登山用チェーンスパイクのおすすめブランド5選 特徴と選び方を解説
チェーンスパイクは、靴底の爪とチェーンで、雪道や凍結路での歩行を補助する装備です。冬の低山や残雪期の比較的緩やかな登山道で使われますが、急な雪面や滑落の危険がある場所で本格アイゼンの代わりには使えません。
この記事では、チェーンスパイクを手がける5ブランドと各ブランドの注目商品を紹介します。爪の配置や固定方法、携行性を比較し、歩く場所と登山靴に合うモデルを選びましょう。軽アイゼンとの違いや、使える場面・使えない場面も解説します。
目次
チェーンスパイクのおすすめ5ブランドを比較
山岳用品や靴用滑り止めを展開するブランドから、固定方法や爪の配置、携行性の違いを比較できる6ブランドを取り上げました。順位を付けたランキングではなく、公表されている製品情報をもとにした紹介です。
| ブランド | おすすめアイテム | 選ぶときの着眼点 | 重量の目安 | 爪の配置 |
| CAMP | アイスマスター エボ | 前足部とかかとの爪に、甲のストラップを組み合わせたい | 約433g(M) | 前足部・かかと |
| snowline | チェーンセンプロ | 甲のストラップを備えたモデルを検討したい | — | 前足部・かかと |
| Black Diamond | アクセススパイク | 前足部とかかとに爪があるモデルで軽さを重視したい | 約250g(M) | 前足部・かかと |
| oxtos | 誤脱防止チェーンアイゼン OX-113 | 甲から足首にかけてのベルトで固定したい | 約430g(M) | 前足部・かかと |
| HILLSOUND | トレイルクランポン ウルトラ | 踏み固められた雪のある緩やかな道で、爪の配置と甲の固定を重視したい | 約420g(ケース除く) | 前足部・かかと |
※「—」は本記事で重量を確定して掲載していない項目です。購入するサイズの最新仕様を確認してください。
前足部とかかとの両方に爪があるモデルを中心に比較し、靴への固定方法と重量から候補を絞ると選びやすくなります。
登山用チェーンスパイクの選び方

まず歩く場所に適した装備かを判断し、そのうえで爪の構造、サイズ、固定方法を確認します。爪の本数やブランド名だけでは、適したモデルは決まりません。
歩く場所に合わせて爪の長さと配置を選ぶ
爪の長さや配置は、雪や氷への食い込み方、歩行時の足裏感覚に関わります。前足部とかかとに爪があるタイプと、足裏の一部だけに爪があるタイプでは、足を置く位置によって爪の接地の仕方が異なります。
爪が短いからどんな路面でも歩きやすい、長いから急斜面にも使える、とは限りません。メーカーの想定用途を確認してください。雪のない岩や舗装路では金属の爪が滑ったり、爪やチェーンを傷めたりすることがあるため、路面と製品の説明に応じて着脱しましょう。
登山靴に合うサイズを選ぶ
同じ靴サイズでも、ローカットシューズと冬用登山靴では、靴底の厚さや甲のボリュームが異なります。靴のサイズに加えてメーカーの適合表を確認し、対応範囲の境目や厚みのある靴では、販売店への相談も検討しましょう。
購入後は実際に使う靴に装着し、爪が所定の位置に収まるか、ラバーにたるみや過度な張りがないかを確認します。登山当日に初めて装着することは避けてください。
ずれを抑える固定方法を確認する
伸縮性のあるラバーを靴にかぶせるタイプが一般的です。甲のストラップやバックル付きベルトを備えたモデルは、歩行中のずれを抑える工夫があります。ただし、ベルトがあっても、サイズの不適合や不適切な装着を補えるわけではありません。
重量と収納方法を確認する
携行性を比較するときは、重量が片足分か両足分か、収納ケースを含むかをそろえて確認しましょう。軽量化のために爪の配置を限定した商品もあるので、必要な用途を満たすことを優先します。
ケースや収納袋は、金属の爪からレインウェアなどほかの装備を保護するためにも役立ちます。付属しない場合は、爪で破れにくい収納用品を別に用意しましょう。
爪とチェーンの素材を確認する
爪やチェーンには、ステンレススチールや炭素鋼などが使われます。ステンレスは比較的さびにくいものの、手入れが不要になるわけではありません。素材に加え、ラバーや接続部に傷みがないかも確認してください。
登山用チェーンスパイクのおすすめブランド5選
各ブランドの製品展開と、紹介モデルを選ぶ理由を見ていきましょう。以下の仕様は実測値ではなく公表情報に基づき、爪の本数は片足分、重量は両足分で記載しています。
CAMP(カンプ)
カンプはイタリアの山岳用品ブランドで、クライミングや雪山登山の装備を手がけています。チェーンスパイクの「アイスマスター」には、固定を重視するモデルや軽量モデルがあり、装着する靴や携行性に合わせて選べるのが特徴です。しっかりした固定と足裏全体の爪の配置を求めるなら、エボが候補になります。
おすすめモデル アイスマスター エボ
「アイスマスター エボ」は、前足部とかかとのプレートにスパイクを配置し、甲のストラップで靴への固定を補うモデルです。ストラップのないモデルと比較しながら、装着時の安定感を重視して選びたい人に向いています。
通気孔のある収納ケースが付属し、ほかの装備と分けて持ち運べます。軽量モデルより重量があるため、携行性と固定方法のどちらを優先するかを考えて選びましょう。
• 重量:M約433g(サイズ別約425~450g、ペア平均重量)
• 甲のストラップ:あり/収納ケース:あり
snowline(スノーライン)
スノーラインは、「チェーンセン」シリーズを展開するブランドです。プロ、トレイル、ウルトラなど複数のモデルがあり、滑り止めの構造や携行性を比較しながら選べます。甲のストラップを備えたタイプを検討するなら、チェーンセンプロが候補です。
おすすめモデル チェーンセンプロ
「チェーンセンプロ」は、前足部とかかとに爪を配置したチェーンスパイクです。甲の面ファスナー式ストラップで靴への固定を補い、歩行中のずれを抑えます。
サイズによって仕様が異なるため、使用する登山靴との適合を優先して選びましょう。爪の本数を商品名だけで判断せず、購入するサイズの情報を確認してください。
• 甲のストラップ:あり
Black Diamond(ブラックダイヤモンド)
ブラックダイヤモンドは、クライミング用アイゼンなどを手がける山岳用品ブランドです。チェーンスパイクでも、雪や氷への食い込みと足裏の安定性を考慮した爪の設計を採用しています。前足部とかかとに爪を備えたモデルのなかで携行時の軽さを重視する人に、アクセススパイクが候補になります。
おすすめモデル アクセススパイク
「アクセススパイク」は、冬季のアプローチや積雪期・残雪期の低山ハイキングなどを想定したモデルです。短めのスパイクを足裏に配置し、つま先中央の爪も備えています。
靴を包む伸縮性のあるハーネスは、接続部を補強した構造です。独立した甲のストラップはありませんが、かかとのループで着脱を補助します。長い雪渓歩行や急傾斜の雪・氷の斜面では、正規取扱元は登山用クランポンの使用を勧めています。
• 重量:M約250g(正規取扱元の片側125gを両足分に換算)
• 甲のストラップ:なし
oxtos(オクトス)
オクトスは、石川県を拠点に登山用品を展開する国内ブランドです。チェーンアイゼンのほか、誤脱防止ベルトなどの関連用品も手がけています。靴への固定方法を重視し、ベルト付きのモデルを選びたい人に検討しやすいブランドです。
おすすめモデル 誤脱防止チェーンアイゼン OX-113
「誤脱防止チェーンアイゼン OX-113」は、甲から足首にかけてベルトとバックルを備え、歩行中に外れにくくする工夫をしたモデルです。ラバーで靴を包むだけのタイプと比べ、ベルトを調整して固定を補える点が特徴です。
ラバー部分にはシリコンゴム、爪にはステンレスを使用しています。装着時はバックルを留めるだけで済ませず、ラバーと爪の位置がずれていないかも確かめましょう。
• 重量:M約430g、L約465g、XL約485g
• 甲の固定:バックル付きベルトあり
HILLSOUND(ヒルサウンド)
ヒルサウンドは、ハイキングやトレイルランニング向けの靴用滑り止めを展開するブランドです。トレイルクランポン ウルトラでは、かかとにも爪を配置し、側面のチェーンや甲のストラップで固定を補います。踏み固められた雪のある緩やかな道で、爪の配置と靴への固定を重視したい人の候補です。
おすすめモデル トレイルクランポン ウルトラ
「トレイルクランポン ウルトラ」は、前足部からかかとまでスパイクを配置したモデルです。側面のダブルリンクチェーンと甲の面ファスナーストラップを備え、靴に沿わせて固定する構造です。
かかと側にも長めの爪を配置しています。ただし、爪の多さは対応できる斜面の急さを示すものではありません。メーカーはハイキングやトレイルランニングなどを想定しており、持ち運び用の収納袋も付属します。
• 重量:約420g(収納ケースを除く公表値、代表サイズの明示なし)
• 甲のストラップ:あり/収納袋:あり
チェーンスパイクが使える場面と使えない場面

適否は山の標高や積雪量だけでは決まりません。雪質、傾斜、滑った先の地形、メーカーの想定用途を合わせて判断します。ここでは、主に前足部とかかとに爪がある登山向けモデルを想定します。
比較的緩やかな雪道で歩行を補助する
踏み固められた雪道や部分的に凍結した道など、比較的緩やかで滑落の危険が小さい登山道が使用場面の目安です。雪と地面が交互に現れる道では、雪のない区間の長さや路面に応じて着脱します。
残雪や冬季のアプローチでも、緩やかに見えることだけで判断しないでください。気温や時間帯によって雪の硬さは変わります。山小屋や登山口の案内などで最新状況を調べ、下山までを見通して装備を選びましょう。
急斜面や硬く凍結した傾斜地には使わない
滑落の危険がある急斜面、硬く凍結した傾斜地、前爪を使う登下降が必要な場所では、チェーンスパイクでは対応できません。ルートに適した本格アイゼンやピッケルなどの装備と、それらを使う技術が必要です。
現地の管理者や山小屋などが特定の装備を推奨している場合は、その理由も含めて確認してください。爪が効かない、装備や技術が状況に対応していないと感じたら、無理に進まず引き返しましょう。
深く柔らかい雪では沈み込みへの対策が別に必要
チェーンスパイクは雪面での滑りを抑えるための装備で、深い雪への沈み込みを防ぐものではありません。深く柔らかい雪では、地形や雪の状態に応じて、わかんやスノーシューなどを検討します。
沈み込みへの対策と、硬い雪面での滑り止めは役割が異なります。わかんやスノーシューがあれば凍結斜面にも対応できるわけではなく、ルート全体に必要な装備と経験を判断することが大切です。
チェーンスパイクについてよくある質問

チェーンスパイクの名称や装着方法、使用後の手入れなど、購入前後に迷いやすいポイントをQ&A形式で解説します。
チェーンスパイクと軽アイゼンの違いは何ですか?
チェーンスパイクは、短い爪とチェーンで靴底を覆い、凍結した登山道や圧雪路で滑りにくくする装備です。着脱しやすく、比較的歩きやすい一方、急斜面や硬い雪面には適しません。
軽アイゼンは、チェーンスパイクより長い爪を備え、雪面への食い込みに優れています。ただし、製品によって爪の数や長さ、対応できる地形が異なります。どちらを携行するかは、積雪状況や斜度、登山ルートの案内を確認して判断しましょう。
登山靴以外にも装着できますか?
トレイルランニングシューズやスニーカーに対応する商品もあります。ただし、靴底が薄いと爪やチェーンを足裏に感じる場合があります。装着できることと、その靴で予定する登山道を歩けることは別に判断してください。
いつ装着し、いつ外しますか?
雪道や凍結路に入る前の、安全で安定した場所で装着します。爪とラバーの位置を確認してから歩き始めましょう。雪のない硬い路面が続く場合は、メーカーの説明と現地の状況に応じて、安全な場所で外します。
使用後はどのように手入れしますか?
メーカーの説明に従って泥や汚れを落とし、水分を拭き取って十分に乾燥させてから保管します。次の使用前には、爪の摩耗、ラバーの亀裂、チェーンや接続部の変形・損傷を点検してください。異常があれば使用を控え、メーカーや販売店に相談しましょう。
歩く場所と登山靴に合うチェーンスパイクを選ぼう

チェーンスパイクは、歩く場所に適した構造と、登山靴へのフィット感を優先して選びましょう。そのうえで固定方法や携行性を比較すると、用途に合うモデルを絞り込めます。
足元の装備だけでなく、出発前には気温や風雨に応じた服装も確認してください。秋から冬へ移る時期は、同じ低山でも状況が変わるため、最新の登山情報をもとに準備しましょう。
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