島々から徳本峠へ

コース難易度
上級
  • 1泊2日
  • 10時間20分
  • 22.6km

コースガイド

歴史ある古きよき峠越えで上高地へ。沢沿いの豊かな自然を満喫できるロングコース
テクニック度
岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要
難易度の目安
難易度の目安
テクニック度
    岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける
    岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要
    岩場やクサリ場などがあって、中級以上の技術と経験が必要
山行日数
1泊2日
歩行時間
10時間20分
歩行距離
22.6km
最大高低差
1,416m
水場
力水
トイレ
明神分岐ほか
 徳本峠は上高地の南東側に位置する峠で、上高地に車道が通じた昭和8年以前は島々谷をさかのぼりこの峠を越えるのが上高地への登路でした。途中まで森林軌道が走った時代もありました。また、戦国時代の武将、三木秀綱の奥方が飛騨側よりこの峠を越えて島々へ向かう途中で村人に討たれたという悲話の舞台でもあります。
 島々から島々谷川に沿って進みます。獣害を防ぐためのゲートを抜けて林道を行きます。林道上も落石多数なのでヘルメットがおすすめです。右岸から左岸に渡り、対岸に島々谷発電所を眺めます。再び右岸に渡ると山ノ神が祀られています。再び左岸に移動すると、しばらくは流れから離れて進みます。眼下に巨大な砂防ダムを見下ろし、ゲートを通過すると林道はゆったりと下り気味になり、再び右岸へと移動します。林道をふさぐ土砂をこえるとまもなく戦国落人悲話と題された看板と折口信夫の石碑が現れます。すぐに道はふた手に分かれますが、「徳本峠上高地方面」の道標に従い橋を渡らずに進めばすぐに二俣。公衆トイレは使用不可。ここからいよいよ登山道となり、島々谷南沢に沿って行きます。この先、老朽化した橋は滑りやすく、鎖のあるトラバースも多数です。
 秀綱夫人遭難の慰霊碑を過ぎてまもなく左岸へ渡ります。谷幅が狭くなると右岸へ渡り返します。ここからしばらく右岸をたどると石を積み上げた炭焼窯跡が現れます。白炭を焼いていた窯です。さらに進むと「徳本峠まで7.1キロ」という中間地点で、ベンチがあります。
 沢を渡り返しながら進み、谷幅が狭くなったあたりで桟道を行くと、まもなく古い石積みが現れます。「花木の石灰窯跡」で、かつて石灰を運ぶためにここから牛が通れるように道が整備されたとのことです。
 しばらく右岸を進み、ワサビ沢の橋、岩魚留橋を渡ると、趣きある岩魚留小屋(休業工事中、2025年は要確認)の正面に出ます。小屋脇の巨大なカツラの木が印象的です。
 湿って滑りやすい橋にでて数回流れを渡り返し、本谷を離れてダケカンバの多い森をトラバース気味に進みます。峠沢を越えると力水で、ここが最終水場です。ここからジグザグの登山道を登り返し、ようやく小屋の立つ徳本峠。歴史ある徳本峠小屋は美しいたたずまいですが定員が少ないので、予約制になっています。峠からわずかに霞沢岳方面へ進むと、穂高連峰と明神岳の大展望が開けます。
 二日目は上高地へとゆっくり下り、明神分岐を経由して上高地バスターミナルに到着です。
徳本峠より朝焼けに染まる穂高連峰と明神岳
アプローチ途中の紅葉に包まれた砂防ダム。
徳本峠小屋。手前側は旧館。
戻り橋から眺める清冽な島々谷の流れ
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