朝夷奈街道を歩く

コース難易度
初級
  • 日帰り
  • 1時間0分
  • 2.4km

コースガイド

鎌倉時代にタイムスリップしたような感覚になる道。当時の人たちが苦労して拓いた道を辿ってみましょう
テクニック度
岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける
難易度の目安
難易度の目安
テクニック度
    岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける
    岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要
    岩場やクサリ場などがあって、中級以上の技術と経験が必要
山行日数
日帰り
歩行時間
1時間0分
歩行距離
2.4km
最大高低差
80m
水場
なし
トイレ
なし
 朝夷奈切通は鎌倉七切通のひとつに数えられており、当時の面影を残す道として多くの観光客が訪れています。この切通は鎌倉幕府の歴史書と伝わる吾妻鑑(あずまかがみ)には、仁治元年(1240)に鎌倉と六浦(むつら)との中間に道を造ることが定まり、翌年の4月から工事が着手されたとあります。当時、六浦は風波を防ぐことができる良港で、この切通を完成させることにより鎌倉の外港としての利用価値を考えたようです。
 昭和31年(1956)に切通しを迂回する県道金沢鎌倉線が開通し、役目は終了しましたが、その後の周辺の開発は切通し道を破壊するまでには至らなかったため、往時の面影を色濃く残している。といわれています。そして昭和44年(1969)に鎌倉の七切通のひとつとして、国の史跡に指定されました。
 ここでは十二所神社バス停から朝夷奈切通を歩いて朝比奈バス停までをガイドします。
 JR鎌倉駅から朝夷奈切通の入口にあたる十二所神社まではバスで15分ほどですが、駅から鶴岡八幡宮前を経由して歩いても1時間10分ほど。晴天で気持ちのいい日なら歩いてみるのも楽しいはずです。
 十二所神社バス停から朝夷奈切通に向かいます。小さなお地蔵様が目印です。これは弘元時代にこの近くで巡礼の若い女性が亡くなり、村人たちが供養のために祀った地蔵です。住宅街を進むと家並みが途絶え、切通エリアに入って行きます。切通庚申塚は小高い城壁のような土塁の上に5基の石仏が安置されています。その先にあるのが梶原太刀洗水三郎の滝です。頼朝家臣の朝夷奈三郎義秀が太刀で一夜にして切り開いた道に湧くことから命名されました。その先が朝夷奈切通です。ほとんど造られた当時のままの切通しです。西が鎌倉市、東が横浜市になります。
 熊野神社入口の分岐から熊野神社に行ってみましょう。切通開削の際に、頼朝が鎌倉の鬼門に当たるこの地に紀州の熊野三社大明神を勧請して、北条泰時が建立したと伝えられています。ここの社は何度か建て替えられているようです。現在でも訪れる人が多く、横浜市指定の銘木イチョウやスダジイの巨木が元気に枝を張っています。
 熊野神社入口の分岐まで戻り右手へ。小切通の岩盤にはたくさんの横穴式やぐらが造られ、武士や僧侶などの遺骨が納められています。切通道は所々で濡れていることがあるので、最後まで気持ちを緩めないこと。横浜横須賀道路下を抜けると朝夷奈街道は終わります。ここから朝比奈バス停までは5分。
朝夷奈切通。800年の時を経ても変わらぬ形で残された貴重な切通。タイムスリップしたような感覚が味わえます
切通に入るとすぐに梶原太刀洗水三郎の滝。
切通の岩壁に掘られた仏の姿。数百年の時を超えて旅人を守り続けています
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