【福島】裏磐梯・五色沼ハイキングガイド 絶景と神秘の湖沼をめぐる爽快コース

裏磐梯エリアには、磐梯山の大噴火によって生まれた美しい湖沼群が点在しています。なかでも「五色沼自然探勝路」は、色とりどりの神秘的な沼をめぐりながら、高低差の少ない道を気軽に歩ける人気ハイキングコース。
エメラルドグリーンやコバルトブルーに輝く水面、季節ごとに変化する森の彩りなど、歩くたびに新しい景色に出会えます。
この記事では、五色沼自然探勝路を実際に歩くイメージで、見どころや楽しみ方を詳しくご紹介します。初めて裏磐梯を訪れる方にもおすすめのハイキングコースです。
五色沼自然探勝路とは?

木々の生い茂る道をのんびりとハイキング
五色沼自然探勝路は、裏磐梯に点在する大小さまざまな湖沼をめぐる、約4kmのハイキングコースです。
「五色沼」とは、毘沙門沼、赤沼、みどろ沼、弁天沼、るり沼、青沼、柳沼など、探勝路沿いに広がる沼の総称。それぞれ異なる色合いを持ち、歩くたびに違う表情を見せてくれます。
コースはなだらかで歩きやすく、標高差はわずか40mほど。初心者やファミリーにもぴったりです。春から秋は爽やかな高原ハイク、秋は紅葉と湖沼の絶景が楽しめる、裏磐梯の定番トレイルです。
五色沼自然探勝路ハイキングコース 湖沼をめぐる神秘のルート

裏磐梯ハイキングの王道コースといえば、五色沼自然探勝路。標高約820mに位置し、高低差もわずか約40m、全長4km・所要時間約1時間30分と、気軽に自然を満喫できるのが魅力です。
裏磐梯ビジターセンターを起点に、大小さまざまな色合いを持つ湖沼をめぐりながら、最後は裏磐梯高原駅バス停へとゴールします。歩くたびに違う表情を見せる沼たちと、豊かなアカマツ林の中を抜ける爽快な道のりが待っています。
コース情報
【スタート】五色沼入口バス停 ⇒(すぐ)⇒ 裏磐梯ビジターセンター ⇒(10分)⇒ 毘沙門沼 ⇒(25分)⇒ 赤沼 ⇒(3分)⇒ みどろ沼 ⇒(17分)⇒ 弁天沼 ⇒(4分)⇒ るり沼 ⇒(3分)⇒ 青沼 ⇒(10分)⇒ 柳沼 ⇒(4分)⇒ 【ゴール】裏磐梯高原駅バス停 ※ゴールからスタートの五色沼入口バス停へは、会津バスで7分
標高:約820m
標高差:約40m
歩行距離:約4km
歩行時間:約1時間30分
おすすめシーズン:4月下旬〜11月中旬
紅葉シーズン:10月中旬〜下旬
【START】五色沼入口バス停 → 裏磐梯ビジターセンター(徒歩すぐ)

宿泊施設や飲食店の案内も充実している
バスを降りると、まずは「裏磐梯ビジターセンター」へ。木立のなかにひっそり佇む建物で、裏磐梯の自然やハイキングルートの情報が手に入ります。
館内の展示を眺めて、これから出会う湖沼たちへの期待をふくらませましょう。
【1】裏磐梯ビジターセンター → 毘沙門沼(徒歩10分)

磐梯山を眺めながらボート遊びが楽しめる「毘沙門沼」
ビジターセンターを出発すると、さっそくアカマツやシラカバに囲まれた明るい林道へ。落ち葉を踏みしめながら、緩やかな森の小道を進んでいきます。
しばらくすると、森が開け、目の前にエメラルドグリーンに輝く毘沙門沼が現れます。晴れた日にはコバルトブルーに染まる湖面が、空と溶け合うような幻想的な景色をつくり出し、思わず足を止めたくなる美しさです。手こぎボートの貸し出しもあり、水面をすべるボートの光景が沼にのどかなアクセントを添えています。

左下腹にハートマークのある鯉
さらに毘沙門沼では、ハート模様のある鯉を探す楽しみも。左下腹にハートマークがあると言われる幸運の鯉を見つけたら、きっと素敵なことが訪れるはず。ボート乗り場付近で目撃情報が多いので、ぜひ湖面を覗き込んで探してみましょう。
【2】毘沙門沼 → 赤沼(徒歩25分)

水面は天気が良いとエメラルドグリーンに輝く「赤沼」
毘沙門沼を左手に見ながら、再び森の中へ。道幅は狭まりますが、木々に囲まれた小径をのんびりと歩く心地よさが味わえます。
やがて小さな湿地帯を抜けると、赤沼が姿を現します。ヨシ原に囲まれた沼は、岸辺が赤褐色に染まり、晴れた日は水面がエメラルドグリーンに光る幻想的な光景が広がります。
【3】赤沼 → みどろ沼(徒歩3分)

季節や天候により4色以上に染まることもある「みどろ沼」
赤沼から少し進むと、今度はみどろ沼へ。水面をのぞき込むと、東側・中央部・西側で微妙に色が異なる様子がはっきりと分かります。
日差しの角度や季節によって、まるで3つの異なる湖のような表情を見せる、不思議な場所です。
【4】みどろ沼 → 弁天沼(徒歩17分)

吾妻山系を望む広々とした眺めが楽しめる「弁天沼」
みどろ沼を後にして、しばらく林間を歩くと、再び視界が開けてきます。開放感あふれる風景のなかに広がるのが、弁天沼。遠くに吾妻山系の稜線が見え、青空と沼、アカマツ林が織り成す大パノラマが広がります。

沼のそばには小さな展望台もある
小さな展望台もあり、ベンチに腰かけて絶景を眺めながら休憩するのもおすすめです。
【5】弁天沼 → るり沼(徒歩4分)

季節ごとに色合いを変える神秘的な沼。展望台もある「るり沼」
弁天沼のほとりを歩き、少しコースを外れて右手へ。小高い丘を登ると、そこに待っているのはるり沼。瑠璃色にきらめく湖面が広がり、晴れた日には背後に磐梯山の雄姿も望めます。
訪れる時間帯によって微妙に水の色が変わり、何度でも立ち寄りたくなるスポットです。
【6】るり沼 → 青沼(徒歩3分)

決して大きい沼ではないが、青々とした色が印象的な「青沼」
再び散策路に戻り、森のなかを抜けると、青白い湖面が静かに広がる青沼へ到着。透き通るような淡いブルーの水面は、光の加減で微妙に表情を変え、静寂のなかにただよう神秘的な空気感が魅力です。
【7】青沼 → 柳沼(徒歩10分)

広い水面に周囲の木々や空の色が映る景色が見事な「柳沼」
青沼からさらに林間の小道を進んでいくと、次第に空が開けてきます。
そして最後に出会うのが、広々とした柳沼。水面がまるで鏡のように周囲の木々や空を映し出し、締めくくりにふさわしい美しさです。沼のそばには裏磐梯物産館があり、散策後の休憩やお土産探しにも便利です。
柳沼からゴールの裏磐梯高原駅バス停まではすぐ。心地よい疲れと自然の感動を胸に、ゆったりとバスに揺られて帰路につきましょう。
五色沼ハイキングで出会える花たち
色沼自然探勝路では、湖沼や森の景色だけでなく、季節ごとにさまざまな野花にも出会えます。ハイキングの途中、ぜひ足元や林の中にも目を向けてみましょう。
●タニウツギ(6月)

裏磐梯全域に自生し、淡いピンク色の花を咲かせるタニウツギ。田植えの時期に咲くことから「田植え花」とも呼ばれ、初夏の裏磐梯を象徴する花のひとつです。
●ベニバナイチヤクソウ(6月)

林床の木陰など、ひっそりとした場所に群生するベニバナイチヤクソウ。細い茎に桃色の小さな花を多数つけ、可憐な雰囲気を漂わせます。ふとした木陰で出会えると、ちょっとした感動を味わえます。
●ノコンギク(8月下旬〜10月中旬)

夏の終わりから秋にかけて咲く紫色の可憐な花。小説『野菊の墓』に登場する野菊は、このノコンギクといわれることもあり、裏磐梯の秋をやさしく彩ります。
ハイキングの合間に、色とりどりの野花に目をとめれば、より豊かな自然体験ができるはずです。
磐梯・五色沼ハイキングで、自然美を満喫しよう

五色沼自然探勝路は、裏磐梯の大自然と湖沼の美しさを間近で楽しめる、爽快なハイキングコースです。
起伏が少なく歩きやすいため、登山初心者や家族連れにもぴったり。沼ごとに異なる水の色や、四季折々に変わる森の景色を楽しみながら、裏磐梯ならではの自然を満喫できます。
これからの季節、爽やかな高原の空気と神秘的な湖沼群を味わいに、ぜひ五色沼ハイキングに出かけてみてください。

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