登山用手袋の選び方とおすすめ5選 季節や天候に合わせた使い分けも解説

登山用の手袋は、冬の防寒のためだけの道具ではありません。鎖場や岩場で手を守ったり、風や雨で手が冷えるのを防いだりと、無雪期の登山でも役立つ場面があります。

ただし、手袋は季節や天候、歩くルートによって向いているタイプが異なります。何を選べばよいか迷ったら、まずは最初の1双を決め、条件に応じて手袋を追加すると考えると整理しやすくなります。

無雪期の登山なら、最初の1双には手のひらを補強した薄手のトレッキンググローブが基本の候補です。寒さが予想されるときは薄手保温グローブや防風・保温グローブを、雨が予想されるときはレイングローブを追加しましょう。

この記事では、登山用手袋の選び方と、季節・天候別の組み合わせ、役割の異なるおすすめの5商品を紹介します。

2026年9月27日 更新

登山に手袋が必要な理由 夏でも役立つ場面と軍手をすすめない理由

登山用の手袋には、主に次のような役割があります。

・鎖場や岩場、ハシゴで手を保護し、握りやすくする
・寒さや風から手を守る
・雨で手が濡れて冷えるのを抑える

夏でも、鎖場や岩場を通るルート、雨が降る日、朝晩に冷え込む標高の高い山では、手袋があると安心です。手が冷えて指がかじかむと、鎖を握る、ザックのバックルを外すといった動作がしにくくなることもあります。

身近な軍手を登山で使う人もいますが、一般的な綿の軍手は、登山用として積極的にはすすめにくい手袋です。綿は濡れると乾きにくく、雨や汗で濡れたまま着けていると手が冷えやすくなります。また、滑り止めのないものは、鎖をつかんだときに滑ることもあります。

どんな手袋が必要かは、歩くルートと天気によって変わります。出発前に、登山地図やコース情報で鎖場・岩場・ハシゴなどの有無やルートの特徴を確認し、天気予報も合わせて、必要な手袋を考えましょう。登山地図には危険箇所についてのコメントが入っている場合もありますが、すべての危険箇所が記載されているとは限りません。現地の状況も見ながら判断することが大切です。


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登山用手袋の選び方

登山用の手袋は、季節や天候、歩く場所によって必要な機能が変わります。ここでは、手袋のタイプごとの役割と、選ぶときに確認したいポイントを紹介します。読み進めると、自分の山行にどのタイプが必要か判断できます。

季節と天候に合わせて手袋のタイプを選ぶ

登山用の手袋は、役割によって大きく5つのタイプに分けられます。最初に選ぶのは基本のトレッキンググローブで、ほかのタイプは用途や条件に応じて加えていくと考えましょう。

タイプ 主な役割 向いている場面 位置づけ
基本のトレッキンググローブ 手の保護とグリップ 無雪期の登山全般、鎖場・岩場のあるルート 最初の1双の基本候補
フィンガーレス 指先を出したまま手のひらを保護 暑い時期、指先で細かい作業をしたいとき 用途に応じた選択肢
薄手保温グローブ 肌寒いときの保温、ほかの手袋との重ね使い 春・秋の肌寒い日、朝晩の冷え込み 寒さが予想されるときに追加
防風・保温グローブ 冷たい風と寒さから手を守る 秋から雪のない冬の低山、風が予想される日 寒さ・風が予想されるときに追加
レイングローブ 雨で手が濡れるのを抑える 雨が予想される日、雨への備えを追加したいとき 雨が予想されるときに追加

薄手保温グローブと防風・保温グローブは、どちらも寒さ対策に使いますが、役割が異なります。薄手保温グローブは肌寒い日の単体使用や重ね使いに、防風・保温グローブは冷たい風が吹く日のように、より寒さへの備えが必要な場面に向いています。

鎖場や岩場を歩くなら手のひらの補強とグリップを確認する

鎖場や岩場、ハシゴのあるルートでは、手のひら側の素材や補強の有無を確認しましょう。人工皮革や合成皮革などを使い、負荷がかかる部分を補強したモデルなら、手を保護する目的で選びやすくなります。

フィット感も大切です。手袋が大きすぎると指先が余って握りにくく、薄すぎると手を保護しにくくなります。鎖場のあるルートを歩くなら、手のひらを補強した薄手のトレッキンググローブが基本の候補です。

寒さや風が予想されるなら保温性と防風性を確認する

肌寒い程度なら、ウールやフリースなどを使った薄手の手袋で手先の冷えを和らげられます。薄手なら行動中も着けやすく、寒くなってきたときにほかの手袋の内側に重ねる使い方もできます。

一方、フリースやニットは暖かくても、一般に風を通しやすい素材です。稜線や山頂など風が吹き抜ける場所を歩く予定があり、冷たい風が予想されるときは、風を通しにくい素材を使った防風・保温グローブを検討しましょう。

登りで汗をかいた手袋のまま休憩すると、手が冷えやすくなります。行動中の蒸れと休憩中の冷えの両方を考え、薄手保温グローブと防風・保温グローブを、気温や風に合わせて使い分けられるようにしておくと安心です。

雨が予想されるなら防水の仕様まで確認する

雨の日に使うレイングローブは、生地に防水透湿素材を使っているかを確認しましょう。防水透湿素材は、外からの雨を通しにくく、内側の湿気を外へ逃がしやすい素材です。

ただし、防水透湿素材を使っていても、縫い目の処理によっては完全防水ではない製品があります。縫い目から水が入らないようにテープで処理しているか、メーカーが防水性をどのように説明しているかも確認しておくと、使える場面を判断しやすくなります。

また、撥水加工は生地の表面で水をはじきやすくする加工で、防水とは異なります。撥水加工だけでは、雨に当たり続けた場合の浸水を防げるとは限りません。

肌寒い雨の日に備えるなら、薄手の手袋を内側に重ねられるサイズかどうかも確認しておきましょう。

スマホやファスナーを操作しやすいか確認する

地図の確認や写真の撮影などで、登山中にスマートフォンを使う人は多いでしょう。タッチパネル対応の手袋なら、着けたままスマートフォンを操作できます。

ただし、タッチパネルに対応しているのは、親指と人差し指など指先の一部だけという製品が多くあります。また、手袋を2枚重ねると、内側の手袋がタッチパネル対応でも操作できないことがあります。

指先を使う作業が多い人や、手袋を着けたまま細かい操作をしたい人は、指先が出るフィンガーレスも選択肢になります。

重ねて使うことも考えてサイズを選ぶ

手袋のサイズは、手のひらの周囲(手囲い)と、手首から中指の先までの長さ(手長)を測って選びます。

サイズ表記の基準はメーカーによって異なります。USサイズで表記しているメーカーや、手長と手囲いのうち大きい方の数値を基準にするメーカーもあるため、購入前に各メーカーのサイズ表を確認しましょう。

レイングローブの内側に薄手の手袋を重ねる予定がある場合は、重ねた状態で指を曲げ伸ばしできるかも確認しておきましょう。きつすぎると手先の血行が妨げられ、冷えにつながることがあります。


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季節・天候別の手袋の組み合わせ

登山用の手袋は、1双ですべての季節や天候に対応するのではなく、最初の1双に、条件に応じた手袋を追加して使い分けるのが基本です。季節や天候ごとの組み合わせの目安は次のとおりです。

山行の条件 最初の1双 条件に応じて追加するもの
春・秋の低山 基本のトレッキンググローブ 肌寒さが予想されるときは薄手保温グローブ
夏の低山 基本のトレッキンググローブ、または暑さや操作性を優先するならフィンガーレス 雨が予想されるときはレイングローブ
夏の標高の高い山 基本のトレッキンググローブ 朝晩の冷え込みに備えて薄手保温グローブ、雨が予想されるときはレイングローブ
寒さ・風が予想される日(秋から雪のない冬の低山など) 基本のトレッキンググローブ 防風・保温グローブ、必要に応じて薄手保温グローブ
雨が予想される日 基本のトレッキンググローブ レイングローブ、肌寒い日は内側に重ねる薄手保温グローブ

表は組み合わせの目安です。同じ季節でも、標高や風の強さ、天候によって必要な手袋は変わります。出発前にルートと天気予報を確認し、予想される条件に合わせて準備しましょう。

手袋は、雨や汗で濡れたり、休憩中に落としたりすることがあります。長時間の山行や天候が崩れる可能性がある日は、予備の手袋もザックに入れておくと安心です。

なお、雪山では、保温性や防水性、手袋の重ね方など、選び方の考え方が無雪期とは大きく異なります。この記事で紹介する組み合わせは、無雪期の登山を前提としています。


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登山におすすめの手袋5選

ここからは、役割の異なる5つの手袋を紹介します。最初の1双の候補から、寒さや雨に備えて追加する手袋までそろえているので、まずは表で自分の山行に合う候補を確認してみましょう。

タイプ 商品名 向いている場面 選ぶ決め手
基本のトレッキンググローブ スワニー TR-700 トレッキンググローブ 無雪期の登山全般、鎖場・岩場のあるルート 手のひらの補強と、夏でも着けやすい通気性
フィンガーレス スワニー TR-701 トレッキングハーフフィンガーグローブ 暑い時期、指先で細かい作業をしたいとき 手のひらを保護しながら指先を出せる
薄手保温グローブ ファイントラック メリノスピングローブ 春・秋の肌寒い日、ほかの手袋との重ね使い ウール混の薄手で、単体でも重ねても使える
防風・保温グローブ アウトドアリサーチ Ms バックストップセンサーウィンドプログローブ 秋から雪のない冬の低山、冷たい風が予想される日 風を通しにくいフリースで、寒さと風に備えられる
レイングローブ ファイントラック エバーブレストレイルグローブ 雨が予想される日 防水透湿素材の薄手で、ほかの手袋と重ねて使える

初めての登山用手袋におすすめ スワニー「TR-700 トレッキンググローブ」


画像:Amazon

初めての登山用手袋として、無雪期の登山全般で使える手袋を探している人に向いているのが、スワニーのTR-700です。グローブを手がけるスワニーが、無雪期の低山からアルプスまでを想定して作った薄手のトレッキンググローブです。

手のひらには人工皮革を使い、ストックやロープを握るときに負荷がかかる部分を2重に補強しています。鎖場や岩場のあるルートで手を保護したい人にとって、確認したいポイントを押さえたモデルです。手の甲側はメッシュ素材のため、暑い時期にも着けやすい作りです。

注目したい特徴

・手の甲側は耐久性のあるCORDURA(コーデュラ)のメッシュ素材
・手のひらは人工皮革で、負荷のかかる部分を2重に補強
・親指と人差し指がタッチスクリーンに対応
・手首は腕時計の装着を妨げにくい形状
・メンズ4サイズ、レディース2サイズを展開

指先まで覆うため、フィンガーレスより手全体を保護しやすい一方、通気性を重視したメッシュ素材の手袋です。寒さや風が予想される日は、薄手保温グローブや防風・保温グローブを追加しましょう。サイズはUSサイズで表記されているため、メーカーのサイズ表で確認してから選ぶと安心です。


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指先を出したい人に スワニー「TR-701 トレッキングハーフフィンガーグローブ」


画像:Amazon

TR-701は、TR-700と同じシリーズのハーフフィンガータイプです。夏の登山で手袋の蒸れが気になる人や、靴ひもの結び直し、カメラの操作など、指先を使う作業が多い人に向いています。

手の甲側にCORDURA、手のひらに人工皮革を使い、負荷のかかる部分を2重に補強している点はTR-700と共通です。指先を出したまま、鎖や岩を握る手のひらを保護できます。

注目したい特徴

・指先が出るハーフフィンガータイプ
・手のひらは人工皮革で、負荷のかかる部分を2重に補強
・夏場を想定した薄手で通気性のある作り
・メンズ4サイズ、レディース2サイズを展開

TR-700との選び分けは、指先の保護を優先するか、指先の自由さを優先するかです。指先が出るため、寒い時期の保温や、指先を岩などから守る用途には向きません。春・秋にも使いたい、指先まで保護したいという人はTR-700を選びましょう。


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肌寒い日の追加に ファイントラック「メリノスピングローブ」


画像:Amazon

メリノスピングローブは、ウールとナイロンを組み合わせた素材の薄手グローブです。春・秋の肌寒い日に単体で使うほか、寒い時期にはほかの手袋の内側に重ねる使い方もできます。

手のひらと指先には滑り止め素材を使っています。

注目したい特徴

・メーカー公表重量は32g
・ナイロン81%、ウール19%の混紡素材
・手のひらと指先に滑り止め素材
・人差し指と親指がタッチパネルに対応
・ユニセックスでS〜XLの4サイズ

メッシュ素材のTR-700やTR-701と比べると、保温を重視した薄手の手袋です。一方、手のひらの補強はTR-700ほど明確ではないため、鎖場や岩場を中心に使う1双としてはTR-700が向いています。風を防ぐことを目的とした手袋ではないため、冷たい風が予想される日は防風・保温グローブを検討しましょう。


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寒さと風に備える アウトドアリサーチ「バックストップセンサーウィンドプログローブ」


画像:楽天市場

アウトドアリサーチのバックストップセンサーウィンドプログローブは、秋から雪のない冬の低山や、冷たい風が予想される日に追加したい手袋です。手の甲側には風を通しにくいポーラテック ウィンドプロフリースを、手のひら側にもフリースを使い、寒さと風の両方に備えられます。

指先はタッチスクリーンに対応し、手のひらにはシリコンのグリッププリントがあります。寒い時期に手袋を外さずスマートフォンを操作したい人にも候補になります。

注目したい特徴

・メーカー公表重量は100.1g
・手の甲側に風を通しにくいPolartec Wind Proフリースを使用
・手のひらにシリコンのグリッププリント
・指先がタッチスクリーンに対応
・メンズモデルで、S〜XLの4サイズを展開

メリノスピングローブより、風への備えを重視したい場面で選びたい手袋です。肌寒い程度の日はメリノスピングローブ、冷たい風が予想される日はこちらと使い分けられます。

メンズ展開のみの商品のため、手の小さい人は、メーカーのサイズ表で自分の手に合うサイズがあるかを確認してから選びましょう。


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雨に備える ファイントラック「エバーブレストレイルグローブ」


画像:Amazon

エバーブレストレイルグローブは、雨が予想される日に追加したいレイングローブです。本体にファイントラック独自の防水透湿素材を使い、手首部分には雨の浸入を軽減する生地を配置しています。

薄手のライナーと重ねられるサイズで設計されているため、季節に応じて内側の手袋を変えて使えます。肌寒い雨の日は、メリノスピングローブのような薄手の手袋を内側に重ねる方法もあります。重ねる場合は、実際に重ねた状態で指を動かしやすいか確認しましょう。

注目したい特徴

・メーカー公表重量は32g
・本体に防水透湿素材を使用
・薄手のライナーと重ねられるサイズ設計
・親指と人差し指の腹側の指先がタッチパネルに対応(単体で着けたとき)
・ユニセックスでS〜XLの4サイズを展開

縫い目にシームテープ加工が施されていないため、完全防水ではありません。操作性を重視した薄手のレイングローブとして、雨の日に手が濡れるのを抑える目的で使いましょう。タッチパネルで操作できるのは単体で着けたときなので、内側に手袋を重ねた状態では操作できない点にも注意が必要です。


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登山用手袋のよくある質問

最後に、登山用の手袋を使うときに迷いやすい点を、質問形式で紹介します。

鎖場では素手と手袋のどちらがいいですか

鎖場で手袋を着けるかどうかは、状況によって判断が分かれます。手袋を着けると手の保護や滑り止めに役立ちますが、手先の感覚を重視して素手で登る人もいます。

判断の目安は、鎖や岩が濡れていないか、汗で手が滑りやすくないか、手袋が手にフィットしているかです。手袋を着ける場合は、手のひらに滑りにくい素材を使ったものを選び、サイズが大きすぎないか確認しましょう。

普段使いの手袋や作業用の手袋は登山で使えますか

手持ちの手袋を使う場合は、素材と手のひら側の作りを確認しましょう。綿など濡れると乾きにくい素材は、雨や汗で冷えやすくなります。手のひらに滑り止めがないものは、鎖や岩を握るときに滑ることがあります。

岩場や鎖場のないルートを晴れた日に歩くなら、手持ちの手袋で足りる場合もあります。ルートや天気によって手を使う場面や濡れる可能性が変わるため、歩く予定のルートに合わせて判断しましょう。

登山用の手袋は洗濯できますか

洗濯できるかどうか、洗濯機を使えるかどうかは製品によって異なります。洗う前に、製品のタグやメーカーの取扱表示を確認してください。

手のひらに皮革を使った手袋や、防水透湿素材を使ったレイングローブは、洗い方や乾かし方に注意が必要な場合があります。乾燥機や柔軟剤の使用可否も取扱表示に従いましょう。

歩く山と季節に合わせて手袋を選ぼう

登山用の手袋は、最初に購入する登山用手袋を決め、寒さ・風・雨などの条件に応じて追加すると選びやすくなります。無雪期の登山なら、最初の1双には手のひらを補強した薄手のトレッキンググローブが基本の候補です。

具体的には、初めての登山用手袋におすすめなモデルがTR-700 トレッキンググローブ、暑い時期や指先を使う作業が多い場合の選択肢がTR-701 トレッキングハーフフィンガーグローブです。肌寒い日にはメリノスピングローブ、冷たい風が予想される日にはバックストップセンサーウィンドプログローブ、雨が予想される日にはエバーブレストレイルグローブを追加すると、条件の変化に対応しやすくなります。

出発前には、登山地図やコース情報で鎖場・岩場・ハシゴなどの有無やルートの特徴を確認し、天気予報も合わせて、持っていく手袋を決めましょう。


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