第3回「山と高原地図 フォトコンテスト2025」優秀作品発表!

6月10日~9月30日に開催された「#山地図フォトコン2025」。第3回となる今年は、1200件を超える素敵な作品をご応募いただきました。
期間中にInstagramで投稿いただいたり、”いいね”や”リポスト”等でコンテストを盛り上げてくださった皆さまに、深く感謝を申し上げます。
審査は非常に難航しましたが、満を持して、ここに優秀作品を10点発表させていただきます!

2025年10月30日 更新

選者プロフィール

今回は「山と高原地図」の著者である三宅氏、二村氏のお二方に選定いただきました。

著者の顔写真

三宅 岳(ミヤケ ガク)

山と高原地図 「40 槍ヶ岳・穂高岳」調査執筆

写真家。東京都生まれ。神奈川県旧藤野町の山中に長く楽しく暮らしている。北アルプス、丹沢などを中心に撮影する。また、炭焼きなどの林業から山暮らしの撮影も長年行っている。著書に「炭焼紀行」(創森社)、「アルペンガイド丹沢」「山に生きる」(山と渓谷社)など多数。

 

著者の顔写真

二村 幸孝(フタムラ ヨシタカ)

山と高原地図 「41 乗鞍高原」調査執筆

1957年岐阜県下呂市生まれ、岐阜県高山市在住。飛騨山岳会会員。日本体育協会山岳コーチ2(旧上級スポーツ指導員)。元高山短期大学教授。現在は木に登って伐採を行う「特殊伐採」を生活の基本として、地元の山にこだわり、岩登り、沢登り、氷壁登りなどを楽しんでいる。

優秀賞 10作品

~全体の応募作品に対する感想・選定基準について~

「応募作品、ずらりと眺めました。皆さん上手ですね。ぜひ、これからも登山の折りには、あれやこれや試行錯誤しながらシャッターを切ってください。なお、作品選びでは、中途半端では無いことを大事にしました。言い方をかえると、何を撮りたかったのがはっきりしている作品です。テーマが絞られると、写真もシェイプアップしてきます。」(三宅氏)

「どれも印象的な写真が多くて、数ある中から選定するのは難しかったです。おそらくどの写真も引き伸ばしてパネルにすればそれなりの写真だろうと想像されました。類似した作品も見られ選定に迷いました。例えば、天の川や夜の山小屋を写し込んだ夜と山を扱った写真。あるいは、池に反射する山を取り入れた写真。霞んだ遠景のグラデーションで山を表現した写真。人を入れて親しみ易い印象の写真。などなどで、どれも素晴らしい写真ばかりで、優秀賞を絞り込むのはしんどかったです。
作品選定の基準は、自分自身が、普段からちゃんとしたカメラを持って写すよりもスマホで適当に気軽に撮ることの方が多く、写真の専門的な知識もないので、選定するには自分なりの勝手な印象で選ぶしかありませんでした。ですので、最初に見た第一印象で決めたというのが正直なところです。加えて、地元に近い北アルプスの写真に惹かれたかもしれません。それぞれ、技術や感性を駆使した立派な投稿写真ばかりなので、投稿者の皆さんには申し訳ない気持ちもありますがお許しください。」(二村氏)

「羽衣まとう立山 その2」

アカウント名:@makopanman0510さん
撮影場所:室堂

選定員コメント

写真は引き算である。色彩という、ビジュアルの重要な要素をそぎ落としたモノクロームでの表現が、しばしば被写体になる立山の峰に古くて新しい魅力を注いだ。いかにも羽衣という雲の姿も良きアクセントとなっている。(三宅氏)
春山の立山。山スキーのシュプールが小さく見え、山塊の大きさを想像させてくれますが、山塊の上部を覆う羽衣のような奇妙な雲は幻想的で光り輝く様が神々しい。(二村氏)

無題

アカウント名:@white_cloudyskyさん
撮影場所:長野県 西遠見山

選定員コメント

全体に、パステルカラーのような明るい配色で、池面に映る五竜も控えめで、写り込んでいる登山者の楽しそうな歩く姿が印象的でした。(二村氏)

「烏帽子田圃」

アカウント名:@hiroaki._yoshidaさん
撮影場所:烏帽子田圃

選定員コメント

北アルプス北部と南部の中間点付近。登山者の少ない南沢岳からの一枚、というだけでも価値がある。よい撮影ポイントに気がつきましたね。朝の斜光線の時間というのも、山を立体的に見せる上でプラスポイント。画面に無駄がないのも好印象。(三宅氏)

無題

アカウント名:@yukito_soraさん
撮影場所:槍ヶ岳山荘

選定員コメント

地元からも見える笠ヶ岳なので惹かれるものがありました。山並みの背景にグラデーションのように雲と空気の層が折り重なって赤色に染まったのは夕景でしょうか。(二村氏)

「大雪山沼ノ平 半月沼のリフレクション」

アカウント名:@miki.f.130さん
撮影場所:大雪山沼ノ平

選定員コメント

綿菓子のようなちぎれ雲が、楽しそうに飛んでいる青空。その空の抜けるような青と雲の白をしっかりと写す水面。広々とした大雪山という舞台にふさわしい、明るい景色。その明るさをしっかり写し止めた作品だ。なお、少し天地のバランスが均等に過ぎるので、もっと空が多くても良かったかも。(三宅氏)

「夜明け前の空」

アカウント名:@kamixx_hykeさん
撮影場所:槍ヶ岳・北鎌尾根

選定員コメント

槍ヶ岳本峰の右っかわにちいさく小槍が見える撮影者の立ち位置が想像できます。末端から登攀を交えてようやく到着できた達成感が報われる一枚だったかと思われます。(二村氏)

「シマリスさんがいました」

アカウント名:@mikif130さん
撮影場所:大雪山国立公園

選定員コメント

生き物との出会いも、山の愉しみの一つ。シマリスさん、いいタイミングで撮ることができました。動物アップもよいですが、チングルマの入っていることで、周囲の状況も想像が膨らみます。また体の前面に余裕があるのも良いですね。体の前面が詰まった写真は窮屈になってしまうので。(三宅氏)

無題

アカウント名:@white_cloudyskyさん
撮影場所:長野県 硫黄岳から

選定員コメント

主役の蓼科山の向こうに折り重なるような山並みが見え、その背後に北アルプスのパノラマが林立し、新緑で覆われた初夏の景色と残雪のパノラマを一度に楽しめる一枚です。(二村氏)

「ジャンダルム」

アカウント名:@hiroaki._yoshidaさん
撮影場所:長野県 奥穂高岳

選定員コメント

黒と赤の構成が力強いですね。もともとのっぺら坊のように見えることもあるジャンダルム。沸き立つガスにより背景や周辺の景色が閉ざされたことで、より一層その存在感が強くなりました。画面に無駄がないのも、よいです。(三宅氏)

「甲斐駒ヶ岳と皆既月食2025」

アカウント名:@white cloudy skyさん
撮影場所:山梨県・長野県

選定員コメント

今さら言うまでもないが、デジタルカメラは夜の撮影の可能性を大きく広げてくれた。昨今ではコンテストにも多くの夜の山が投稿されるが、最初の新鮮さが薄れて、すでに「普通の景」になってしまった。そういった状況にあっても、テーマを絞って技術を磨いた作品には、やはり魅力がある。その代表だ。(三宅氏)

入賞者の皆さま、おめでとうございます!

 

優秀作品に選定された皆さまには、SNSや巷で話題の「山と高原地図ジグソーパズル 槍ヶ岳・穂高岳・上高地」をお送りいたします。

「山と高原地図」の公式Instagramアカウント(@yamachizu_shobunsha)よりダイレクトメッセージにてご連絡させていただきますのでご確認ください。
編集部一同、あらためて素敵な写真を応募いただいた皆さまには感謝申し上げます。

現在、山と高原地図(通称ヤマチズ)2026年版を鋭意制作中です。皆さまに最新の山地図をお届けできるよう、調査・執筆者&編集部が一丸となって頑張っておりますので、発売を楽しみにお待ちくださいね。
ぜひこれからも素敵な景色を見つけに、「ヤマチズ」と一緒に出かけましょう♪

山と高原地図公式Instagramアカウント(@yamachizu_shobunsha)ではさまざまな山情報を発信中です。ぜひフォローをお願いします。

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