六甲山登山の定番ルートガイド 日帰りで楽しむロックガーデンから六甲最高峰・東おたふく山へ

「六甲山(ろっこうさん、標高931m)」は神戸や大阪からアクセスしやすく、自然と展望を手軽に楽しめる関西屈指の登山スポットです。

本記事では、芦屋川から高座(こざ)の滝、ロックガーデンを経て六甲山最高峰、東おたふく山(標高697m)へと続く定番登山コースをご紹介。各見どころや歩きやすさのポイントを踏まえながら、日帰りで楽しめる六甲山登山ルートを解説します。

2025年4月24日 更新

六甲山とは?神戸のシンボルであり人気の登山スポット


ポートアイランドから眺める六甲山

六甲山は、兵庫県神戸市から宝塚市にかけて広がる六甲山系の主峰であり、関西屈指の登山・観光スポットです。市街地から近く、気軽に自然を満喫できる山として古くから親しまれてきました。


1,000万ドルとも謳われる神戸の夜景

山頂からは大阪湾や神戸の街並みを一望でき、その夜景は「日本三大夜景」のひとつに数えられるほどの美しさです。山中には滝や奇岩、四季折々の草花が点在し、変化に富んだ六甲山登山を楽しめます。

また、開国後に外国人によってもたらされた登山文化がいち早く広まった場所でもあり、関西エリアを代表する登山スポットとして今も多くのハイカーを惹きつけています。

六甲山へのアクセス 神戸・大阪からの行き方と登山口


六甲山登山と一緒に満喫できる六甲ケーブル

六甲山には多くの登山口があり、六甲ケーブルや六甲有馬ロープウェイを利用すれば、登りと下りで違うルートを楽しむこともできます。ケーブルで途中まで標高を稼いでから歩き始めたり、有馬温泉側へ下山して観光と組み合わせるなど、六甲山登山のプランに幅が出せるのが特徴です。


阪急芦屋川駅の裏からすぐ登山口へアプローチ

代表的な登山口は阪急芦屋川駅からのルートです。梅田駅から阪急神戸線で約25分、三宮駅から約7分とアクセスが良好で、駅を出るとすぐに登山口への案内板があり、都会の喧騒から六甲山麓へスムーズに入ることができます。都市部から近いため、日帰り登山の出発点として利用しやすい立地です。

六甲山登山の定番コース 芦屋川駅から六甲最高峰・東おたふく山へ


標識が整備されており、登山口まで迷わずアクセス可能

六甲山登山で人気の定番コースは、阪急芦屋川駅から高座の滝を経てロックガーデン、雨ヶ峠(あまがとうげ)を抜け、六甲山最高峰へと至る道のりです。全体の標準コースタイムは6時間ほど。日帰りで歩ける手頃さが魅力で、初心者から中級者まで幅広い層に親しまれています。

ただし、後半には急登や石の多い道もあり、体力度は「やや高め」といえます。歩き慣れていない人は、休憩を多めに取りながら進むのがおすすめです。標高差は約900mあるため、登山靴や十分な飲料水を準備して臨みましょう。


多くの登山者でにぎわうロックガーデンの風吹岩

序盤は高座の滝を目指す渓谷沿いの道、中盤は巨岩が並ぶロックガーデンや自然豊かな雨ヶ峠、後半は急登を越えて六甲山最高峰へと続く山歩きが特徴です。復路では蛇谷北山(じゃたにきたやま、標高840m)や東おたふく山を経由する周回ルートも人気があり、展望や変化に富んだ地形を味わえます。

標準コースタイム:約6時間(総歩行距離:約15km)
芦屋川駅→(25分)→高座ノ滝→(40分)→風吹岩→(1時間)→雨ヶ峠→(1時間30分)→一軒茶屋→(10分)→六甲最高峰→(20分)→六甲山神社→(25分)→蛇谷北山→(30分)→土樋割峠→(15分)→東おたふく山→(30分)→東お多福山登り口→(10分)→東おたふく山登山口バス停

六甲山登山の序盤ルート 高座の滝からロックガーデン・風吹岩へ


登山口の目印になっている高座の滝

阪急芦屋川駅から住宅街を抜けると、六甲山登山の入り口として知られる「高座の滝」に到着します。高さ約10mの滝が岩肌を滑り落ちる景観は迫力があり、登山者を迎えてくれる名所です。滝の横には茶屋もあり、昔ながらの登山文化を感じられる場所でもあります。


アドベンチャー感あふれるロックガーデンを進む

滝を出発すると本格的な登山道が始まります。杉林や岩場の急登が続き、ところどころで体力を試されるような場面もありますが、道は明瞭で迷う心配はありません。標高を上げるにつれて視界が広がり、やがてロックガーデンの中心にある風吹岩(かぜふきいわ)に到着します。


風吹岩付近から眼下に広がる神戸の街並み

風吹岩は大きな岩の上から神戸市街や大阪湾を一望できる絶好の展望スポットです。休憩ポイントとして人気が高く、多くの登山者が腰を下ろして景色を楽しんでいます。

風吹岩から雨ヶ峠へ 静かな森歩きと四季の彩り


山の中盤は、歩きやすい緩やかな上りが続く

風吹岩を出発すると、芦屋カントリークラブの間を抜け、樹林帯を縫うように緩やかな登山道が続きます。道は全体的に歩きやすく、六甲山登山コースの中盤にあたるこの区間では、四季折々の自然を楽しめます。春はツツジや新緑、秋は紅葉が鮮やかで、森歩きの魅力を感じられるでしょう。


雨ヶ峠までくると、六甲最高峰までもう少し

やがて道の勾配が少し増すと、雨ヶ峠に到着します。ここは道が分かれる分岐点で、ベンチも設けられており、小休止にぴったりの場所です。六甲最高峰まではあと少しという位置にあり、登山者の気持ちを高めてくれます。

雨ヶ峠から六甲山最高峰へ 本格的な登りと大展望


川沿いの道を終えると、正念場の登りが始まる

雨ヶ峠から六甲山最高峰までは、六甲山登山コースの正念場です。峠を出るとしばらくは川沿いの緩やかな道が続きますが、分岐を過ぎると次第に傾斜が増し、本格的な登りへと変わります。


多くの登山者でにぎわう。開放的な六甲山最高峰

登山道には石や木の根が張り出す急登もあり、体力を消耗する区間ですが、山頂が近づく期待感が足取りを軽くしてくれます。やがて一軒茶屋を過ぎ、舗装路を横切ると、山頂はもうすぐそこ。コンクリートの急坂を登り切れば、標高931mの六甲山最高峰に到着です。


六甲山の山腹に広がる紅葉の彩りを楽しむ

山頂からは神戸市街や瀬戸内海、天気が良ければ淡路島や四国までを望む大パノラマが広がります。昼食や休憩に最適なスポットで、多くの登山者が腰を下ろし、絶景を楽しんでいます。

また季節や時間帯によって景色が変わるのも魅力で、特に冬の澄んだ空気の中では遠くまで見渡せ、登山の醍醐味を実感できます。

六甲最高峰から蛇谷北山へ 尾根歩きと静かな森の道


六甲山神社の傍らから、穏やかな尾根歩きを楽しむ

六甲山最高峰から蛇谷北山へは、まず県道16号線沿いを歩きます。鉢巻山トンネルを過ぎ、六甲山神社まで進むと、尾根沿いの下り道に入ります。

序盤は比較的なだらかで展望を楽しめる尾根歩きが続きます。その後、森林帯に入ると落ち葉に覆われた滑りやすい道も現れるため、足元には注意が必要です。


道中、先ほどまでいた六甲山最高峰を見上げる

蛇谷北山は標高約840mの小ピークで、展望はありませんが静かな雰囲気が漂い、休憩ポイントとして適しています。六甲山登山ルートの中でも人が少なく、落ち着いた森歩きを楽しめる区間です。

蛇谷北山から東おたふく山へ 開放感あふれる草原の山頂


緩やかなアップダウンを越えて、東おたふく山へ

蛇谷北山から土樋割峠(どびわりとうげ)までは、比較的急な下りが続きます。落ち葉や岩で滑りやすいため、慎重に足を運ぶことが大切です。その後は軽いアップダウンを繰り返しながら進み、六甲山登山コースの終盤にあたる東おたふく山へと近づいていきます。


東おたふく山の山頂から間近に神戸の町を望む

やがて草原状の山頂に到着すると、広々とした空間から神戸市街や大阪湾を一望できます。標高は697mと決して高くありませんが、開放感にあふれ、家族連れや軽登山の人々にも人気です。下山前に景色を眺めながらのんびり休憩するのもおすすめです。

東おたふく山から下山 バスでスムーズに帰路へ


森の中の穏やかな道を下ってゴールへ

東おたふく山からは、東おたふく山登山口まで約30分、緩やかな山道を下っていきます。樹林帯を抜けると舗装路に合流し、ほどなくして東おたふく山登山口バス停に到着です。


バス停に到着したら、ふと込み上げてくる安堵感

ここからは阪急芦屋川駅、JR芦屋駅、阪神芦屋駅行きのバスが発着しており、公共交通機関を利用してスムーズに下山後の帰路につけます。アクセスの良さも六甲山登山の魅力のひとつで、日帰り登山を快適に締めくくれます。

初心者にもおすすめの六甲山登山 自然と展望を満喫できる魅力


六甲山最高峰から望む、神戸の街を一望するパノラマ

六甲山は市街地から近くアクセスが良い一方で、豊かな自然や雄大な展望、そして登山の歴史的魅力にあふれる名山です。今回紹介した、芦屋川から六甲山最高峰を経て東おたふく山までの登山コースは、変化に富んだ地形と多彩な見どころがあり、日帰りで歩けるコースとして初心者にもおすすめできます。

高座の滝やロックガーデン、六甲山最高峰、そして草原が広がる東おたふく山など、六甲山登山ならではの風景を満喫できるのが魅力です。関西の日帰り登山の定番として、四季折々に訪れたくなる名山といえるでしょう。登山の計画やルート確認には、最新情報を反映した「山と高原地図ホーダイ」を活用すれば、より安心して六甲山を楽しめます。

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六甲・摩耶 須磨アルプス 2025
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部を卒業後、商社やメーカーで営業職を経験。2019年より複業でトラベルライターとしての活動を始め、旅の魅力を伝える仕事がライフワークになる。2021年には本業も旅行業界へ本格転身し、国内OTAにて宿泊施設の集客支援に従事。現在は旅行系ベンチャー企業でメディアマネージャーを務める。これまでに執筆した記事は2,000本以上。地方の自然や暮らしをテーマにした発信を続けながら、「旅を通じて人生が豊かになるきっかけ」を届けたいと考えている。登山、自転車旅、温泉巡り、離島旅が趣味で、毎年の北海道旅行を家族の恒例行事にしている。 notehttps://note.com/yuhei_tonosho
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