赤目四十八滝ハイキングコース完全ガイド 赤目五瀑と自然美を満喫しよう

三重県と奈良県の県境にある赤目四十八滝は、落差のある滝や苔むす岩、清らかな渓流など、変化に富んだ景観が楽しめるハイキングの名所です。全長約4kmの遊歩道はよく整備されており、初心者でも安心して自然の中を歩くことができます。

なかでも「赤目五瀑」と呼ばれる5つの名瀑は必見。この記事では、赤目四十八滝ハイキングコースの見どころや服装のポイント、立ち寄りスポットまで詳しく紹介します。

2025年4月16日 更新

赤目四十八滝ハイキングコースの基本情報

 

赤目四十八滝は、滝川の渓流沿いに整備された片道約4kmの遊歩道を歩きながら、名瀑の数々を巡る人気のハイキングコースです。片道およそ90分、自然を感じながらゆっくり歩けるルートは、初心者やファミリーにもおすすめ。道は比較的平坦で整備されており、急登や危険箇所は少ないため、体力に自信がない方でも無理なくチャレンジできます。

なかでも「赤目五瀑」と呼ばれる不動滝、千手滝、布曳滝、荷担滝、琵琶滝は見どころ。四季を通じて美しい風景が楽しめ、特に新緑や紅葉の季節は格別の美しさです。

滝の入口には「日本サンショウウオセンター」があり、そこがハイキングの出発地点。ハイキング前の情報収集や、オオサンショウウオとのふれあい体験も楽しめます。

コース全長:約4.0km
所要時間:約1時間30分(休憩含まず)
難易度:★★☆☆☆(初心者〜中級者向け)
主な見どころ:赤目五瀑(不動滝、千手滝、布曳滝、荷担滝、琵琶滝)
トイレ:各所にあり(出発地点、途中にも数か所)
最適シーズン:春(新緑)、夏(清涼感)、秋(紅葉)
服装の目安:動きやすい服・滑りにくい靴・帽子など
雨天時の対応:雨具必携/足元が滑りやすいため注意
スタート地点:日本サンショウウオセンター
ゴール地点:巌窟滝(折返しも可能)

赤目四十八滝の名の由来「赤目牛伝説」

 

この地の名前「赤目」も、霊的な伝説に由来します。かつて不動明王がこの地に現れた際、赤い目をした牛に乗っていたという言い伝えがあり、その牛が滝の水を飲んだとされる場所が「赤目」の語源といわれています。滝の入口近くには、この赤目牛の像も設置されており、写真スポットとしても人気です。

赤目五瀑をめぐる!ハイキングルートガイド

赤目四十八滝のハイキングは、日本サンショウウオセンターをスタートし、約4km先の巌窟滝まで。道中に現れる個性豊かな滝の数々を楽しみながら、渓流沿いの静かな自然の中を歩いていきます。ここでは、五大名瀑「赤目五瀑」を中心に、スポットの魅力とその道のりを順を追ってご案内します。

【START】日本サンショウウオセンター

 

入口ゲートをくぐるとすぐに現れるのが、日本サンショウウオセンター。ここを通過することで入山手続きが完了し、滝めぐりがスタートします。館内では特別天然記念物・オオサンショウウオをはじめ、国内外の珍しいサンショウウオの展示を見ることができ、ちょっとした自然観察も楽しめます。

① 不動滝(日本サンショウウオセンターから徒歩約6分)

 

センターを出て少し歩くと、清流に沿った遊歩道が始まり、最初に出会えるのが「不動滝」。高さ15m、幅7mを誇る力強い滝で、赤目五瀑のひとつ。滝の名は、不動明王が祀られていたことに由来します。水音を響かせながら一気に流れ落ちるその迫力に、ハイキングの序盤からテンションが上がります。

② 千手滝(不動滝から徒歩約14分)

 

不動滝を後にして、渓流沿いを上流へ進んでいくと、岩場を伝う水の流れが複雑に枝分かれしながら落ちる「千手滝」に到着。高さ15m、幅4mのこの滝は、まるで千手観音のように多方向へ水が広がる姿が印象的。滝の周囲にはベンチもあり、一休みしながら自然を味わえるスポットです。

③ 布曳滝(千手滝から徒歩約10分)

 

次に現れるのが、白布をたなびかせるように岩肌をすべり落ちる「布曳滝(ぬのびきだき)」。高さ30mから一筋に落ちる流れはとても優美で、静かな森の中に響く水音も心地よいポイントです。滝壺の深さは約30mともいわれ、神秘的な雰囲気をまとっています。

④ 荷担滝(布曳滝から徒歩約40分)

 

布曳滝を過ぎると、次第に道が静かで奥深い森の表情へと変化します。岩場や階段、木の根をまたぎながら進む登山道らしい区間を歩くと、ようやく姿を現すのが「荷担滝(にないだき)」。大きな岩を挟んで左右に分かれた水流は、まるで両肩に荷物を担いでいるよう。高さ8mながら、落差以上に絵になる滝で、フォトスポットとしても人気です。

⑤ 琵琶滝(荷担滝から徒歩約10分)

赤目五瀑のラストを飾るのが「琵琶滝(びわだき)」。緩やかな曲線を描きながら流れ落ちる姿が、楽器の琵琶に似ていることが名前の由来。高さは15mあり、水量が豊富な日はとくに迫力があります。辺りは木々に囲まれており、紅葉シーズンには色とりどりの景色が重なり、まさに絶景。

【GOAL】巌窟滝(琵琶滝から徒歩約10分)

最後の滝「巌窟滝(がんくつだき)」までの道は、木の階段や橋を渡るやや起伏のあるルート。道中では小さな滝や渓流のせせらぎが続き、ゴールに近づくほどに自然の深さが増していくのを感じます。

巌窟滝は名前のとおり、大きな岩窟の中から落ちる滝。圧倒的なスケールで、まさにこの渓谷の締めくくりにふさわしいフィナーレです。

このように、赤目四十八滝のハイキングは、ひとつひとつの滝をじっくり楽しみながら進む構成。体力に合わせて途中で折り返すこともでき、初心者から自然好きなハイカーまで幅広く楽しめるコースとなっています。

赤目四十八滝ハイキングにおすすめの服装・持ち物

赤目四十八滝のハイキングコースは、全長約4km・片道約1時間半の道のり。歩道は整備されていますが、沢沿いの湿った場所や木道、岩場、階段も多く、季節や天候によってコンディションは変わります。安全で快適に楽しむために、服装と持ち物のチェックはしっかりと行っておきましょう。

ハイキングの基本スタイル

帽子:日差しや雨から頭部を守る。つばのあるハットタイプがベスト。
ウエア:吸汗速乾性のある長袖・長ズボンが基本。夏でも肌の露出は控えめに。
アウター:春・秋は薄手の防風・防寒ジャケットが安心。夏も雨対策で携帯を。
靴:グリップ力のあるトレッキングシューズ推奨。スニーカーも可だが滑り注意。
バッグ:両手が空くリュックタイプ。最低限の飲み物や雨具が入る10〜20L程度でOK。

シーズン別アドバイス

春・秋:朝晩は冷えるので重ね着できる服装で。脱ぎ着しやすいフリースや薄手ダウンがあると便利。
夏:滝の周辺はひんやりするので、薄手の羽織りがあると安心。虫対策に虫除けスプレーや長袖も有効。
梅雨〜初秋:急な雨に備えて、上下セパレート型のレインウエアを携行すると◎。

その他あると便利なもの

・飲み物(500ml〜1Lほど。自販機は入口付近のみ)
・行動食(エネルギー補給用のスナックや飴など)
・ハンドタオルや汗ふきシート
・スマホの防水対策(防水ケースやビニール袋)

特に赤目五瀑を越えて奥まで行く場合は、体力と装備のバランスが大切です。無理のない計画を立て、快適な服装で滝めぐりを楽しみましょう。

赤目四十八滝ハイキングの後は、温泉でゆったり癒しの時間を

赤目四十八滝のハイキングを満喫したあとは、温泉で疲れをじっくり癒したいもの。赤目エリアには、自然に包まれたロケーションで日帰り入浴が楽しめる温泉があります。澄んだ渓谷の空気とやわらかな湯に身をゆだねて、心も身体もリフレッシュしましょう。

赤目温泉 隠れの湯 対泉閣

 

赤目四十八滝の入り口すぐそばにある老舗の温泉宿。明治時代に創業された歴史ある旅館で、自然との一体感を感じられる露天風呂が魅力です。赤目渓谷の豊かな緑と清流のせせらぎを感じながら、ゆったりと湯浴みを楽しめます。

大浴場のほか、開放感あふれる露天風呂も完備。ハイキングの汗を流し、1日の締めくくりにぴったりの癒しの時間が過ごせます。

日帰り入浴時間:10:30~14:00
入浴料:大人1,200円(フェイスタオル付)/小人700円(フェイスタオルなし)※フェイスタオル販売250円、バスタオルレンタル350円
定休日:不定休(公式サイトで要確認)
アクセス:赤目四十八滝入口から徒歩すぐ

赤目渓谷を歩いた余韻にひたりながら、自然に囲まれた温泉で過ごすひとときは格別です。ハイキングと温泉、どちらも楽しめるのが赤目四十八滝の大きな魅力。訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてください。

赤目四十八滝ハイキングのまとめ|渓谷美と滝めぐりで心も体もリフレッシュ

四季折々の自然に包まれた赤目四十八滝は、手軽な距離でダイナミックな滝と美しい渓流を楽しめるハイキングコース。特に赤目五瀑はそれぞれに個性があり、滝ごとに違った魅力に出会えるのが最大のポイントです。

片道約90分と無理のない距離で歩けるため、登山初心者やファミリーにもぴったり。整備された遊歩道や案内標識も充実しており、安心して滝めぐりが楽しめます。

ハイキング後は、赤目温泉でゆっくりと疲れを癒すのもおすすめ。自然とのふれあいや癒しの時間を一日で味わえる、贅沢なレジャー体験がここにはあります。

自然の中でリフレッシュしたい休日に、ぜひ赤目四十八滝のハイキングコースを訪れてみてください。

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