藤川谷道〜日本コバ〜政所道

コース難易度
中級
  • 4時間5分

コースガイド

日本コバというスケールの大きな楽しい山名だが、1000mたらずの可愛らしい山である。登山道のある藤川谷は滝の続く美しい谷で、途中には奇人の窟があり、源流部は湿地が広がっている。静かな源流は雑木の二次林が覆い、秋には美しい紅葉に包まれる。
テクニック度
山行日数
歩行時間
4時間5分
歩行距離
最大高低差
水場
トイレ
 日本コバにはこの2つのコース以外にも踏み跡程度の道がありますが、比較的しっかりとした登山道はこの2コースだけです。よく歩かれているのは藤川谷道ですが、登山者が比較的多い割に道はそれほど良くないため、踏み跡をよく確認しながら歩いていただきたいです。下山コースとして利用される政所道も、藤川谷道との分岐付近や、政所方面へと延びる尾根に分かれるあたりがやや分かりにくくなっています。登山者が少なく、静かなコースとなっております。お車でお越しの場合は、道の駅「奥永源寺渓流の里」の向かい側に駐車場がございます。
 国道421号から御池川沿いに君ヶ畑方面へ向かう道に入ると、藤川谷に架かる橋の少し手前に日本コバの小さな道標があり、ここから藤川谷登山道が始まります。道は植林帯の中を進み、春日社を過ぎて流れを渡ります。左岸側に移ると伐採地の明るい斜面となり、支流を横切った後に再び植林帯に入り、左谷の山腹道をたどります。
 このあたりまでは所々で道が崩れており、しっかりとした登山道とは言えませんが、危険を感じるほどではありません。道は谷沿いに続いていますが、実際には流れからやや離れた場所を通っており、岩屋までの間で本流を渡るのは3回だけです。
 3回目の渡渉を終えると谷は狭まり、傾斜が強くなります。道は斜面を登って左谷の山腹道となり、右手に白い石灰岩の露岩が現れます。そこからは岩の混じる急斜面を登っていきます。少し登った左側に、岩の前が開けて台地状になった場所があり、ここが「奇人の窟」と呼ばれる洞窟のような岩屋です。入口は狭いものの、内部は8畳ほどの広さがあり、切り立った場所にあるこの岩屋の前からは、県境の山々の眺望を楽しむことができます。
 露岩はその上で終わり、樹林の中を登っていくと政所道との分岐に出合います。ここはもう愛知川と犬上川を分ける稜線のすぐ下で、日本コバへと向かう道はこの稜線には上がらず、左手に山腹をトラバースするように進んで、再び藤川谷へと下っていきます。谷はすでに源流状の細い流れとなっており、登山道は湿地の広がる雑木林の中を横断しています。あちこちから流れが集まり、ゆるやかに広がる源流地帯は雑木林が美しく、日本コバの頂上まで、このような樹林帯の登りが続きます。
 頂上には大きな松が数本立っており、それまで歩いてきた奥深い源流の様子とは異なる、まるで里山のような穏やかな風情が感じられます。刈り開かれた山頂からは南北に眺望が開けており、愛知川の流れが輝き、緑豊かな河辺林が続く平野の広がりに目を奪われます。
 下山は、往路を戻って政所道分岐まで引き返し、そこから政所道に入ります。山腹の道をたどるとすぐ尾根に出ますが、この付近は少し分かりにくいため注意が必要です。尾根に出るとしっかりとした道があり、この稜線を政所方面へと進み、尾根が分岐するピークまで向かって右に下ります。この辺りには深く掘れ込んだ道が続いており、やがて左側の山腹道となります。現在はあまり歩かれていませんが、古くから使われていたと思われる道です。大部分は植林地ですが、自然林も多く、大きなモミの木が残っていて、気持ちの良い道が続きます。
 道を忠実にたどっていくと、最後は右へと急斜面を下るようになります。植林地を大きなジグザグで下っていくと、集落のすぐ上に出て、廃屋となった家の間を抜けると政所に到着します。
山と高原地図ホーダイ
道迷いの不安を軽減 登山専用地図アプリ
山と高原地図ホーダイ
紙地図60年以上の信頼をスマホで
複雑な登山道も、正確な地図で不安を軽減。
登山の専門家が調査した正確なルートやコースタイム、見どころ情報までを一つにまとめました。
紙地図「山と高原地図」として60年以上の信頼を重ねてきた情報が、アプリ「山と高原地図ホーダイ」で。
今すぐダウンロードして安全登山を楽しみましょう。

掲載書籍