って細々とした踏み跡をたどると、県境尾根に出る。逆コースの場合は少し分かりにくい下りとなるだろう。 県境尾根に出てから左に5分ほど登ると三国岳の頂上に着く。三国岳は二つの頂上からなり、この少し先に最高点ピークがある。どちらの頂上も展望はそう良くない。 県境尾根を北に進む。急な歩きにくい下りがしばらく続き、下りきったところから815mピークの右斜面の山腹道となり、稜線に戻ったところで、左の滋賀県側からの道が合流している。阿蘇谷のコルはこの先で、コルから右に阿蘇谷へと下る。 浅い谷の流れに沿って下って行くと、広々としたダイラに出る。雑木林に包まれた美しい谷間が開けている。谷は狭い谷と変わり流れに沿って下って行く。しばらく下ると尾根をマド状のコルで乗り越してワサビ田跡を過ぎると、再び右から本流と出合う。谷を渡ったところに炭焼き窯跡があり、もう少し下ったところからしっかりとした広い道となり、時山の集落に出る。阿蘇谷道は近年の大雨で荒れているので注意したい。
  • 御池岳〜鈴北岳

    • 4時間20分

    御池岳〜鈴北岳

    • 4時間20分
    昔は静かで行きにくい山とされていたようだが、現在ではヤブの深かった複雑な頂上台地にも踏み跡ができるほどになっている。最も一般的なコースがコグルミ谷道で、春はカタクリを求めて登る人も多く、国道306号のコグルミ谷出合を基点として、御池岳の丸山から鈴北岳、鞍掛峠のコースは、車での登山では手軽に楽しめる周回コースである。また、静かなコースとしては滋賀県側の御池川からのT字尾根コースがおすすめだ。 ここで案内コースとして設定したコグルミ谷道は、マイカーを前提とした登山コースとしており、国道306号には鞍掛トンネル東口に駐車できるスペースがある。 コグルミ谷は出合あたりを除いて水はほぼ伏流している。最初は右岸側が杉の植林帯、左岸側が自然林で、15分ほど歩いたタテ谷道(廃道)分岐あたりから、すっぽりと自然林の中に包まれる。真っ直ぐに高く伸びたサワグルミが中心で、四季の色彩の変化の楽しい道だ。 コグルミ谷では近年大雨の土石流により、下流部がかなり荒れてしまった。国道から登り始める道も左岸から右岸に付け替わっている。カレンフェルトがごつごつ突き出す滑りやすい道も、さらに歩きにくくなったようだが、次第に落ち着きを取り戻している。長命水の水場まで登ると谷は浅く広がり、サワグルミやトチなどの自然林が多く気持ちのよい斜面が開けてくる。長命水からは谷通しに道は続いていたが、長命水の背後から登るように道は付け替えられている。斜面を登って行くと以前の道と合流し、やがて県境尾根の峠状となった天ヶ平に出る。 はっきりとした尾根道となり、しばらく登ると尾根の鼻を越えて、浅く広がる真ノ谷と出合う。右に真ノ谷を少し登ったところに、左に丸山への道が分かれており、いよいよ最後の登りとなる。長く広がる頂上台地への登りで、春は遅くまで雪が残る滑りやすい急な登りが続いている。登るにつれてごつごつと曲がりくねったオオイタヤメイゲツの覆う樹林帯となり、丸山とボタンブチとの分岐に飛び出す。ボタンブチは台地の西側の急崖となった岩場で、素晴らしい展望が眺められるので、ぜひ立ち寄ってみたい。 分岐を右に進めばすぐに御池岳の最高峰の丸山の頂上に着く。樹林の中で眺望はほとんどきかなかったが、近年は大きく伐り開かれた。昼にするなら天気さえ良ければボタンブチの方がいいだろう。 鈴北岳へはいったん真ノ谷に下るのだが、もと来た道を下ってもいいし、頂上から尾根を通って真ノ谷へと下る道がある。尾根通しに真ノ谷へと下ると広い原に出る。以前はササに覆われた迷いやすい場所だったのだが、火事によってすっかり見通しのきく原となった。台地の北西端のゆるやかな鈴北岳への斜面からは、樹林に包まれた丸山とササのなくなった広大な台地の大きな風景が広がっている。鈴北岳頂上から北へ広く刈り払われた県境尾根を下ると鞍掛峠で、右へと下ると三重県側のトンネル東口に着く。
    昔は静かで行きにくい山とされていたようだが、現在ではヤブの深かった複雑な頂上台地にも踏み跡ができるほどになっている。最も一般的なコースがコグルミ谷道で、春はカタクリを求めて登る人も多く、国道306号のコグルミ谷出合を基点として、御池岳の丸山から鈴北岳、鞍掛峠のコースは、車での登山では手軽に楽しめる周回コースである。また、静かなコースとしては滋賀県側の御池川からのT字尾根コースがおすすめだ。 ここで案内コースとして設定したコグルミ谷道は、マイカーを前提とした登山コースとしており、国道306号には鞍掛トンネル東口に駐車できるスペースがある。 コグルミ谷は出合あたりを除いて水はほぼ伏流している。最初は右岸側が杉の植林帯、左岸側が自然林で、15分ほど歩いたタテ谷道(廃道)分岐あたりから、すっぽりと自然林の中に包まれる。真っ直ぐに高く伸びたサワグルミが中心で、四季の色彩の変化の楽しい道だ。 コグルミ谷では近年大雨の土石流により、下流部がかなり荒れてしまった。国道から登り始める道も左岸から右岸に付け替わっている。カレンフェルトがごつごつ突き出す滑りやすい道も、さらに歩きにくくなったようだが、次第に落ち着きを取り戻している。長命水の水場まで登ると谷は浅く広がり、サワグルミやトチなどの自然林が多く気持ちのよい斜面が開けてくる。長命水からは谷通しに道は続いていたが、長命水の背後から登るように道は付け替えられている。斜面を登って行くと以前の道と合流し、やがて県境尾根の峠状となった天ヶ平に出る。 はっきりとした尾根道となり、しばらく登ると尾根の鼻を越えて、浅く広がる真ノ谷と出合う。右に真ノ谷を少し登ったところに、左に丸山への道が分かれており、いよいよ最後の登りとなる。長く広がる頂上台地への登りで、春は遅くまで雪が残る滑りやすい急な登りが続いている。登るにつれてごつごつと曲がりくねったオオイタヤメイゲツの覆う樹林帯となり、丸山とボタンブチとの分岐に飛び出す。ボタンブチは台地の西側の急崖となった岩場で、素晴らしい展望が眺められるので、ぜひ立ち寄ってみたい。 分岐を右に進めばすぐに御池岳の最高峰の丸山の頂上に着く。樹林の中で眺望はほとんどきかなかったが、近年は大きく伐り開かれた。昼にするなら天気さえ良ければボタンブチの方がいいだろう。 鈴北岳へはいったん真ノ谷に下るのだが、もと来た道を下ってもいいし、頂上から尾根を通って真ノ谷へと下る道がある。尾根通しに真ノ谷へと下ると広い原に出る。以前はササに覆われた迷いやすい場所だったのだが、火事によってすっかり見通しのきく原となった。台地の北西端のゆるやかな鈴北岳への斜面からは、樹林に包まれた丸山とササのなくなった広大な台地の大きな風景が広がっている。鈴北岳頂上から北へ広く刈り払われた県境尾根を下ると鞍掛峠で、右へと下ると三重県側のトンネル東口に着く。
  • 聖宝寺道〜藤原岳〜大貝戸道

    • 5時間35分

    聖宝寺道〜藤原岳〜大貝戸道

    • 5時間35分
    藤原岳は南北にいくつかのピークを連ねた山々の総称で、一番南の展望丘ピークが頂上とされている。いくつかある一般的な登山道の中で、花の豊富な聖宝寺道を登りのコースとし、道がよく歩きやすい大貝戸道を下山路にしているが、歩きやすい大貝戸道の往復コースをすすめたい。他のコースには木和田尾、孫太尾根、滋賀県側の茶屋川からの治田峠道や西尾根などがある。ここに紹介する大貝戸道が最もよく登られているコースであるが、近年、花のコースとして孫太尾根道もよく登られている。 西藤原駅から集落の中を進み、鳴谷神社から登って聖宝寺に出る。右から寺の裏手の林道に出て谷と出合ったところから、聖宝寺登山道が始まる。取り付きの斜面は急で、常緑の林の中のジグザグ登りが続く。二合目と三合目の間で谷を渡るところがあるが、道が流されてわかりにくくなっているので注意したい。ここからもしばらく暗い杉林の中を切り返す道で、このあたりは暖かい時期にはヒルが多い。 五合目の標識を過ぎると雑木林の中に入り、雰囲気はがらりと明るくなる。はっきりとした尾根道となり六合目まで登ると、可憐な花々が顔をのぞかせ始める。ひと息入れるには丁度いい場所だ。厳しかった傾斜も和らぎ、花を楽しみながらの登りとなるが、近年シカの食害によって見られる花もすっかり減ってしまった。右側の浅い溝状の谷に近づき、やがてごろごろと石の転がる浅い谷に道は続き、早春には周りの雑木林に光りがあふれる。 やがて左の植林地の斜面を登るようになり、左からきた大貝戸道と合流する。ここが八合目でまだ頂上までは結構長い登りが続くが、春はここからがフクジュソウなど多くの花が見られる楽しいところだ。雑木林の急な道は頂上台地に近づくと背の低い灌木帯となり、藤原山荘に出る。左の展望丘頂上を往復しよう。 広大な斜面が広がる稜線をいったん下って登り返すと、頂上に着く。ここはカレンフェルトの突き出た狭いピークだが、360度の大展望が開け、登りの苦しさも忘れさせてくれる。 藤原山荘に戻り往路を八合目まで下るが、時間があれば天狗岩ピークまで往復してみよう。アップダウンがあるが、晴れていれば広やかな稜線は気持ちがいいところだ。また、天狗岩ピークからの切れ込んだ茶屋川斜面の眺望は圧巻で、とくに秋の紅葉が素晴らしい。ただ、稜線は大きな樹林がないだけに吹きっさらしで広い尾根なので、悪天候の時は注意したい。 八合目から右の大貝戸道に入る。この道は聖宝寺道より歩きやすい道で、六合目まで杉林の植林帯の中を大きくジグザグを繰り返しながら下って行く。六合目あたりからは広葉樹林となりしっかりとした広い道が続くが、四合目から下は歩きにくい急な下りとなる。 神武神社へ下ったところに駐車場とトイレのある休憩所がある。ここから民家の間を抜けると西藤原駅に戻る。
    藤原岳は南北にいくつかのピークを連ねた山々の総称で、一番南の展望丘ピークが頂上とされている。いくつかある一般的な登山道の中で、花の豊富な聖宝寺道を登りのコースとし、道がよく歩きやすい大貝戸道を下山路にしているが、歩きやすい大貝戸道の往復コースをすすめたい。他のコースには木和田尾、孫太尾根、滋賀県側の茶屋川からの治田峠道や西尾根などがある。ここに紹介する大貝戸道が最もよく登られているコースであるが、近年、花のコースとして孫太尾根道もよく登られている。 西藤原駅から集落の中を進み、鳴谷神社から登って聖宝寺に出る。右から寺の裏手の林道に出て谷と出合ったところから、聖宝寺登山道が始まる。取り付きの斜面は急で、常緑の林の中のジグザグ登りが続く。二合目と三合目の間で谷を渡るところがあるが、道が流されてわかりにくくなっているので注意したい。ここからもしばらく暗い杉林の中を切り返す道で、このあたりは暖かい時期にはヒルが多い。 五合目の標識を過ぎると雑木林の中に入り、雰囲気はがらりと明るくなる。はっきりとした尾根道となり六合目まで登ると、可憐な花々が顔をのぞかせ始める。ひと息入れるには丁度いい場所だ。厳しかった傾斜も和らぎ、花を楽しみながらの登りとなるが、近年シカの食害によって見られる花もすっかり減ってしまった。右側の浅い溝状の谷に近づき、やがてごろごろと石の転がる浅い谷に道は続き、早春には周りの雑木林に光りがあふれる。 やがて左の植林地の斜面を登るようになり、左からきた大貝戸道と合流する。ここが八合目でまだ頂上までは結構長い登りが続くが、春はここからがフクジュソウなど多くの花が見られる楽しいところだ。雑木林の急な道は頂上台地に近づくと背の低い灌木帯となり、藤原山荘に出る。左の展望丘頂上を往復しよう。 広大な斜面が広がる稜線をいったん下って登り返すと、頂上に着く。ここはカレンフェルトの突き出た狭いピークだが、360度の大展望が開け、登りの苦しさも忘れさせてくれる。 藤原山荘に戻り往路を八合目まで下るが、時間があれば天狗岩ピークまで往復してみよう。アップダウンがあるが、晴れていれば広やかな稜線は気持ちがいいところだ。また、天狗岩ピークからの切れ込んだ茶屋川斜面の眺望は圧巻で、とくに秋の紅葉が素晴らしい。ただ、稜線は大きな樹林がないだけに吹きっさらしで広い尾根なので、悪天候の時は注意したい。 八合目から右の大貝戸道に入る。この道は聖宝寺道より歩きやすい道で、六合目まで杉林の植林帯の中を大きくジグザグを繰り返しながら下って行く。六合目あたりからは広葉樹林となりしっかりとした広い道が続くが、四合目から下は歩きにくい急な下りとなる。 神武神社へ下ったところに駐車場とトイレのある休憩所がある。ここから民家の間を抜けると西藤原駅に戻る。
  • 遠足尾根〜竜ヶ岳〜宇賀渓本谷道

    • 5時間35分

    遠足尾根〜竜ヶ岳〜宇賀渓本谷道

    • 5時間35分
    竜ヶ岳の魅力は延びやかなササ尾根からの大きな展望が挙げられるが、宇賀渓の渓谷美も見どころのひとつであろう。コースとして取り上げるのは、長大な尾根をゆったりと延ばした遠足尾根と、宇賀渓本谷へと下る中道登山道で、眺望が開けた雄大な尾根道と滝や淵が連なる谷道という、変化に富んだボリューム感いっぱいの楽しいコースである。また宇賀渓からは他にも表登山道、金山尾根道があり、組み合わせを変えることもできる。また、古くからメインコースとなっていた裏道登山道(ホタガ谷道)は、出水のため道が荒れてしまい、通行禁止となっている。誤って立ち入らないようにしてほしい。 店が何軒か並ぶ中を抜けて橋を渡ると林道となり、左の河原がキャンプ場となっている。約20分で遠足尾根へと取り付く登山口に着く。登山道は杉の植林地の急な斜面をジグザグに登って行き、やがて明るい落葉広葉樹林の中となって遠足尾根に出る。 遠足尾根には掘れこんだ昔の道が残っている。しばらく登ると周囲はササや低灌木となって眺望が開け、金山尾根からのび上がる竜ヶ岳が見えてくる。反対側には鉱山で削られた藤原岳の大きな姿が見えている。広々としたササ尾根の遠足尾根は、開放感にあふれて気持ちがいい道だ。 ゆったりとしたアップダウンを過ぎて裏道登山道、金山尾根道が続けて左から合流して1042mピークを越えると、県境稜線へと出る。右を行けば樹林の道が続く鈴鹿山脈の縦走路で、静ヶ岳、銚子岳からさらに藤原岳へと至る。左の道はササ原の中を竜ヶ岳の丸みを帯びた巨体へとのび上がっている。ここから見る端正な姿の竜ヶ岳は、ビロードのようなササの緑に包まれ、春はシロヤシオが点在する。 真っすぐに延びた道の頂点が竜ヶ岳頂上で、山頂は360度遮るものもなく、西側の伊勢の平野の先には海が光る、雄大な展望が広がっている。 下山は石榑峠からの表道と竜ヶ岳頂上からヨコ谷へと下る中道がある。石榑峠から竜ヶ岳まで往復する人は多いが、峠から下の三重県側から登る表道は歩く人も少なく荒れているので注意したい。 中道を下るとササ原の斜面から樹林の尾根道となる。春にはシロヤシオが多い道だ。やがて右に谷へと下る急な道となるが、この手前で左に不明瞭な蛇谷へ入る道が分かれるので、間違って入らないように注意したい。ぐんぐん下って行くと谷に下り宇賀渓本谷に着く。右に美しい滝を落とす長尾滝がある。時間があれば見ておきたい。 宇賀渓本谷はツバメ滝などがかかる美しい流れが続いているが、道は流れから離れて山腹にある。蛇谷の雄壮な五階滝を横切り魚止滝の下で鉄製の橋を二度渡ると、ホタガ出合に出て、林道を歩いてノルディスクヒュゲサークルズウガケイのある場所に戻る。
    竜ヶ岳の魅力は延びやかなササ尾根からの大きな展望が挙げられるが、宇賀渓の渓谷美も見どころのひとつであろう。コースとして取り上げるのは、長大な尾根をゆったりと延ばした遠足尾根と、宇賀渓本谷へと下る中道登山道で、眺望が開けた雄大な尾根道と滝や淵が連なる谷道という、変化に富んだボリューム感いっぱいの楽しいコースである。また宇賀渓からは他にも表登山道、金山尾根道があり、組み合わせを変えることもできる。また、古くからメインコースとなっていた裏道登山道(ホタガ谷道)は、出水のため道が荒れてしまい、通行禁止となっている。誤って立ち入らないようにしてほしい。 店が何軒か並ぶ中を抜けて橋を渡ると林道となり、左の河原がキャンプ場となっている。約20分で遠足尾根へと取り付く登山口に着く。登山道は杉の植林地の急な斜面をジグザグに登って行き、やがて明るい落葉広葉樹林の中となって遠足尾根に出る。 遠足尾根には掘れこんだ昔の道が残っている。しばらく登ると周囲はササや低灌木となって眺望が開け、金山尾根からのび上がる竜ヶ岳が見えてくる。反対側には鉱山で削られた藤原岳の大きな姿が見えている。広々としたササ尾根の遠足尾根は、開放感にあふれて気持ちがいい道だ。 ゆったりとしたアップダウンを過ぎて裏道登山道、金山尾根道が続けて左から合流して1042mピークを越えると、県境稜線へと出る。右を行けば樹林の道が続く鈴鹿山脈の縦走路で、静ヶ岳、銚子岳からさらに藤原岳へと至る。左の道はササ原の中を竜ヶ岳の丸みを帯びた巨体へとのび上がっている。ここから見る端正な姿の竜ヶ岳は、ビロードのようなササの緑に包まれ、春はシロヤシオが点在する。 真っすぐに延びた道の頂点が竜ヶ岳頂上で、山頂は360度遮るものもなく、西側の伊勢の平野の先には海が光る、雄大な展望が広がっている。 下山は石榑峠からの表道と竜ヶ岳頂上からヨコ谷へと下る中道がある。石榑峠から竜ヶ岳まで往復する人は多いが、峠から下の三重県側から登る表道は歩く人も少なく荒れているので注意したい。 中道を下るとササ原の斜面から樹林の尾根道となる。春にはシロヤシオが多い道だ。やがて右に谷へと下る急な道となるが、この手前で左に不明瞭な蛇谷へ入る道が分かれるので、間違って入らないように注意したい。ぐんぐん下って行くと谷に下り宇賀渓本谷に着く。右に美しい滝を落とす長尾滝がある。時間があれば見ておきたい。 宇賀渓本谷はツバメ滝などがかかる美しい流れが続いているが、道は流れから離れて山腹にある。蛇谷の雄壮な五階滝を横切り魚止滝の下で鉄製の橋を二度渡ると、ホタガ出合に出て、林道を歩いてノルディスクヒュゲサークルズウガケイのある場所に戻る。
  • 藤川谷道〜日本コバ〜政所道

    • 4時間5分

    藤川谷道〜日本コバ〜政所道

    • 4時間5分
    日本コバにはこの2コース以外にも踏み跡程度の道があるが、比較的しっかりとした道はこの2コースしかない。よく歩かれているのは藤川谷道だが、登山者が比較的多い割には道はそんなによくないので、踏み跡をよく確認して歩いてほしい。下山コースの政所道も藤川谷道と分岐する付近や、政所へと延びる尾根へと分かれるあたりが少しわかりにくい。登山者も少なく静かなコースとなっている。車の場合は道の駅「奥永源寺渓流の里」の向かい側に駐車場がある。 国道421号から御池川の君ヶ畑への道に入ると、藤川谷に架かる橋の少し手前に日本コバの小さな道標があり、藤川谷登山道が始まっている。植林帯の中を進む道で、春日社の社を過ぎ流れを渡る。左岸の道に変わると伐採地の明るい斜面となり、支流を横切ったところでまた植林の中に入って、左谷の山腹道が続く。 ここまでところどころで道が崩れてあまりしっかりとした道ではないが、そんなに危険を感じるところはない。道は谷沿いに続いているのだが、ほとんど流れから少し離れたところにあり、岩屋までの間では本流を渡るのは3回だけだ。 3回目に流れを渡ったところで谷は狭くなり、傾斜を強めて行く。道は斜面を登ると左谷の山腹道となり、右から白い石灰岩の露岩と出合ったところで、その岩混じりの急な斜面を登って行く。少し登ったところの左に、岩の前が開けて台地状となっている。ここが奇人の窟と呼ばれる洞窟のような岩屋で、入口は狭いが中は8畳ほどの空間が開けている。切り立った途中にあるこの岩屋の前からは、県境の山々の眺望が開けている。 露岩はこの上で終わり、樹林の中を登ると政所道との分岐に出合う。もう愛知川と犬上川を分ける稜線のすぐ下で、日本コバへの道はこの稜線には上がらず、左に山腹をトラバースしながらまた、藤川谷へ下りて行く。谷はもう源流状の細い流れで、道は湿地の広がる雑木林の中を横断している。方々から流れが集まりゆるやかに広がる源流は雑木林が美しく、日本コバの頂上までこんな樹林帯の登りが続いていく。 頂上は大きな松が数本立ち、今登ってきた奥深い源流がうそのような、里山のような風情をしている。刈り開かれ南北に眺望が開けているが、愛知川の流れが光り、緑の河辺林の続く平野の大きな眺めに眼を奪われる。 往路を政所道分岐まで戻り、政所道に入る。山腹の道をたどるとすぐ尾根上に出るのだが、このあたりがわかりにくい。尾根に出れば道があり、この稜線を政所へと延びる尾根の分岐のピークまで進み、右に下る。ここには深く掘り込まれた道が続いており、やがて左山の山腹道を行くようになる。今はあまり歩かれてはいないが、かなり昔から使われていた道のようだ。大部分は植林地だが自然林も多く、大きな樅の木が残る気持ちのいい道だ。 道を忠実にたどると最後は右に急な斜面を下るようになる。植林地を大きなジグザグを切ると集落のすぐ上で、廃屋となった家の間を抜けると政所に出る。
    日本コバにはこの2コース以外にも踏み跡程度の道があるが、比較的しっかりとした道はこの2コースしかない。よく歩かれているのは藤川谷道だが、登山者が比較的多い割には道はそんなによくないので、踏み跡をよく確認して歩いてほしい。下山コースの政所道も藤川谷道と分岐する付近や、政所へと延びる尾根へと分かれるあたりが少しわかりにくい。登山者も少なく静かなコースとなっている。車の場合は道の駅「奥永源寺渓流の里」の向かい側に駐車場がある。 国道421号から御池川の君ヶ畑への道に入ると、藤川谷に架かる橋の少し手前に日本コバの小さな道標があり、藤川谷登山道が始まっている。植林帯の中を進む道で、春日社の社を過ぎ流れを渡る。左岸の道に変わると伐採地の明るい斜面となり、支流を横切ったところでまた植林の中に入って、左谷の山腹道が続く。 ここまでところどころで道が崩れてあまりしっかりとした道ではないが、そんなに危険を感じるところはない。道は谷沿いに続いているのだが、ほとんど流れから少し離れたところにあり、岩屋までの間では本流を渡るのは3回だけだ。 3回目に流れを渡ったところで谷は狭くなり、傾斜を強めて行く。道は斜面を登ると左谷の山腹道となり、右から白い石灰岩の露岩と出合ったところで、その岩混じりの急な斜面を登って行く。少し登ったところの左に、岩の前が開けて台地状となっている。ここが奇人の窟と呼ばれる洞窟のような岩屋で、入口は狭いが中は8畳ほどの空間が開けている。切り立った途中にあるこの岩屋の前からは、県境の山々の眺望が開けている。 露岩はこの上で終わり、樹林の中を登ると政所道との分岐に出合う。もう愛知川と犬上川を分ける稜線のすぐ下で、日本コバへの道はこの稜線には上がらず、左に山腹をトラバースしながらまた、藤川谷へ下りて行く。谷はもう源流状の細い流れで、道は湿地の広がる雑木林の中を横断している。方々から流れが集まりゆるやかに広がる源流は雑木林が美しく、日本コバの頂上までこんな樹林帯の登りが続いていく。 頂上は大きな松が数本立ち、今登ってきた奥深い源流がうそのような、里山のような風情をしている。刈り開かれ南北に眺望が開けているが、愛知川の流れが光り、緑の河辺林の続く平野の大きな眺めに眼を奪われる。 往路を政所道分岐まで戻り、政所道に入る。山腹の道をたどるとすぐ尾根上に出るのだが、このあたりがわかりにくい。尾根に出れば道があり、この稜線を政所へと延びる尾根の分岐のピークまで進み、右に下る。ここには深く掘り込まれた道が続いており、やがて左山の山腹道を行くようになる。今はあまり歩かれてはいないが、かなり昔から使われていた道のようだ。大部分は植林地だが自然林も多く、大きな樅の木が残る気持ちのいい道だ。 道を忠実にたどると最後は右に急な斜面を下るようになる。植林地を大きなジグザグを切ると集落のすぐ上で、廃屋となった家の間を抜けると政所に出る。
  • 八風峠道〜三池岳〜東尾根

    • 3時間50分

    八風峠道〜三池岳〜東尾根

    • 3時間50分
    古くより歩き続けられてきた八風峠道は、幾多の人々の足跡とそれを包み込んできた自然とが、見事にとけあった美しい道だ。心地よい風の吹き渡る八風峠、眺望広がる三池岳、静かにたたずむ御池、そこには目をひく風景はないが、落ち着いた山歩きを楽しめる。田光のバス停から往復すると、2時間以上のアプローチとなるので、できればマイカーでの登山が望ましい。 八風キャンプ場からもう少し林道を登ったところに数 台の駐車スペースがある。林道は滝ヶ谷出合で終わり、堰堤の上で流れを右岸に渡ってから谷沿いに登山道を登っていくが、豪雨によって道が荒れ一部迂回路が造られている。登るにつれ石畳が敷かれた旧街道の面影がしのばれる道となる。 谷沿いの道からやがて流れを渡ったところで尾根に取り付く。斜面を斜めに登るようになり、常緑樹林の中をジグザグに登って行く。しばらくで左に中峠への道が分かれるが、中峠への道はあまりよくない。 あたりが落葉樹に変わってくると、三体の石仏と出合う。登るにつれ道は深く踏み込まれ、昔の峠道の風情の残る、風格ある道だ。若葉の頃はライムグリーンに染まる明るい林が続き、ジグザグを切って高度を上げて行く。このあたりは道も歩きやすくて見通しがきき、峠道の美しさが際だっている。 少しなだらかな尾根上を歩くようになると稜線も近くなり、アカヤシオが点在する木々の背も低くなって左にガレが見えてくる。明るいガレが広がるコルに登り着くと鳥居が立っている。八風峠は風の吹き抜ける明るい気持ちのいい峠だ。滋賀県側へと越える峠道は県境尾根を少し北へ進んだところから下っているが、道はあまりよくない。 峠から北へ10分あまり歩くと三池岳がある。実際の三角点ピークはこの頂上から三重県側に少し入ったところにあるが、三角点峰よりこのピークのほうが頂上らしく、眺望も優れている。とくに西側が開け、神崎川に向けてゆったりと傾いた緑の斜面が大きく広がり、鈴鹿主脈の地形の対照が実感できる。 下山コースは東尾根を下る。三角点ピークを過ぎ雑木林を下って行くと左にガレがあって左斜面が開け、再び林の中に入ると御池に出合う。池が3つあるのではなく、御池という池への敬称であり、山名の三池は当て字だ。ほんの小さな静かな池で、初夏に訪れるとモリアオガエルの泡のような卵塊が樹林にいくつもぶら下がっている。 御池から少し下ると道標があり、直進する八風牧場跡のある東海自然歩道への道と、右に三池林道への道と分かれるが、右の三池林道への道を下る。八風牧場跡への道からは八風キャンプ場下流の切畑集落に出られるが、道はあまりよくない。 分岐からぐんぐんと下る道となり、最後は植林の中に入って、三池林道の堰堤の下に下り立つ。林道を下っていくと往路の林道と出合う。バスでの登山の場合は、田光バス停までさらに車道を1時間ほど歩かなければならない。
    古くより歩き続けられてきた八風峠道は、幾多の人々の足跡とそれを包み込んできた自然とが、見事にとけあった美しい道だ。心地よい風の吹き渡る八風峠、眺望広がる三池岳、静かにたたずむ御池、そこには目をひく風景はないが、落ち着いた山歩きを楽しめる。田光のバス停から往復すると、2時間以上のアプローチとなるので、できればマイカーでの登山が望ましい。 八風キャンプ場からもう少し林道を登ったところに数 台の駐車スペースがある。林道は滝ヶ谷出合で終わり、堰堤の上で流れを右岸に渡ってから谷沿いに登山道を登っていくが、豪雨によって道が荒れ一部迂回路が造られている。登るにつれ石畳が敷かれた旧街道の面影がしのばれる道となる。 谷沿いの道からやがて流れを渡ったところで尾根に取り付く。斜面を斜めに登るようになり、常緑樹林の中をジグザグに登って行く。しばらくで左に中峠への道が分かれるが、中峠への道はあまりよくない。 あたりが落葉樹に変わってくると、三体の石仏と出合う。登るにつれ道は深く踏み込まれ、昔の峠道の風情の残る、風格ある道だ。若葉の頃はライムグリーンに染まる明るい林が続き、ジグザグを切って高度を上げて行く。このあたりは道も歩きやすくて見通しがきき、峠道の美しさが際だっている。 少しなだらかな尾根上を歩くようになると稜線も近くなり、アカヤシオが点在する木々の背も低くなって左にガレが見えてくる。明るいガレが広がるコルに登り着くと鳥居が立っている。八風峠は風の吹き抜ける明るい気持ちのいい峠だ。滋賀県側へと越える峠道は県境尾根を少し北へ進んだところから下っているが、道はあまりよくない。 峠から北へ10分あまり歩くと三池岳がある。実際の三角点ピークはこの頂上から三重県側に少し入ったところにあるが、三角点峰よりこのピークのほうが頂上らしく、眺望も優れている。とくに西側が開け、神崎川に向けてゆったりと傾いた緑の斜面が大きく広がり、鈴鹿主脈の地形の対照が実感できる。 下山コースは東尾根を下る。三角点ピークを過ぎ雑木林を下って行くと左にガレがあって左斜面が開け、再び林の中に入ると御池に出合う。池が3つあるのではなく、御池という池への敬称であり、山名の三池は当て字だ。ほんの小さな静かな池で、初夏に訪れるとモリアオガエルの泡のような卵塊が樹林にいくつもぶら下がっている。 御池から少し下ると道標があり、直進する八風牧場跡のある東海自然歩道への道と、右に三池林道への道と分かれるが、右の三池林道への道を下る。八風牧場跡への道からは八風キャンプ場下流の切畑集落に出られるが、道はあまりよくない。 分岐からぐんぐんと下る道となり、最後は植林の中に入って、三池林道の堰堤の下に下り立つ。林道を下っていくと往路の林道と出合う。バスでの登山の場合は、田光バス停までさらに車道を1時間ほど歩かなければならない。
  • 庵座谷中尾根〜釈迦ヶ岳〜ハト峰峠

    • 5時間0分

    庵座谷中尾根〜釈迦ヶ岳〜ハト峰峠

    • 5時間0分
    朝明渓谷はキャンパーやハイカーで賑わい、鈴鹿有数の登山基地となっている。釈迦ヶ岳へ登る庵座谷道、松尾尾根道を始めとして、美しい渓谷美を見せる愛知川源流へと越えるいくつもの峠道、そして国見岳、御在所岳へのコースと、放射状に峠道や登山道が広がっている。 その朝明から釈迦ヶ岳へのメインコースとなっていたのが庵座谷道だが、過去の集中豪雨で道が荒れて歩きにくくなったため、現在はその庵座谷左岸の中尾根に道が拓かれている。 庵座谷へは朝明渓谷有料駐車場からテント村へ入るか、少し下流の朝明テント村入口から車道を登るふたつの道がある。テント村入口に右に尾根へと取り付く中尾根登山口があり、新しい道標も立てられている。 最初は暗い常緑樹林の中にジグザグを繰り返す。急斜面にしっかりと刻まれた登りやすい道で、やがて尾根上に登り着く。左へと登る尾根道は雑木林に包まれ、展望もほとんどきかない緑の中の坦々とした登りが続く。庵座谷道のような変化はないが登りやすい道だ。 鳴滝コバに登り着くと片側の木が伐り開かれて、国見岳や御在所岳の山々が眺められるようになる。そして鳴滝の名前の通り、ここに出て初めて庵座谷の流れの音が響いてくる。ひと息入れるのにはいいところだ。 尾根は右へと振りしばらく進むと木を組んだ階段状の急な登りとなる。889.1mのピークに出て少し下りとなったところで、左に庵座谷道へと下りる道が分かれている。再び急登となり前方に岩場が見えると、道は左の山腹を巻きながら進むようになる。左に大蔭のガレが覗くようになり県境の山々が開ける。 ここから樹林の中の急な斜面をひたすら登る辛い道となる。この急登を登りきったところが釈迦白毫と呼ばれるところで、松尾尾根と合流する主尾根である。左へと登ると左側が切れ落ちる大蔭のガレ場で、やがて庵座谷道との合流点となる釈迦ヶ岳最高点の松尾尾根の頭に出る。さらに尾根を進むと県境稜線に出て県境尾根道と合流する。右に数分で釈迦ヶ岳の頂上だ。 頂上は三重県側が開けているが、滋賀県側は樹林にふさがれている。頂上の高度感もあまりなく狭く窮屈な感じがするので、ゆっくりと休憩するのなら松尾尾根の頭のほうがいいだろう。下山コースは松尾尾根コースがあるが、単調な尾根なので、ここでは距離は少し長くなるが県境尾根の道を南に歩いて、ハト峰峠から下るコースをとる。 県境尾根はゆったりとした下りが続く。すぐ前には猫岳の三角のピークがあり、国見、御在所などの県境尾根のピークが連なりがかすんでいる。背後にはさっき登った釈迦の緑の斜面と大蔭のガレの斜面が見え、ダイナミックなスケールの大きい風景が開けている。 猫岳に登るとまたササの道の長い下りとなり、ところどころで左の三重県側が大きく切れ込んで開けるが、右の滋賀県側は美しい雑木林が続いている。ハト峰峠の明るく開けたガレ場に着くと、左の朝明への道を下る。峠の少し手前にも朝明に下る林道の道があり、どちらを下ってもいいが、林道の方が歩きやすい。
    朝明渓谷はキャンパーやハイカーで賑わい、鈴鹿有数の登山基地となっている。釈迦ヶ岳へ登る庵座谷道、松尾尾根道を始めとして、美しい渓谷美を見せる愛知川源流へと越えるいくつもの峠道、そして国見岳、御在所岳へのコースと、放射状に峠道や登山道が広がっている。 その朝明から釈迦ヶ岳へのメインコースとなっていたのが庵座谷道だが、過去の集中豪雨で道が荒れて歩きにくくなったため、現在はその庵座谷左岸の中尾根に道が拓かれている。 庵座谷へは朝明渓谷有料駐車場からテント村へ入るか、少し下流の朝明テント村入口から車道を登るふたつの道がある。テント村入口に右に尾根へと取り付く中尾根登山口があり、新しい道標も立てられている。 最初は暗い常緑樹林の中にジグザグを繰り返す。急斜面にしっかりと刻まれた登りやすい道で、やがて尾根上に登り着く。左へと登る尾根道は雑木林に包まれ、展望もほとんどきかない緑の中の坦々とした登りが続く。庵座谷道のような変化はないが登りやすい道だ。 鳴滝コバに登り着くと片側の木が伐り開かれて、国見岳や御在所岳の山々が眺められるようになる。そして鳴滝の名前の通り、ここに出て初めて庵座谷の流れの音が響いてくる。ひと息入れるのにはいいところだ。 尾根は右へと振りしばらく進むと木を組んだ階段状の急な登りとなる。889.1mのピークに出て少し下りとなったところで、左に庵座谷道へと下りる道が分かれている。再び急登となり前方に岩場が見えると、道は左の山腹を巻きながら進むようになる。左に大蔭のガレが覗くようになり県境の山々が開ける。 ここから樹林の中の急な斜面をひたすら登る辛い道となる。この急登を登りきったところが釈迦白毫と呼ばれるところで、松尾尾根と合流する主尾根である。左へと登ると左側が切れ落ちる大蔭のガレ場で、やがて庵座谷道との合流点となる釈迦ヶ岳最高点の松尾尾根の頭に出る。さらに尾根を進むと県境稜線に出て県境尾根道と合流する。右に数分で釈迦ヶ岳の頂上だ。 頂上は三重県側が開けているが、滋賀県側は樹林にふさがれている。頂上の高度感もあまりなく狭く窮屈な感じがするので、ゆっくりと休憩するのなら松尾尾根の頭のほうがいいだろう。下山コースは松尾尾根コースがあるが、単調な尾根なので、ここでは距離は少し長くなるが県境尾根の道を南に歩いて、ハト峰峠から下るコースをとる。 県境尾根はゆったりとした下りが続く。すぐ前には猫岳の三角のピークがあり、国見、御在所などの県境尾根のピークが連なりがかすんでいる。背後にはさっき登った釈迦の緑の斜面と大蔭のガレの斜面が見え、ダイナミックなスケールの大きい風景が開けている。 猫岳に登るとまたササの道の長い下りとなり、ところどころで左の三重県側が大きく切れ込んで開けるが、右の滋賀県側は美しい雑木林が続いている。ハト峰峠の明るく開けたガレ場に着くと、左の朝明への道を下る。峠の少し手前にも朝明に下る林道の道があり、どちらを下ってもいいが、林道の方が歩きやすい。
  • 国見尾根〜国見岳〜裏道

    • 5時間0分

    国見尾根〜国見岳〜裏道

    • 5時間0分
    国見岳へは湯の山温泉か朝明渓谷が起点となるが、ここでは藤内小屋をベースにして、変化に富んだ岩尾根の国見尾根を登り、御在所山、国見岳へのポピュラーなコースである裏道を下る。 藤内小屋から尾根道と岳不動道があり、岳不動道が国見尾根上に登り着いたところで合流している。この国見尾根はゆるぎ岩や天狗岩など変化にとんだ景観と、その岩場から眺める展望が素晴らしく、鈴鹿の魅力を最もよく伝えるコースといえるだろう。下山路となる裏道は険しい道の多い御在所周辺の中では、危険なところのない平易な道で、一番親しまれているコースとなっている。川鹿橋からロープウエイ湯の山温泉駅の下で三滝川北谷へと下る。蒼滝茶屋からスカイラインを過ぎると、流れの上高くに通る山腹道のところどころには、鉄製の桟道が渡されている。 北谷は2008年の豪雨以降様相がすっかり変わり、荒れてしまっている。常緑樹林の中にしっかりと踏まれた道も付け替えられている箇所が多くなったが、御在所岳や国見岳へ登る人、藤内壁に登るクライマーなど多くの登山者が行き交う、鈴鹿の中心となるルートであることは変わっていない。 藤内小屋の周辺も巨岩がごろごろと転がる荒れ果てた谷になっており、裏道、国見尾根、岳不動道、腰越峠道などの道が分岐合流する交差点となっていたのだが、様相もすっかり変化しているので注意したい。 国見岳へのコースも岳不動から国見尾根へと登る道が崩壊して通行止めとなっており、小屋から北谷を渡って国見尾根を登って行く。道はしっかりと踏まれ、登って行くと花崗岩の岩の間から展望も開ける快適な道である。 大岩が積み重なるピークまで登ると、目の前には岩の壁が広がる藤内壁を見る、素晴らしい眺望の展望台となっている。ここが通行止めとなった岳不動からの道が合流するところである。 国見尾根はここからゆるぎ岩、天狗岩などの奇岩怪石が突き出す変化に富んだ尾根が続いている。これらの岩からは展望が開け絶好の休憩場所をつくってくれている楽しい道である。 やがて県境稜線に合流し右に少し登ると、左に道が分かれているが、ここにも石門と呼ばれている奇岩を見ることができる。この分岐から少し歩くと岩の重なる国見岳の頂上に着く。眺望の開けた静かな頂上だ。 県境稜線を南に向かう。先ほど登ってきた国見尾根の分岐を過ぎるとガレの展望の良い斜面があり、さらに下ると国見峠に出る。ここで県境稜線と分かれて左へと裏道を下る。樹林に包まれた道だったが、豪雨以来道も付け替えられている。荒れて岩が転がる流れに沿って下って行くと藤内小屋に着き、往路を戻る。
    国見岳へは湯の山温泉か朝明渓谷が起点となるが、ここでは藤内小屋をベースにして、変化に富んだ岩尾根の国見尾根を登り、御在所山、国見岳へのポピュラーなコースである裏道を下る。 藤内小屋から尾根道と岳不動道があり、岳不動道が国見尾根上に登り着いたところで合流している。この国見尾根はゆるぎ岩や天狗岩など変化にとんだ景観と、その岩場から眺める展望が素晴らしく、鈴鹿の魅力を最もよく伝えるコースといえるだろう。下山路となる裏道は険しい道の多い御在所周辺の中では、危険なところのない平易な道で、一番親しまれているコースとなっている。川鹿橋からロープウエイ湯の山温泉駅の下で三滝川北谷へと下る。蒼滝茶屋からスカイラインを過ぎると、流れの上高くに通る山腹道のところどころには、鉄製の桟道が渡されている。 北谷は2008年の豪雨以降様相がすっかり変わり、荒れてしまっている。常緑樹林の中にしっかりと踏まれた道も付け替えられている箇所が多くなったが、御在所岳や国見岳へ登る人、藤内壁に登るクライマーなど多くの登山者が行き交う、鈴鹿の中心となるルートであることは変わっていない。 藤内小屋の周辺も巨岩がごろごろと転がる荒れ果てた谷になっており、裏道、国見尾根、岳不動道、腰越峠道などの道が分岐合流する交差点となっていたのだが、様相もすっかり変化しているので注意したい。 国見岳へのコースも岳不動から国見尾根へと登る道が崩壊して通行止めとなっており、小屋から北谷を渡って国見尾根を登って行く。道はしっかりと踏まれ、登って行くと花崗岩の岩の間から展望も開ける快適な道である。 大岩が積み重なるピークまで登ると、目の前には岩の壁が広がる藤内壁を見る、素晴らしい眺望の展望台となっている。ここが通行止めとなった岳不動からの道が合流するところである。 国見尾根はここからゆるぎ岩、天狗岩などの奇岩怪石が突き出す変化に富んだ尾根が続いている。これらの岩からは展望が開け絶好の休憩場所をつくってくれている楽しい道である。 やがて県境稜線に合流し右に少し登ると、左に道が分かれているが、ここにも石門と呼ばれている奇岩を見ることができる。この分岐から少し歩くと岩の重なる国見岳の頂上に着く。眺望の開けた静かな頂上だ。 県境稜線を南に向かう。先ほど登ってきた国見尾根の分岐を過ぎるとガレの展望の良い斜面があり、さらに下ると国見峠に出る。ここで県境稜線と分かれて左へと裏道を下る。樹林に包まれた道だったが、豪雨以来道も付け替えられている。荒れて岩が転がる流れに沿って下って行くと藤内小屋に着き、往路を戻る。
  • 一ノ谷新道〜御在所岳〜中道

    • 6時間0分

    一ノ谷新道〜御在所岳〜中道

    • 6時間0分
    湯の山温泉を基点として、5つの変化に富んだコースが山頂をめざしている。表道、中道、裏道、武平峠道、一ノ谷新道の各コースで、いずれも整備された安心して楽しめるコースだが、裏道を除くと急峻な岩場の多い尾根道なので慎重に行動したい。 ここでは圧倒されるような頂上岩壁を眺めながら一ノ谷新道を登り、展望の広がるスリリングな岩尾根の中道を下るコースを取り上げている。 川鹿橋から温泉街を抜けて車道を登って行くと一ノ谷茶屋があり、ここで車道を離れて一ノ谷沿いに進む。すぐに左に武平峠への道を分け、鈴鹿スカイラインをくぐると中道の取り付きとなる。ここでスカイライン上に出ると一ノ谷山荘があり、この左の尾根から一ノ谷新道の登りが始まる。 一ノ谷新道は花崗岩の風化した白砂が掘れ込まれた急な道が続いている。この急登は緩急はあるものの最後まで続くので、ペース配分を考えて登りたい。とくに登り始めの木の根を掴みながらの急登はつらいが、春はイワカガミの可憐なピンクの花や、アカヤシオ、シロヤシオの華やかな彩りに慰められるし、夏も木陰の多い涼しい道で救われる。 木々の間からは一ノ谷をはさみ、切れ込んで城塞のように連なる岩壁がところどころでのぞいており、その中空を鮮やかなゴンドラが行き交っている。 何箇所かの岩場を巻いて越し、やがて恵比須岩を見下ろすようになるとササの中の急な道となる。山上公園駅直下まで登り左に振るように登って行くと山上公園に出る。公園のアスファルト道を進み、右に階段の道を登ると頂上に着く。頂上にはリフトが上がってきており観光客も多い。ここからは大きな展望が広がっており、滋賀県側の愛知川の谷に突き出るような岩の上からは、樹林の広がりが鮮やかで、心地よい風が吹き抜ける。 山上公園駅まで戻り、左に分かれる国見峠への縦走路を過ごして進んでから、右に下る中道に入る。 中道は最初から急な下りの岩場が続く尾根コースで、伊勢の平野と海を眺めるスケールの大きな展望が魅力だ。また山稜に点在する地蔵岩、負ばれ石の奇岩とキレットなど、次々と出合うストーンアートも楽しい。岩場が続くだけに慎重さが必要で、下り始めの頂上直下の岩壁を巻くところとキレットは、岩場を通過することになるが、道を間違えなければそんなに危険な箇所はない。 キレットを過ぎると少し穏やかな尾根となり、地蔵岩と出合う。石の仏を思わすような岩で、平野の大きな広がりを背景にした眺望が素晴らしい。そしてもう少し下ると、巨大な石のまな板を立てかけたような負ばれ石がある。 この負ばれ石を過ぎると樹林帯に入ってゴンドラをくぐり、暗い常緑樹の道を下って行く。左に裏道からくる道と合流したところで、滑りやすい砂ザレの道となり一ノ谷のスカイラインの登山口に出る。往路を戻り50分ほどで川鹿橋に着く。
    湯の山温泉を基点として、5つの変化に富んだコースが山頂をめざしている。表道、中道、裏道、武平峠道、一ノ谷新道の各コースで、いずれも整備された安心して楽しめるコースだが、裏道を除くと急峻な岩場の多い尾根道なので慎重に行動したい。 ここでは圧倒されるような頂上岩壁を眺めながら一ノ谷新道を登り、展望の広がるスリリングな岩尾根の中道を下るコースを取り上げている。 川鹿橋から温泉街を抜けて車道を登って行くと一ノ谷茶屋があり、ここで車道を離れて一ノ谷沿いに進む。すぐに左に武平峠への道を分け、鈴鹿スカイラインをくぐると中道の取り付きとなる。ここでスカイライン上に出ると一ノ谷山荘があり、この左の尾根から一ノ谷新道の登りが始まる。 一ノ谷新道は花崗岩の風化した白砂が掘れ込まれた急な道が続いている。この急登は緩急はあるものの最後まで続くので、ペース配分を考えて登りたい。とくに登り始めの木の根を掴みながらの急登はつらいが、春はイワカガミの可憐なピンクの花や、アカヤシオ、シロヤシオの華やかな彩りに慰められるし、夏も木陰の多い涼しい道で救われる。 木々の間からは一ノ谷をはさみ、切れ込んで城塞のように連なる岩壁がところどころでのぞいており、その中空を鮮やかなゴンドラが行き交っている。 何箇所かの岩場を巻いて越し、やがて恵比須岩を見下ろすようになるとササの中の急な道となる。山上公園駅直下まで登り左に振るように登って行くと山上公園に出る。公園のアスファルト道を進み、右に階段の道を登ると頂上に着く。頂上にはリフトが上がってきており観光客も多い。ここからは大きな展望が広がっており、滋賀県側の愛知川の谷に突き出るような岩の上からは、樹林の広がりが鮮やかで、心地よい風が吹き抜ける。 山上公園駅まで戻り、左に分かれる国見峠への縦走路を過ごして進んでから、右に下る中道に入る。 中道は最初から急な下りの岩場が続く尾根コースで、伊勢の平野と海を眺めるスケールの大きな展望が魅力だ。また山稜に点在する地蔵岩、負ばれ石の奇岩とキレットなど、次々と出合うストーンアートも楽しい。岩場が続くだけに慎重さが必要で、下り始めの頂上直下の岩壁を巻くところとキレットは、岩場を通過することになるが、道を間違えなければそんなに危険な箇所はない。 キレットを過ぎると少し穏やかな尾根となり、地蔵岩と出合う。石の仏を思わすような岩で、平野の大きな広がりを背景にした眺望が素晴らしい。そしてもう少し下ると、巨大な石のまな板を立てかけたような負ばれ石がある。 この負ばれ石を過ぎると樹林帯に入ってゴンドラをくぐり、暗い常緑樹の道を下って行く。左に裏道からくる道と合流したところで、滑りやすい砂ザレの道となり一ノ谷のスカイラインの登山口に出る。往路を戻り50分ほどで川鹿橋に着く。