日帰り登山に行くなら!計画の立て方や持ち物、服装、準備のコツ

全国には、日帰りで気軽に楽しめる登山スポットが数多くあります。
日帰り登山は手軽に挑戦できる一方で、注意したいのが登山中の事故です。
近年、特に里山や低山での事故が増加しており、中でも『道迷い』が原因となるケースが多く見られます。
こうした事故を未然に防ぐためには、しっかりとした準備が欠かせません。
ここでは、日帰り登山を安全に楽しむために、必要な持ち物や事前準備のポイントをご紹介します。
日帰り登山の持ち物準備の前に!まずはプランニングが重要

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安全で楽しい登山をするためには、事前のプランニングが欠かせません。
冒頭でも触れたように、山の標高に関係なく、日帰り登山であってもリスクは伴います。そのため、危険を未然に防ぐための綿密なプランニングが必要です。
登山は、実際に山へ足を運ぶ前から始まっていると言えるでしょう。
では、具体的にどのような点に注意して計画を立てるべきなのでしょうか?ここから詳しく解説していきます。
行く山を選ぶ

計画を立てるには、まず行き先を決めることが重要です。
ただし、「行きたい山」と「実際に行ける山」が必ずしも一致するとは限らないことを念頭に置きましょう。
目的地を選ぶ際に考慮すべき具体的なポイントは、以下のとおりです。
①実力にあった山を選ぶ

目的地を選ぶ際には、さまざまな要素を検討し、十分な情報収集を行うことが大切です。山の危険性を理解し、自分の実力に合った山を選ぶことが、安全で楽しい登山につながります。
登山関連のガイドブックには、コースタイム・標高・難易度などの情報が掲載されているため、まずはそれらを参考にしながら、条件に合う山を探しましょう。
初めての登山には、以下の条件を満たすコースがおすすめです。
・コースタイムの合計が4時間以下
・難所のない一般登山道
このようなコースなら、公共交通機関を利用し、9時に登山口を出発しても、余裕をもって下山できるでしょう。また、できるだけ晴天の日を選び、雨のリスクを避けることも重要です。
また、ガイドブックを使用するときは、刊行年月を必ず確認しましょう。登山道は大きく変わることは少ないものの、古い情報と現状が異なる可能性があります。安全な登山のためにも、最新の情報を確認することが大切です。
さらに、季節による日の入り時刻の違いや、時期による積雪の可能性など、考慮すべき点は意外と多いものです。しっかりと準備を整え、登山を楽しみましょう。
行く山が決まったら、紙地図と登山アプリの両方を準備しよう!

ガイドブックで登山ルートや所要時間を確認しただけでは、十分な準備とは言えません。行く山を決めたら、ガイドブックの情報確認に加えて、必ず地図を用意しましょう。
地図は登山における必携装備のひとつであり、特に山岳遭難の原因として最も多い「道迷い」を防ぐために欠かせません。安全に登山を楽しむためには、地図を使って現在地を確認し、正しいルートを維持することが重要です。
登山で使用する地図には、国土地理院の地形図と登山用途に特化した登山地図の2種類があります。
・地形図(2万5千分の1の縮尺)
緻密な等高線や記号が記載されており、地形の詳細を読み取ることができます。ただし、使いこなすには読図スキルが必要です。
・登山地図(登山者向けに編集された専用地図)
初心者でも分かりやすく、ルートや危険箇所の情報が明記されています。
特に初めての登山では、登山地図の定番「山と高原地図」を入手するのがおすすめです。この地図は、登山ルートや目安の所要時間、危険箇所などが分かりやすく記載されており、初心者でも安心して登山を楽しめます。
紙の登山地図なら「山と高原地図」

山と高原地図は、60年の歴史を誇る定番の登山地図です。その信頼性についてはすでに述べたとおり、登山者に必要な情報を網羅し、誰でも簡単に確認できるのが特徴です。
また、スマートフォンが普及した現代でも、登山における地図の重要性は変わりません。紙地図と登山アプリを併用することで、お互いの短所を補い、より安全に登山を楽しむことができます。
山と高原地図のメリット
1.広範囲を俯瞰できる
スマートフォンの画面とは異なり、大きな紙面で山域全体を見渡せるため、ルート確認がしやすく、同行メンバーとコースを共有する際にも便利です。
2.計画段階でも活躍
付属の冊子には、山域周辺の気象・文化・交通情報が記載されており、登山の計画時にも役立ちます。
3.耐久性に優れる
耐水性紙を使用し、インクが落ちにくいニス引き加工が施されているため、雨天でも安心。さらに、スマートフォンのようにバッテリー切れの心配がないのも大きなメリットです。
ただし、紙地図にも弱点があります。それは、現在地を正確に把握しにくいことです。
例えば、人気のある山域であっても、すべての登山道に標識が設置されているとは限りません。標識のない分岐に出くわしたときは、自分で判断して進む必要があります。
こうした状況で活躍するのが、登山アプリです。GPSを利用してリアルタイムで現在地を確認できるため、道迷いを防ぎ、安全な登山につながります。
登山アプリ「山と高原地図ホーダイ」

「山と高原地図ホーダイ」では、全国の登山コースを選び、計画を作成できます。
このサービスでは、登山ルートの難易度がひと目で分かる赤い実線(整備された登山道)や赤い破線(経験者向きの難路)、コースタイムなど、登山に必要な情報が分かりやすく記載されています。 そのため、誰でも登山道の状況を確認しやすく、安全なルート選びが可能です。
さらに、これらの情報は毎年の実踏調査によって更新されるため、常に最新の情報を確認できる信頼性の高い地図です。
山と高原地図ホーダイのメリット
1.所要時間の自動計算&休憩時間の編集が可能
ルート計画がスムーズに立てられる!
2.地図はスマートフォンに事前保存OK!
圏外でも利用できるので、登山中も安心。
登山では、現在地を見失ってから地図を広げても手遅れになることがあります。だからこそ、電波の届かない山中でも使え、簡単に現在地を確認できる登山アプリの活用が重要です。
具体的な日帰り登山計画を立てる
行きたい山とその地図を用意したら、具体的な登山計画を立てましょう。
計画段階で考慮すべき重要なポイントは、以下の2つです。
1.登山ルートの選定
コースタイムや難易度を確認し、自分の体力や経験に合ったルートを選ぶ。
2.登山口までのアクセスや周辺情報
公共交通機関の時刻表や駐車場の有無をチェックし、スムーズに登山を開始できるようにする。
1.登山ルートの選定

多くの山には、山頂までの登山道が複数あるため、適切なルート選びが重要です。ルートを選定する際に確認すべきポイントは、コースの難易度とコースタイムの2つです。
登山ルートの難易度をチェック
『山と高原地図』では、以下のようにルートの難易度が示されています。
- 赤い実線 → 一般ルート(初心者向け)
- 赤い破線 → 難ルート・経験者向け
また、ハシゴや岩場などの危険箇所には注記があるため、ルートの難易度をイメージしやすくなっています。
コースタイムを考慮した計画を
登山計画を立てる際に最も重要なのがコースタイムです。登山口の出発時間は、下山時刻から逆算して決めるのが基本。
特にハイキングでは、日が落ちる前に下山することが原則です。
季節によって日の入り時刻は異なりますが、15時までに下山することを目安にすると安全に行動できます。
登山計画の作成は『山と高原地図ホーダイ』が便利!

コースタイムは紙地図でも計算できますが、『山と高原地図ホーダイ』では、アプリで登山計画を簡単に作成できます。
便利な機能
- コースタイムの自動計算 → ルートを選ぶだけで所要時間を算出
- 歩くペースや休憩時間の編集 → 体力に合わせた計画が立てられる
詳しいルート作成方法は、アプリの使い方解説記事をご覧ください。
2.登山口までのアクセスや周辺情報
登山ルートが決まったら、登山口までのアクセス方法や周辺情報も事前に調べておきましょう。
公共交通機関を利用する場合の注意点
特に下山後の交通アクセスは念入りに確認することが重要です。
都市近郊の里山であっても、登山口によってはバスの本数が1日数本しかないことも珍しくありません。
また、下山時刻に応じて予定を立てる必要があるため、交通アクセス次第では計画の見直しが必要になることもあります。
アクセス確認のポイント
・Googleマップや地図アプリを活用する
・公共交通機関の時刻表を事前にチェックする
・調べた情報はスマートフォンに保存するか、ノートにメモしてお
オフライン対策も忘れずに!
筆者自身、下山後にスマートフォンで周辺情報を調べようとしたものの、登山口が圏外で困った経験があります。そのため、オフラインでも確認できるように、事前に必要な情報を保存しておくことをおすすめします。
日帰り登山の準備をする

日帰り登山の計画が完成したら、出発前の準備をしっかり整えましょう。
特に、出発前に確認すべき重要なポイントは、以下の3つです。
1.持ち物のチェック
2.天気予報の確認
3.最新の交通情報の把握
これらを事前にしっかり確認することで、安全で快適な登山を楽しむことができます。
1.持ち物のチェック

都市部でのレジャーとは異なり、登山には山中で安全に過ごすための装備が不可欠です。ここでは、無積雪期の都市近郊での日帰り登山において、最低限そろえておきたい持ち物をリストにまとめました。
日帰りハイキングの必携アイテム
✔ リュック(20L〜30L)
✔ 雨具・レインウエア(晴れでも必須)
✔ 防寒着
✔ 救急用品
✔ 着替え
✔ ヘッドライト(予備電池も)
✔ コンパス
✔ 地図
✔ スマートフォン
✔ モバイルバッテリー
✔ 生活用品(タオル・ティッシュ・日焼け止めなど)
✔ 貴重品&保険証(マイナンバーカード)
✔ 食料(すぐに食べられる行動食やお弁当など)
✔ 水筒
✔ 登山靴
目的に応じて追加するアイテム
✔ 山ごはんを楽しみたい場合 → バーナー・クッカー
✔ 下山後に温泉に立ち寄る場合 → お風呂セット
持ち物のチェックリストを作成しておくと、忘れ物の防止に役立ちます。
効率的なリュックの詰め方
✔ 体にフィットするリュックを選ぶ
✔ すぐに使う道具や重たい物は上部に収納
例:水筒・食料・レインウエア → バランスを保ち、歩きやすくなる
✔ 軽くかさばる物やすぐに必要ない物は下部に収納
例:着替え・予備の防寒着
✔ 防水対策をしっかり行う
市販の防水スタッフバッグやジッパー付きビニール袋を活用
急な雨に備えて、防水対策をしっかりすることで快適な登山が可能になります。
2.天気予報の確認

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登山の成功は事前の天候チェックにかかっています。出発の1週間前から天気予報を確認し、山中の気象を予測することが大切です。もし悪天候が予想される場合は、登山の延期や中止も検討しましょう。
確実なのは気象庁が発表する天気予報ですが、一般的な天気予報は都市部の情報が中心です。そのため、山では都市の天気や気温がそのまま当てはまらないことに注意が必要です。標高が高い場所では気温が急激に下がることもあり、風の影響で体感温度が大きく変わることもあります。
そこで活用したいのが、山の天気を詳細に調べられる「tenki.jp 登山天気」や「山の天気予報」などのサービスです。これらを利用すれば、標高ごとの気温や風速、降水確率など、登山に特化した情報を確認できます。スマートフォン向けのアプリは有料ですが、リアルタイムで詳細な山の天気を把握できるため、登山前のリスク管理に役立ちます。
天気予報を参考にしながら、装備や服装も適切に見直しましょう。気温の変化や天候の急変に備えて、防寒着や雨具の準備を怠らないことが重要です。特に山の天気は変わりやすいため、事前にしっかりと確認し、安全な登山を心がけましょう。
3.最新の交通情報の把握
緊急の道路工事や通行止め、交通機関の運転見合わせなど、想定外の事態が発生する可能性もあります。計画通りに進めるためには、こうした状況を考慮し、柔軟に対応できる準備が必要です。
事前に調べたアクセスに変更がないか、出発直前に最新情報を確認しましょう。高速道路や登山口周辺の道路状況、鉄道やバスの運行情報をチェックすることで、当日のトラブルを未然に防ぐことができます。また、代替ルートや別の交通手段も把握しておくと、万が一の際にもスムーズに行動できるでしょう。
登山前の準備が、安全で楽しい山歩きにつながる

登山の楽しみは、計画の段階から始まります。「どの山に行こう?」「どんなルートを歩こう?」 そんなワクワクを最後まで続けるには、しっかりとした準備が欠かせません。
天気予報の確認、登山ルートやアクセスのチェック、持ち物の準備を丁寧に行えば、不安なく自然を満喫できます。山の天気は変わりやすいため、雨具や防寒着を忘れずに。リュックの整理も重要で、必要なものをすぐに取り出せる配置にしておきましょう。
予定通りにいかないことも登山の醍醐味。通行止めや天候の急変にも落ち着いて対応できるよう、代替ルートを考えておくのも大切です。しっかり準備を整えたら、あとは山を楽しむだけ。思い切り自然を満喫してください!

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