くじゅう連山の登山コース3選 初心者向けルート・所要時間・宿泊情報を紹介
九州本土最高峰の中岳をはじめ、久住山や大船山、平治岳などの名峰が連なる「くじゅう連山」。初心者でも歩きやすいコースから、本格的な縦走ルートまで、経験や体力に合わせて登山を楽しめる山域です。
くじゅう連山には複数の登山口があり、目指す山によってルートや所要時間、難易度が異なります。登山口周辺の温泉宿に前泊したり、坊ガツルの法華院温泉山荘に泊まったりすれば、余裕のある行程で山歩きを楽しめます。
この記事では、くじゅう連山のおすすめ登山コース3選を、所要時間や難易度とあわせて紹介します。登山口へのアクセスや宿泊先、下山後に立ち寄りたい温泉・グルメ情報もまとめているので、登山計画を立てる際の参考にしてください。
目次
くじゅう連山とは?登山初心者から経験者まで楽しめる九州の名峰

高層湿原・坊ガツルを抱くように広がる「くじゅう連山」
大分県の九重町と竹田市にまたがる「くじゅう連山」は、1,700m級の山々が連なる九州を代表する山域です。登山コースが豊富で、日帰りで山頂を目指すルートから、坊ガツルや法華院温泉山荘に宿泊して複数の山を巡る縦走ルートまで、経験や体力に合わせて計画できます。
日本百名山の久住山(標高1,786m)や、九州本土最高峰の中岳(標高1,791m)、大船山、平治岳など、特徴の異なる山々が集まっているのも魅力です。目指す山や利用する登山口によって、ルートの距離や難易度、楽しめる景色が異なります。

久住山系の峰々を一望できる大船山山頂
初夏にはミヤマキリシマ、秋には紅葉、冬には霧氷や雪景色など、季節によって異なる風景を楽しめます。ただし、冬は積雪や登山道の凍結があるため、雪山登山の装備と経験が必要です。
日帰り登山だけでなく、坊ガツルにある法華院温泉山荘や、登山口周辺の温泉宿を利用した1泊2日の登山にも向いています。宿泊を取り入れれば、早朝から行動しやすくなり、日帰りでは難しいコースにも余裕を持って挑戦できます。

緑が色濃く、吹き抜ける風が爽やかな初夏の坊ガツル
代表的な登山口は「牧ノ戸峠」と「長者原」
くじゅう連山でよく利用されるのが、牧ノ戸峠登山口と長者原登山口です。目指す山や登山のスタイルに応じて、登山口を選びましょう。
牧ノ戸峠登山口は標高約1,330mに位置し、久住山や中岳を目指す際の代表的な登山口です。登山口自体の標高が高く、久住山方面への比較的短いルートを組めるため、初めてくじゅう連山を訪れる人にも利用されています。
長者原登山口からは、タデ原湿原や雨ヶ池を経て坊ガツルへ向かいます。平治岳や大船山を目指すルートのほか、法華院温泉山荘に宿泊する登山にも適した起点です。

大パノラマが待つ牧ノ戸峠から縦走ルート
このほか、平治岳へ向かう男池登山口や、大船山へ向かう今水登山口・吉部登山口などもあります。次の章では、目指す山や季節に合わせて選べる3つの登山コースを紹介します。
くじゅう連山のおすすめ登山コース3選 所要時間と難易度を比較
くじゅう連山には、登山初心者でも挑戦しやすい久住山のコースから、季節の花や紅葉を目当てに歩く本格的なコースまで、多彩なルートがあります。
ここでは、既存記事で紹介している「久住山」「平治岳」「大船山」の3コースを比較します。所要時間は休憩を含まない目安です。天候や登山道の状況、体力に応じて余裕のある計画を立ててください。
| 目指す山 | 主な登山口・ルート | 所要時間の目安 | 難易度 | 主な見どころ |
| 久住山 | 牧ノ戸峠登山口から往復 | 約4時間 | 初級者向け | 火山地形と山頂からの展望 |
| 平治岳 | 男池登山口から大戸越を経由して往復 | 約5時間 | 初級~中級者向け | 初夏のミヤマキリシマ |
| 大船山 | 吉部登山口から坊ガツルを経由して往復 | 約6~7時間 | 中級者向け | 御池周辺の紅葉と山頂からの展望 |
初めてくじゅう連山に登るなら、牧ノ戸峠登山口から久住山を往復するコースが候補になります。ミヤマキリシマを目当てに歩くなら平治岳、秋の紅葉を楽しみながら本格的に登りたい人には大船山がおすすめです。
久住山(標高1,787m) 牧ノ戸峠から歩く定番の登山コース
久住山は、くじゅう連山を代表する山のひとつで、日本百名山にも選ばれています。山頂付近には岩や砂礫が広がり、火山地帯ならではの荒々しい景観を楽しめるのが魅力です。

火山らしい地形の迫力に圧倒される久住山山頂
代表的なのが、標高約1,330mの牧ノ戸峠登山口から山頂を往復するコースです。牧ノ戸峠から沓掛山までは急な登りが続きますが、沓掛山を越えると視界が開け、くじゅう連山の山々を眺めながら稜線を歩けます。
沓掛山から扇ヶ鼻分岐、西千里浜、久住分かれを経て久住山の山頂へ向かいます。久住分かれから先は岩や砂礫の多い登りになるため、浮石や足元に注意しましょう。
山頂からは、噴煙を上げる硫黄山や久住高原、阿蘇方面の山並みを望めます。天候に恵まれれば、遠くに由布岳を見渡せることもあります。

火山地形の先に、遠く名峰・由布岳を一望
牧ノ戸峠登山口から久住山を往復する場合、所要時間は約4時間が目安です。休憩や写真撮影の時間を含めるとさらに時間が必要になるため、早めに出発しましょう。
登山道は比較的分かりやすいものの、強風や霧で視界が悪くなる場合があります。登山初心者だけで歩く場合も、地図を用意し、天候や登山道の最新情報を確認したうえで入山してください。
・ルート例:牧ノ戸峠登山口~沓掛山~久住分かれ~久住山の往復
・所要時間:約4時間
・難易度:初級者向け
・おすすめの時期:春~秋
ミヤマキリシマや紅葉の時期は、牧ノ戸峠の駐車場が早朝から混雑することがあります。登山口周辺に前泊して早朝に出発する方法や、長者原から運行される臨時バスを利用する方法も検討しましょう。
- 大分県
- 1,787m
平治岳(標高1,643m) ミヤマキリシマの群生を楽しむ登山コース
平治岳は、くじゅう連山を代表するミヤマキリシマの名所です。例年5月下旬から6月中旬ごろにかけて、山肌が鮮やかなピンク色に染まり、多くの登山者が訪れます。

山肌にミヤマキリシマの絨毯が広がる初夏の平治岳
代表的なのが、男池登山口からソババッケと大戸越を経由して、平治岳の山頂を往復するコースです。原生林に囲まれた登山道を進み、大戸越に到着すると、目の前に平治岳の山肌が広がります。
大戸越から山頂までは急な登りが続きます。ミヤマキリシマの開花時期は登山者が集中し、登りと下りでルートが分けられることもあるため、現地の案内に従って歩きましょう。
山頂付近からは、斜面を埋めるミヤマキリシマとともに、坊ガツルや三俣山、久住山系の峰々を一望できます。

稜線を彩るミヤマキリシマのパッチワーク
男池登山口から往復する場合、所要時間は約5時間が目安です。花を眺めたり写真を撮ったりする時間に加え、混雑によって予定より時間がかかる場合もあります。日没に備えて、時間に余裕を持って出発してください。
ルート例:男池登山口~ソババッケ~大戸越~平治岳の往復
所要時間:約5時間
難易度:初級~中級者向け
おすすめの時期:5月下旬~6月中旬
ミヤマキリシマの開花状況は、その年の天候によって変わります。訪問前に最新の開花情報と登山道の状況を確認しましょう。開花時期は登山口周辺も混雑するため、麓の宿に前泊して早朝から行動する方法もおすすめです。
大船山(標高1,786m) 御池の紅葉を目指す本格登山コース
大船山は、くじゅう連山の東側にそびえる大船山系の主峰です。堂々とした山容と山頂からの展望が魅力で、四季を通じて多くの登山者に親しまれています。

たおやかな尾根の先に、存在感を放つ大船山
代表的なのが、吉部登山口から坊ガツルを経由して山頂を往復するコースです。吉部登山口から樹林帯を抜け、広々とした坊ガツルへ進みます。その後、段原を経由し、岩の多い登山道を登って大船山の山頂を目指します。
山頂直下にある「御池(おいけ)」は、大船山を代表する見どころです。特に紅葉の時期には、池の周囲が赤や黄色に染まり、水面に色鮮やかな木々が映り込みます。

色彩豊かな四季の移ろいを見せる御池
山頂からは、坊ガツルや平治岳、三俣山、久住山系の山々を見渡せます。秋の紅葉だけでなく、初夏の新緑や冬の霧氷など、季節によって異なる景色を楽しめるのも魅力です。
吉部登山口から往復する場合、所要時間は約6~7時間が目安です。距離が長く、段原から山頂にかけては傾斜もあるため、体力と時間に余裕のある中級者向けのコースです。
・ルート例:吉部登山口~坊ガツル~段原~大船山の往復
・所要時間:約6~7時間
・難易度:中級者向け
・おすすめの時期:春~秋、特に10月中旬ごろの紅葉期
日帰りでは長い行程になるため、早朝に出発し、日没前に下山できる計画を立てましょう。坊ガツルにある法華院温泉山荘へ宿泊すれば、行程を2日間に分け、時間に余裕を持って大船山を目指せます。
- 大分県
- 1,786m
- 三百名山
くじゅう連山登山におすすめの宿泊先
くじゅう連山は日帰りでも登れますが、山中や登山口周辺に宿泊すれば、時間に余裕を持って登山を楽しめます。
大船山や平治岳などを複数日に分けて歩くなら、坊ガツルにある法華院温泉山荘での山中泊が便利です。牧ノ戸峠や長者原から早朝に出発するなら、麓の温泉宿への前泊が向いています。
山中泊なら「法華院温泉山荘」
法華院温泉山荘は、坊ガツルの近くにある温泉付きの山荘です。車で直接行くことはできず、長者原登山口などから登山道を歩いて向かいます。
大船山や平治岳、久住山方面への登山拠点として利用でき、日帰りでは長くなる行程を2日間に分けられるのがメリットです。

山上でも快適に宿泊できる法華院温泉山荘
館内には客室や食堂、売店などがあり、天然温泉で登山の疲れを癒やせます。朝食を弁当に変更できる場合もあるため、早朝から出発したい人は予約時に確認してください。

九州最高所にある温泉で登山の疲れを癒そう
法華院温泉山荘は完全予約制です。予約方法や料金、営業状況が変更される場合があるため、公式サイトで最新情報を確認しましょう。
麓に泊まるなら九重“夢”温泉郷
前泊や後泊には、くじゅう連山の山麓に広がる「九重“夢”温泉郷」が便利です。
九重“夢”温泉郷は、長者原温泉や筋湯温泉、九酔渓温泉など、九重町に点在する温泉地の総称です。温泉地によって登山口までの距離や泉質、周囲の景観が異なるため、宿泊する目的に合わせて選びましょう。<

九重“夢”温泉郷
前泊には登山口へ移動しやすい「長者原温泉」

牧ノ戸峠登山口や長者原登山口から早朝に出発する場合は、長者原温泉への前泊がおすすめです。
長者原温泉は、長者原登山口の周辺に宿泊施設が集まる温泉地です。牧ノ戸峠登山口へも車で移動しやすいため、久住山への登山や、長者原から坊ガツルへ向かう登山の拠点にできます。
前日に登山口付近まで移動しておけば、当日の移動時間を短縮でき、早朝から余裕を持って歩き始められます。ミヤマキリシマや紅葉の時期など、登山口の駐車場が混雑しやすい時期にも便利です。
宿を選ぶ際は、利用する登山口までの距離に加え、駐車場や早朝出発への対応、登山口までの送迎サービスの有無も確認しましょう。
後泊には湯めぐりを楽しめる「筋湯温泉」

下山後に温泉でゆっくり過ごすなら、筋湯温泉への後泊がおすすめです。
筋湯温泉は、歴史ある共同浴場や温泉宿が集まる温泉地です。登山口からは車での移動が必要ですが、下山後に温泉へ浸かり、食事とともに登山の疲れを癒やせます。
楽天トラベルでは、筋湯温泉にある複数の宿泊施設を比較できます。空室や料金、食事内容を確認して、希望に合った宿を選びましょう。
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このほかにも九重“夢”温泉郷には、九酔渓温泉や宝泉寺温泉など、特徴の異なる温泉地があります。温泉地を限定せずに探したい場合は、くじゅう連山周辺の宿泊施設をまとめて比較しましょう。
くじゅう連山の登山に関するよくある質問

くじゅう連山へ出かける前に確認しておきたい、コース選びや登山時期、服装・装備、アクセスなどの疑問をまとめました。安全に登山を楽しむため、計画を立てる際の参考にしてください。
くじゅう連山は初心者でも登れますか?
コースを選べば、登山初心者でも楽しめます。初めてくじゅう連山に登るなら、牧ノ戸峠登山口から久住山を往復するコースが候補になります。
ただし、牧ノ戸峠から沓掛山までは急な登りがあり、久住分かれから山頂までは岩や砂礫の多い道が続きます。登山経験が少ない人は、天候が安定した日を選び、時間に余裕を持って行動しましょう。
くじゅう連山の登山におすすめの時期はいつですか?
一般的には、春から秋にかけて登山を楽しめます。初夏はミヤマキリシマ、秋は紅葉が見どころです。
平治岳のミヤマキリシマは例年5月下旬から6月中旬ごろ、大船山の紅葉は例年10月中旬ごろに見頃を迎えます。ただし、開花や色づきの時期はその年の天候によって変わるため、最新情報を確認してください。
冬は積雪や登山道の凍結があり、春や秋とは必要な装備や難易度が異なります。雪山登山の経験がない場合は避けましょう。
くじゅう連山の登山にはどのような服装・装備が必要ですか?
登山靴、レインウェア、防寒着、帽子、飲料水、行動食、ヘッドライト、登山地図などを用意しましょう。
くじゅう連山は風が強く、天候が急変することがあります。夏でも稜線では気温が下がる場合があるため、防寒着を携行してください。日帰り登山でも、予定より下山が遅れる場合に備えてヘッドライトが必要です。
牧ノ戸峠登山口と長者原登山口に駐車場はありますか?
牧ノ戸峠登山口と長者原登山口には駐車場があります。
ただし、ミヤマキリシマや紅葉の時期は早朝から混雑し、満車になる場合があります。繁忙期には長者原を起点とする臨時の交通対策が実施されることもあるため、訪問前に最新情報を確認しましょう。
駐車場の混雑を避けたい場合は、長者原温泉など登山口周辺の宿へ前泊し、早朝から行動する方法もあります。
公共交通機関でくじゅう連山へ行けますか?
時期や曜日によっては、JR豊後中村駅などから長者原・牧ノ戸峠方面へ向かう路線バスを利用できます。
ただし、運行本数が限られ、季節によって時刻や運行状況が変わる場合があります。往路だけでなく、下山後に利用する帰りの便も確認し、乗り遅れないよう余裕のある行程を立ててください。
くじゅう連山で山中泊はできますか?
坊ガツルの近くにある法華院温泉山荘に宿泊できます。大船山や平治岳などへの登山を2日間に分けたい場合や、複数の山を巡りたい場合の拠点になります。
法華院温泉山荘へ車で直接行くことはできません。長者原登山口などから歩いて向かう必要があり、宿泊には事前予約が必要です。
くじゅう連山の登山で注意することはありますか?
稜線の強風や急な天候の変化、霧による視界不良に注意が必要です。雨の後は登山道がぬかるみ、岩や木の根が滑りやすくなることもあります。
出発前に天気予報と登山道の最新情報を確認し、登山届を提出しましょう。悪天候が予想される場合や、予定より行程が遅れている場合は、登頂にこだわらず引き返す判断も必要です。
くじゅう連山の登山コースと宿泊先を選んで山旅を楽しもう

九重“夢”温泉郷の宿
くじゅう連山には、牧ノ戸峠から歩く久住山、ミヤマキリシマで知られる平治岳、御池の紅葉が美しい大船山など、季節や経験に合わせて選べる登山コースがあります。
初めてくじゅう連山を訪れるなら久住山、初夏の花を楽しむなら平治岳、秋の紅葉と本格的な登山を楽しむなら大船山がおすすめです。所要時間や難易度を確認し、体力に合ったコースを選びましょう。
長い行程を2日間に分けるなら法華院温泉山荘での山中泊、早朝から登り始めるなら長者原温泉への前泊が便利です。下山後に温泉でゆっくり過ごしたい場合は、筋湯温泉への後泊も検討しましょう。
出発前に天候や登山道、交通機関の最新情報を確認し、必要な服装と装備を整えて、くじゅう連山の登山を楽しんでください。

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