砥峰高原ハイキング 日常を忘れてさわやかな風景の中へ

秋風にそよぐススキが、一面に広がる砥峰高原。なだらかな丘陵に銀色の草原が波打つ光景は、思わず足を止めて見入ってしまうほどの美しさです。

標高約800〜900mに位置し、整備された歩きやすい道が続くこの高原は、登山初心者にもやさしいハイキングスポット。軽めの運動と癒しの風景を同時に楽しめる場所として人気です。

ふだんの喧騒から少し離れて、自然の中をゆっくり歩く時間を過ごしてみましょう。

2025年4月25日 更新

砥峰高原とは? ススキの名所にして、映像作品の舞台にもなった絶景地

砥峰高原は兵庫県神河町に広がる高原地帯で、約90ヘクタールもの広さを誇るススキ草原が最大の魅力です。秋になると高原一帯が銀色の草で覆われ、まるで絵画のような風景が広がります。

その美しさは映画やドラマの舞台としても評価されており、映画『ノルウェイの森』やNHK大河ドラマ『平清盛』などのロケ地にも選ばれました。

遊歩道は高低差が少なく、道もよく整備されているため、体力に自信がない方でも安心して楽しめます。森林のなかの静けさや、見晴らしの良い展望、歴史と文化の香りが混ざり合うハイキング体験が、ここには詰まっています。

砥峰高原ハイキングコース 銀色の草原と展望をたどる約12kmのルート

峰山高原ホテルリラクシアを起点に、展望台や自然交流館をめぐる約12kmのハイキングルート。ススキの見頃は9月下旬から11月上旬で、特に10月の晴れた日には、草原が光をまとったようにきらめきます。

【コース概要】
・歩行時間:約4時間30分
・歩行距離:約12km
・標高:800〜900m
・難易度:★☆☆(初心者向け)
・トイレ:リラクシア・自然交流館にあり
・服装・装備:スニーカー可、長袖長ズボン、帽子・飲み物必携

START|峰山高原ホテルリラクシア

ハイキングの始まりは、標高約930mに位置する峰山高原ホテルリラクシアから。空気は澄み、風に乗って森の香りがほのかに漂います。広い駐車場と充実した設備が揃い、ハイキングの前後に立ち寄るのにぴったりなリゾートホテルです。出発前にトイレや装備をチェックして、いざ出発。

リラクシアの森(徒歩約10分)

ホテルの裏手から森へと一歩踏み入れると、そこには幻想的な世界が広がります。針葉樹の間をやわらかい木漏れ日が差し込み、落ち葉を踏む音と鳥のさえずりだけが響く静けさ。ここは映画『ノルウェイの森』のロケ地にもなった場所。足元に咲く野草や、しっとりとした苔の絨毯が、自然の美しさを静かに語りかけてきます。

分岐点(徒歩約5分)

森を抜けると視界が少しずつ開け、明るい草原へと出ます。ここが砥峰高原への分岐点。小さな看板が方向を示しており、道なりに続く草道を進むにつれて、ススキの姿がちらほら見え始めます。周囲は背の高い草原に囲まれ、風が吹くたびにススキがさざ波のように揺れ、道案内のように進む先を導いてくれます。

峰山口駅(徒歩約50分)

緩やかなアップダウンのある林道を抜けると、「峰山口駅」と書かれた古びた標識が現れます。ここはかつての駅跡地。周辺には手入れの行き届いた参道が残っており、どこか懐かしい風情があります。このあたりからアスファルト道に出て、のどかな里山の景色を横目に歩きます。曲がりくねった細道の先に、次第に高原の気配が色濃くなっていきます。

砥峰高原展望台(徒歩約40分)

ゆるやかな草道を抜けていくと、前方に小さな階段が現れます。その階段を登りきった瞬間、視界が一気に開け、目前に広がるのは銀色のススキの草原。ここが砥峰高原展望台です。

どこまでも続くススキの波が風に揺れ、日差しを浴びてきらきらと光を放ちます。遠くの山並みが淡くかすみ、草原の中に浮かんでいるかのような美しい風景。季節や時間によって姿を変える自然の表情は、見る人の心を静かに満たしてくれます。

とのみね自然交流館(徒歩約30分)

展望台を後にして少し下ると、木造のぬくもりを感じる「とのみね自然交流館」が見えてきます。建物には展望テラスが併設され、ススキ野原を見渡しながらのんびり休憩できます。館内では砥峰高原の自然に関する展示や情報が充実しており、神河町の魅力をより深く知ることができます。ベンチに腰を下ろし、お弁当や軽食を楽しみながら、風景を心ゆくまで堪能できる場所です。

とのみね自然交流館
営業時間:9:00〜17:00
休業日:月曜、冬季休館(12月〜3月)

GOAL|峰山高原ホテルリラクシア(徒歩約2時間10分)

  

帰路は来た道を引き返します。往路では気づかなかった角度から眺めるススキの風景や、傾き始めた太陽の光が草原をオレンジ色に染める様子に、また新たな感動を覚えるかもしれません。ホテルが見えてくると、あたたかい温泉が待っているという安心感に包まれます。

到着後は、リラクシア自慢の露天風呂へ。高原の風を感じながら、疲れた体をじっくり癒せば、砥峰高原の自然が心に残る特別な一日となることでしょう。

立ち寄りスポット ハイキングの前後に訪れたい

砥峰高原で自然を満喫したら、ぜひ立ち寄りたいのが周辺の観光拠点。ハイキング前の準備や情報収集に便利な施設から、汗を流してリラックスできる温泉、地元のおいしいものが手に入るスポットまで、砥峰高原の魅力をさらに深めてくれる立ち寄りスポットが揃っています。

カーミンの観光案内所(JR寺前駅前)

砥峰高原へ向かう際の玄関口。ハイキングマップや季節ごとの開花情報なども揃っており、事前情報の収集に便利です。また、神河町の名産・柚子を使ったお菓子や、山椒の佃煮「からかわ」、老舗・荒木商店の和菓子なども販売されており、おみやげ選びにもぴったりです。

カーミンの観光案内所
住所:兵庫県神崎郡神河町鍛治142-47
営業時間:9:00〜17:00
休業日:水曜、年末年始
アクセス:JR寺前駅すぐ

峰山高原ホテルリラクシア

ハイキング拠点であり、日帰り温泉も楽しめるリゾートホテル。ロビーから見える高原のパノラマは絶景。キャンプ場やグランピング設備もあり、泊まりでゆっくり過ごしたい人にもおすすめです。レストランでは地元食材を活かした料理も味わえます。

峰山高原ホテルリラクシア
住所:兵庫県神崎郡神河町上小田881-146
アクセス:JR寺前駅よりタクシーで25分

ゆるやかな時間が流れる砥峰高原へ、心をほどくハイキングを

  

砥峰高原の魅力は、圧倒的な自然のスケールと、それを気軽に体験できるアクセスの良さ。四季折々の自然美、特に秋のススキ野原は、都会では出会えない感動を与えてくれます。

本格的な装備や体力がなくても大丈夫。整備された道と安心の施設、そしてどこまでも続く景色が、心も体も解きほぐしてくれます。ぜひ、週末の一日をこの高原で過ごしてみてください。

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