日本アルプスとは 北・中央・南アルプスの違いと代表的な山を解説
日本アルプスとは、本州中央部に連なる北アルプス(飛騨山脈)、中央アルプス(木曽山脈)、南アルプス(赤石山脈)の総称です。北岳や奥穂高岳をはじめとする3,000m級の山々が連なり、「日本の屋根」とも呼ばれています。
北・中央・南アルプスは、位置だけでなく、山容や代表的な山、登山の楽しみ方にも違いがあります。この記事では、日本アルプスの場所や名前の由来、3つの山脈の特徴を分かりやすく解説します。これから日本アルプスへ登ってみたい方は、登る山域を選ぶ際の参考にしてください。
目次
日本アルプスとは

五龍岳
日本アルプスは、飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈という3つの山脈の総称です。それぞれ北アルプス、中央アルプス、南アルプスとも呼ばれ、本州中央部に南北に連なっています。
標高3,000mを超える山が多く、日本アルプスの最高峰は南アルプスの北岳(標高3,193m)です。日本最高峰の富士山は独立した山であり、日本アルプスには含まれません。
山域によっては、切り立った岩稜や、かつての氷河の侵食によってできたカール、豊かな高山植物など、日本の高山ならではの景観を楽しめます。山域やルートによって難易度は異なりますが、日帰り登山から山小屋泊、長距離の縦走まで、幅広い登山を楽しめます。
日本アルプスはどこにある?

日本アルプスは、本州中央部に位置しています。北アルプスは新潟・富山・長野・岐阜の4県、中央アルプスは長野県を中心に一部が岐阜県、南アルプスは山梨・長野・静岡の3県にまたがる山域です。
北アルプスから南アルプスまでが一続きの山脈になっているわけではなく、それぞれ独立した山脈です。中央アルプスの東側には、伊那谷を挟んで南アルプスが位置しています。西側には木曽谷が広がり、その先には御嶽山などがあります。北アルプスは、中央アルプスの北西側に位置します。
3つの山脈は南北に長く、同じ山域でも登山口によってアクセス方法が異なります。登る山を選ぶ際は、山の特徴や難易度だけでなく、登山口までの交通手段も確認しておきましょう。
「日本アルプス」という名前の由来

上高地にあるウォルター・ウェストンのレリーフ
「日本アルプス」という名称は、イギリス人技師ウィリアム・ゴーランドが、飛騨山脈の山々をヨーロッパのアルプスになぞらえ、1881年に刊行された英文の旅行案内書で「Japanese Alps」と紹介したことに由来します。
その後、イギリス人宣教師ウォルター・ウェストンが日本各地の山に登り、1896年に著書『日本アルプスの登山と探検』を出版しました。これにより、日本の山々や「日本アルプス」という名称が海外にも広く知られるようになります。
当初は主に現在の北アルプスを指していましたが、後に飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈をそれぞれ北・中央・南アルプスと呼ぶようになり、3つの山脈をまとめて日本アルプスと呼ぶ名称が定着しました。
北・中央・南アルプスの違い

仙丈ヶ岳
北・中央・南アルプスは、それぞれ山の景観や登山環境に特徴があります。主な違いを比較してみましょう。
| 山域 | 正式名称 | 主な都道府県 | 最高峰 | 代表的な山 | 主な特徴 |
| 北アルプス | 飛騨山脈 | 新潟県、富山県、長野県、岐阜県 | 奥穂高岳(3,190m) | 槍ヶ岳、立山、白馬岳など | 岩稜や高山植物、縦走路など、変化に富んだ登山を楽しめる |
| 中央アルプス | 木曽山脈 | 長野県、岐阜県 | 木曽駒ヶ岳(2,956m) | 空木岳、恵那山など | 山域が比較的コンパクトで、千畳敷カールから高山帯へアクセスできる |
| 南アルプス | 赤石山脈 | 山梨県、長野県、静岡県 | 北岳(3,193m) | 甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、赤石岳など | 山深く大きな山が多く、長い行程を伴うルートも多い |
北アルプス(飛騨山脈)

槍ヶ岳
北アルプスは、鋭く切り立った岩峰から高山植物が広がる山まで、多彩な景観を楽しめる山域です。代表的な山には、特徴的な山頂を持つ槍ヶ岳、岩稜が連なる穂高連峰、立山信仰でも知られる立山、高山植物が豊かな白馬岳などがあります。
ロープウェイなどを利用して高所へアクセスできる山がある一方、岩場を通るルートや数日かけて歩く縦走路もあります。登山経験や確保できる日程に応じて、多彩な山とコースを選べるのが北アルプスの魅力です。
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中央アルプス(木曽山脈)

駒ヶ岳
中央アルプスは、北アルプスと南アルプスの間に位置する、比較的コンパクトな山域です。代表的な山には、最高峰の木曽駒ヶ岳、縦走登山でも人気の空木岳、中央アルプス南端に位置する恵那山などがあります。
木曽駒ヶ岳では、駒ヶ岳ロープウェイを利用して標高2,612mの千畳敷までアクセスできます。一方、木曽駒ヶ岳から空木岳へ続く縦走路など、十分な体力や登山経験を必要とするコースもあります。ロープウェイで高所へ入れるからと油断せず、選ぶルートに見合った装備と計画を整えましょう。
南アルプス(赤石山脈)

北岳
南アルプスは、日本アルプス最高峰の北岳をはじめ、白い花崗岩の山肌が印象的な甲斐駒ヶ岳、なだらかな山容を持つ仙丈ヶ岳、山域南部を代表する赤石岳などの高峰が連なる山域です。北アルプスに比べて森林に覆われた山が多く、山深く雄大な景観を楽しめます。
登山口までの移動に時間がかかる山や、標高差と歩行距離が大きいルートも少なくありません。歩きごたえのある山を目指したい方に適していますが、交通手段や山小屋の営業状況も含め、余裕のある計画を立てる必要があります。
自分に合う日本アルプスの山域を選ぶには

唐松岳
北・中央・南アルプスは、見られる景観や登山口から山頂までの距離、楽しめる登山スタイルが異なります。山域ごとの特徴を比較し、自分の経験や体力、確保できる日程に合った山を選びましょう。
| 山域 | 景観・特徴 | 楽しめる登山スタイル | 代表的な山 | 向いている人 | 計画時のポイント |
| 北アルプス | 鋭い岩稜、広大な稜線、高山植物など、変化に富んだ景観を楽しめる | 日帰り登山から山小屋泊の縦走、岩稜歩きまで選択肢が豊富 | 立山〈大汝山〉、燕岳、槍ヶ岳、穂高岳、白馬岳など | 登りたい山やルートを幅広い選択肢から選びたい人 | 同じ山域でも難易度の差が大きい。岩場や鎖場を含むルートは登山経験に合わせて選ぶ |
| 中央アルプス | 木曽駒ヶ岳周辺では、千畳敷カールと岩峰が織り成す迫力のある景観を楽しめる | ロープウェイを利用した日帰り登山や、山小屋に宿泊する稜線歩き | 木曽駒ヶ岳、宝剣岳、空木岳など | 短い日程で高山帯を歩きたい人や、初めて標高3,000m近い高山に挑戦したい人 | 標高約2,600mまで短時間で上がるため、高山病に注意。宝剣岳や縦走路には険しい岩場もある |
| 南アルプス | 森林の広がる山深い景観と、スケールの大きな稜線、富士山の展望が魅力 | 標高差の大きな登山や、複数日にわたる山小屋泊・テント泊の縦走 | 北岳、間ノ岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、赤石岳など | 静かな山域で、歩きごたえのある登山や長期縦走を楽しみたい人 | 登山口から山頂までの行程が長い山が多い。交通規制や登山バスの運行期間も確認する |
ただし、同じ山域でも、山やコースによって歩行時間や標高差、登山道の難易度は大きく異なります。「中央アルプスだから登りやすい」「南アルプスだから上級者向け」と一括りにせず、登山経験や体力に応じてコースを選ぶことが大切です。
日本アルプスに関するよくある質問

日本アルプスの範囲や標高、登山シーズン、難易度について、よくある質問に回答します。
日本アルプス登山に適した時期はいつですか?
一般的な夏山シーズンは、7月から9月ごろです。山やコースによっては10月上旬まで登られますが、標高の高い場所では夏でも残雪が見られ、秋には早い時期から降雪や路面凍結が発生することがあります。
高山では天候や気温が急変するため、防寒着や雨具を携行し、余裕のある計画を立てましょう。出発前には、登山道や天気のほか、バスやロープウェイの運行状況、山小屋の営業期間や予約の要否も確認してください。
日本アルプスにはどの山脈が含まれますか?
日本アルプスには、北アルプス(飛騨山脈)、中央アルプス(木曽山脈)、南アルプス(赤石山脈)の3つの山脈が含まれます。それぞれ地形や景観、登山ルートの特徴が異なり、初心者が計画しやすいコースから長期縦走まで、多様な登山を楽しめます。
日本アルプスで最も高い山はどこですか?
日本アルプスで最も高い山は、南アルプスにある標高3,193mの北岳です。富士山に次いで日本で2番目に高く、山頂付近からは富士山や間ノ岳などを望めます。登頂には十分な体力と高山登山の装備が必要です。
富士山や八ヶ岳は日本アルプスに含まれますか?
富士山と八ヶ岳は、いずれも日本アルプスには含まれません。日本アルプスとは、飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈の総称です。富士山と八ヶ岳は、それぞれ日本アルプスとは異なる独立した山域に位置しています。
日本アルプスは登山初心者でも登れますか?
初心者が計画しやすい山やコースもありますが、日本アルプス全体が初心者向けというわけではありません。ロープウェイを利用できるコースでも、高山では天候の急変や低温、岩場などへの備えが必要です。
まずは歩行時間と標高差が比較的小さいコースから始め、自分の体力や経験に合った山を選びましょう。登山地図やGPSアプリを準備し、必要な装備と無理のない登山計画を整えることも大切です。
北・中央・南アルプスの特徴を知って登る山を選ぼう

白馬鑓ヶ岳
日本アルプスは、北アルプス(飛騨山脈)、中央アルプス(木曽山脈)、南アルプス(赤石山脈)の総称です。岩稜や高山植物、縦走など多彩な登山を楽しめる北アルプス、木曽駒ヶ岳周辺ではロープウェイを利用して高山帯へアクセスできる中央アルプス、山深く歩きごたえのあるルートが多い南アルプスと、それぞれ異なる特徴があります。
同じ山域でも、山やコースによって必要な体力や登山経験は異なります。それぞれの特徴を知ったうえで、日程やアクセス、登山経験に合った山を選びましょう。

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