廃村八丁
コース難易度
初級
- 5時間5分
コースガイド
北山中心部の11山を紹介する。峰床山西面から周山へ流れる大堰川を取り巻く山が多い。「京都北山」地図の表面の中央に位置する山々だ。公共交通機関が少ないので、よく調べて登山にのぞみたい。
テクニック度 |
|
山行日数 |
|
歩行時間 |
5時間5分 |
歩行距離 |
|
最大高低差 |
|
水場 |
|
トイレ |
八丁は豊富な木材の産地であったことから、その利権をめぐって弓削村と知井村との間でおよそ600年にわたり境界紛争が続いていました。明治時代に入り、ようやく両村の和解が成立し、以前から山番として暮らしていた5戸が定住しました。その後に設けられた分教場には、多いときで8人の児童が在籍していたといいます。しかし時代の流れに取り残され、昭和9年の豪雪を機に全戸が離村し、廃村となりました。
京都と若狭小浜を結ぶ、いわゆる「鯖街道」には多くのルートがありました。その一つが、京都上賀茂から八丁を越えて若狭小浜に至る雲ケ畑街道です。八丁はそのほぼ中間点に位置しており、今なお残る立派な屋敷跡や石垣、また近隣の集落に移築された風格ある家々を見ると、決して辺境の寒村ではなかったことがうかがえます。
登山は京都バスの菅原バス停で下車し、橋を渡ってホトケ谷に入ります。最後の民家を過ぎ、左手に堰堤を見ながら谷川を渡ると、谷はすぐに二手に分かれます。ここで道は左の尾根道と右の沢沿いの道に分かれますが、峠手前で合流するため、どちらを選んでも問題ありません。合流後、杉の植林地をひと登りするとダンノ峠に到着します。
ダンノ峠は杉の植林と自然林に覆われており、展望はありません。峠を越えると八丁川の源流にあたる、広々とした自然林の明るい谷に入ります。右手奥に同志社大学の山小屋を見送り、やがて道は分岐します。右は四郎五郎峠を越えて八丁に至り、刑部滝へは左のトラバース道を進みます。支尾根を越えると奈良谷に下り、このあたり一帯はシャクナゲの群落地となっており、花の季節には見事に咲き誇ります。
刑部滝を右に見ながら、近年の大雨で荒れた谷沿いを下っていくと四郎五郎谷に出合います。そのすぐ後に屋敷跡が見え、廃村・八丁に入ります。錆びたトタン小屋の右手がかつての土蔵跡で、白壁の土蔵は今では草に覆われ、わずかな盛土となっています。広場を過ぎ、川を渡るとお地蔵さまが迎えてくれます。そのすぐ先、右手に八幡宮の社跡へ続く石段があり、かつては子どもたちの遊び場でもあったのでしょう。
石段を上がったあとは、杉の植林地を進み、再び川を渡ります。番小屋跡や水田跡を右に見ながらソトバ峠を目指します。左手に墓地を過ぎ、川沿いに進むと左から流れるババ谷に出合うため、これに沿って登ります。
やがて杉林は自然林の明るい谷に変わり、傾斜が増してババ谷の水音が途絶えると林道に出合います。林道を横切り、斜面を登るとソトバ峠に到着します。峠からは南方向に、桟敷ヶ岳や城丹国境尾根の展望が広がります。峠からは自然林の中を下っていくと、右手にお地蔵さまを見かけます。さらに杉林を下り、東谷の流れを渡ると、そのあとは林道をたどって京北ふるさとバスの小塩バス停を目指します。
なお、小塩バス停の便数は少ないため、さらに約50分歩いて井戸バス停まで進むと、バスの便は増えます。いずれにしても、「京北ふるさとバス」を利用する際は、事前に時刻などの確認をおすすめします。
京都と若狭小浜を結ぶ、いわゆる「鯖街道」には多くのルートがありました。その一つが、京都上賀茂から八丁を越えて若狭小浜に至る雲ケ畑街道です。八丁はそのほぼ中間点に位置しており、今なお残る立派な屋敷跡や石垣、また近隣の集落に移築された風格ある家々を見ると、決して辺境の寒村ではなかったことがうかがえます。
登山は京都バスの菅原バス停で下車し、橋を渡ってホトケ谷に入ります。最後の民家を過ぎ、左手に堰堤を見ながら谷川を渡ると、谷はすぐに二手に分かれます。ここで道は左の尾根道と右の沢沿いの道に分かれますが、峠手前で合流するため、どちらを選んでも問題ありません。合流後、杉の植林地をひと登りするとダンノ峠に到着します。
ダンノ峠は杉の植林と自然林に覆われており、展望はありません。峠を越えると八丁川の源流にあたる、広々とした自然林の明るい谷に入ります。右手奥に同志社大学の山小屋を見送り、やがて道は分岐します。右は四郎五郎峠を越えて八丁に至り、刑部滝へは左のトラバース道を進みます。支尾根を越えると奈良谷に下り、このあたり一帯はシャクナゲの群落地となっており、花の季節には見事に咲き誇ります。
刑部滝を右に見ながら、近年の大雨で荒れた谷沿いを下っていくと四郎五郎谷に出合います。そのすぐ後に屋敷跡が見え、廃村・八丁に入ります。錆びたトタン小屋の右手がかつての土蔵跡で、白壁の土蔵は今では草に覆われ、わずかな盛土となっています。広場を過ぎ、川を渡るとお地蔵さまが迎えてくれます。そのすぐ先、右手に八幡宮の社跡へ続く石段があり、かつては子どもたちの遊び場でもあったのでしょう。
石段を上がったあとは、杉の植林地を進み、再び川を渡ります。番小屋跡や水田跡を右に見ながらソトバ峠を目指します。左手に墓地を過ぎ、川沿いに進むと左から流れるババ谷に出合うため、これに沿って登ります。
やがて杉林は自然林の明るい谷に変わり、傾斜が増してババ谷の水音が途絶えると林道に出合います。林道を横切り、斜面を登るとソトバ峠に到着します。峠からは南方向に、桟敷ヶ岳や城丹国境尾根の展望が広がります。峠からは自然林の中を下っていくと、右手にお地蔵さまを見かけます。さらに杉林を下り、東谷の流れを渡ると、そのあとは林道をたどって京北ふるさとバスの小塩バス停を目指します。
なお、小塩バス停の便数は少ないため、さらに約50分歩いて井戸バス停まで進むと、バスの便は増えます。いずれにしても、「京北ふるさとバス」を利用する際は、事前に時刻などの確認をおすすめします。
山と高原地図ホーダイ
道迷いの不安を軽減 登山専用地図アプリ

紙地図60年以上の信頼をスマホで
複雑な登山道も、正確な地図で不安を軽減。
登山の専門家が調査した正確なルートやコースタイム、見どころ情報までを一つにまとめました。
紙地図「山と高原地図」として60年以上の信頼を重ねてきた情報が、アプリ「山と高原地図ホーダイ」で。
今すぐダウンロードして安全登山を楽しみましょう。
登山の専門家が調査した正確なルートやコースタイム、見どころ情報までを一つにまとめました。
紙地図「山と高原地図」として60年以上の信頼を重ねてきた情報が、アプリ「山と高原地図ホーダイ」で。
今すぐダウンロードして安全登山を楽しみましょう。
掲載書籍
-
京都北山 2025

