【東北】の登山コースガイド
東北
検索結果135件中
1-20件
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いわかがみ平から栗駒山
- 日帰り
- 3時間10分
- 6.5km
いわかがみ平から栗駒山
- 日帰り
- 3時間10分
- 6.5km
宮城県側の車道の終点、標高1100mのいわかがみ平は、大駐車場と公営のレストハウスが整備された登山基地です。山頂までの標高差があまりなく、展望と高山植物を手軽に楽しめるため、多くの登山者やハイカーがいわかがみ平を起点に山頂を目指します。 大駐車場からレストハウスへ向かう道を進み、右手に分岐する東栗駒コースに入ります。最初は溝状に掘れた、泥濘の多い歩きにくい道が続きます。大きな岩の段差があるハシゴ場は慎重に登りましょう。30分も登ると灌木帯に入り、少し右手に下るとナメの沢床が続く新湯沢に出ます。沢の右岸(上流に向かって左側)の岩盤の上を100mほど登り、沢の上部に張られたロープを目印に左岸に渡渉します。この渡渉点は6月下旬まで雪渓が残り、視界のないときは接続する登山道を見失う恐れがあるので注意してください。 樹高が低くなった灌木帯を右に回り込むように登ると、砂礫の混じるハイマツ帯に入ります。6月上旬にはミヤマキンバイが咲き誇ります。東栗駒山の頂稜から新湯沢源頭をはさんで栗駒山の優美な山容が望めます。この一帯は9月下旬から10月上旬にかけて息を飲むほどの鮮やかな紅葉が広がります。 ほぼ平坦な東栗駒山の頂稜を過ぎ、少し登ると栗駒草原と呼ばれる湿性のお花畑が始まります。6月中旬から7月中旬までイワカガミ・ヒナザクラ・イワイチョウ・キンコウカが咲き乱れる別天地です。裏掛コース分岐を過ぎ、土砂流失防止の整備が行われた急な階段を登りきると、左から中央コースが合流します。さらにひと登りすれば、多くの登山者が休憩している栗駒山山頂です。 独立峰である山頂からの展望は正に360度。真西に富士山を思わせる山容の鳥海山、北に焼石連峰や早池峰山、南には船形連峰と蔵王連峰、南西には栗駒国定公園の山々の奥に月山や朝日連峰など、東北地方中部の山並みが見渡せます。 帰りは整備されて歩きやすい中央コースを下っていわかがみ平に戻ります。階段を下り、緩い下り坂になると展望の良い小ピークに出ます。振り返ると栗駒本峰が大きく聳えています。ここから石が埋め込まれたコンクリートの道を下り、灌木の背が高くなるころいわかがみ平のレストハウスの前に出ます。 なお、紅葉時期の交通渋滞対策として、9月下旬から10月中旬までの期間、いこいの村栗駒跡地からいわかがみ平まで、終日マイカー規制が行われるようになりました。この期間中はいこいの村栗駒跡地の臨時駐車場から運行するシャトルバスをご利用ください。宮城県側の車道の終点、標高1100mのいわかがみ平は、大駐車場と公営のレストハウスが整備された登山基地です。山頂までの標高差があまりなく、展望と高山植物を手軽に楽しめるため、多くの登山者やハイカーがいわかがみ平を起点に山頂を目指します。 大駐車場からレストハウスへ向かう道を進み、右手に分岐する東栗駒コースに入ります。最初は溝状に掘れた、泥濘の多い歩きにくい道が続きます。大きな岩の段差があるハシゴ場は慎重に登りましょう。30分も登ると灌木帯に入り、少し右手に下るとナメの沢床が続く新湯沢に出ます。沢の右岸(上流に向かって左側)の岩盤の上を100mほど登り、沢の上部に張られたロープを目印に左岸に渡渉します。この渡渉点は6月下旬まで雪渓が残り、視界のないときは接続する登山道を見失う恐れがあるので注意してください。 樹高が低くなった灌木帯を右に回り込むように登ると、砂礫の混じるハイマツ帯に入ります。6月上旬にはミヤマキンバイが咲き誇ります。東栗駒山の頂稜から新湯沢源頭をはさんで栗駒山の優美な山容が望めます。この一帯は9月下旬から10月上旬にかけて息を飲むほどの鮮やかな紅葉が広がります。 ほぼ平坦な東栗駒山の頂稜を過ぎ、少し登ると栗駒草原と呼ばれる湿性のお花畑が始まります。6月中旬から7月中旬までイワカガミ・ヒナザクラ・イワイチョウ・キンコウカが咲き乱れる別天地です。裏掛コース分岐を過ぎ、土砂流失防止の整備が行われた急な階段を登りきると、左から中央コースが合流します。さらにひと登りすれば、多くの登山者が休憩している栗駒山山頂です。 独立峰である山頂からの展望は正に360度。真西に富士山を思わせる山容の鳥海山、北に焼石連峰や早池峰山、南には船形連峰と蔵王連峰、南西には栗駒国定公園の山々の奥に月山や朝日連峰など、東北地方中部の山並みが見渡せます。 帰りは整備されて歩きやすい中央コースを下っていわかがみ平に戻ります。階段を下り、緩い下り坂になると展望の良い小ピークに出ます。振り返ると栗駒本峰が大きく聳えています。ここから石が埋め込まれたコンクリートの道を下り、灌木の背が高くなるころいわかがみ平のレストハウスの前に出ます。 なお、紅葉時期の交通渋滞対策として、9月下旬から10月中旬までの期間、いこいの村栗駒跡地からいわかがみ平まで、終日マイカー規制が行われるようになりました。この期間中はいこいの村栗駒跡地の臨時駐車場から運行するシャトルバスをご利用ください。 -
須川温泉から栗駒山へ
- 日帰り
- 3時間35分
- 8.5km
須川温泉から栗駒山へ
- 日帰り
- 3時間35分
- 8.5km
栗駒山は岩手県では「酢川岳」と呼ばれ、須川温泉を起点に、名残ヶ原の高山植物と、昭和湖や剣岳の荒々しい火山地形を楽しめる本コースは多くの登山者に利用され親しまれています。 登山道は須川高原温泉の建屋と、露天風呂にはさまれた源泉が流れる川の脇から始まります。大日岩を右手に眺めて灌木帯を登ると、オイラン(蒸し)風呂の小屋の横を通り抜けます。地熱の湯気が立つ小さな丘を越えて少し下ると、木道が敷かれた名残ヶ原の湿原に出ます。湿原は乾燥化が進んでいますが、初夏から夏にかけてワタスゲやモウセンゴケ・イワイチョウが咲き誇ります。 湿原南端の分岐は、右折すると賽の河原やゆげ山方面に行く散策路で、登山道は直進します。低木帯を少し登ると苔花台と標識がある産沼コースの分岐ですが、ここも直進。昭和湖から流れてくるゼッタ沢を渡り、火山性ガスの噴出で木々が枯れている地獄谷の左岸を通過します。やがて道が平坦になり青白色の幻想的な水をたたえた昭和湖に着きます。この湖は昭和19年の爆発によってできた火山湖で、湖面に剣岳の荒々しい岩肌を映し出しています。 昭和湖から左手に進み、階段の急坂を登ります。緩い登りに変わりハイマツが出てくると、県境の天狗平の分岐に着きます。ここを左折して山頂を目指しましょう。天狗岩の横を抜け、展望の良い稜線を進むと、登山者で賑わう栗駒山山頂に着きます。 下山路は北東側へ下る産沼コースに入ります。間違って宮城県側の中央コースに入る方が多いので、標識をよく確認してください。下り始めは少し急ですが、やがて傾斜の緩い尾根に入ります。このコースは灌木が茂り視界があまり良くないのが難点です。 山頂から40分で産沼に着きます。右に笊森コースが分岐しますが、笊森避難小屋より下部の登山道は廃道です。産沼から西よりに方向を変えて展望のない低木帯に入ります。ジグザグの急坂を下り、三途の川とゼッタ沢を石飛びで渡渉します。沢から一段登れば苔花台の分岐です。右折し少し下って名残ヶ原南端の散策路の分岐を賽ノ磧方面に進みましょう。少し登った賽ノ磧の火口原は6月初旬にイワカガミの見事なお花畑が見られます。整備された遊歩道を下ると大日岩が見えてきて、すぐに須川温泉に戻れます。栗駒山は岩手県では「酢川岳」と呼ばれ、須川温泉を起点に、名残ヶ原の高山植物と、昭和湖や剣岳の荒々しい火山地形を楽しめる本コースは多くの登山者に利用され親しまれています。 登山道は須川高原温泉の建屋と、露天風呂にはさまれた源泉が流れる川の脇から始まります。大日岩を右手に眺めて灌木帯を登ると、オイラン(蒸し)風呂の小屋の横を通り抜けます。地熱の湯気が立つ小さな丘を越えて少し下ると、木道が敷かれた名残ヶ原の湿原に出ます。湿原は乾燥化が進んでいますが、初夏から夏にかけてワタスゲやモウセンゴケ・イワイチョウが咲き誇ります。 湿原南端の分岐は、右折すると賽の河原やゆげ山方面に行く散策路で、登山道は直進します。低木帯を少し登ると苔花台と標識がある産沼コースの分岐ですが、ここも直進。昭和湖から流れてくるゼッタ沢を渡り、火山性ガスの噴出で木々が枯れている地獄谷の左岸を通過します。やがて道が平坦になり青白色の幻想的な水をたたえた昭和湖に着きます。この湖は昭和19年の爆発によってできた火山湖で、湖面に剣岳の荒々しい岩肌を映し出しています。 昭和湖から左手に進み、階段の急坂を登ります。緩い登りに変わりハイマツが出てくると、県境の天狗平の分岐に着きます。ここを左折して山頂を目指しましょう。天狗岩の横を抜け、展望の良い稜線を進むと、登山者で賑わう栗駒山山頂に着きます。 下山路は北東側へ下る産沼コースに入ります。間違って宮城県側の中央コースに入る方が多いので、標識をよく確認してください。下り始めは少し急ですが、やがて傾斜の緩い尾根に入ります。このコースは灌木が茂り視界があまり良くないのが難点です。 山頂から40分で産沼に着きます。右に笊森コースが分岐しますが、笊森避難小屋より下部の登山道は廃道です。産沼から西よりに方向を変えて展望のない低木帯に入ります。ジグザグの急坂を下り、三途の川とゼッタ沢を石飛びで渡渉します。沢から一段登れば苔花台の分岐です。右折し少し下って名残ヶ原南端の散策路の分岐を賽ノ磧方面に進みましょう。少し登った賽ノ磧の火口原は6月初旬にイワカガミの見事なお花畑が見られます。整備された遊歩道を下ると大日岩が見えてきて、すぐに須川温泉に戻れます。 -
御沢から栗駒山・裏掛コース周回
- 日帰り
- 8時間15分
- 12.9km
御沢から栗駒山・裏掛コース周回
- 日帰り
- 8時間15分
- 12.9km
御沢コースは沢歩き、お花畑、盛夏まで残る雪渓など栗駒山の魅力を凝縮したコースです。裏掛コースを下れば、より充実した山歩きが満喫できます。 ハイルザーム栗駒から2つのスノーシェルターをくぐると御沢コース登山口に着きます。スキー場跡の草原を過ぎ、山腹を横切るように岩魚沢、デロコ沢を越えてブナ林を進むと、明るく開けた御沢に着きます。ここから「石飛八里」と呼ばれる沢通しの登りが約2km続きます。基本的に石飛び伝いに沢を遡上しますが、分かり難いところには黄色のペンキや赤テープでルートが示されています。登山靴より沢タビや長靴を履いた方が効率よく安全に登れます。 2時間ほどの沢歩きで大日沢出合に着きます。左の沢に入り、少し登ると巨岩が積み重なったハシゴ滝が現れ、左手のロープを利用して越えます。滝の上は穏やかな流れになり、小沢を何度か渡って、源流部のロープが下がった急坂を登ると御室下の雪渓に出ます。雪が解けた雪田草原にはヒナザクラ・アオノツガザクラなどの湿性の高山植物が咲き乱れ、栗駒山随一の景観に魅了されます。雪渓は部分的に急なところがあるので軽アイゼンをつけた方が安全です。雪渓を登りつめると御室の岩壁帯に突き当たります。岩壁の付け根に駒形根神社の奥宮とされる御室があり、小さな祠の中に絵馬などが奉納されています。この先、岩壁帯の下をたどりますが、荒れて道が不確かな部分があるので注意しましょう。湯浜コースに合流し、尾根道を登ると天狗平に着き、そこから20分で栗駒山山頂に達します。 下山路は山頂から中央コースを少し下り、東栗駒分岐を左折。栗駒草原中ほどにある裏掛コース分岐も左折します。裏掛コースに入ると道が急に細くなります。この先は6月下旬ごろまで雪渓が残る磐井川と産女川の源頭部を通過します。霧で視界が無い時は道の接続が分かり難いので慎重にルートを探しましょう。雪渓が消えた後にはヒナザクラやキンコウカが咲き誇ります。灌木とササの平坦な道を進むと、眼前に広大なドゾウ沢の斜面が現れます。落石に注意して大きな雪渓を横切り、ワタスゲの群生地を過ぎると、2008年の地震で駒ノ湯温泉を飲み込んだ土石流の発生地点をガイドロープに従って横切ります。その後、東栗駒山から南東に伸びる尾根を越え、ブナの原生林を下り、新湯沢の渡渉点に出ます。石飛びに沢を渡って、少し登り返せば廃小屋があります。そこから荒れた林道を少し歩き、右手へ電柱に沿った道を登ると裏掛コースの登山口に出ます。御沢コースは沢歩き、お花畑、盛夏まで残る雪渓など栗駒山の魅力を凝縮したコースです。裏掛コースを下れば、より充実した山歩きが満喫できます。 ハイルザーム栗駒から2つのスノーシェルターをくぐると御沢コース登山口に着きます。スキー場跡の草原を過ぎ、山腹を横切るように岩魚沢、デロコ沢を越えてブナ林を進むと、明るく開けた御沢に着きます。ここから「石飛八里」と呼ばれる沢通しの登りが約2km続きます。基本的に石飛び伝いに沢を遡上しますが、分かり難いところには黄色のペンキや赤テープでルートが示されています。登山靴より沢タビや長靴を履いた方が効率よく安全に登れます。 2時間ほどの沢歩きで大日沢出合に着きます。左の沢に入り、少し登ると巨岩が積み重なったハシゴ滝が現れ、左手のロープを利用して越えます。滝の上は穏やかな流れになり、小沢を何度か渡って、源流部のロープが下がった急坂を登ると御室下の雪渓に出ます。雪が解けた雪田草原にはヒナザクラ・アオノツガザクラなどの湿性の高山植物が咲き乱れ、栗駒山随一の景観に魅了されます。雪渓は部分的に急なところがあるので軽アイゼンをつけた方が安全です。雪渓を登りつめると御室の岩壁帯に突き当たります。岩壁の付け根に駒形根神社の奥宮とされる御室があり、小さな祠の中に絵馬などが奉納されています。この先、岩壁帯の下をたどりますが、荒れて道が不確かな部分があるので注意しましょう。湯浜コースに合流し、尾根道を登ると天狗平に着き、そこから20分で栗駒山山頂に達します。 下山路は山頂から中央コースを少し下り、東栗駒分岐を左折。栗駒草原中ほどにある裏掛コース分岐も左折します。裏掛コースに入ると道が急に細くなります。この先は6月下旬ごろまで雪渓が残る磐井川と産女川の源頭部を通過します。霧で視界が無い時は道の接続が分かり難いので慎重にルートを探しましょう。雪渓が消えた後にはヒナザクラやキンコウカが咲き誇ります。灌木とササの平坦な道を進むと、眼前に広大なドゾウ沢の斜面が現れます。落石に注意して大きな雪渓を横切り、ワタスゲの群生地を過ぎると、2008年の地震で駒ノ湯温泉を飲み込んだ土石流の発生地点をガイドロープに従って横切ります。その後、東栗駒山から南東に伸びる尾根を越え、ブナの原生林を下り、新湯沢の渡渉点に出ます。石飛びに沢を渡って、少し登り返せば廃小屋があります。そこから荒れた林道を少し歩き、右手へ電柱に沿った道を登ると裏掛コースの登山口に出ます。 -
栗駒山から秣岳へ
- 日帰り
- 4時間20分
- 9.8km
栗駒山から秣岳へ
- 日帰り
- 4時間20分
- 9.8km
秣岳は剣岳を中央火口丘とする崩壊が進んだ旧外輪山の西端に位置する山です。天馬尾根と呼ばれる外輪山の稜線上に点在する雪田草原や高層湿原と、そこに咲き乱れる高山植物、そして秋の紅葉は必見で、最近は入山者が増えています。 須川温泉から昭和湖、天狗平を経て栗駒山へ至るコースは須川温泉から栗駒山へ(コースガイド)を参照ください。天狗平から栗駒山山頂まで35分で往復できますので、初めての方は往復してきたほうが良いでしょう。 天狗平から西へミネカエデ・ミヤマナラ・ドウダンの灌木帯の中を進むと、展望岩頭と呼ばれる北側が切れ落ちた露岩の上に出ます。ここは栗駒山随一の展望地で、眼下に剣岳や昭和湖、須川湖、池塘を散りばめた高層湿原の龍泉ヶ原を見下ろし、秣岳へ続く天馬尾根の背後に端正な山容を見せる鳥海山、そして重畳と連なる山々の奥に焼石連峰が一望できます。この露岩には6月初旬にイワウメやミネズオウ・イワヒゲ・コケモモが咲き誇ります。 展望岩頭を後にして、洗掘されて歩きにくい道を40分下り、秣岳との鞍部に出ます。そこから先は雪田草原と高層湿原が続く、展望の良い穏やかな登りになります。やがて木道が敷かれたしろがね湿原に出ます。平らな湿原の奥の岩峰に向かって真っすぐに伸びる木道の景観から「栗駒のモン・サン=ミッシェル」と称され登山者に親しまれています。岩峰の上に登ると眼前に秣岳が見え、岩峰を取り巻く灌木帯の紅葉は赤、オレンジ、黄、緑の原色に彩られ見事です。 秣岳手前の湿原周辺には栗駒山唯一のオオシラビソの植生が見られます。雪田草原の中の急坂を登ると秣岳山頂に着きます。東側の展望が開け、眼下の樹海の中に須川湖の青い湖面が望めます。 秣岳から北西方面に急坂をジグザグに下り、鞍部から少し登り返して、右へ岩と泥が混じった滑りやすい斜面を降りて行きます。ブナの原生林に入り30分ほどで栗駒道路の秣岳登山口に着きます。ここから車道を1時間歩いて須川温泉に戻ります。時間と体力があれば須川湖の南側にあるシラタマノキ湿原に立ち寄り、泥炭層の露頭を見るのもお勧めです。秣岳は剣岳を中央火口丘とする崩壊が進んだ旧外輪山の西端に位置する山です。天馬尾根と呼ばれる外輪山の稜線上に点在する雪田草原や高層湿原と、そこに咲き乱れる高山植物、そして秋の紅葉は必見で、最近は入山者が増えています。 須川温泉から昭和湖、天狗平を経て栗駒山へ至るコースは須川温泉から栗駒山へ(コースガイド)を参照ください。天狗平から栗駒山山頂まで35分で往復できますので、初めての方は往復してきたほうが良いでしょう。 天狗平から西へミネカエデ・ミヤマナラ・ドウダンの灌木帯の中を進むと、展望岩頭と呼ばれる北側が切れ落ちた露岩の上に出ます。ここは栗駒山随一の展望地で、眼下に剣岳や昭和湖、須川湖、池塘を散りばめた高層湿原の龍泉ヶ原を見下ろし、秣岳へ続く天馬尾根の背後に端正な山容を見せる鳥海山、そして重畳と連なる山々の奥に焼石連峰が一望できます。この露岩には6月初旬にイワウメやミネズオウ・イワヒゲ・コケモモが咲き誇ります。 展望岩頭を後にして、洗掘されて歩きにくい道を40分下り、秣岳との鞍部に出ます。そこから先は雪田草原と高層湿原が続く、展望の良い穏やかな登りになります。やがて木道が敷かれたしろがね湿原に出ます。平らな湿原の奥の岩峰に向かって真っすぐに伸びる木道の景観から「栗駒のモン・サン=ミッシェル」と称され登山者に親しまれています。岩峰の上に登ると眼前に秣岳が見え、岩峰を取り巻く灌木帯の紅葉は赤、オレンジ、黄、緑の原色に彩られ見事です。 秣岳手前の湿原周辺には栗駒山唯一のオオシラビソの植生が見られます。雪田草原の中の急坂を登ると秣岳山頂に着きます。東側の展望が開け、眼下の樹海の中に須川湖の青い湖面が望めます。 秣岳から北西方面に急坂をジグザグに下り、鞍部から少し登り返して、右へ岩と泥が混じった滑りやすい斜面を降りて行きます。ブナの原生林に入り30分ほどで栗駒道路の秣岳登山口に着きます。ここから車道を1時間歩いて須川温泉に戻ります。時間と体力があれば須川湖の南側にあるシラタマノキ湿原に立ち寄り、泥炭層の露頭を見るのもお勧めです。 -
役内から神室山へ
- 日帰り
- 7時間15分
- 11.7km
役内から神室山へ
- 日帰り
- 7時間15分
- 11.7km
役内川流域の集落では神室山を「作の神」として信仰しています。三十三尋の滝は「水垢離場」で、御田の神の池塘は雨乞いの聖地です。池塘に石を投げ込み、神を怒らせて雨を降らせることを祈りました。また池塘に生えるカヤツリグサの成長の具合を見て稲の作柄を祈ったと言われています。山頂北側の御宝前には鏑山大神が祀られ、古来より山岳信仰の霊場として栄えていました。 役内集落から大役内林道に入り、鳥居の建つ西ノ又林道入口を右折して約2km進むと、駐車場のあるパノラマコース登山口に着きます。登りに使う西ノ又コースは直進し林道をさらに奥に進みます。30分ほどで登山道に変わり、すぐに吊橋を渡ります。右岸沿いに沢筋を歩くと、再び吊橋を渡ります。ここからしばらく左岸の山腹を進みますが、足場の細い箇所が多いので滑落注意です。 やがて対岸の支沢にかかる三十三尋の滝が現れます。西ノ又沢を飛び石伝いに右岸に渡り、左の斜面を登ると不動明王の石仏が祀られた最後の水場に出ます。 ここから胸突八丁と呼ばれるブナ林の急登が標高差400m余り続きます。やがて傾斜が緩くなるとクマのひるね坂で、少し登ると石祠がある御田の神に着きます。御田の神の湿原にはイワイチョウ・イワカガミ・ニッコウキスゲなどの高山植物が咲いています。沢の源頭の草原を登って行くと、日本有数のキヌガサソウの群生地があります。窓くぐりと言われる灌木のトンネルを抜ければ、神室山がようやく姿を現します。役内沢側が切れ落ちたヤセ尾根を登り、主稜線の西ノ又コース分岐は左折。小さな岩場を通過し、登り返すと全方位に展望が開けた神室山山頂です。南に小又山、火打岳へと続く主稜線が一望でき、東に虎毛山や高松岳、北西に鳥海山が望めます。西側に100mほど下ると避難小屋があります。 帰路は西ノ又コース分岐まで戻り、そこから前神室山まで縦走し、パノラマコースを下ります。栗駒国定公園のレリーフが岩場に埋め込まれた通称レリーフピークを過ぎ、1325mの八幡神ピークで有屋へ下る道を左に見送り、鞍部を過ぎて急坂を登り返すと水晶森への道が左に分岐します。直進して緩く登れば前神室山山頂に着きます。山頂からはミニ縦走してきた稜線と、神室山が一望できます。 前神室山からは北への眺望の広がる稜線を下ります。第三、第二、第一の各ピークには登り返しがあり、なかなか標高が下がって行きません。深いブナの森からしだいに支尾根の急坂を下るようになり、いっぷく平を過ぎるとスギ林に入ります。小沢を渡ればようやく登山口に戻れます。役内川流域の集落では神室山を「作の神」として信仰しています。三十三尋の滝は「水垢離場」で、御田の神の池塘は雨乞いの聖地です。池塘に石を投げ込み、神を怒らせて雨を降らせることを祈りました。また池塘に生えるカヤツリグサの成長の具合を見て稲の作柄を祈ったと言われています。山頂北側の御宝前には鏑山大神が祀られ、古来より山岳信仰の霊場として栄えていました。 役内集落から大役内林道に入り、鳥居の建つ西ノ又林道入口を右折して約2km進むと、駐車場のあるパノラマコース登山口に着きます。登りに使う西ノ又コースは直進し林道をさらに奥に進みます。30分ほどで登山道に変わり、すぐに吊橋を渡ります。右岸沿いに沢筋を歩くと、再び吊橋を渡ります。ここからしばらく左岸の山腹を進みますが、足場の細い箇所が多いので滑落注意です。 やがて対岸の支沢にかかる三十三尋の滝が現れます。西ノ又沢を飛び石伝いに右岸に渡り、左の斜面を登ると不動明王の石仏が祀られた最後の水場に出ます。 ここから胸突八丁と呼ばれるブナ林の急登が標高差400m余り続きます。やがて傾斜が緩くなるとクマのひるね坂で、少し登ると石祠がある御田の神に着きます。御田の神の湿原にはイワイチョウ・イワカガミ・ニッコウキスゲなどの高山植物が咲いています。沢の源頭の草原を登って行くと、日本有数のキヌガサソウの群生地があります。窓くぐりと言われる灌木のトンネルを抜ければ、神室山がようやく姿を現します。役内沢側が切れ落ちたヤセ尾根を登り、主稜線の西ノ又コース分岐は左折。小さな岩場を通過し、登り返すと全方位に展望が開けた神室山山頂です。南に小又山、火打岳へと続く主稜線が一望でき、東に虎毛山や高松岳、北西に鳥海山が望めます。西側に100mほど下ると避難小屋があります。 帰路は西ノ又コース分岐まで戻り、そこから前神室山まで縦走し、パノラマコースを下ります。栗駒国定公園のレリーフが岩場に埋め込まれた通称レリーフピークを過ぎ、1325mの八幡神ピークで有屋へ下る道を左に見送り、鞍部を過ぎて急坂を登り返すと水晶森への道が左に分岐します。直進して緩く登れば前神室山山頂に着きます。山頂からはミニ縦走してきた稜線と、神室山が一望できます。 前神室山からは北への眺望の広がる稜線を下ります。第三、第二、第一の各ピークには登り返しがあり、なかなか標高が下がって行きません。深いブナの森からしだいに支尾根の急坂を下るようになり、いっぷく平を過ぎるとスギ林に入ります。小沢を渡ればようやく登山口に戻れます。 -
有屋から神室山~火打岳を縦走して親倉見へ
- 1泊2日
- 13時間35分
- 21.1km
有屋から神室山~火打岳を縦走して親倉見へ
- 1泊2日
- 13時間35分
- 21.1km
東北随一のヤセ尾根を有する神室連峰は、雪崩により東斜面がそぎ落とされた東西非対称の山稜が続き、標高からは計り知れないアルペン的な風貌が魅力です。 ここでは神室山への最短コースである有屋登山口から神室山に登り、連峰最高峰の小又山、神室の怪峰と呼ばれる火打岳を経て槍ヶ先まで縦走し、最上町の親倉見に下りるルートを紹介します。 有屋登山口の車止めを抜け、金山川右岸の林道を歩きます。林道終点からカツラ・トチノキやブナ林の広がる緩やかな山道を進みます。やがて沢の二股に着くと、ここから稜線まで標高差700mの九十九折りの尾根道が続きます。春日神と刻まれた大岩を見ると、そこから展望の良い灌木帯の登りに変わり、まもなく主稜線上の八幡神ピークに着きます。縦走路を南に進み、レリーフが埋め込まれた岩場の先で西ノ又コースが合流します。そこからヤセ尾根を500m歩けば神室山山頂です。この日は山頂西側のバイオトイレが完備された神室山避難小屋で1泊します。 翌朝は早めに出発しましょう。縦走路は急な下りで始まります。 15分ほどで根ノ崎登山口への道を左に分けます。ヤセた主稜線は展望に優れ、小規模ながらお花畑も見られます。急坂を登って天狗森に着くと、優美な山容の小又山がぐっと近づきます。振り返ると神室山が堂々とした姿で聳えています。鋭峰・火打岳が一望できる最高峰の小又山山頂で休憩しましょう。 小又山から南に700m行くとクロサンショウウオが生息するサンショ平と呼ばれる湿原があります。小刻みなアップダウンが続く縦走路は南東側が切れ落ち高度感抜群です。火打岳手前の鞍部の砂利口から、尖った火打北峰を目指し急なヤセ尾根を登ります。左手の大横川源頭部の雪蝕崖が眼前に広がり迫力満点です 火打北峰からもう一段登れば火打岳山頂に着きます。縦走してきた主稜線が一望でき、八森山、杢蔵山など連峰南部の山も見えてきます。展望を満喫したら、さらに主稜線をさらに南下して、大尺山、中先を越えて槍ヶ先のピークを目指しましょう。 槍ヶ先で主稜線を離れ、南東へと伸びるブナ林の尾根道を下ります。677m峰の北側を巻いて急坂を下ると、道が二手に別れ、親倉見へは左の道を下ります。スギの植林地を過ぎるとアカマツの巨木が立つ山神社が現れ、少し下れば廃村になった親倉見登山口に着きます。JR陸羽東線の鵜杉駅まで徒歩で1時間です。東北随一のヤセ尾根を有する神室連峰は、雪崩により東斜面がそぎ落とされた東西非対称の山稜が続き、標高からは計り知れないアルペン的な風貌が魅力です。 ここでは神室山への最短コースである有屋登山口から神室山に登り、連峰最高峰の小又山、神室の怪峰と呼ばれる火打岳を経て槍ヶ先まで縦走し、最上町の親倉見に下りるルートを紹介します。 有屋登山口の車止めを抜け、金山川右岸の林道を歩きます。林道終点からカツラ・トチノキやブナ林の広がる緩やかな山道を進みます。やがて沢の二股に着くと、ここから稜線まで標高差700mの九十九折りの尾根道が続きます。春日神と刻まれた大岩を見ると、そこから展望の良い灌木帯の登りに変わり、まもなく主稜線上の八幡神ピークに着きます。縦走路を南に進み、レリーフが埋め込まれた岩場の先で西ノ又コースが合流します。そこからヤセ尾根を500m歩けば神室山山頂です。この日は山頂西側のバイオトイレが完備された神室山避難小屋で1泊します。 翌朝は早めに出発しましょう。縦走路は急な下りで始まります。 15分ほどで根ノ崎登山口への道を左に分けます。ヤセた主稜線は展望に優れ、小規模ながらお花畑も見られます。急坂を登って天狗森に着くと、優美な山容の小又山がぐっと近づきます。振り返ると神室山が堂々とした姿で聳えています。鋭峰・火打岳が一望できる最高峰の小又山山頂で休憩しましょう。 小又山から南に700m行くとクロサンショウウオが生息するサンショ平と呼ばれる湿原があります。小刻みなアップダウンが続く縦走路は南東側が切れ落ち高度感抜群です。火打岳手前の鞍部の砂利口から、尖った火打北峰を目指し急なヤセ尾根を登ります。左手の大横川源頭部の雪蝕崖が眼前に広がり迫力満点です 火打北峰からもう一段登れば火打岳山頂に着きます。縦走してきた主稜線が一望でき、八森山、杢蔵山など連峰南部の山も見えてきます。展望を満喫したら、さらに主稜線をさらに南下して、大尺山、中先を越えて槍ヶ先のピークを目指しましょう。 槍ヶ先で主稜線を離れ、南東へと伸びるブナ林の尾根道を下ります。677m峰の北側を巻いて急坂を下ると、道が二手に別れ、親倉見へは左の道を下ります。スギの植林地を過ぎるとアカマツの巨木が立つ山神社が現れ、少し下れば廃村になった親倉見登山口に着きます。JR陸羽東線の鵜杉駅まで徒歩で1時間です。 -
薬師原から八森山へ
- 日帰り
- 7時間0分
- 9.9km
薬師原から八森山へ
- 日帰り
- 7時間0分
- 9.9km
神室連峰の南部主稜線縦走路は槍ヶ先からさらに烏帽子山、一杯森、杢蔵山へ続きますが、一杯森分岐から直進する支脈上に、丸く大きな山容で聳えているのが八森山です。 八森山はかつて山岳信仰の対象となっていた山で、日照りや長雨のときに、村人がこぞって八森山に参拝し、雨乞いや日和乞いを祈ったと伝えられています。西峰西側直下のキャラボクに囲まれて建つ石塔がかつての信仰の痕跡として残っています。 最上町の薬師原から刃場川の奥へ伸びる林道に入り、三叉路になったところに駐車スペースがあります。直進して荒れた林道を進むと、右手に目立たない登山口の標識が立っています。 小沢を飛び石で渡り、スギ林を右手方向に回り込めば、顕著な尾根にでます。地元の小学生が書いた可愛い合目表示に励まされながら登ると、まもなくブナ林に入ります。この先も急登の連続なのでゆっくり登って行きましょう。やがてさらに急な登りを経て新庄市と最上町の市町境尾根に出ます。尾根の直下は6月初旬までとても急な雪渓が残りますので、滑落に注意が必要です。 市町境尾根の西斜面は直下までブナが伐採され、チシマザサが繁茂しています。残されたブナの梢越しに杢蔵山が垣間見え、東側は切れ落ちて、東荒倉沢源頭部の草付きのスラブが一望できます。 ひと登りで三叉路に出ます。ここが地形図上の八森山山頂ですが、西へ展望の良い頂稜をたどって、宗教上の山頂である西峰を目指します。山頂標識と地元小学生の登山記念プレートが賑やかな西峰山頂は展望に優れ、月山や鳥海山が一望できます。 先の三叉路まで戻り、稜線を北上して槍ヶ先を目指します。この稜線は年によってササ藪が繁茂していることがあります。展望の素晴らしい広い稜線を進むと、一杯森分岐に着きます。ここを直進し、刃場川源頭部へスッパリと切れ落ちたヤセ尾根を通過します。ここは滑落の危険があるので慎重に通過しましょう。 烏帽子山の登りから辿ってきた稜線を振り返ると、険しいヤセ尾根の風景に「あんなところを歩いてきたのか。」と驚かされます。烏帽子山を下り、二重山稜のところを通過して、エチゴキジムシロやシラネアオイの花に励まされながら槍ヶ先へ急坂を登ります。 槍ヶ先から親倉見登山口への下りは有屋から神室山~火打岳を縦走して親倉見へ(コースガイド)を参照ください。なお677m峰の下の親倉見分岐を右折して薬師原に出るルートは通行禁止になりました。薬師原登山口へ戻る場合、親倉見登山口から車道を迂回してください。神室連峰の南部主稜線縦走路は槍ヶ先からさらに烏帽子山、一杯森、杢蔵山へ続きますが、一杯森分岐から直進する支脈上に、丸く大きな山容で聳えているのが八森山です。 八森山はかつて山岳信仰の対象となっていた山で、日照りや長雨のときに、村人がこぞって八森山に参拝し、雨乞いや日和乞いを祈ったと伝えられています。西峰西側直下のキャラボクに囲まれて建つ石塔がかつての信仰の痕跡として残っています。 最上町の薬師原から刃場川の奥へ伸びる林道に入り、三叉路になったところに駐車スペースがあります。直進して荒れた林道を進むと、右手に目立たない登山口の標識が立っています。 小沢を飛び石で渡り、スギ林を右手方向に回り込めば、顕著な尾根にでます。地元の小学生が書いた可愛い合目表示に励まされながら登ると、まもなくブナ林に入ります。この先も急登の連続なのでゆっくり登って行きましょう。やがてさらに急な登りを経て新庄市と最上町の市町境尾根に出ます。尾根の直下は6月初旬までとても急な雪渓が残りますので、滑落に注意が必要です。 市町境尾根の西斜面は直下までブナが伐採され、チシマザサが繁茂しています。残されたブナの梢越しに杢蔵山が垣間見え、東側は切れ落ちて、東荒倉沢源頭部の草付きのスラブが一望できます。 ひと登りで三叉路に出ます。ここが地形図上の八森山山頂ですが、西へ展望の良い頂稜をたどって、宗教上の山頂である西峰を目指します。山頂標識と地元小学生の登山記念プレートが賑やかな西峰山頂は展望に優れ、月山や鳥海山が一望できます。 先の三叉路まで戻り、稜線を北上して槍ヶ先を目指します。この稜線は年によってササ藪が繁茂していることがあります。展望の素晴らしい広い稜線を進むと、一杯森分岐に着きます。ここを直進し、刃場川源頭部へスッパリと切れ落ちたヤセ尾根を通過します。ここは滑落の危険があるので慎重に通過しましょう。 烏帽子山の登りから辿ってきた稜線を振り返ると、険しいヤセ尾根の風景に「あんなところを歩いてきたのか。」と驚かされます。烏帽子山を下り、二重山稜のところを通過して、エチゴキジムシロやシラネアオイの花に励まされながら槍ヶ先へ急坂を登ります。 槍ヶ先から親倉見登山口への下りは有屋から神室山~火打岳を縦走して親倉見へ(コースガイド)を参照ください。なお677m峰の下の親倉見分岐を右折して薬師原に出るルートは通行禁止になりました。薬師原登山口へ戻る場合、親倉見登山口から車道を迂回してください。 -
山屋から杢蔵山へ
- 日帰り
- 4時間40分
- 9km
山屋から杢蔵山へ
- 日帰り
- 4時間40分
- 9km
新庄市には葛麓(かつろく)という別名があります。杢蔵山は古くは木葛山(もくづやま)と呼ばれ、国土地理院が地図を作製するに当たり、読みから杢蔵山と漢字表記され(もくぞうさん)と呼ばれるようになったそうです。葛麓とは文字通り木葛山の麓の意味です。 杢蔵山は新庄市街地から見ると、どっしりと横に大きく広がった山容で聳えています。標高は1000m足らずの山ですが、山頂からの展望と、お花畑、そして綺麗な山小屋がコンパクトにまとまっていて、新庄市民の憩いの山になっています。 山屋登山口から一ノ滝コースに入ると、すぐに戸前川を渡り、スギの植林地を登っていきます。途中で渓流遊歩道が右に分岐しますが、廃道に近い状態なので入らないようにしましょう。大きくS字形に登ると、右に一ノ滝へ下る道が分かれますので立ち寄ってみましょう。一ノ滝は落差20mの滝で、手前にかわいいお顔の不動明王の石仏が安置されています。分岐まで戻り、少し登ると豊作と領内安全を祈願した不動明王の石塔が立っています 戸前川右岸の登山道周辺にはシナノキの大木が多く見られます。三ノ滝を登山道から見下ろし、少し登れば松倉沢出合に出ます。石飛びで対岸に渡り、右俣に沿って右岸の高みを進みます。途中、岩の間から湧き出る小さな水場があります。そこから急な七曲ノ坂と心臓破りノ坂を一気に登り、ブナが矮生林に変わると、前杢蔵の分岐に着きます。 分岐を左折しわずかな距離で「新庄自然に親しむ会」が管理する整理整頓がゆき届いた杢蔵山荘に着きます。薪ストーブもあり、小屋の外から眺める新庄市街地の夜景は一見の価値があります。 山荘からブナの樹林帯に入ると、金杢水の水場に着きます。そこから少しの登りで7月下旬にヤマルリトラノオの淡い水色の花が咲く風衝草原に出ます。振り返れば杢蔵山荘とテレビ塔が林立する三角山、そして月山と新庄市街地が一望できます。 稜線に出た途端、東側の眺望が一気に広がります。そこから右手が切れ落ちたヤセ尾根を北に5分たどれば杢蔵山山頂です。八森山や火打岳などの展望が開け、山座同定の楽しみはつきません。 帰路は杢蔵山荘から三角山を経て、テレビ塔保守用の悪路の林道を下ります。林道の道脇にはヤマルリトラノオやヤマユリ・ソバナなど山野草が多く咲いています。林道中間部に銀杢命水の水場があります。約1時間30分下れば山屋登山口に戻れます。新庄市には葛麓(かつろく)という別名があります。杢蔵山は古くは木葛山(もくづやま)と呼ばれ、国土地理院が地図を作製するに当たり、読みから杢蔵山と漢字表記され(もくぞうさん)と呼ばれるようになったそうです。葛麓とは文字通り木葛山の麓の意味です。 杢蔵山は新庄市街地から見ると、どっしりと横に大きく広がった山容で聳えています。標高は1000m足らずの山ですが、山頂からの展望と、お花畑、そして綺麗な山小屋がコンパクトにまとまっていて、新庄市民の憩いの山になっています。 山屋登山口から一ノ滝コースに入ると、すぐに戸前川を渡り、スギの植林地を登っていきます。途中で渓流遊歩道が右に分岐しますが、廃道に近い状態なので入らないようにしましょう。大きくS字形に登ると、右に一ノ滝へ下る道が分かれますので立ち寄ってみましょう。一ノ滝は落差20mの滝で、手前にかわいいお顔の不動明王の石仏が安置されています。分岐まで戻り、少し登ると豊作と領内安全を祈願した不動明王の石塔が立っています 戸前川右岸の登山道周辺にはシナノキの大木が多く見られます。三ノ滝を登山道から見下ろし、少し登れば松倉沢出合に出ます。石飛びで対岸に渡り、右俣に沿って右岸の高みを進みます。途中、岩の間から湧き出る小さな水場があります。そこから急な七曲ノ坂と心臓破りノ坂を一気に登り、ブナが矮生林に変わると、前杢蔵の分岐に着きます。 分岐を左折しわずかな距離で「新庄自然に親しむ会」が管理する整理整頓がゆき届いた杢蔵山荘に着きます。薪ストーブもあり、小屋の外から眺める新庄市街地の夜景は一見の価値があります。 山荘からブナの樹林帯に入ると、金杢水の水場に着きます。そこから少しの登りで7月下旬にヤマルリトラノオの淡い水色の花が咲く風衝草原に出ます。振り返れば杢蔵山荘とテレビ塔が林立する三角山、そして月山と新庄市街地が一望できます。 稜線に出た途端、東側の眺望が一気に広がります。そこから右手が切れ落ちたヤセ尾根を北に5分たどれば杢蔵山山頂です。八森山や火打岳などの展望が開け、山座同定の楽しみはつきません。 帰路は杢蔵山荘から三角山を経て、テレビ塔保守用の悪路の林道を下ります。林道の道脇にはヤマルリトラノオやヤマユリ・ソバナなど山野草が多く咲いています。林道中間部に銀杢命水の水場があります。約1時間30分下れば山屋登山口に戻れます。 -
泥湯から高松岳へ
- 日帰り
- 6時間35分
- 13km
泥湯から高松岳へ
- 日帰り
- 6時間35分
- 13km
高松岳の山名は山麓の高松郷に由来すると言われています。泥湯から高松岳に直接登る登山道はなく、一般的に小安岳から時計回りで泥湯三山を周回するコースが歩かれています。 泥湯温泉奥山旅館は2016年7月に火災で全焼しましたが、2019年の春に宿泊棟が再建され、かつての湯宿が復活しました。 泥湯温泉の駐車場から、秋ノ宮方面へ車道を歩くと、すぐ左手に高松岳登山口があります。高松川の堰堤を右下に見ながら急斜面を横切る箇所は、土が崩れ、足場が悪いので滑落に注意してください。スギ林を過ぎ、ブナの茂る道を登っていくと、もうもうと湯けむりが立ち昇る新湯跡に着きます。その先傾斜が増し、小尾根を登ると、しだいに尾根から離れて、ブナの原生林の中、延々と山腹を巻く道になります。この一帯は残雪があるとルートファインディングが非常に難しいところです。 やがて小安岳の西斜面を巻くようになり、崩壊地の急な斜面を登り水場に着きます。そこから少し登れば稜線上の小安岳分岐に出て、左へ10分で高松岳や山伏岳、栗駒山、焼石連峰の展望が素晴らしい小安岳山頂です。 分岐に戻り、直進してアップダウンの少ない稜線を進みます。右手に高松岳の量感ある山容が見え隠れしています。石神分岐は右へ。ここから西へ向きを変えて展望の良い稜線上にある2つの小ピークを越えると、まもなく木造2階建の避難小屋が建つ高松岳最高地点に着きます。この避難小屋は水場がないのが難点です。ここから南へ灌木帯の中を10分歩いた場所が山頂標識と石碑がある高松岳山頂で、南側が切れ落ち、虎毛山、栗駒山、神室連峰、鳥海山、月山など雄大な眺めが広がります。 再び避難小屋まで戻り、西へ伸びる広い尾根をたどって山伏岳を目指します。鞍部までの道は掘れてぬかるみになっている事もあります。夏場に高山植物の咲く1261mピークを越え、1時間ほどで山伏岳に着きます。南側眼下に険しい山容の屏風岳が見えます。 泥湯へは北東へ伸びる広い尾根を下ります。展望が開けた穏やかな傾斜の灌木帯の道は、やがてブナ林に入って行きます。秋にはナラタケなどキノコの収穫も期待できます。やがてカラマツ・スギの植林地を通り抜け、再びブナ林の道になると、泥湯から秋ノ宮に通じる、県道・こまち湯ったりロードまでは僅かな距離です。県道に出て右に少し行くと、川原毛地獄の荒涼とした白い火山地形が広がります。ここから2km県道を歩けば泥湯温泉に戻れます。なお高松岳の登山道は刈り払いが隔年で実施されるため、ヤブがかぶって歩き難いことがあります。高松岳の山名は山麓の高松郷に由来すると言われています。泥湯から高松岳に直接登る登山道はなく、一般的に小安岳から時計回りで泥湯三山を周回するコースが歩かれています。 泥湯温泉奥山旅館は2016年7月に火災で全焼しましたが、2019年の春に宿泊棟が再建され、かつての湯宿が復活しました。 泥湯温泉の駐車場から、秋ノ宮方面へ車道を歩くと、すぐ左手に高松岳登山口があります。高松川の堰堤を右下に見ながら急斜面を横切る箇所は、土が崩れ、足場が悪いので滑落に注意してください。スギ林を過ぎ、ブナの茂る道を登っていくと、もうもうと湯けむりが立ち昇る新湯跡に着きます。その先傾斜が増し、小尾根を登ると、しだいに尾根から離れて、ブナの原生林の中、延々と山腹を巻く道になります。この一帯は残雪があるとルートファインディングが非常に難しいところです。 やがて小安岳の西斜面を巻くようになり、崩壊地の急な斜面を登り水場に着きます。そこから少し登れば稜線上の小安岳分岐に出て、左へ10分で高松岳や山伏岳、栗駒山、焼石連峰の展望が素晴らしい小安岳山頂です。 分岐に戻り、直進してアップダウンの少ない稜線を進みます。右手に高松岳の量感ある山容が見え隠れしています。石神分岐は右へ。ここから西へ向きを変えて展望の良い稜線上にある2つの小ピークを越えると、まもなく木造2階建の避難小屋が建つ高松岳最高地点に着きます。この避難小屋は水場がないのが難点です。ここから南へ灌木帯の中を10分歩いた場所が山頂標識と石碑がある高松岳山頂で、南側が切れ落ち、虎毛山、栗駒山、神室連峰、鳥海山、月山など雄大な眺めが広がります。 再び避難小屋まで戻り、西へ伸びる広い尾根をたどって山伏岳を目指します。鞍部までの道は掘れてぬかるみになっている事もあります。夏場に高山植物の咲く1261mピークを越え、1時間ほどで山伏岳に着きます。南側眼下に険しい山容の屏風岳が見えます。 泥湯へは北東へ伸びる広い尾根を下ります。展望が開けた穏やかな傾斜の灌木帯の道は、やがてブナ林に入って行きます。秋にはナラタケなどキノコの収穫も期待できます。やがてカラマツ・スギの植林地を通り抜け、再びブナ林の道になると、泥湯から秋ノ宮に通じる、県道・こまち湯ったりロードまでは僅かな距離です。県道に出て右に少し行くと、川原毛地獄の荒涼とした白い火山地形が広がります。ここから2km県道を歩けば泥湯温泉に戻れます。なお高松岳の登山道は刈り払いが隔年で実施されるため、ヤブがかぶって歩き難いことがあります。 -
秋の宮温泉郷から虎毛山へ
- 日帰り
- 6時間5分
- 8.7km
秋の宮温泉郷から虎毛山へ
- 日帰り
- 6時間5分
- 8.7km
虎毛山の名は、幾つかの沢の縦縞模様が、虎の毛並のように見えることに由来しています。この山を特長づけるのは、山頂の南東側に広がる1haほどの、なだらかに傾斜した高層湿原です。湿原に散在する幾つかの池溏に栗駒山の秀麗な姿を映し出していて、「雲上のオアシス」と称されています。 国道108号役内大橋の1.5km北西にある虎毛山登山口の標識に従い、役内川沿いの舗装された林道を2km進むと旧登山口に着きます。この先の赤倉沢林道は2018年8月の集中豪雨で路肩が崩落し、復旧工事が行われています。現在の虎毛山登山口は旧登山口から1.8km上流部に移され、大きな駐車場も整備されました。なお登山口近くにトラの滴と呼ばれる水場があります。右手の枝沢上部が崩落し、堆積した岩石で登山道が寸断された場所は、水際を慎重に通過しましょう。登山口から歩き始めて40分で、赤倉沢の渡渉点に着きます。仮設された橋は2023年7月の豪雨で再び破壊され渡渉が必要です。橋の復旧時期は未定。 ここから主稜線の1234mのピークまで、一気に標高差600mに及ぶ本格的な登りが始まります。ブナとミズナラの混生林の中、要所に木段が設置された九十九折りの急坂を過ぎ、傾斜が緩くなるとヒノキアスナロの原生林が現れます。この先、再びブナの見事な森を登ると、高松岳への縦走コースが分岐する1234mのピークに飛び出します。この縦走路は2018年以降、刈り払いが行われておらず、ヤブが繁茂して通行できない状況です。 右へルートをとり、少し進めば眺望が開け、ドーム型の虎毛山が目の前に現れます。高松岳へ延々と続く稜線も一望できます。小さな鞍部を越し、左に曲がってブナ林から灌木帯の登りに変わります。ここで西側の展望が開け、鳥海山、神室連峰、月山が見えてきます。この一帯の秋の真っ赤な紅葉は見事です。やがて傾斜が徐々に緩み、避難小屋が見えたらまもなく虎毛山山頂です。 小屋の先に広がる高層湿原を散策しましょう。6月中旬から7月上旬にかけてヒナザクラ・ワタスゲ・チングルマなどが咲き誇り、秋にはオレンジ色の草紅葉が見事です。山上の楽園の素晴らしい景観を心ゆくまで楽しんだら往路を戻ります。なお虎毛山山頂避難小屋には水場はありません。虎毛山の名は、幾つかの沢の縦縞模様が、虎の毛並のように見えることに由来しています。この山を特長づけるのは、山頂の南東側に広がる1haほどの、なだらかに傾斜した高層湿原です。湿原に散在する幾つかの池溏に栗駒山の秀麗な姿を映し出していて、「雲上のオアシス」と称されています。 国道108号役内大橋の1.5km北西にある虎毛山登山口の標識に従い、役内川沿いの舗装された林道を2km進むと旧登山口に着きます。この先の赤倉沢林道は2018年8月の集中豪雨で路肩が崩落し、復旧工事が行われています。現在の虎毛山登山口は旧登山口から1.8km上流部に移され、大きな駐車場も整備されました。なお登山口近くにトラの滴と呼ばれる水場があります。右手の枝沢上部が崩落し、堆積した岩石で登山道が寸断された場所は、水際を慎重に通過しましょう。登山口から歩き始めて40分で、赤倉沢の渡渉点に着きます。仮設された橋は2023年7月の豪雨で再び破壊され渡渉が必要です。橋の復旧時期は未定。 ここから主稜線の1234mのピークまで、一気に標高差600mに及ぶ本格的な登りが始まります。ブナとミズナラの混生林の中、要所に木段が設置された九十九折りの急坂を過ぎ、傾斜が緩くなるとヒノキアスナロの原生林が現れます。この先、再びブナの見事な森を登ると、高松岳への縦走コースが分岐する1234mのピークに飛び出します。この縦走路は2018年以降、刈り払いが行われておらず、ヤブが繁茂して通行できない状況です。 右へルートをとり、少し進めば眺望が開け、ドーム型の虎毛山が目の前に現れます。高松岳へ延々と続く稜線も一望できます。小さな鞍部を越し、左に曲がってブナ林から灌木帯の登りに変わります。ここで西側の展望が開け、鳥海山、神室連峰、月山が見えてきます。この一帯の秋の真っ赤な紅葉は見事です。やがて傾斜が徐々に緩み、避難小屋が見えたらまもなく虎毛山山頂です。 小屋の先に広がる高層湿原を散策しましょう。6月中旬から7月上旬にかけてヒナザクラ・ワタスゲ・チングルマなどが咲き誇り、秋にはオレンジ色の草紅葉が見事です。山上の楽園の素晴らしい景観を心ゆくまで楽しんだら往路を戻ります。なお虎毛山山頂避難小屋には水場はありません。 -
新中峰コースから禿岳へ
- 日帰り
- 5時間40分
- 10.4km
新中峰コースから禿岳へ
- 日帰り
- 5時間40分
- 10.4km
禿岳は直径10数kmに及ぶ鬼首カルデラの外輪山の最高峰で、別名は小鏑山と呼ばれています。鬼首温泉郷から望むスラブ状の岩壁を露わにした山容は男性的で、地元では人気の高い山です。 古川高校の山小屋を過ぎ、荒れた林道を登ると新中峰コース登山口に着きます。ここから稜線まで息つく暇もない急登が続きます。見事なブナの原生林を抜け、稜線に近づくと北側の中ノ沢の険しいスラブが眼前に広がります。山頂へ続く稜線は、東側が禿高原まで落差700mも切れ落ち高度感満点です。やがて大きな山名標石が立つ禿岳山頂に着きます。360度の展望を楽しんだら花立峠に下りましょう。山頂から南東へ数分で不動明王像が祀られた南峰に着きます。五合目で道が直角に左に折れ、白い木肌が美しいブナ林に入ります。 花立峠の手前の風衝地は高原の花が咲き競っています。峠から鬼首盆地を眺めながら県道を歩くと、オニコウベスキー場に着きます。禿岳は直径10数kmに及ぶ鬼首カルデラの外輪山の最高峰で、別名は小鏑山と呼ばれています。鬼首温泉郷から望むスラブ状の岩壁を露わにした山容は男性的で、地元では人気の高い山です。 古川高校の山小屋を過ぎ、荒れた林道を登ると新中峰コース登山口に着きます。ここから稜線まで息つく暇もない急登が続きます。見事なブナの原生林を抜け、稜線に近づくと北側の中ノ沢の険しいスラブが眼前に広がります。山頂へ続く稜線は、東側が禿高原まで落差700mも切れ落ち高度感満点です。やがて大きな山名標石が立つ禿岳山頂に着きます。360度の展望を楽しんだら花立峠に下りましょう。山頂から南東へ数分で不動明王像が祀られた南峰に着きます。五合目で道が直角に左に折れ、白い木肌が美しいブナ林に入ります。 花立峠の手前の風衝地は高原の花が咲き競っています。峠から鬼首盆地を眺めながら県道を歩くと、オニコウベスキー場に着きます。 -
大森平から須金岳へ
- 日帰り
- 6時間0分
- 10.7km
大森平から須金岳へ
- 日帰り
- 6時間0分
- 10.7km
須金岳も禿岳と同様に鬼首カルデラの外輪山の一峰で、藩政時代に良質の素金を産出したことが山名の由来です。 大森平から仙北沢林道を1.5km歩くと、右に登山口の標識があります。山腹を横切り、一合目で左折してブナやヒメコマツの混じる尾根を登ります。やがてブナ林の中の急な登りが続き水沢森に着きます。ここから樹高が低くなり、サラサドウダンが群生する尾根を登ると、「須金山頂」の標識がある小湿原の九合目に出ます。この先、猪の倉沢の源頭部の開けた頂稜に出て、荒雄岳を中央火口丘とする鬼首環状盆地の景観が一気に広がります。 1241m峰を越えて寒湯沢コースを上ノ台へ下りましょう。ブナの幽玄な原生林が広がる尾根を下り、ヒノキアスナロが林立するヤセ尾根を過ぎれば寒湯沢登山口です。沢を2回渡渉して林道を歩くと上ノ台に出ます。須金岳も禿岳と同様に鬼首カルデラの外輪山の一峰で、藩政時代に良質の素金を産出したことが山名の由来です。 大森平から仙北沢林道を1.5km歩くと、右に登山口の標識があります。山腹を横切り、一合目で左折してブナやヒメコマツの混じる尾根を登ります。やがてブナ林の中の急な登りが続き水沢森に着きます。ここから樹高が低くなり、サラサドウダンが群生する尾根を登ると、「須金山頂」の標識がある小湿原の九合目に出ます。この先、猪の倉沢の源頭部の開けた頂稜に出て、荒雄岳を中央火口丘とする鬼首環状盆地の景観が一気に広がります。 1241m峰を越えて寒湯沢コースを上ノ台へ下りましょう。ブナの幽玄な原生林が広がる尾根を下り、ヒノキアスナロが林立するヤセ尾根を過ぎれば寒湯沢登山口です。沢を2回渡渉して林道を歩くと上ノ台に出ます。 -
中沼から焼石岳・三合目登山口へ
- 日帰り
- 6時間25分
- 12.6km
中沼から焼石岳・三合目登山口へ
- 日帰り
- 6時間25分
- 12.6km
焼石岳の名前の由来は、薬師岳からの転訛、もしくは山頂一帯に焼けたような黒い岩が積み重なっている様子からついたと言う2つの説があります。 中沼登山口からカラマツ林を過ぎ、ブナ林の急な階段を登って、沢音が聞こえてきたら中沼に着きます。沼越しに横岳から獅子ヶ鼻岳に続く美しいスカイラインが望め、沼の西側の湿原にはリュウキンカやトウゲブキが群生しています。小沢の中の道を登っていくと、ミツガシワが咲く上沼に着きます。再び足場が悪い沢道と、湿原の木道を交互に通過して、つぶ沼分岐にでます。この分岐は残雪でコースが不明確になる時があるので注意してください。この先、トウゲブキやヒオウギアヤメが咲く小湿原と小沢を幾度か越え、登りの傾斜が緩くなるとベンチが置かれた銀明水の水場に着きます。50m先の右手の高台に銀明水避難小屋が建っています。 銀明水から上部に続く道は、雪田草原の中の急な登りに変わりますが、7月初旬まで広大な雪渓が残りますので、ガイドロープに沿って登りましょう。傾斜が緩み、ミネザクラやミヤマナラなどの低木帯をたどると、姥石平分岐に着きます。姥石平は分岐から東焼石岳まで続く広大な草原地帯で、6月初旬にはハクサンイチゲのお花畑が広がります。泉水沼を過ぎ、横岳の鞍部から急坂を登りきれば、岩手山、早池峰山、鳥海山、栗駒山など360度の大展望が広がる、焼石岳に着きます。 展望を楽しんだら山頂から北側へ続く東成瀬コースを下ります。途中の露岩帯は足場に注意して進み、焼石神社から少し下った九合目の変則十字路を左折します。ここから焼石沼までハクサンフウロ・トウゲブキ・タカネナデシコ・クガイソウなどの花々が咲き乱れるお花畑の道です。昔、短角牛の放牧地だった焼石沼周辺はミヤマキンポウゲの大群生地です。長命水の水場を過ぎ、ブナ林を下ると、三界山が大きく望める柳瀞に着きます。さらにブナ林の中を緩く下り、胆沢川を渡渉した先の平坦地が与治兵衛です。ここは県境の尾根を切り崩して西側の醍醐の水田まで水を引こうとした先人の名にちなんだ地名です。この先2箇所の渡渉がありますが、増水時は渡渉に苦労します。緩く登って着いた五合目釈迦ざんげのピークは、土地のマタギたちの集合地と言われ、焼石岳や三界山の稜線が一望できます。このピークを南に巻く道もあります。ブナの茂る大森山南斜面を進んで四合目大森沢を過ぎると県境尾根に出ます。すずこやの森コースを左に分けて、10分下れば東成瀬三合目登山口に着きます。焼石岳の名前の由来は、薬師岳からの転訛、もしくは山頂一帯に焼けたような黒い岩が積み重なっている様子からついたと言う2つの説があります。 中沼登山口からカラマツ林を過ぎ、ブナ林の急な階段を登って、沢音が聞こえてきたら中沼に着きます。沼越しに横岳から獅子ヶ鼻岳に続く美しいスカイラインが望め、沼の西側の湿原にはリュウキンカやトウゲブキが群生しています。小沢の中の道を登っていくと、ミツガシワが咲く上沼に着きます。再び足場が悪い沢道と、湿原の木道を交互に通過して、つぶ沼分岐にでます。この分岐は残雪でコースが不明確になる時があるので注意してください。この先、トウゲブキやヒオウギアヤメが咲く小湿原と小沢を幾度か越え、登りの傾斜が緩くなるとベンチが置かれた銀明水の水場に着きます。50m先の右手の高台に銀明水避難小屋が建っています。 銀明水から上部に続く道は、雪田草原の中の急な登りに変わりますが、7月初旬まで広大な雪渓が残りますので、ガイドロープに沿って登りましょう。傾斜が緩み、ミネザクラやミヤマナラなどの低木帯をたどると、姥石平分岐に着きます。姥石平は分岐から東焼石岳まで続く広大な草原地帯で、6月初旬にはハクサンイチゲのお花畑が広がります。泉水沼を過ぎ、横岳の鞍部から急坂を登りきれば、岩手山、早池峰山、鳥海山、栗駒山など360度の大展望が広がる、焼石岳に着きます。 展望を楽しんだら山頂から北側へ続く東成瀬コースを下ります。途中の露岩帯は足場に注意して進み、焼石神社から少し下った九合目の変則十字路を左折します。ここから焼石沼までハクサンフウロ・トウゲブキ・タカネナデシコ・クガイソウなどの花々が咲き乱れるお花畑の道です。昔、短角牛の放牧地だった焼石沼周辺はミヤマキンポウゲの大群生地です。長命水の水場を過ぎ、ブナ林を下ると、三界山が大きく望める柳瀞に着きます。さらにブナ林の中を緩く下り、胆沢川を渡渉した先の平坦地が与治兵衛です。ここは県境の尾根を切り崩して西側の醍醐の水田まで水を引こうとした先人の名にちなんだ地名です。この先2箇所の渡渉がありますが、増水時は渡渉に苦労します。緩く登って着いた五合目釈迦ざんげのピークは、土地のマタギたちの集合地と言われ、焼石岳や三界山の稜線が一望できます。このピークを南に巻く道もあります。ブナの茂る大森山南斜面を進んで四合目大森沢を過ぎると県境尾根に出ます。すずこやの森コースを左に分けて、10分下れば東成瀬三合目登山口に着きます。 -
夏油温泉から焼石岳・南本内岳登山口へ
- 1泊2日
- 11時間45分
- 19km
夏油温泉から焼石岳・南本内岳登山口へ
- 1泊2日
- 11時間45分
- 19km
古くからの湯治場で、秘湯として知られる夏油温泉が縦走の起点になります。温泉の入口右手にある駐車場北側の登山口から、斜面を斜めに登り古い作業道に出ます。少し下り直進する道は石灰華ドームへ続きますが、登山道は鋭角に右に折れ、10分ほど登り林道に合流します。林道を横切り直進する道は牛形山への登山道で、経塚山は左へ林道を40分歩きます。経塚山二の標識に導かれて夏油川方面へ急坂を下り、2022年秋に再建された歩道橋を渡ります。対岸に渡るとすぐにロープが設置された岩場が現れ、その後、ブナ林の九十九折りの急坂を標高差300m登ります。やがて傾斜が緩んで尾根上の道になり、少し下って水場に着きます。先にある苔むした岩とコメツガの森に囲まれたお坪の庭は、真夏でも風穴の冷気が漂っています。八合目の木道を過ぎ、初夏まで雪渓が残る急な草原を登ります。草原上部の灌木帯を進むと、慈覚大師が経文を埋めたと伝えられる経塚山山頂に着きます。山頂からの展望は圧巻で、天竺山から焼石岳、南本内岳へ連なる主稜線が見渡せます。 山頂から賽ノ河原を経て鞍部まで下り、ピークをふたつ越し、天竺山の北側を巻いて、小沢状の道を下ると金明水に着きます。水場のそばに建つ金明水避難小屋が今宵の宿です。 金明水からワタスゲが群生する雪田草原を登り、灌木帯の稜線のピークを幾つか越えます。六沢山の先は南側が急な崖になっていて、逆に北側は珠玉のような池が点在しています。東焼石岳に着くと、そこから姥石平分岐まで広大な姥石平のお花畑が続きます。横岳鞍部から、急坂を登れば展望抜群の焼石岳山頂に到着です。 下山は北へ九合目・焼石神社まで下り、変則十字路を直進して南本内岳を目指します。南本内川源流の沼から少し登ると、展望が広がる南本内岳(権四郎森)の最高点に着きます。小さな高層湿原の先に分岐があり、左がお花畑コース、右は南本内岳の山頂標識が立つ1486mピークで、ここは花の多いお花畑コースを下ります。正面に三界山を眺めながら灌木の稜線を下り、稜線の途中から右に折れると、リュウキンカやヒナザクラが咲く新倉沢源流域の湿原に出ます。湿原の下部で尾根コースと合流し左折すると、灌木帯からブナ林に入ります。ブナ清水を過ぎ、新倉沢は飛び石で渡ります。スギの植林地に入れば南本内岳登山口は僅かな距離です。古くからの湯治場で、秘湯として知られる夏油温泉が縦走の起点になります。温泉の入口右手にある駐車場北側の登山口から、斜面を斜めに登り古い作業道に出ます。少し下り直進する道は石灰華ドームへ続きますが、登山道は鋭角に右に折れ、10分ほど登り林道に合流します。林道を横切り直進する道は牛形山への登山道で、経塚山は左へ林道を40分歩きます。経塚山二の標識に導かれて夏油川方面へ急坂を下り、2022年秋に再建された歩道橋を渡ります。対岸に渡るとすぐにロープが設置された岩場が現れ、その後、ブナ林の九十九折りの急坂を標高差300m登ります。やがて傾斜が緩んで尾根上の道になり、少し下って水場に着きます。先にある苔むした岩とコメツガの森に囲まれたお坪の庭は、真夏でも風穴の冷気が漂っています。八合目の木道を過ぎ、初夏まで雪渓が残る急な草原を登ります。草原上部の灌木帯を進むと、慈覚大師が経文を埋めたと伝えられる経塚山山頂に着きます。山頂からの展望は圧巻で、天竺山から焼石岳、南本内岳へ連なる主稜線が見渡せます。 山頂から賽ノ河原を経て鞍部まで下り、ピークをふたつ越し、天竺山の北側を巻いて、小沢状の道を下ると金明水に着きます。水場のそばに建つ金明水避難小屋が今宵の宿です。 金明水からワタスゲが群生する雪田草原を登り、灌木帯の稜線のピークを幾つか越えます。六沢山の先は南側が急な崖になっていて、逆に北側は珠玉のような池が点在しています。東焼石岳に着くと、そこから姥石平分岐まで広大な姥石平のお花畑が続きます。横岳鞍部から、急坂を登れば展望抜群の焼石岳山頂に到着です。 下山は北へ九合目・焼石神社まで下り、変則十字路を直進して南本内岳を目指します。南本内川源流の沼から少し登ると、展望が広がる南本内岳(権四郎森)の最高点に着きます。小さな高層湿原の先に分岐があり、左がお花畑コース、右は南本内岳の山頂標識が立つ1486mピークで、ここは花の多いお花畑コースを下ります。正面に三界山を眺めながら灌木の稜線を下り、稜線の途中から右に折れると、リュウキンカやヒナザクラが咲く新倉沢源流域の湿原に出ます。湿原の下部で尾根コースと合流し左折すると、灌木帯からブナ林に入ります。ブナ清水を過ぎ、新倉沢は飛び石で渡ります。スギの植林地に入れば南本内岳登山口は僅かな距離です。 -
夏油温泉から牛形山へ
- 日帰り
- 7時間5分
- 10.3km
夏油温泉から牛形山へ
- 日帰り
- 7時間5分
- 10.3km
秘湯・夏油温泉の西側にそびえる牛形山は、経塚山、駒ヶ岳とともに夏油三山の一座で、山名の由来は残雪が牛の形に見える、牛が伏した姿に見えるなど2つの説があります。 登山口は夏油温泉入口の駐車場北側にあります。温泉の建物を見下ろしながら山腹を横切り、作業道に出て左折、石灰華ドーム遊歩道の入口から右に分岐する道を登り、合流する林道を横切った場所が牛形山への道です。 ブナの原生林の斜面を登って尾根に出ると、尾根を忠実にたどらず、左右の斜面を巻きながら登って行きます。「牛形山五」の標識から標高差150mの急登が続きます。牛形山山頂から北東に伸びる尾根に出ると、梢越しに白っ子森や鷲ヶ森山が見えてきます。この付近からブナの背丈が低くなり、牛形山北側の足場の悪い急な草付き斜面を横切っていきます。ここに残雪がある場合は滑落の危険性が高いので、無理だと思ったら引き返した方がよいでしょう。1箇所脆い岩質の急な岩場があるので、固定ロープを頼りに慎重に登ってください。 水場を経て進むとダケカンバの森になり、丸子峠への縦走コースが分岐する八合目に着きます。分岐を左折すると小さな湿原に出て、その先はロープが張られた粘土質の滑りやすい急坂が、山頂北側の稜線まで続きます。登りきると眺望が一気に広がり、灌木と露岩帯の稜線を10分ほど進むと牛形山山頂に着きます。ミヤマナラやミネカエデの低灌木に囲まれた山頂からは、眼下に赤い屋根の夏油温泉や入畑ダム、夏油三山の駒ヶ岳や経塚山、そして焼石岳や南本内岳など焼石連峰の山々が一望できます。 静かな山頂で展望を楽しんだら、八合目の分岐まで戻り左折して、稜線を丸子峠まで縦走し、夏油温泉に下る周回コースに入ります。このコースは刈払いが不定期なので、北上市商業観光課に問い合わせてから歩く事をお勧めします。 最初は傾斜した湿原の中を登り、灌木が茂る稜線に出ます。白っ子森の山頂には2体の雄坊地蔵が祀られ、白っ子森東斜面のお花畑が広がる急な草付きにはロープが延々と張られています。鷲ヶ森山まで低木帯の道を登り返すと、キャラボクの巨木が登山道に張り出しています。鷲ヶ森山頂は西側に15mほど入った場所で北側の展望が開けます。ブナ林を下り、鞍部から標高差50m登った地点が丸子峠で、右折して夏油温泉へ下ります。ブナの巨木林の中を下り、県道に出て、車道を西へ850m歩けば夏油温泉に戻れます。秘湯・夏油温泉の西側にそびえる牛形山は、経塚山、駒ヶ岳とともに夏油三山の一座で、山名の由来は残雪が牛の形に見える、牛が伏した姿に見えるなど2つの説があります。 登山口は夏油温泉入口の駐車場北側にあります。温泉の建物を見下ろしながら山腹を横切り、作業道に出て左折、石灰華ドーム遊歩道の入口から右に分岐する道を登り、合流する林道を横切った場所が牛形山への道です。 ブナの原生林の斜面を登って尾根に出ると、尾根を忠実にたどらず、左右の斜面を巻きながら登って行きます。「牛形山五」の標識から標高差150mの急登が続きます。牛形山山頂から北東に伸びる尾根に出ると、梢越しに白っ子森や鷲ヶ森山が見えてきます。この付近からブナの背丈が低くなり、牛形山北側の足場の悪い急な草付き斜面を横切っていきます。ここに残雪がある場合は滑落の危険性が高いので、無理だと思ったら引き返した方がよいでしょう。1箇所脆い岩質の急な岩場があるので、固定ロープを頼りに慎重に登ってください。 水場を経て進むとダケカンバの森になり、丸子峠への縦走コースが分岐する八合目に着きます。分岐を左折すると小さな湿原に出て、その先はロープが張られた粘土質の滑りやすい急坂が、山頂北側の稜線まで続きます。登りきると眺望が一気に広がり、灌木と露岩帯の稜線を10分ほど進むと牛形山山頂に着きます。ミヤマナラやミネカエデの低灌木に囲まれた山頂からは、眼下に赤い屋根の夏油温泉や入畑ダム、夏油三山の駒ヶ岳や経塚山、そして焼石岳や南本内岳など焼石連峰の山々が一望できます。 静かな山頂で展望を楽しんだら、八合目の分岐まで戻り左折して、稜線を丸子峠まで縦走し、夏油温泉に下る周回コースに入ります。このコースは刈払いが不定期なので、北上市商業観光課に問い合わせてから歩く事をお勧めします。 最初は傾斜した湿原の中を登り、灌木が茂る稜線に出ます。白っ子森の山頂には2体の雄坊地蔵が祀られ、白っ子森東斜面のお花畑が広がる急な草付きにはロープが延々と張られています。鷲ヶ森山まで低木帯の道を登り返すと、キャラボクの巨木が登山道に張り出しています。鷲ヶ森山頂は西側に15mほど入った場所で北側の展望が開けます。ブナ林を下り、鞍部から標高差50m登った地点が丸子峠で、右折して夏油温泉へ下ります。ブナの巨木林の中を下り、県道に出て、車道を西へ850m歩けば夏油温泉に戻れます。 -
小田越から早池峰山・鶏頭山へ
- 日帰り
- 9時間10分
- 11.4km
小田越から早池峰山・鶏頭山へ
- 日帰り
- 9時間10分
- 11.4km
6月中旬から8月上旬の土・日・祝日、岳から江繋までの間はマイカー規制されシャトルバスが運行されます。また貴重な高山植物の環境保護を目的として、山頂避難小屋のトイレは携帯トイレ専用になっています。携帯トイレは小田越登山口で販売しています。 県道25号の最高地点、小田越から登山道に入ります。オオシラビソの森を緩く登ると、30分ほどで森林限界に達し、一合目御門口に着きます。ここから氷河期の凍結破砕作用によって壊された蛇紋岩の岩塊斜面が続く高山帯に入ります。靴で磨かれた蛇紋岩は非常に滑りやすいので注意して登りましょう。ハヤチネウスユキソウやミヤマオダマキなど様々な花が咲き乱れる登山道の両脇には高山植物保護のロープが張られています。やがて傾斜が緩むと大きな岩塔が立つ五合目御金蔵です。振り返れば薬師岳が綺麗な三角形の姿で望めます。ハイマツ帯の広がる竜ヶ馬場を過ぎると、岩場に設置された2連の鉄ハシゴを登ります。そこから僅かな距離で主稜線の剣ヶ峰分岐に出ます。イワカガミやヨツバシオガマが咲く御田植場の小湿原を通り、門馬コース分岐を過ぎて、すぐに避難小屋や早池峰神社奥宮の建つ早池峰山山頂に着きます。山頂からの展望は360度。秀麗な岩手山、焼石連峰など奥羽山脈の山々が一望でき、南北に北上山地の山並みが連なっています。 この先の縦走路は、視界が利かないときには迷いやすいので注意が必要です。道が不明確な箇所にはガイドロープが延々と張られています。頂上を離れると登山者が少なくなり、それまでの喧騒がウソのように静かになります。咲き乱れる高山植物を愛でながら緩く下ると、中岳の鞍部でコメツガ・オオシラビソの樹林帯に入り、中岳まで幾つかの岩峰を巻いたり、越えたりしながら進みます。中岳山頂は目立たない岩峰で見落としてしまう方も多いです。 中岳から地形図の1518mまでの区間は、露岩や岩峰を越して下ります。数mの本格的な岩場の下りは慎重に。岩峰が終わるとオオシラビソの樹林帯に入ります。1468mピークを越した先に、水場100mの標識があり、少量ながら水を得られます。1415mピークを過ぎた地点は南側が切れ落ちているので慎重に通過しましょう。ひと登りで展望の良い鶏頭山山頂に着きます。ヤセ尾根を下ると、お地蔵様のある前鶏頭の山頂です。その岩峰の下で七折ノ滝へ下る道を右に見送ります。すぐに樹林帯に入り、水場のない鶏頭山避難小屋の前を通って、広葉樹林の小尾根をどんどん下れば、車道に飛び出し、岳集落まで10分で着きます。6月中旬から8月上旬の土・日・祝日、岳から江繋までの間はマイカー規制されシャトルバスが運行されます。また貴重な高山植物の環境保護を目的として、山頂避難小屋のトイレは携帯トイレ専用になっています。携帯トイレは小田越登山口で販売しています。 県道25号の最高地点、小田越から登山道に入ります。オオシラビソの森を緩く登ると、30分ほどで森林限界に達し、一合目御門口に着きます。ここから氷河期の凍結破砕作用によって壊された蛇紋岩の岩塊斜面が続く高山帯に入ります。靴で磨かれた蛇紋岩は非常に滑りやすいので注意して登りましょう。ハヤチネウスユキソウやミヤマオダマキなど様々な花が咲き乱れる登山道の両脇には高山植物保護のロープが張られています。やがて傾斜が緩むと大きな岩塔が立つ五合目御金蔵です。振り返れば薬師岳が綺麗な三角形の姿で望めます。ハイマツ帯の広がる竜ヶ馬場を過ぎると、岩場に設置された2連の鉄ハシゴを登ります。そこから僅かな距離で主稜線の剣ヶ峰分岐に出ます。イワカガミやヨツバシオガマが咲く御田植場の小湿原を通り、門馬コース分岐を過ぎて、すぐに避難小屋や早池峰神社奥宮の建つ早池峰山山頂に着きます。山頂からの展望は360度。秀麗な岩手山、焼石連峰など奥羽山脈の山々が一望でき、南北に北上山地の山並みが連なっています。 この先の縦走路は、視界が利かないときには迷いやすいので注意が必要です。道が不明確な箇所にはガイドロープが延々と張られています。頂上を離れると登山者が少なくなり、それまでの喧騒がウソのように静かになります。咲き乱れる高山植物を愛でながら緩く下ると、中岳の鞍部でコメツガ・オオシラビソの樹林帯に入り、中岳まで幾つかの岩峰を巻いたり、越えたりしながら進みます。中岳山頂は目立たない岩峰で見落としてしまう方も多いです。 中岳から地形図の1518mまでの区間は、露岩や岩峰を越して下ります。数mの本格的な岩場の下りは慎重に。岩峰が終わるとオオシラビソの樹林帯に入ります。1468mピークを越した先に、水場100mの標識があり、少量ながら水を得られます。1415mピークを過ぎた地点は南側が切れ落ちているので慎重に通過しましょう。ひと登りで展望の良い鶏頭山山頂に着きます。ヤセ尾根を下ると、お地蔵様のある前鶏頭の山頂です。その岩峰の下で七折ノ滝へ下る道を右に見送ります。すぐに樹林帯に入り、水場のない鶏頭山避難小屋の前を通って、広葉樹林の小尾根をどんどん下れば、車道に飛び出し、岳集落まで10分で着きます。 -
門馬から早池峰山へ
- 日帰り
- 9時間30分
- 22km
門馬から早池峰山へ
- 日帰り
- 9時間30分
- 22km
早池峰山の小田越コースは、登山者が集中して週末には山頂まで行列が続きます。それに対して北面の門馬コースは盛岡から宮古行きの急行バスが運行され、交通の便が良いにもかかわらず登山者が少なくて、静かな山旅が楽しめます。 国道106号の門馬トンネルから500m東進し、右手の閉伊川にかかる橋を渡って林道を4.5km進むと、10台の駐車スペースがある握沢登山口に着きます。登山口のゲートをくぐり、広い作業道を300mほど進んで左折し登山道に入ります。少し登ると握沢右岸に伸びる古い森林軌道跡の平坦な道が続きます。支沢の落ち込む箇所すべてに鉄製の橋が架けられていますが、一部橋が崩壊して高巻きする箇所もあります。木洩れ日が差し込む沢沿いにはミズナラ・カツラ・ヒノキアスナロの巨木林が続き、早池峰山北面の自然度の高さを感じさせてくれます。 やがて丸太橋を左岸に渡り、神額に早池峰神社と掲げられた鳥居が建つ五合目・垢離取場に着きます。ここから本格的な登りが始まり、六合目の平津戸コース分岐を通過します。平津戸コースは自治体の整備が行われず危険なため通行禁止になりました。そこから鬱蒼としたヒノキアスナロとコメツガの原生林に入り、七合目を過ぎるとさらに傾斜が増します。そしてコメツガの純林を越えれば、石仏が祀られた八合目です。九合目の水場は盛夏に涸れることもあるので期待しない方が良いでしょう。ハイマツ帯まで標高を上げると、右手に累々と黒い岩場を見せる山頂部が見えてきて、主稜線の門馬分岐に着けば早池峰山山頂は目前です。 なお場所は分かりにくいのですが、山頂の西側に開慶水と呼ばれる水が溜まった小さな池(穴)があります。この穴の水はどんなに暑くても涸れることなく、また大雨が降っても溢れることがないそうです。しかし穴の中に手を入れたり、水を飲んだりするとすぐに水は涸れてしまうので、その時は修験者に頼んで祈願してもらえば、立ちどころに水が湧きだすため、別名「早地(はやち)の泉」と呼ばれ、それが早池峰山の山名の由来になったとされています。山頂の展望を楽しんだら往路を戻ります。深い森の逍遥を楽しめるコースなので、もっと多くの人に利用されても良いと感じます。早池峰山の小田越コースは、登山者が集中して週末には山頂まで行列が続きます。それに対して北面の門馬コースは盛岡から宮古行きの急行バスが運行され、交通の便が良いにもかかわらず登山者が少なくて、静かな山旅が楽しめます。 国道106号の門馬トンネルから500m東進し、右手の閉伊川にかかる橋を渡って林道を4.5km進むと、10台の駐車スペースがある握沢登山口に着きます。登山口のゲートをくぐり、広い作業道を300mほど進んで左折し登山道に入ります。少し登ると握沢右岸に伸びる古い森林軌道跡の平坦な道が続きます。支沢の落ち込む箇所すべてに鉄製の橋が架けられていますが、一部橋が崩壊して高巻きする箇所もあります。木洩れ日が差し込む沢沿いにはミズナラ・カツラ・ヒノキアスナロの巨木林が続き、早池峰山北面の自然度の高さを感じさせてくれます。 やがて丸太橋を左岸に渡り、神額に早池峰神社と掲げられた鳥居が建つ五合目・垢離取場に着きます。ここから本格的な登りが始まり、六合目の平津戸コース分岐を通過します。平津戸コースは自治体の整備が行われず危険なため通行禁止になりました。そこから鬱蒼としたヒノキアスナロとコメツガの原生林に入り、七合目を過ぎるとさらに傾斜が増します。そしてコメツガの純林を越えれば、石仏が祀られた八合目です。九合目の水場は盛夏に涸れることもあるので期待しない方が良いでしょう。ハイマツ帯まで標高を上げると、右手に累々と黒い岩場を見せる山頂部が見えてきて、主稜線の門馬分岐に着けば早池峰山山頂は目前です。 なお場所は分かりにくいのですが、山頂の西側に開慶水と呼ばれる水が溜まった小さな池(穴)があります。この穴の水はどんなに暑くても涸れることなく、また大雨が降っても溢れることがないそうです。しかし穴の中に手を入れたり、水を飲んだりするとすぐに水は涸れてしまうので、その時は修験者に頼んで祈願してもらえば、立ちどころに水が湧きだすため、別名「早地(はやち)の泉」と呼ばれ、それが早池峰山の山名の由来になったとされています。山頂の展望を楽しんだら往路を戻ります。深い森の逍遥を楽しめるコースなので、もっと多くの人に利用されても良いと感じます。 -
馬留から薬師岳へ
- 日帰り
- 7時間40分
- 10.8km
馬留から薬師岳へ
- 日帰り
- 7時間40分
- 10.8km
優美な三角形の山容を持つ薬師岳は早池峰山と基盤岩が異なる花崗岩質の山です。山頂から見る早池峰山の迫力ある姿は圧巻で、オサバグサの開花期には、小田越から多くの登山者が登っています。しかし山行の充実度では、民話の故郷として有名な遠野市の馬留から又一の滝を経由して周回するコースが勝ります。 登山口まではマイカー利用が賢明です。上附馬牛大出から大野平の開拓地を過ぎて、林道を500m走行すると馬留登山口に着きます。又一の滝までは遊歩道が整備され、滝川沿いに30分で着きます。又一の滝は上部がナメ状で落差数十m。滝の下には石碑や祠が祀られています。滝の左岸を少し登ると、帰路に使う横通りコースが右に分かれます。薬師岳の直登ルートは分岐を直進して、滝川の左岸をたどり、すぐに右岸に渡渉します。そこから10分ほど急坂を登るとブナの原生林に入ります。標高1400m付近からダケカンバが現れ、やがてコメツガが矮生化した森に変わります。ハイマツ帯に出ると展望が一気に広がり、遠野盆地や薬師岳から西へ続く小白森、白森山のなだらかな稜線が一望できます。ガイドロープに導かれて大岩とハイマツの間を縫うように登り薬師岳山頂に到着します。 岩峰状の山頂からの展望は素晴らしく、正面に早池峰山が大きくそびえ、右手に剣ヶ峰、左手には中岳から鶏頭山に伸びる主稜線の大パノラマが広がります。 眺望を楽しんだら、西へ頂稜をたどり小田越に下ります。岩場にビッシリと張り付いたコケモモやイワヒゲの花が見事です。早池峰山を正面に眺めながらハイマツ帯を下ると、すぐにコメツガやオオシラビソの森に入ります。そこから花崗岩の岩塊とハシゴ場を下りますが、岩穴の奥にはヒカリゴケが怪しく光り、林床には6月下旬にオサバグサが咲き誇ります。傾斜が緩くなり、木道が現れると小田越は間近です。小田越から車道を150mほど東側に下り、右に分岐する横通りに入ります。この登山道は小田越山荘を過ぎ、薬師堂を経て又一の滝まで薬師岳の東側を大きく半周します。途中で右に分岐する薬師岳への登山道は整備されておらず通行禁止です。横通りはコメツガの巨木林をトラバースしていきます。小田越山荘から距離約2.5km進み、薬師岳から東に伸びる尾根を越えます。薬師堂は尾根の頂点から南に200m下った地点に建っています。そこからブナとミズナラの森を1時間10分下って又一の滝に着き、馬留登山口まで往路を戻ります。優美な三角形の山容を持つ薬師岳は早池峰山と基盤岩が異なる花崗岩質の山です。山頂から見る早池峰山の迫力ある姿は圧巻で、オサバグサの開花期には、小田越から多くの登山者が登っています。しかし山行の充実度では、民話の故郷として有名な遠野市の馬留から又一の滝を経由して周回するコースが勝ります。 登山口まではマイカー利用が賢明です。上附馬牛大出から大野平の開拓地を過ぎて、林道を500m走行すると馬留登山口に着きます。又一の滝までは遊歩道が整備され、滝川沿いに30分で着きます。又一の滝は上部がナメ状で落差数十m。滝の下には石碑や祠が祀られています。滝の左岸を少し登ると、帰路に使う横通りコースが右に分かれます。薬師岳の直登ルートは分岐を直進して、滝川の左岸をたどり、すぐに右岸に渡渉します。そこから10分ほど急坂を登るとブナの原生林に入ります。標高1400m付近からダケカンバが現れ、やがてコメツガが矮生化した森に変わります。ハイマツ帯に出ると展望が一気に広がり、遠野盆地や薬師岳から西へ続く小白森、白森山のなだらかな稜線が一望できます。ガイドロープに導かれて大岩とハイマツの間を縫うように登り薬師岳山頂に到着します。 岩峰状の山頂からの展望は素晴らしく、正面に早池峰山が大きくそびえ、右手に剣ヶ峰、左手には中岳から鶏頭山に伸びる主稜線の大パノラマが広がります。 眺望を楽しんだら、西へ頂稜をたどり小田越に下ります。岩場にビッシリと張り付いたコケモモやイワヒゲの花が見事です。早池峰山を正面に眺めながらハイマツ帯を下ると、すぐにコメツガやオオシラビソの森に入ります。そこから花崗岩の岩塊とハシゴ場を下りますが、岩穴の奥にはヒカリゴケが怪しく光り、林床には6月下旬にオサバグサが咲き誇ります。傾斜が緩くなり、木道が現れると小田越は間近です。小田越から車道を150mほど東側に下り、右に分岐する横通りに入ります。この登山道は小田越山荘を過ぎ、薬師堂を経て又一の滝まで薬師岳の東側を大きく半周します。途中で右に分岐する薬師岳への登山道は整備されておらず通行禁止です。横通りはコメツガの巨木林をトラバースしていきます。小田越山荘から距離約2.5km進み、薬師岳から東に伸びる尾根を越えます。薬師堂は尾根の頂点から南に200m下った地点に建っています。そこからブナとミズナラの森を1時間10分下って又一の滝に着き、馬留登山口まで往路を戻ります。 -
ロープウェイ山麓駅から朝日岳、三本槍岳へ
- 日帰り
- 5時間30分
- 11km
ロープウェイ山麓駅から朝日岳、三本槍岳へ
- 日帰り
- 5時間30分
- 11km
ロープウェイ山麓駅から歩き始め、車道を少し登ると左手に現れる階段の登山道を登ります。クマザサや樹林の中の道を進むと、峠の茶屋の下の車道に出ます。峠の茶屋前を通り過ぎると那須岳登山指導所があり、山の神が祀られた鳥居をくぐると、その先は本格的な登山道になります。整備された道を登って行くと、やがて樹林帯を抜けて森林限界となります。左には茶臼岳の岩峰が、右手には朝日岳の荒々しい岩山がそびえて、高山の趣に満ちてきます。火山礫がゴロゴロする道をさらに登っていくと、初夏から初秋まではツツジ類やリンドウなどの花が楽しめます。やがてお椀型のたわんだ地形の上に、峰の茶屋跡避難小屋が見えてきて、ひと頑張りで峠に出ます。 峰の茶屋跡は那須岳縦走の十字路的存在。南は牛ヶ首・茶臼岳への道、西側は三斗小屋温泉への道、北側には目指す朝日岳~三本槍岳の道が分岐しています。展望もよく、隠居倉から熊見曽根への稜線、流石山から大倉山へ至る稜線が眺望でき、近くの朝日岳も鋭い岩峰を誇示しています。 峰の茶屋跡から剣が峰の東側を巻くようにして朝日岳へ向かうと、やがて手すり用の鎖が設置された岩稜を越えて、鎖の岩場をトラバースします。最後に急なザレ場を直登しますが、ここでは落石に注意が必要です。また一帯では、残雪期には滑落にも注意してください。まもなく朝日岳の分岐の平坦地。ここから朝日岳までは一投足です。 朝日岳で大展望を楽しんだら三本槍岳へ向かいます。小ピークを越えて登り返すと「熊見曽根」と表示された石の道標があります。隠居倉への道を分けて右手の緩やかな1900m峰を越え、ハイマツやクマザサの道を下ると、木道の敷かれた清水平に下ります。清水平で休憩した後は三本槍岳へ。矮小木とハイマツ混じりの平らな道を進むと、北温泉分岐。眼前の緩やかなピークを左に巻きながら下り、鞍部から低木の茂る最後の急坂を登れば、三本槍岳の頂上です。 1等三角点のある山頂は遮る木々はなく、那須連山が一望のもと。すっくとした山容の旭岳が目を捕らえ、大倉山から三倉山へ至る下野・会津の国境尾根が大きくうねる山並みの眺望は、飽きることがありません。天気に恵まれると会津磐梯山や吾妻連峰、飯豊連峰も望まれるでしょう。帰路は往路を戻ります。ロープウェイ山麓駅から歩き始め、車道を少し登ると左手に現れる階段の登山道を登ります。クマザサや樹林の中の道を進むと、峠の茶屋の下の車道に出ます。峠の茶屋前を通り過ぎると那須岳登山指導所があり、山の神が祀られた鳥居をくぐると、その先は本格的な登山道になります。整備された道を登って行くと、やがて樹林帯を抜けて森林限界となります。左には茶臼岳の岩峰が、右手には朝日岳の荒々しい岩山がそびえて、高山の趣に満ちてきます。火山礫がゴロゴロする道をさらに登っていくと、初夏から初秋まではツツジ類やリンドウなどの花が楽しめます。やがてお椀型のたわんだ地形の上に、峰の茶屋跡避難小屋が見えてきて、ひと頑張りで峠に出ます。 峰の茶屋跡は那須岳縦走の十字路的存在。南は牛ヶ首・茶臼岳への道、西側は三斗小屋温泉への道、北側には目指す朝日岳~三本槍岳の道が分岐しています。展望もよく、隠居倉から熊見曽根への稜線、流石山から大倉山へ至る稜線が眺望でき、近くの朝日岳も鋭い岩峰を誇示しています。 峰の茶屋跡から剣が峰の東側を巻くようにして朝日岳へ向かうと、やがて手すり用の鎖が設置された岩稜を越えて、鎖の岩場をトラバースします。最後に急なザレ場を直登しますが、ここでは落石に注意が必要です。また一帯では、残雪期には滑落にも注意してください。まもなく朝日岳の分岐の平坦地。ここから朝日岳までは一投足です。 朝日岳で大展望を楽しんだら三本槍岳へ向かいます。小ピークを越えて登り返すと「熊見曽根」と表示された石の道標があります。隠居倉への道を分けて右手の緩やかな1900m峰を越え、ハイマツやクマザサの道を下ると、木道の敷かれた清水平に下ります。清水平で休憩した後は三本槍岳へ。矮小木とハイマツ混じりの平らな道を進むと、北温泉分岐。眼前の緩やかなピークを左に巻きながら下り、鞍部から低木の茂る最後の急坂を登れば、三本槍岳の頂上です。 1等三角点のある山頂は遮る木々はなく、那須連山が一望のもと。すっくとした山容の旭岳が目を捕らえ、大倉山から三倉山へ至る下野・会津の国境尾根が大きくうねる山並みの眺望は、飽きることがありません。天気に恵まれると会津磐梯山や吾妻連峰、飯豊連峰も望まれるでしょう。帰路は往路を戻ります。 -
三斗小屋温泉から三本槍岳、大峠周回
- 1泊2日
- 9時間15分
- 17.8km
三斗小屋温泉から三本槍岳、大峠周回
- 1泊2日
- 9時間15分
- 17.8km
1日目は三斗小屋温泉まで入り、2日目に縦走路を周回するコース。 ロープウェイ山麓駅から峰の茶屋跡避難小屋まではロープウェイ山麓駅から朝日岳、三本槍岳へ(コースガイド)を参照。 峰の茶屋跡避難小屋の北側から標識を見て三斗小屋温泉へ向かいます。最初はガレ場の急坂道で、下り切ると那須岳避難小屋の前へ出て道なりに御沢の橋を渡り、延命水を過ぎると、三斗小屋温泉へ着きます。 三斗小屋温泉の煙草屋旅館の脇から隠居倉へ取り付きます。温泉神社を見て林の中を登ると明るく開けた平坦地で、白い噴煙が立ちのぼる源泉地から三斗小屋温泉へ湯が引かれています。さらに右側の急坂を登り切ると稜線へ飛び出て、茶臼岳がその山容を見せます。その先は隠居倉の山頂まできつい登り。さらに熊見曽根を進み、途中で足場の悪いザレ場を注意して渡り、岩の多い緩やかな稜線になって熊見曽根東端のピークに着きます。朝日岳の分岐を見送り、左手の緩やかな1900m峰を越えて清水平へ下ります。ここは湿原で木道歩きが続きます。さらに北温泉分岐を見送り、眼前のピークを左に巻いて、鞍部から最後の急坂を登り返すと三本槍岳の頂上。山頂からは360度のパノラマが楽しめます。 三本槍岳からは大峠へ。北面の旭岳方面への縦走路に入ると10分ほどで大峠への分岐があり、左へ折れます。地形図にある1826m峰からは鏡ヶ沼を俯瞰することができ、湖面の色合いの美しさが印象的です。ここは会津と下野とを分ける旧国境の稜線で、矮小木とハイマツやクマザサが茂っています。7~8月は随所で花畑が展開されて、あたかも天上の楽園の趣です。 大峠へ下ると石仏や地蔵が迎えてくれます。会津落合と流石山、三斗小屋温泉方面からの道の十字路で、三斗小屋温泉へは左のクマザサの中に入って行きます。歩きにくいジグザグの道を下り、平坦な道になると峠沢右岸に出ます。飛石伝いに渡り、ブナ林の中を進めば中ノ沢へ一気に下ります。さらに赤岩沢が続きますが、3つの沢には橋がないので、大雨後の増水時は要注意です。赤岩沢からはきつい登りとなって、やがて緩やかな登りになると三斗小屋温泉宿の分岐が現れ、左に折れると三斗小屋温泉です。1日目は三斗小屋温泉まで入り、2日目に縦走路を周回するコース。 ロープウェイ山麓駅から峰の茶屋跡避難小屋まではロープウェイ山麓駅から朝日岳、三本槍岳へ(コースガイド)を参照。 峰の茶屋跡避難小屋の北側から標識を見て三斗小屋温泉へ向かいます。最初はガレ場の急坂道で、下り切ると那須岳避難小屋の前へ出て道なりに御沢の橋を渡り、延命水を過ぎると、三斗小屋温泉へ着きます。 三斗小屋温泉の煙草屋旅館の脇から隠居倉へ取り付きます。温泉神社を見て林の中を登ると明るく開けた平坦地で、白い噴煙が立ちのぼる源泉地から三斗小屋温泉へ湯が引かれています。さらに右側の急坂を登り切ると稜線へ飛び出て、茶臼岳がその山容を見せます。その先は隠居倉の山頂まできつい登り。さらに熊見曽根を進み、途中で足場の悪いザレ場を注意して渡り、岩の多い緩やかな稜線になって熊見曽根東端のピークに着きます。朝日岳の分岐を見送り、左手の緩やかな1900m峰を越えて清水平へ下ります。ここは湿原で木道歩きが続きます。さらに北温泉分岐を見送り、眼前のピークを左に巻いて、鞍部から最後の急坂を登り返すと三本槍岳の頂上。山頂からは360度のパノラマが楽しめます。 三本槍岳からは大峠へ。北面の旭岳方面への縦走路に入ると10分ほどで大峠への分岐があり、左へ折れます。地形図にある1826m峰からは鏡ヶ沼を俯瞰することができ、湖面の色合いの美しさが印象的です。ここは会津と下野とを分ける旧国境の稜線で、矮小木とハイマツやクマザサが茂っています。7~8月は随所で花畑が展開されて、あたかも天上の楽園の趣です。 大峠へ下ると石仏や地蔵が迎えてくれます。会津落合と流石山、三斗小屋温泉方面からの道の十字路で、三斗小屋温泉へは左のクマザサの中に入って行きます。歩きにくいジグザグの道を下り、平坦な道になると峠沢右岸に出ます。飛石伝いに渡り、ブナ林の中を進めば中ノ沢へ一気に下ります。さらに赤岩沢が続きますが、3つの沢には橋がないので、大雨後の増水時は要注意です。赤岩沢からはきつい登りとなって、やがて緩やかな登りになると三斗小屋温泉宿の分岐が現れ、左に折れると三斗小屋温泉です。