【滋賀県】の登山コースガイド
滋賀県
検索結果46件中
1-20件
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西南尾根〜霊仙山往復
- 日帰り
- 4時間45分
西南尾根〜霊仙山往復
- 日帰り
- 4時間45分
霊仙山は他の鈴鹿北部の御池岳、藤原岳などと同様石灰岩地質の山で、ゆったりとのびやかな山稜が広がっている。現在はシカ害で笹はほとんど見られないが、草地の広い山稜には池が点在し、ところどころに石灰岩地特有の白くごつごつとしたカレンフェルトが見られる。その広大な山上には三角点峰、最高点峰、経塚山の三つのピークがあり、のびやかな山稜からの雄大な眺望と、花の多さが魅力の山である。 登山道として榑ヶ畑道、谷山谷道(現在通行禁止)、柏原道、梓河内道、西南尾根の5つのコースがあげられるが、よく歩かれているコースは榑ヶ畑道、柏原道、西南尾根の3コースで、ここではこの山の魅力をもっとも楽しめるコースとして西南尾根をとりあげる。 西南尾根は、廃村となった今畑集落跡から尾根を登るにつれ草地の山稜が広がり、眼下には近江平野と琵琶湖の展望、そして早春にはフクジュソウの花と、日本アルプスを思わせる山稜歩きが楽しめる、鈴鹿の山でもトップクラスにあげられる登山コースといえる。 このコースの取り付き点は芹川源流部の最奥の落合集落で、路線バスは走っていないのでマイカーでの登山となる。落合から芹川の左岸側の斜面にあった今畑集落跡へと登る道がある。今畑は現在お寺と蔵が残されており、春はそこここにフクジュソウが咲き乱れている。この集落跡から西南尾根の基部となる笹峠までは、ブナの大樹もあるよく踏まれた峠道が続いており、五月の連休ころならヤマシャクヤクの花も見られる。 笹峠はひろやかな伐採後の植林地で踏み跡が少しわかりにくい。正面に高くのび上がる西南尾根の急斜面に取り付くと、滑りやすいあやふやな道の急登が続く。しかし登るにつれ、琵琶湖の眺望と幾重にも重なり連なる鈴鹿の山並みがぐんぐんと広がる登りとなり、やがて近江展望台に着く。 ここからは石灰岩特有のごつごつとしたカレンフェルトの突き出す歩きにくい道となるが、ゆるやかな草地と灌木帯の、晴れていれば爽快な尾根が続いていく。春は花の多い楽しい道で、とくにフクジュソウの群落は見応えがある。ただ天気の悪い日は草地だけに風当たりが強く、ゆるやかに広がる尾根なので、注意が必要だ。 南霊岳を過ぎると左に浅くゆるやかな草地の谷をはさんで、霊仙山の頂上が目の前に見えている。この谷間には小さな池が三つ点在しており、声も聞こえてくるほどの距離で、そのまま頂上稜線と並行しながら進んでいくと、霊仙山最高点ピークに着く。ここは人も少なくて落ち着く頂上で、伊吹山を正面に見て、天気が良ければ御嶽、乗鞍から笠、穂高、槍などの北アルプス南部の山々や白山まで望む、贅沢な眺望が楽しめるピークである。この最高点ピークから広い斜面をいったん少し下るとT字路となり、左へと登れば三角点ピークの霊仙山頂上に出る。ここからも無類の展望が広がっている。 目の前の経塚山から右が柏原道、左に進めば榑ヶ畑道で、春、秋の登山シーズンは多くの登山者が行き交うが、ここでは往路の西南尾根を引き返す。霊仙山は他の鈴鹿北部の御池岳、藤原岳などと同様石灰岩地質の山で、ゆったりとのびやかな山稜が広がっている。現在はシカ害で笹はほとんど見られないが、草地の広い山稜には池が点在し、ところどころに石灰岩地特有の白くごつごつとしたカレンフェルトが見られる。その広大な山上には三角点峰、最高点峰、経塚山の三つのピークがあり、のびやかな山稜からの雄大な眺望と、花の多さが魅力の山である。 登山道として榑ヶ畑道、谷山谷道(現在通行禁止)、柏原道、梓河内道、西南尾根の5つのコースがあげられるが、よく歩かれているコースは榑ヶ畑道、柏原道、西南尾根の3コースで、ここではこの山の魅力をもっとも楽しめるコースとして西南尾根をとりあげる。 西南尾根は、廃村となった今畑集落跡から尾根を登るにつれ草地の山稜が広がり、眼下には近江平野と琵琶湖の展望、そして早春にはフクジュソウの花と、日本アルプスを思わせる山稜歩きが楽しめる、鈴鹿の山でもトップクラスにあげられる登山コースといえる。 このコースの取り付き点は芹川源流部の最奥の落合集落で、路線バスは走っていないのでマイカーでの登山となる。落合から芹川の左岸側の斜面にあった今畑集落跡へと登る道がある。今畑は現在お寺と蔵が残されており、春はそこここにフクジュソウが咲き乱れている。この集落跡から西南尾根の基部となる笹峠までは、ブナの大樹もあるよく踏まれた峠道が続いており、五月の連休ころならヤマシャクヤクの花も見られる。 笹峠はひろやかな伐採後の植林地で踏み跡が少しわかりにくい。正面に高くのび上がる西南尾根の急斜面に取り付くと、滑りやすいあやふやな道の急登が続く。しかし登るにつれ、琵琶湖の眺望と幾重にも重なり連なる鈴鹿の山並みがぐんぐんと広がる登りとなり、やがて近江展望台に着く。 ここからは石灰岩特有のごつごつとしたカレンフェルトの突き出す歩きにくい道となるが、ゆるやかな草地と灌木帯の、晴れていれば爽快な尾根が続いていく。春は花の多い楽しい道で、とくにフクジュソウの群落は見応えがある。ただ天気の悪い日は草地だけに風当たりが強く、ゆるやかに広がる尾根なので、注意が必要だ。 南霊岳を過ぎると左に浅くゆるやかな草地の谷をはさんで、霊仙山の頂上が目の前に見えている。この谷間には小さな池が三つ点在しており、声も聞こえてくるほどの距離で、そのまま頂上稜線と並行しながら進んでいくと、霊仙山最高点ピークに着く。ここは人も少なくて落ち着く頂上で、伊吹山を正面に見て、天気が良ければ御嶽、乗鞍から笠、穂高、槍などの北アルプス南部の山々や白山まで望む、贅沢な眺望が楽しめるピークである。この最高点ピークから広い斜面をいったん少し下るとT字路となり、左へと登れば三角点ピークの霊仙山頂上に出る。ここからも無類の展望が広がっている。 目の前の経塚山から右が柏原道、左に進めば榑ヶ畑道で、春、秋の登山シーズンは多くの登山者が行き交うが、ここでは往路の西南尾根を引き返す。 -
烏帽子岳〜三国岳
- 5時間35分
烏帽子岳〜三国岳
- 5時間35分
烏帽子岳は炭焼きが盛んだった名残で、多くの踏み跡があったようだが、今はかなり整理された。時山からの鉄塔の巡視路、細野からの道、篠立から狗留孫岳を経由する道の3コースとなっている。三国岳は時山の阿蘇谷道と滋賀県側からの百々女鬼谷道、鞍掛峠からの県境尾根の道などがある。 鉄塔の巡視路は、時山集落の背後から烏帽子岳に向けて伸び上がる、急峻な尾根にある。時山バンガロー村から登り始めるが、要所に中部電力の巡視路の札と道標があり、これに従って桧の植林地の急斜面の道を登って行く。 ジグザグを繰り返す道はふたつ目の鉄塔を過ぎて傾斜が少しゆるくなり、いったん伐採地の明るい尾根に出てから、常緑樹の中に入る。このあたりで道が分かれるが、左の道に入り急な尾根を登って行く。暗い常緑の林は登るにつれて次第に落葉樹が増えて明るくなり、雰囲気も変わってくる。 尾根は緩急があるものの急な登りが多く、シャクナゲが出てくるようになると、稜線も近くなりさらに急登が続く。やがて道は分かれるがどちらも稜線に出る道で、烏帽子岳へは左をとり、少し登ると三国岳と烏帽子岳を結ぶ稜線に出る。 左に進むと何度かアップダウンがあり、途中に小さな岩の出たところからは霊仙などの大きな眺望が開ける。15分ほどで烏帽子岳頂上に着くが、頂上直下で右から狗留孫岳からの尾根道が合流している。烏帽子岳頂上は樹林に囲まれ展望はまったくきかない。東へ5分ほどのところに三角点ピークがあるが、ここもほとんど眺望はない。 三国岳までは直線的なゴツゴツとした細い尾根が続いている。稜線上のコルにある鉄塔まではほぼ下りで、道はしっかりとしているが、鉄塔を過ぎると踏み跡はあやふやとなるが、尾根はわかりやすい。三国岳に近づいたところでヌタ場があり、この先、急な登りとなる。尾根の右端の岩場に沿って細々とした踏み跡をたどると、県境尾根に出る。逆コースの場合は少し分かりにくい下りとなるだろう。 県境尾根に出てから左に5分ほど登ると三国岳の頂上に着く。三国岳は二つの頂上からなり、この少し先に最高点ピークがある。どちらの頂上も展望はそう良くない。 県境尾根を北に進む。急な歩きにくい下りがしばらく続き、下りきったところから815mピークの右斜面の山腹道となり、稜線に戻ったところで、左の滋賀県側からの道が合流している。阿蘇谷のコルはこの先で、コルから右に阿蘇谷へと下る。 浅い谷の流れに沿って下って行くと、広々としたダイラに出る。雑木林に包まれた美しい谷間が開けている。谷は狭い谷と変わり流れに沿って下って行く。しばらく下ると尾根をマド状のコルで乗り越してワサビ田跡を過ぎると、再び右から本流と出合う。谷を渡ったところに炭焼き窯跡があり、もう少し下ったところからしっかりとした広い道となり、時山の集落に出る。阿蘇谷道は近年の大雨で荒れているので注意したい。烏帽子岳は炭焼きが盛んだった名残で、多くの踏み跡があったようだが、今はかなり整理された。時山からの鉄塔の巡視路、細野からの道、篠立から狗留孫岳を経由する道の3コースとなっている。三国岳は時山の阿蘇谷道と滋賀県側からの百々女鬼谷道、鞍掛峠からの県境尾根の道などがある。 鉄塔の巡視路は、時山集落の背後から烏帽子岳に向けて伸び上がる、急峻な尾根にある。時山バンガロー村から登り始めるが、要所に中部電力の巡視路の札と道標があり、これに従って桧の植林地の急斜面の道を登って行く。 ジグザグを繰り返す道はふたつ目の鉄塔を過ぎて傾斜が少しゆるくなり、いったん伐採地の明るい尾根に出てから、常緑樹の中に入る。このあたりで道が分かれるが、左の道に入り急な尾根を登って行く。暗い常緑の林は登るにつれて次第に落葉樹が増えて明るくなり、雰囲気も変わってくる。 尾根は緩急があるものの急な登りが多く、シャクナゲが出てくるようになると、稜線も近くなりさらに急登が続く。やがて道は分かれるがどちらも稜線に出る道で、烏帽子岳へは左をとり、少し登ると三国岳と烏帽子岳を結ぶ稜線に出る。 左に進むと何度かアップダウンがあり、途中に小さな岩の出たところからは霊仙などの大きな眺望が開ける。15分ほどで烏帽子岳頂上に着くが、頂上直下で右から狗留孫岳からの尾根道が合流している。烏帽子岳頂上は樹林に囲まれ展望はまったくきかない。東へ5分ほどのところに三角点ピークがあるが、ここもほとんど眺望はない。 三国岳までは直線的なゴツゴツとした細い尾根が続いている。稜線上のコルにある鉄塔まではほぼ下りで、道はしっかりとしているが、鉄塔を過ぎると踏み跡はあやふやとなるが、尾根はわかりやすい。三国岳に近づいたところでヌタ場があり、この先、急な登りとなる。尾根の右端の岩場に沿って細々とした踏み跡をたどると、県境尾根に出る。逆コースの場合は少し分かりにくい下りとなるだろう。 県境尾根に出てから左に5分ほど登ると三国岳の頂上に着く。三国岳は二つの頂上からなり、この少し先に最高点ピークがある。どちらの頂上も展望はそう良くない。 県境尾根を北に進む。急な歩きにくい下りがしばらく続き、下りきったところから815mピークの右斜面の山腹道となり、稜線に戻ったところで、左の滋賀県側からの道が合流している。阿蘇谷のコルはこの先で、コルから右に阿蘇谷へと下る。 浅い谷の流れに沿って下って行くと、広々としたダイラに出る。雑木林に包まれた美しい谷間が開けている。谷は狭い谷と変わり流れに沿って下って行く。しばらく下ると尾根をマド状のコルで乗り越してワサビ田跡を過ぎると、再び右から本流と出合う。谷を渡ったところに炭焼き窯跡があり、もう少し下ったところからしっかりとした広い道となり、時山の集落に出る。阿蘇谷道は近年の大雨で荒れているので注意したい。 -
御池岳〜鈴北岳
- 4時間20分
御池岳〜鈴北岳
- 4時間20分
昔は静かで行きにくい山とされていたようだが、現在ではヤブの深かった複雑な頂上台地にも踏み跡ができるほどになっている。最も一般的なコースがコグルミ谷道で、春はカタクリを求めて登る人も多く、国道306号のコグルミ谷出合を基点として、御池岳の丸山から鈴北岳、鞍掛峠のコースは、車での登山では手軽に楽しめる周回コースである。また、静かなコースとしては滋賀県側の御池川からのT字尾根コースがおすすめだ。 ここで案内コースとして設定したコグルミ谷道は、マイカーを前提とした登山コースとしており、国道306号には鞍掛トンネル東口に駐車できるスペースがある。 コグルミ谷は出合あたりを除いて水はほぼ伏流している。最初は右岸側が杉の植林帯、左岸側が自然林で、15分ほど歩いたタテ谷道(廃道)分岐あたりから、すっぽりと自然林の中に包まれる。真っ直ぐに高く伸びたサワグルミが中心で、四季の色彩の変化の楽しい道だ。 コグルミ谷では近年大雨の土石流により、下流部がかなり荒れてしまった。国道から登り始める道も左岸から右岸に付け替わっている。カレンフェルトがごつごつ突き出す滑りやすい道も、さらに歩きにくくなったようだが、次第に落ち着きを取り戻している。長命水の水場まで登ると谷は浅く広がり、サワグルミやトチなどの自然林が多く気持ちのよい斜面が開けてくる。長命水からは谷通しに道は続いていたが、長命水の背後から登るように道は付け替えられている。斜面を登って行くと以前の道と合流し、やがて県境尾根の峠状となった天ヶ平に出る。 はっきりとした尾根道となり、しばらく登ると尾根の鼻を越えて、浅く広がる真ノ谷と出合う。右に真ノ谷を少し登ったところに、左に丸山への道が分かれており、いよいよ最後の登りとなる。長く広がる頂上台地への登りで、春は遅くまで雪が残る滑りやすい急な登りが続いている。登るにつれてごつごつと曲がりくねったオオイタヤメイゲツの覆う樹林帯となり、丸山とボタンブチとの分岐に飛び出す。ボタンブチは台地の西側の急崖となった岩場で、素晴らしい展望が眺められるので、ぜひ立ち寄ってみたい。 分岐を右に進めばすぐに御池岳の最高峰の丸山の頂上に着く。樹林の中で眺望はほとんどきかなかったが、近年は大きく伐り開かれた。昼にするなら天気さえ良ければボタンブチの方がいいだろう。 鈴北岳へはいったん真ノ谷に下るのだが、もと来た道を下ってもいいし、頂上から尾根を通って真ノ谷へと下る道がある。尾根通しに真ノ谷へと下ると広い原に出る。以前はササに覆われた迷いやすい場所だったのだが、火事によってすっかり見通しのきく原となった。台地の北西端のゆるやかな鈴北岳への斜面からは、樹林に包まれた丸山とササのなくなった広大な台地の大きな風景が広がっている。鈴北岳頂上から北へ広く刈り払われた県境尾根を下ると鞍掛峠で、右へと下ると三重県側のトンネル東口に着く。昔は静かで行きにくい山とされていたようだが、現在ではヤブの深かった複雑な頂上台地にも踏み跡ができるほどになっている。最も一般的なコースがコグルミ谷道で、春はカタクリを求めて登る人も多く、国道306号のコグルミ谷出合を基点として、御池岳の丸山から鈴北岳、鞍掛峠のコースは、車での登山では手軽に楽しめる周回コースである。また、静かなコースとしては滋賀県側の御池川からのT字尾根コースがおすすめだ。 ここで案内コースとして設定したコグルミ谷道は、マイカーを前提とした登山コースとしており、国道306号には鞍掛トンネル東口に駐車できるスペースがある。 コグルミ谷は出合あたりを除いて水はほぼ伏流している。最初は右岸側が杉の植林帯、左岸側が自然林で、15分ほど歩いたタテ谷道(廃道)分岐あたりから、すっぽりと自然林の中に包まれる。真っ直ぐに高く伸びたサワグルミが中心で、四季の色彩の変化の楽しい道だ。 コグルミ谷では近年大雨の土石流により、下流部がかなり荒れてしまった。国道から登り始める道も左岸から右岸に付け替わっている。カレンフェルトがごつごつ突き出す滑りやすい道も、さらに歩きにくくなったようだが、次第に落ち着きを取り戻している。長命水の水場まで登ると谷は浅く広がり、サワグルミやトチなどの自然林が多く気持ちのよい斜面が開けてくる。長命水からは谷通しに道は続いていたが、長命水の背後から登るように道は付け替えられている。斜面を登って行くと以前の道と合流し、やがて県境尾根の峠状となった天ヶ平に出る。 はっきりとした尾根道となり、しばらく登ると尾根の鼻を越えて、浅く広がる真ノ谷と出合う。右に真ノ谷を少し登ったところに、左に丸山への道が分かれており、いよいよ最後の登りとなる。長く広がる頂上台地への登りで、春は遅くまで雪が残る滑りやすい急な登りが続いている。登るにつれてごつごつと曲がりくねったオオイタヤメイゲツの覆う樹林帯となり、丸山とボタンブチとの分岐に飛び出す。ボタンブチは台地の西側の急崖となった岩場で、素晴らしい展望が眺められるので、ぜひ立ち寄ってみたい。 分岐を右に進めばすぐに御池岳の最高峰の丸山の頂上に着く。樹林の中で眺望はほとんどきかなかったが、近年は大きく伐り開かれた。昼にするなら天気さえ良ければボタンブチの方がいいだろう。 鈴北岳へはいったん真ノ谷に下るのだが、もと来た道を下ってもいいし、頂上から尾根を通って真ノ谷へと下る道がある。尾根通しに真ノ谷へと下ると広い原に出る。以前はササに覆われた迷いやすい場所だったのだが、火事によってすっかり見通しのきく原となった。台地の北西端のゆるやかな鈴北岳への斜面からは、樹林に包まれた丸山とササのなくなった広大な台地の大きな風景が広がっている。鈴北岳頂上から北へ広く刈り払われた県境尾根を下ると鞍掛峠で、右へと下ると三重県側のトンネル東口に着く。 -
聖宝寺道〜藤原岳〜大貝戸道
- 5時間35分
聖宝寺道〜藤原岳〜大貝戸道
- 5時間35分
藤原岳は南北にいくつかのピークを連ねた山々の総称で、一番南の展望丘ピークが頂上とされている。いくつかある一般的な登山道の中で、花の豊富な聖宝寺道を登りのコースとし、道がよく歩きやすい大貝戸道を下山路にしているが、歩きやすい大貝戸道の往復コースをすすめたい。他のコースには木和田尾、孫太尾根、滋賀県側の茶屋川からの治田峠道や西尾根などがある。ここに紹介する大貝戸道が最もよく登られているコースであるが、近年、花のコースとして孫太尾根道もよく登られている。 西藤原駅から集落の中を進み、鳴谷神社から登って聖宝寺に出る。右から寺の裏手の林道に出て谷と出合ったところから、聖宝寺登山道が始まる。取り付きの斜面は急で、常緑の林の中のジグザグ登りが続く。二合目と三合目の間で谷を渡るところがあるが、道が流されてわかりにくくなっているので注意したい。ここからもしばらく暗い杉林の中を切り返す道で、このあたりは暖かい時期にはヒルが多い。 五合目の標識を過ぎると雑木林の中に入り、雰囲気はがらりと明るくなる。はっきりとした尾根道となり六合目まで登ると、可憐な花々が顔をのぞかせ始める。ひと息入れるには丁度いい場所だ。厳しかった傾斜も和らぎ、花を楽しみながらの登りとなるが、近年シカの食害によって見られる花もすっかり減ってしまった。右側の浅い溝状の谷に近づき、やがてごろごろと石の転がる浅い谷に道は続き、早春には周りの雑木林に光りがあふれる。 やがて左の植林地の斜面を登るようになり、左からきた大貝戸道と合流する。ここが八合目でまだ頂上までは結構長い登りが続くが、春はここからがフクジュソウなど多くの花が見られる楽しいところだ。雑木林の急な道は頂上台地に近づくと背の低い灌木帯となり、藤原山荘に出る。左の展望丘頂上を往復しよう。 広大な斜面が広がる稜線をいったん下って登り返すと、頂上に着く。ここはカレンフェルトの突き出た狭いピークだが、360度の大展望が開け、登りの苦しさも忘れさせてくれる。 藤原山荘に戻り往路を八合目まで下るが、時間があれば天狗岩ピークまで往復してみよう。アップダウンがあるが、晴れていれば広やかな稜線は気持ちがいいところだ。また、天狗岩ピークからの切れ込んだ茶屋川斜面の眺望は圧巻で、とくに秋の紅葉が素晴らしい。ただ、稜線は大きな樹林がないだけに吹きっさらしで広い尾根なので、悪天候の時は注意したい。 八合目から右の大貝戸道に入る。この道は聖宝寺道より歩きやすい道で、六合目まで杉林の植林帯の中を大きくジグザグを繰り返しながら下って行く。六合目あたりからは広葉樹林となりしっかりとした広い道が続くが、四合目から下は歩きにくい急な下りとなる。 神武神社へ下ったところに駐車場とトイレのある休憩所がある。ここから民家の間を抜けると西藤原駅に戻る。藤原岳は南北にいくつかのピークを連ねた山々の総称で、一番南の展望丘ピークが頂上とされている。いくつかある一般的な登山道の中で、花の豊富な聖宝寺道を登りのコースとし、道がよく歩きやすい大貝戸道を下山路にしているが、歩きやすい大貝戸道の往復コースをすすめたい。他のコースには木和田尾、孫太尾根、滋賀県側の茶屋川からの治田峠道や西尾根などがある。ここに紹介する大貝戸道が最もよく登られているコースであるが、近年、花のコースとして孫太尾根道もよく登られている。 西藤原駅から集落の中を進み、鳴谷神社から登って聖宝寺に出る。右から寺の裏手の林道に出て谷と出合ったところから、聖宝寺登山道が始まる。取り付きの斜面は急で、常緑の林の中のジグザグ登りが続く。二合目と三合目の間で谷を渡るところがあるが、道が流されてわかりにくくなっているので注意したい。ここからもしばらく暗い杉林の中を切り返す道で、このあたりは暖かい時期にはヒルが多い。 五合目の標識を過ぎると雑木林の中に入り、雰囲気はがらりと明るくなる。はっきりとした尾根道となり六合目まで登ると、可憐な花々が顔をのぞかせ始める。ひと息入れるには丁度いい場所だ。厳しかった傾斜も和らぎ、花を楽しみながらの登りとなるが、近年シカの食害によって見られる花もすっかり減ってしまった。右側の浅い溝状の谷に近づき、やがてごろごろと石の転がる浅い谷に道は続き、早春には周りの雑木林に光りがあふれる。 やがて左の植林地の斜面を登るようになり、左からきた大貝戸道と合流する。ここが八合目でまだ頂上までは結構長い登りが続くが、春はここからがフクジュソウなど多くの花が見られる楽しいところだ。雑木林の急な道は頂上台地に近づくと背の低い灌木帯となり、藤原山荘に出る。左の展望丘頂上を往復しよう。 広大な斜面が広がる稜線をいったん下って登り返すと、頂上に着く。ここはカレンフェルトの突き出た狭いピークだが、360度の大展望が開け、登りの苦しさも忘れさせてくれる。 藤原山荘に戻り往路を八合目まで下るが、時間があれば天狗岩ピークまで往復してみよう。アップダウンがあるが、晴れていれば広やかな稜線は気持ちがいいところだ。また、天狗岩ピークからの切れ込んだ茶屋川斜面の眺望は圧巻で、とくに秋の紅葉が素晴らしい。ただ、稜線は大きな樹林がないだけに吹きっさらしで広い尾根なので、悪天候の時は注意したい。 八合目から右の大貝戸道に入る。この道は聖宝寺道より歩きやすい道で、六合目まで杉林の植林帯の中を大きくジグザグを繰り返しながら下って行く。六合目あたりからは広葉樹林となりしっかりとした広い道が続くが、四合目から下は歩きにくい急な下りとなる。 神武神社へ下ったところに駐車場とトイレのある休憩所がある。ここから民家の間を抜けると西藤原駅に戻る。 -
遠足尾根〜竜ヶ岳〜宇賀渓本谷道
- 5時間35分
遠足尾根〜竜ヶ岳〜宇賀渓本谷道
- 5時間35分
竜ヶ岳の魅力は延びやかなササ尾根からの大きな展望が挙げられるが、宇賀渓の渓谷美も見どころのひとつであろう。コースとして取り上げるのは、長大な尾根をゆったりと延ばした遠足尾根と、宇賀渓本谷へと下る中道登山道で、眺望が開けた雄大な尾根道と滝や淵が連なる谷道という、変化に富んだボリューム感いっぱいの楽しいコースである。また宇賀渓からは他にも表登山道、金山尾根道があり、組み合わせを変えることもできる。また、古くからメインコースとなっていた裏道登山道(ホタガ谷道)は、出水のため道が荒れてしまい、通行禁止となっている。誤って立ち入らないようにしてほしい。 店が何軒か並ぶ中を抜けて橋を渡ると林道となり、左の河原がキャンプ場となっている。約20分で遠足尾根へと取り付く登山口に着く。登山道は杉の植林地の急な斜面をジグザグに登って行き、やがて明るい落葉広葉樹林の中となって遠足尾根に出る。 遠足尾根には掘れこんだ昔の道が残っている。しばらく登ると周囲はササや低灌木となって眺望が開け、金山尾根からのび上がる竜ヶ岳が見えてくる。反対側には鉱山で削られた藤原岳の大きな姿が見えている。広々としたササ尾根の遠足尾根は、開放感にあふれて気持ちがいい道だ。 ゆったりとしたアップダウンを過ぎて裏道登山道、金山尾根道が続けて左から合流して1042mピークを越えると、県境稜線へと出る。右を行けば樹林の道が続く鈴鹿山脈の縦走路で、静ヶ岳、銚子岳からさらに藤原岳へと至る。左の道はササ原の中を竜ヶ岳の丸みを帯びた巨体へとのび上がっている。ここから見る端正な姿の竜ヶ岳は、ビロードのようなササの緑に包まれ、春はシロヤシオが点在する。 真っすぐに延びた道の頂点が竜ヶ岳頂上で、山頂は360度遮るものもなく、西側の伊勢の平野の先には海が光る、雄大な展望が広がっている。 下山は石榑峠からの表道と竜ヶ岳頂上からヨコ谷へと下る中道がある。石榑峠から竜ヶ岳まで往復する人は多いが、峠から下の三重県側から登る表道は歩く人も少なく荒れているので注意したい。 中道を下るとササ原の斜面から樹林の尾根道となる。春にはシロヤシオが多い道だ。やがて右に谷へと下る急な道となるが、この手前で左に不明瞭な蛇谷へ入る道が分かれるので、間違って入らないように注意したい。ぐんぐん下って行くと谷に下り宇賀渓本谷に着く。右に美しい滝を落とす長尾滝がある。時間があれば見ておきたい。 宇賀渓本谷はツバメ滝などがかかる美しい流れが続いているが、道は流れから離れて山腹にある。蛇谷の雄壮な五階滝を横切り魚止滝の下で鉄製の橋を二度渡ると、ホタガ出合に出て、林道を歩いてノルディスクヒュゲサークルズウガケイのある場所に戻る。竜ヶ岳の魅力は延びやかなササ尾根からの大きな展望が挙げられるが、宇賀渓の渓谷美も見どころのひとつであろう。コースとして取り上げるのは、長大な尾根をゆったりと延ばした遠足尾根と、宇賀渓本谷へと下る中道登山道で、眺望が開けた雄大な尾根道と滝や淵が連なる谷道という、変化に富んだボリューム感いっぱいの楽しいコースである。また宇賀渓からは他にも表登山道、金山尾根道があり、組み合わせを変えることもできる。また、古くからメインコースとなっていた裏道登山道(ホタガ谷道)は、出水のため道が荒れてしまい、通行禁止となっている。誤って立ち入らないようにしてほしい。 店が何軒か並ぶ中を抜けて橋を渡ると林道となり、左の河原がキャンプ場となっている。約20分で遠足尾根へと取り付く登山口に着く。登山道は杉の植林地の急な斜面をジグザグに登って行き、やがて明るい落葉広葉樹林の中となって遠足尾根に出る。 遠足尾根には掘れこんだ昔の道が残っている。しばらく登ると周囲はササや低灌木となって眺望が開け、金山尾根からのび上がる竜ヶ岳が見えてくる。反対側には鉱山で削られた藤原岳の大きな姿が見えている。広々としたササ尾根の遠足尾根は、開放感にあふれて気持ちがいい道だ。 ゆったりとしたアップダウンを過ぎて裏道登山道、金山尾根道が続けて左から合流して1042mピークを越えると、県境稜線へと出る。右を行けば樹林の道が続く鈴鹿山脈の縦走路で、静ヶ岳、銚子岳からさらに藤原岳へと至る。左の道はササ原の中を竜ヶ岳の丸みを帯びた巨体へとのび上がっている。ここから見る端正な姿の竜ヶ岳は、ビロードのようなササの緑に包まれ、春はシロヤシオが点在する。 真っすぐに延びた道の頂点が竜ヶ岳頂上で、山頂は360度遮るものもなく、西側の伊勢の平野の先には海が光る、雄大な展望が広がっている。 下山は石榑峠からの表道と竜ヶ岳頂上からヨコ谷へと下る中道がある。石榑峠から竜ヶ岳まで往復する人は多いが、峠から下の三重県側から登る表道は歩く人も少なく荒れているので注意したい。 中道を下るとササ原の斜面から樹林の尾根道となる。春にはシロヤシオが多い道だ。やがて右に谷へと下る急な道となるが、この手前で左に不明瞭な蛇谷へ入る道が分かれるので、間違って入らないように注意したい。ぐんぐん下って行くと谷に下り宇賀渓本谷に着く。右に美しい滝を落とす長尾滝がある。時間があれば見ておきたい。 宇賀渓本谷はツバメ滝などがかかる美しい流れが続いているが、道は流れから離れて山腹にある。蛇谷の雄壮な五階滝を横切り魚止滝の下で鉄製の橋を二度渡ると、ホタガ出合に出て、林道を歩いてノルディスクヒュゲサークルズウガケイのある場所に戻る。 -
藤川谷道〜日本コバ〜政所道
- 4時間5分
藤川谷道〜日本コバ〜政所道
- 4時間5分
日本コバにはこの2コース以外にも踏み跡程度の道があるが、比較的しっかりとした道はこの2コースしかない。よく歩かれているのは藤川谷道だが、登山者が比較的多い割には道はそんなによくないので、踏み跡をよく確認して歩いてほしい。下山コースの政所道も藤川谷道と分岐する付近や、政所へと延びる尾根へと分かれるあたりが少しわかりにくい。登山者も少なく静かなコースとなっている。車の場合は道の駅「奥永源寺渓流の里」の向かい側に駐車場がある。 国道421号から御池川の君ヶ畑への道に入ると、藤川谷に架かる橋の少し手前に日本コバの小さな道標があり、藤川谷登山道が始まっている。植林帯の中を進む道で、春日社の社を過ぎ流れを渡る。左岸の道に変わると伐採地の明るい斜面となり、支流を横切ったところでまた植林の中に入って、左谷の山腹道が続く。 ここまでところどころで道が崩れてあまりしっかりとした道ではないが、そんなに危険を感じるところはない。道は谷沿いに続いているのだが、ほとんど流れから少し離れたところにあり、岩屋までの間では本流を渡るのは3回だけだ。 3回目に流れを渡ったところで谷は狭くなり、傾斜を強めて行く。道は斜面を登ると左谷の山腹道となり、右から白い石灰岩の露岩と出合ったところで、その岩混じりの急な斜面を登って行く。少し登ったところの左に、岩の前が開けて台地状となっている。ここが奇人の窟と呼ばれる洞窟のような岩屋で、入口は狭いが中は8畳ほどの空間が開けている。切り立った途中にあるこの岩屋の前からは、県境の山々の眺望が開けている。 露岩はこの上で終わり、樹林の中を登ると政所道との分岐に出合う。もう愛知川と犬上川を分ける稜線のすぐ下で、日本コバへの道はこの稜線には上がらず、左に山腹をトラバースしながらまた、藤川谷へ下りて行く。谷はもう源流状の細い流れで、道は湿地の広がる雑木林の中を横断している。方々から流れが集まりゆるやかに広がる源流は雑木林が美しく、日本コバの頂上までこんな樹林帯の登りが続いていく。 頂上は大きな松が数本立ち、今登ってきた奥深い源流がうそのような、里山のような風情をしている。刈り開かれ南北に眺望が開けているが、愛知川の流れが光り、緑の河辺林の続く平野の大きな眺めに眼を奪われる。 往路を政所道分岐まで戻り、政所道に入る。山腹の道をたどるとすぐ尾根上に出るのだが、このあたりがわかりにくい。尾根に出れば道があり、この稜線を政所へと延びる尾根の分岐のピークまで進み、右に下る。ここには深く掘り込まれた道が続いており、やがて左山の山腹道を行くようになる。今はあまり歩かれてはいないが、かなり昔から使われていた道のようだ。大部分は植林地だが自然林も多く、大きな樅の木が残る気持ちのいい道だ。 道を忠実にたどると最後は右に急な斜面を下るようになる。植林地を大きなジグザグを切ると集落のすぐ上で、廃屋となった家の間を抜けると政所に出る。日本コバにはこの2コース以外にも踏み跡程度の道があるが、比較的しっかりとした道はこの2コースしかない。よく歩かれているのは藤川谷道だが、登山者が比較的多い割には道はそんなによくないので、踏み跡をよく確認して歩いてほしい。下山コースの政所道も藤川谷道と分岐する付近や、政所へと延びる尾根へと分かれるあたりが少しわかりにくい。登山者も少なく静かなコースとなっている。車の場合は道の駅「奥永源寺渓流の里」の向かい側に駐車場がある。 国道421号から御池川の君ヶ畑への道に入ると、藤川谷に架かる橋の少し手前に日本コバの小さな道標があり、藤川谷登山道が始まっている。植林帯の中を進む道で、春日社の社を過ぎ流れを渡る。左岸の道に変わると伐採地の明るい斜面となり、支流を横切ったところでまた植林の中に入って、左谷の山腹道が続く。 ここまでところどころで道が崩れてあまりしっかりとした道ではないが、そんなに危険を感じるところはない。道は谷沿いに続いているのだが、ほとんど流れから少し離れたところにあり、岩屋までの間では本流を渡るのは3回だけだ。 3回目に流れを渡ったところで谷は狭くなり、傾斜を強めて行く。道は斜面を登ると左谷の山腹道となり、右から白い石灰岩の露岩と出合ったところで、その岩混じりの急な斜面を登って行く。少し登ったところの左に、岩の前が開けて台地状となっている。ここが奇人の窟と呼ばれる洞窟のような岩屋で、入口は狭いが中は8畳ほどの空間が開けている。切り立った途中にあるこの岩屋の前からは、県境の山々の眺望が開けている。 露岩はこの上で終わり、樹林の中を登ると政所道との分岐に出合う。もう愛知川と犬上川を分ける稜線のすぐ下で、日本コバへの道はこの稜線には上がらず、左に山腹をトラバースしながらまた、藤川谷へ下りて行く。谷はもう源流状の細い流れで、道は湿地の広がる雑木林の中を横断している。方々から流れが集まりゆるやかに広がる源流は雑木林が美しく、日本コバの頂上までこんな樹林帯の登りが続いていく。 頂上は大きな松が数本立ち、今登ってきた奥深い源流がうそのような、里山のような風情をしている。刈り開かれ南北に眺望が開けているが、愛知川の流れが光り、緑の河辺林の続く平野の大きな眺めに眼を奪われる。 往路を政所道分岐まで戻り、政所道に入る。山腹の道をたどるとすぐ尾根上に出るのだが、このあたりがわかりにくい。尾根に出れば道があり、この稜線を政所へと延びる尾根の分岐のピークまで進み、右に下る。ここには深く掘り込まれた道が続いており、やがて左山の山腹道を行くようになる。今はあまり歩かれてはいないが、かなり昔から使われていた道のようだ。大部分は植林地だが自然林も多く、大きな樅の木が残る気持ちのいい道だ。 道を忠実にたどると最後は右に急な斜面を下るようになる。植林地を大きなジグザグを切ると集落のすぐ上で、廃屋となった家の間を抜けると政所に出る。 -
八風峠道〜三池岳〜東尾根
- 3時間50分
八風峠道〜三池岳〜東尾根
- 3時間50分
古くより歩き続けられてきた八風峠道は、幾多の人々の足跡とそれを包み込んできた自然とが、見事にとけあった美しい道だ。心地よい風の吹き渡る八風峠、眺望広がる三池岳、静かにたたずむ御池、そこには目をひく風景はないが、落ち着いた山歩きを楽しめる。田光のバス停から往復すると、2時間以上のアプローチとなるので、できればマイカーでの登山が望ましい。 八風キャンプ場からもう少し林道を登ったところに数 台の駐車スペースがある。林道は滝ヶ谷出合で終わり、堰堤の上で流れを右岸に渡ってから谷沿いに登山道を登っていくが、豪雨によって道が荒れ一部迂回路が造られている。登るにつれ石畳が敷かれた旧街道の面影がしのばれる道となる。 谷沿いの道からやがて流れを渡ったところで尾根に取り付く。斜面を斜めに登るようになり、常緑樹林の中をジグザグに登って行く。しばらくで左に中峠への道が分かれるが、中峠への道はあまりよくない。 あたりが落葉樹に変わってくると、三体の石仏と出合う。登るにつれ道は深く踏み込まれ、昔の峠道の風情の残る、風格ある道だ。若葉の頃はライムグリーンに染まる明るい林が続き、ジグザグを切って高度を上げて行く。このあたりは道も歩きやすくて見通しがきき、峠道の美しさが際だっている。 少しなだらかな尾根上を歩くようになると稜線も近くなり、アカヤシオが点在する木々の背も低くなって左にガレが見えてくる。明るいガレが広がるコルに登り着くと鳥居が立っている。八風峠は風の吹き抜ける明るい気持ちのいい峠だ。滋賀県側へと越える峠道は県境尾根を少し北へ進んだところから下っているが、道はあまりよくない。 峠から北へ10分あまり歩くと三池岳がある。実際の三角点ピークはこの頂上から三重県側に少し入ったところにあるが、三角点峰よりこのピークのほうが頂上らしく、眺望も優れている。とくに西側が開け、神崎川に向けてゆったりと傾いた緑の斜面が大きく広がり、鈴鹿主脈の地形の対照が実感できる。 下山コースは東尾根を下る。三角点ピークを過ぎ雑木林を下って行くと左にガレがあって左斜面が開け、再び林の中に入ると御池に出合う。池が3つあるのではなく、御池という池への敬称であり、山名の三池は当て字だ。ほんの小さな静かな池で、初夏に訪れるとモリアオガエルの泡のような卵塊が樹林にいくつもぶら下がっている。 御池から少し下ると道標があり、直進する八風牧場跡のある東海自然歩道への道と、右に三池林道への道と分かれるが、右の三池林道への道を下る。八風牧場跡への道からは八風キャンプ場下流の切畑集落に出られるが、道はあまりよくない。 分岐からぐんぐんと下る道となり、最後は植林の中に入って、三池林道の堰堤の下に下り立つ。林道を下っていくと往路の林道と出合う。バスでの登山の場合は、田光バス停までさらに車道を1時間ほど歩かなければならない。古くより歩き続けられてきた八風峠道は、幾多の人々の足跡とそれを包み込んできた自然とが、見事にとけあった美しい道だ。心地よい風の吹き渡る八風峠、眺望広がる三池岳、静かにたたずむ御池、そこには目をひく風景はないが、落ち着いた山歩きを楽しめる。田光のバス停から往復すると、2時間以上のアプローチとなるので、できればマイカーでの登山が望ましい。 八風キャンプ場からもう少し林道を登ったところに数 台の駐車スペースがある。林道は滝ヶ谷出合で終わり、堰堤の上で流れを右岸に渡ってから谷沿いに登山道を登っていくが、豪雨によって道が荒れ一部迂回路が造られている。登るにつれ石畳が敷かれた旧街道の面影がしのばれる道となる。 谷沿いの道からやがて流れを渡ったところで尾根に取り付く。斜面を斜めに登るようになり、常緑樹林の中をジグザグに登って行く。しばらくで左に中峠への道が分かれるが、中峠への道はあまりよくない。 あたりが落葉樹に変わってくると、三体の石仏と出合う。登るにつれ道は深く踏み込まれ、昔の峠道の風情の残る、風格ある道だ。若葉の頃はライムグリーンに染まる明るい林が続き、ジグザグを切って高度を上げて行く。このあたりは道も歩きやすくて見通しがきき、峠道の美しさが際だっている。 少しなだらかな尾根上を歩くようになると稜線も近くなり、アカヤシオが点在する木々の背も低くなって左にガレが見えてくる。明るいガレが広がるコルに登り着くと鳥居が立っている。八風峠は風の吹き抜ける明るい気持ちのいい峠だ。滋賀県側へと越える峠道は県境尾根を少し北へ進んだところから下っているが、道はあまりよくない。 峠から北へ10分あまり歩くと三池岳がある。実際の三角点ピークはこの頂上から三重県側に少し入ったところにあるが、三角点峰よりこのピークのほうが頂上らしく、眺望も優れている。とくに西側が開け、神崎川に向けてゆったりと傾いた緑の斜面が大きく広がり、鈴鹿主脈の地形の対照が実感できる。 下山コースは東尾根を下る。三角点ピークを過ぎ雑木林を下って行くと左にガレがあって左斜面が開け、再び林の中に入ると御池に出合う。池が3つあるのではなく、御池という池への敬称であり、山名の三池は当て字だ。ほんの小さな静かな池で、初夏に訪れるとモリアオガエルの泡のような卵塊が樹林にいくつもぶら下がっている。 御池から少し下ると道標があり、直進する八風牧場跡のある東海自然歩道への道と、右に三池林道への道と分かれるが、右の三池林道への道を下る。八風牧場跡への道からは八風キャンプ場下流の切畑集落に出られるが、道はあまりよくない。 分岐からぐんぐんと下る道となり、最後は植林の中に入って、三池林道の堰堤の下に下り立つ。林道を下っていくと往路の林道と出合う。バスでの登山の場合は、田光バス停までさらに車道を1時間ほど歩かなければならない。 -
庵座谷中尾根〜釈迦ヶ岳〜ハト峰峠
- 5時間0分
庵座谷中尾根〜釈迦ヶ岳〜ハト峰峠
- 5時間0分
朝明渓谷はキャンパーやハイカーで賑わい、鈴鹿有数の登山基地となっている。釈迦ヶ岳へ登る庵座谷道、松尾尾根道を始めとして、美しい渓谷美を見せる愛知川源流へと越えるいくつもの峠道、そして国見岳、御在所岳へのコースと、放射状に峠道や登山道が広がっている。 その朝明から釈迦ヶ岳へのメインコースとなっていたのが庵座谷道だが、過去の集中豪雨で道が荒れて歩きにくくなったため、現在はその庵座谷左岸の中尾根に道が拓かれている。 庵座谷へは朝明渓谷有料駐車場からテント村へ入るか、少し下流の朝明テント村入口から車道を登るふたつの道がある。テント村入口に右に尾根へと取り付く中尾根登山口があり、新しい道標も立てられている。 最初は暗い常緑樹林の中にジグザグを繰り返す。急斜面にしっかりと刻まれた登りやすい道で、やがて尾根上に登り着く。左へと登る尾根道は雑木林に包まれ、展望もほとんどきかない緑の中の坦々とした登りが続く。庵座谷道のような変化はないが登りやすい道だ。 鳴滝コバに登り着くと片側の木が伐り開かれて、国見岳や御在所岳の山々が眺められるようになる。そして鳴滝の名前の通り、ここに出て初めて庵座谷の流れの音が響いてくる。ひと息入れるのにはいいところだ。 尾根は右へと振りしばらく進むと木を組んだ階段状の急な登りとなる。889.1mのピークに出て少し下りとなったところで、左に庵座谷道へと下りる道が分かれている。再び急登となり前方に岩場が見えると、道は左の山腹を巻きながら進むようになる。左に大蔭のガレが覗くようになり県境の山々が開ける。 ここから樹林の中の急な斜面をひたすら登る辛い道となる。この急登を登りきったところが釈迦白毫と呼ばれるところで、松尾尾根と合流する主尾根である。左へと登ると左側が切れ落ちる大蔭のガレ場で、やがて庵座谷道との合流点となる釈迦ヶ岳最高点の松尾尾根の頭に出る。さらに尾根を進むと県境稜線に出て県境尾根道と合流する。右に数分で釈迦ヶ岳の頂上だ。 頂上は三重県側が開けているが、滋賀県側は樹林にふさがれている。頂上の高度感もあまりなく狭く窮屈な感じがするので、ゆっくりと休憩するのなら松尾尾根の頭のほうがいいだろう。下山コースは松尾尾根コースがあるが、単調な尾根なので、ここでは距離は少し長くなるが県境尾根の道を南に歩いて、ハト峰峠から下るコースをとる。 県境尾根はゆったりとした下りが続く。すぐ前には猫岳の三角のピークがあり、国見、御在所などの県境尾根のピークが連なりがかすんでいる。背後にはさっき登った釈迦の緑の斜面と大蔭のガレの斜面が見え、ダイナミックなスケールの大きい風景が開けている。 猫岳に登るとまたササの道の長い下りとなり、ところどころで左の三重県側が大きく切れ込んで開けるが、右の滋賀県側は美しい雑木林が続いている。ハト峰峠の明るく開けたガレ場に着くと、左の朝明への道を下る。峠の少し手前にも朝明に下る林道の道があり、どちらを下ってもいいが、林道の方が歩きやすい。朝明渓谷はキャンパーやハイカーで賑わい、鈴鹿有数の登山基地となっている。釈迦ヶ岳へ登る庵座谷道、松尾尾根道を始めとして、美しい渓谷美を見せる愛知川源流へと越えるいくつもの峠道、そして国見岳、御在所岳へのコースと、放射状に峠道や登山道が広がっている。 その朝明から釈迦ヶ岳へのメインコースとなっていたのが庵座谷道だが、過去の集中豪雨で道が荒れて歩きにくくなったため、現在はその庵座谷左岸の中尾根に道が拓かれている。 庵座谷へは朝明渓谷有料駐車場からテント村へ入るか、少し下流の朝明テント村入口から車道を登るふたつの道がある。テント村入口に右に尾根へと取り付く中尾根登山口があり、新しい道標も立てられている。 最初は暗い常緑樹林の中にジグザグを繰り返す。急斜面にしっかりと刻まれた登りやすい道で、やがて尾根上に登り着く。左へと登る尾根道は雑木林に包まれ、展望もほとんどきかない緑の中の坦々とした登りが続く。庵座谷道のような変化はないが登りやすい道だ。 鳴滝コバに登り着くと片側の木が伐り開かれて、国見岳や御在所岳の山々が眺められるようになる。そして鳴滝の名前の通り、ここに出て初めて庵座谷の流れの音が響いてくる。ひと息入れるのにはいいところだ。 尾根は右へと振りしばらく進むと木を組んだ階段状の急な登りとなる。889.1mのピークに出て少し下りとなったところで、左に庵座谷道へと下りる道が分かれている。再び急登となり前方に岩場が見えると、道は左の山腹を巻きながら進むようになる。左に大蔭のガレが覗くようになり県境の山々が開ける。 ここから樹林の中の急な斜面をひたすら登る辛い道となる。この急登を登りきったところが釈迦白毫と呼ばれるところで、松尾尾根と合流する主尾根である。左へと登ると左側が切れ落ちる大蔭のガレ場で、やがて庵座谷道との合流点となる釈迦ヶ岳最高点の松尾尾根の頭に出る。さらに尾根を進むと県境稜線に出て県境尾根道と合流する。右に数分で釈迦ヶ岳の頂上だ。 頂上は三重県側が開けているが、滋賀県側は樹林にふさがれている。頂上の高度感もあまりなく狭く窮屈な感じがするので、ゆっくりと休憩するのなら松尾尾根の頭のほうがいいだろう。下山コースは松尾尾根コースがあるが、単調な尾根なので、ここでは距離は少し長くなるが県境尾根の道を南に歩いて、ハト峰峠から下るコースをとる。 県境尾根はゆったりとした下りが続く。すぐ前には猫岳の三角のピークがあり、国見、御在所などの県境尾根のピークが連なりがかすんでいる。背後にはさっき登った釈迦の緑の斜面と大蔭のガレの斜面が見え、ダイナミックなスケールの大きい風景が開けている。 猫岳に登るとまたササの道の長い下りとなり、ところどころで左の三重県側が大きく切れ込んで開けるが、右の滋賀県側は美しい雑木林が続いている。ハト峰峠の明るく開けたガレ場に着くと、左の朝明への道を下る。峠の少し手前にも朝明に下る林道の道があり、どちらを下ってもいいが、林道の方が歩きやすい。 -
国見尾根〜国見岳〜裏道
- 5時間0分
国見尾根〜国見岳〜裏道
- 5時間0分
国見岳へは湯の山温泉か朝明渓谷が起点となるが、ここでは藤内小屋をベースにして、変化に富んだ岩尾根の国見尾根を登り、御在所山、国見岳へのポピュラーなコースである裏道を下る。 藤内小屋から尾根道と岳不動道があり、岳不動道が国見尾根上に登り着いたところで合流している。この国見尾根はゆるぎ岩や天狗岩など変化にとんだ景観と、その岩場から眺める展望が素晴らしく、鈴鹿の魅力を最もよく伝えるコースといえるだろう。下山路となる裏道は険しい道の多い御在所周辺の中では、危険なところのない平易な道で、一番親しまれているコースとなっている。川鹿橋からロープウエイ湯の山温泉駅の下で三滝川北谷へと下る。蒼滝茶屋からスカイラインを過ぎると、流れの上高くに通る山腹道のところどころには、鉄製の桟道が渡されている。 北谷は2008年の豪雨以降様相がすっかり変わり、荒れてしまっている。常緑樹林の中にしっかりと踏まれた道も付け替えられている箇所が多くなったが、御在所岳や国見岳へ登る人、藤内壁に登るクライマーなど多くの登山者が行き交う、鈴鹿の中心となるルートであることは変わっていない。 藤内小屋の周辺も巨岩がごろごろと転がる荒れ果てた谷になっており、裏道、国見尾根、岳不動道、腰越峠道などの道が分岐合流する交差点となっていたのだが、様相もすっかり変化しているので注意したい。 国見岳へのコースも岳不動から国見尾根へと登る道が崩壊して通行止めとなっており、小屋から北谷を渡って国見尾根を登って行く。道はしっかりと踏まれ、登って行くと花崗岩の岩の間から展望も開ける快適な道である。 大岩が積み重なるピークまで登ると、目の前には岩の壁が広がる藤内壁を見る、素晴らしい眺望の展望台となっている。ここが通行止めとなった岳不動からの道が合流するところである。 国見尾根はここからゆるぎ岩、天狗岩などの奇岩怪石が突き出す変化に富んだ尾根が続いている。これらの岩からは展望が開け絶好の休憩場所をつくってくれている楽しい道である。 やがて県境稜線に合流し右に少し登ると、左に道が分かれているが、ここにも石門と呼ばれている奇岩を見ることができる。この分岐から少し歩くと岩の重なる国見岳の頂上に着く。眺望の開けた静かな頂上だ。 県境稜線を南に向かう。先ほど登ってきた国見尾根の分岐を過ぎるとガレの展望の良い斜面があり、さらに下ると国見峠に出る。ここで県境稜線と分かれて左へと裏道を下る。樹林に包まれた道だったが、豪雨以来道も付け替えられている。荒れて岩が転がる流れに沿って下って行くと藤内小屋に着き、往路を戻る。国見岳へは湯の山温泉か朝明渓谷が起点となるが、ここでは藤内小屋をベースにして、変化に富んだ岩尾根の国見尾根を登り、御在所山、国見岳へのポピュラーなコースである裏道を下る。 藤内小屋から尾根道と岳不動道があり、岳不動道が国見尾根上に登り着いたところで合流している。この国見尾根はゆるぎ岩や天狗岩など変化にとんだ景観と、その岩場から眺める展望が素晴らしく、鈴鹿の魅力を最もよく伝えるコースといえるだろう。下山路となる裏道は険しい道の多い御在所周辺の中では、危険なところのない平易な道で、一番親しまれているコースとなっている。川鹿橋からロープウエイ湯の山温泉駅の下で三滝川北谷へと下る。蒼滝茶屋からスカイラインを過ぎると、流れの上高くに通る山腹道のところどころには、鉄製の桟道が渡されている。 北谷は2008年の豪雨以降様相がすっかり変わり、荒れてしまっている。常緑樹林の中にしっかりと踏まれた道も付け替えられている箇所が多くなったが、御在所岳や国見岳へ登る人、藤内壁に登るクライマーなど多くの登山者が行き交う、鈴鹿の中心となるルートであることは変わっていない。 藤内小屋の周辺も巨岩がごろごろと転がる荒れ果てた谷になっており、裏道、国見尾根、岳不動道、腰越峠道などの道が分岐合流する交差点となっていたのだが、様相もすっかり変化しているので注意したい。 国見岳へのコースも岳不動から国見尾根へと登る道が崩壊して通行止めとなっており、小屋から北谷を渡って国見尾根を登って行く。道はしっかりと踏まれ、登って行くと花崗岩の岩の間から展望も開ける快適な道である。 大岩が積み重なるピークまで登ると、目の前には岩の壁が広がる藤内壁を見る、素晴らしい眺望の展望台となっている。ここが通行止めとなった岳不動からの道が合流するところである。 国見尾根はここからゆるぎ岩、天狗岩などの奇岩怪石が突き出す変化に富んだ尾根が続いている。これらの岩からは展望が開け絶好の休憩場所をつくってくれている楽しい道である。 やがて県境稜線に合流し右に少し登ると、左に道が分かれているが、ここにも石門と呼ばれている奇岩を見ることができる。この分岐から少し歩くと岩の重なる国見岳の頂上に着く。眺望の開けた静かな頂上だ。 県境稜線を南に向かう。先ほど登ってきた国見尾根の分岐を過ぎるとガレの展望の良い斜面があり、さらに下ると国見峠に出る。ここで県境稜線と分かれて左へと裏道を下る。樹林に包まれた道だったが、豪雨以来道も付け替えられている。荒れて岩が転がる流れに沿って下って行くと藤内小屋に着き、往路を戻る。 -
一ノ谷新道〜御在所岳〜中道
- 6時間0分
一ノ谷新道〜御在所岳〜中道
- 6時間0分
湯の山温泉を基点として、5つの変化に富んだコースが山頂をめざしている。表道、中道、裏道、武平峠道、一ノ谷新道の各コースで、いずれも整備された安心して楽しめるコースだが、裏道を除くと急峻な岩場の多い尾根道なので慎重に行動したい。 ここでは圧倒されるような頂上岩壁を眺めながら一ノ谷新道を登り、展望の広がるスリリングな岩尾根の中道を下るコースを取り上げている。 川鹿橋から温泉街を抜けて車道を登って行くと一ノ谷茶屋があり、ここで車道を離れて一ノ谷沿いに進む。すぐに左に武平峠への道を分け、鈴鹿スカイラインをくぐると中道の取り付きとなる。ここでスカイライン上に出ると一ノ谷山荘があり、この左の尾根から一ノ谷新道の登りが始まる。 一ノ谷新道は花崗岩の風化した白砂が掘れ込まれた急な道が続いている。この急登は緩急はあるものの最後まで続くので、ペース配分を考えて登りたい。とくに登り始めの木の根を掴みながらの急登はつらいが、春はイワカガミの可憐なピンクの花や、アカヤシオ、シロヤシオの華やかな彩りに慰められるし、夏も木陰の多い涼しい道で救われる。 木々の間からは一ノ谷をはさみ、切れ込んで城塞のように連なる岩壁がところどころでのぞいており、その中空を鮮やかなゴンドラが行き交っている。 何箇所かの岩場を巻いて越し、やがて恵比須岩を見下ろすようになるとササの中の急な道となる。山上公園駅直下まで登り左に振るように登って行くと山上公園に出る。公園のアスファルト道を進み、右に階段の道を登ると頂上に着く。頂上にはリフトが上がってきており観光客も多い。ここからは大きな展望が広がっており、滋賀県側の愛知川の谷に突き出るような岩の上からは、樹林の広がりが鮮やかで、心地よい風が吹き抜ける。 山上公園駅まで戻り、左に分かれる国見峠への縦走路を過ごして進んでから、右に下る中道に入る。 中道は最初から急な下りの岩場が続く尾根コースで、伊勢の平野と海を眺めるスケールの大きな展望が魅力だ。また山稜に点在する地蔵岩、負ばれ石の奇岩とキレットなど、次々と出合うストーンアートも楽しい。岩場が続くだけに慎重さが必要で、下り始めの頂上直下の岩壁を巻くところとキレットは、岩場を通過することになるが、道を間違えなければそんなに危険な箇所はない。 キレットを過ぎると少し穏やかな尾根となり、地蔵岩と出合う。石の仏を思わすような岩で、平野の大きな広がりを背景にした眺望が素晴らしい。そしてもう少し下ると、巨大な石のまな板を立てかけたような負ばれ石がある。 この負ばれ石を過ぎると樹林帯に入ってゴンドラをくぐり、暗い常緑樹の道を下って行く。左に裏道からくる道と合流したところで、滑りやすい砂ザレの道となり一ノ谷のスカイラインの登山口に出る。往路を戻り50分ほどで川鹿橋に着く。湯の山温泉を基点として、5つの変化に富んだコースが山頂をめざしている。表道、中道、裏道、武平峠道、一ノ谷新道の各コースで、いずれも整備された安心して楽しめるコースだが、裏道を除くと急峻な岩場の多い尾根道なので慎重に行動したい。 ここでは圧倒されるような頂上岩壁を眺めながら一ノ谷新道を登り、展望の広がるスリリングな岩尾根の中道を下るコースを取り上げている。 川鹿橋から温泉街を抜けて車道を登って行くと一ノ谷茶屋があり、ここで車道を離れて一ノ谷沿いに進む。すぐに左に武平峠への道を分け、鈴鹿スカイラインをくぐると中道の取り付きとなる。ここでスカイライン上に出ると一ノ谷山荘があり、この左の尾根から一ノ谷新道の登りが始まる。 一ノ谷新道は花崗岩の風化した白砂が掘れ込まれた急な道が続いている。この急登は緩急はあるものの最後まで続くので、ペース配分を考えて登りたい。とくに登り始めの木の根を掴みながらの急登はつらいが、春はイワカガミの可憐なピンクの花や、アカヤシオ、シロヤシオの華やかな彩りに慰められるし、夏も木陰の多い涼しい道で救われる。 木々の間からは一ノ谷をはさみ、切れ込んで城塞のように連なる岩壁がところどころでのぞいており、その中空を鮮やかなゴンドラが行き交っている。 何箇所かの岩場を巻いて越し、やがて恵比須岩を見下ろすようになるとササの中の急な道となる。山上公園駅直下まで登り左に振るように登って行くと山上公園に出る。公園のアスファルト道を進み、右に階段の道を登ると頂上に着く。頂上にはリフトが上がってきており観光客も多い。ここからは大きな展望が広がっており、滋賀県側の愛知川の谷に突き出るような岩の上からは、樹林の広がりが鮮やかで、心地よい風が吹き抜ける。 山上公園駅まで戻り、左に分かれる国見峠への縦走路を過ごして進んでから、右に下る中道に入る。 中道は最初から急な下りの岩場が続く尾根コースで、伊勢の平野と海を眺めるスケールの大きな展望が魅力だ。また山稜に点在する地蔵岩、負ばれ石の奇岩とキレットなど、次々と出合うストーンアートも楽しい。岩場が続くだけに慎重さが必要で、下り始めの頂上直下の岩壁を巻くところとキレットは、岩場を通過することになるが、道を間違えなければそんなに危険な箇所はない。 キレットを過ぎると少し穏やかな尾根となり、地蔵岩と出合う。石の仏を思わすような岩で、平野の大きな広がりを背景にした眺望が素晴らしい。そしてもう少し下ると、巨大な石のまな板を立てかけたような負ばれ石がある。 この負ばれ石を過ぎると樹林帯に入ってゴンドラをくぐり、暗い常緑樹の道を下って行く。左に裏道からくる道と合流したところで、滑りやすい砂ザレの道となり一ノ谷のスカイラインの登山口に出る。往路を戻り50分ほどで川鹿橋に着く。 -
鎌尾根〜鎌ヶ岳〜カズラ谷道
- 5時間50分
鎌尾根〜鎌ヶ岳〜カズラ谷道
- 5時間50分
湯の山温泉と宮妻峡からいくつものコースがあるが、岩峰が続く鎌尾根は、鎌ヶ岳の魅力を引き出した代表的なコースである。宮妻峡からはバス利用の場合は、バス停終点から距離が長く時間的に無理があるので、マイカー利用のコースとなる。公共交通機関の利用の場合は湯の山起点のコースとなる。湯の山側の登山道としては、武平峠からの県境尾根道、長石尾根、三ツ口谷道、長石谷、馬の背尾根道などがある。 宮妻峡キャンプ場には駐車場が整備されている。宮妻峡に沿った林道を30分ほど歩くと、水沢峠の登り口に着く。この取り付きは中谷の橋を渡って10分たらずのところで、小さな涸れ谷の横に道標があるが、通り過ごしてしまいそうなところなので注意したい。このあたりは崩壊しやすい地質なので、峠道は大きな谷沿いは避けて巧みに造られている。 荒れているところもあるが、しっかりとした峠道が続き、峠への詰めに近くなったところで岩が囲む狭い谷道になって、右からほとんど水のない大滝が落ちているところで、左のガレの斜面に取り付いて本谷を巻いている。そして滑りやすい急斜面にジグザグを切ると、窓状の水沢峠に飛び出す。 北へガレの滑りやすい急な道で始まり、すぐに樹林帯に入る。ヤセ尾根を通過して峠から20分ほどで丸く刈り開かれた水沢岳(宮越山)の頂上に着く。 ここから鎌ヶ岳を眺めながらの縦走となる。最初はなだらかな山稜だが、少し進んだところで大きなガレ場に出合う。ここは樹林帯との境目を下ってからガレを横断して通過すると、ササ尾根となる。自然林の気持ちのいい樹林帯が続くが、前には荒々しい山稜が見えてくる。 広い尾根がやせてくると鎌尾根の岩稜が始まるが、次々と現れる岩峰にはしっかりとした踏み跡がある。鎌ケ岳の頂上まで小岩峰、ヤセ尾根、ガレ場が続くが、難しいところはなく、鎌ヶ岳の尖峰を眺めながら登る、変化があって楽しい道だ。しかし浮き石が多いので、落石やスリップには十分注意をして、慎重に歩きたい。 岳峠手前で右に雲母峰、宮妻峡への道を分けている。頂上直下の岳峠にくると、頭上にかぶさるような頂上岩峰に圧倒される。右のルンゼを登り尾根を左にたどると頂上に着く。祠のある頂上は南北に長く、大きな展望が広がっている。 岳峠に戻り、左にササの歩きにくい斜面を横切って雲母峰への尾根に入る。樹林帯の中のよく踏まれた美しい道で、尾根を岳峠から20分ほど歩くと、右に分かれるカズラ谷道と出合う。宮妻峡へはこのカズラ谷道を下るが、谷の名前が付いているものの尾根道である。深く掘り込まれた道の部分では滑りやすいところもあるが、安定した歩きやすいコースだ。流れの音が響いてくると右に20mほどの大きな滝を見て、カズラ谷の両俣出合いに下りる。 流れに沿って5分ほど下ると林道に出る。ここから宮妻峡キャンプ場の駐車場はすぐだ。湯の山温泉と宮妻峡からいくつものコースがあるが、岩峰が続く鎌尾根は、鎌ヶ岳の魅力を引き出した代表的なコースである。宮妻峡からはバス利用の場合は、バス停終点から距離が長く時間的に無理があるので、マイカー利用のコースとなる。公共交通機関の利用の場合は湯の山起点のコースとなる。湯の山側の登山道としては、武平峠からの県境尾根道、長石尾根、三ツ口谷道、長石谷、馬の背尾根道などがある。 宮妻峡キャンプ場には駐車場が整備されている。宮妻峡に沿った林道を30分ほど歩くと、水沢峠の登り口に着く。この取り付きは中谷の橋を渡って10分たらずのところで、小さな涸れ谷の横に道標があるが、通り過ごしてしまいそうなところなので注意したい。このあたりは崩壊しやすい地質なので、峠道は大きな谷沿いは避けて巧みに造られている。 荒れているところもあるが、しっかりとした峠道が続き、峠への詰めに近くなったところで岩が囲む狭い谷道になって、右からほとんど水のない大滝が落ちているところで、左のガレの斜面に取り付いて本谷を巻いている。そして滑りやすい急斜面にジグザグを切ると、窓状の水沢峠に飛び出す。 北へガレの滑りやすい急な道で始まり、すぐに樹林帯に入る。ヤセ尾根を通過して峠から20分ほどで丸く刈り開かれた水沢岳(宮越山)の頂上に着く。 ここから鎌ヶ岳を眺めながらの縦走となる。最初はなだらかな山稜だが、少し進んだところで大きなガレ場に出合う。ここは樹林帯との境目を下ってからガレを横断して通過すると、ササ尾根となる。自然林の気持ちのいい樹林帯が続くが、前には荒々しい山稜が見えてくる。 広い尾根がやせてくると鎌尾根の岩稜が始まるが、次々と現れる岩峰にはしっかりとした踏み跡がある。鎌ケ岳の頂上まで小岩峰、ヤセ尾根、ガレ場が続くが、難しいところはなく、鎌ヶ岳の尖峰を眺めながら登る、変化があって楽しい道だ。しかし浮き石が多いので、落石やスリップには十分注意をして、慎重に歩きたい。 岳峠手前で右に雲母峰、宮妻峡への道を分けている。頂上直下の岳峠にくると、頭上にかぶさるような頂上岩峰に圧倒される。右のルンゼを登り尾根を左にたどると頂上に着く。祠のある頂上は南北に長く、大きな展望が広がっている。 岳峠に戻り、左にササの歩きにくい斜面を横切って雲母峰への尾根に入る。樹林帯の中のよく踏まれた美しい道で、尾根を岳峠から20分ほど歩くと、右に分かれるカズラ谷道と出合う。宮妻峡へはこのカズラ谷道を下るが、谷の名前が付いているものの尾根道である。深く掘り込まれた道の部分では滑りやすいところもあるが、安定した歩きやすいコースだ。流れの音が響いてくると右に20mほどの大きな滝を見て、カズラ谷の両俣出合いに下りる。 流れに沿って5分ほど下ると林道に出る。ここから宮妻峡キャンプ場の駐車場はすぐだ。 -
クラ谷道〜雨乞岳往復
- 3時間0分
クラ谷道〜雨乞岳往復
- 3時間0分
雨乞岳はふところの深いスケールの大きな山だけに、各コースとも高度差のある長い道のりとなる。武平峠コース、稲ヶ谷コース、フジキリ谷の千種越コース、フジキリ谷から西尾根の大峠コースなどがあるが、これらのコースの中でよく歩かれているのは、武平峠コースとフジキリ谷からの千種越の2コースで、この人気のある両コースを使って日帰りで歩こうとすれば、マイカーなら2台以上で1台を下山口に回送しておくか、公共交通機関ならタクシーを利用しなければならない。2012年版まで紹介していた武平峠コースから杉峠、愛知川源流へと下ってコクイ谷を周回するコースは、近年の豪雨でコクイ谷が荒れて道が不明瞭となっているので、マイカー利用が可能な武平峠からクラ谷を通る往復のコースを紹介しておきたい。 鈴鹿スカイラインには路線バスは走っていないので、武平峠からの道はマイカーのみの登山コースとなる。雨乞岳往復だけなら湯の山温泉から登り始めても往復できないことはないが、かなりハードなコースとなる。 武平峠トンネルの西側、滋賀県側に駐車スペースがあり、峠谷の橋から登り始める。檜の植林帯の中の道で左の斜面は伐採地のカヤトの原となっているが、登るにつれ自然林も増える。沢谷峠までは山腹道で小さな谷をいくつか横断するのでアップダウンが多い。また、道の崩れたところもあって、あまり歩きやすい道ではない。 沢谷峠は知らないうちに越えてしまうような峠で、自然林に包まれた谷を下ってクラ谷分岐に着く。 左へ谷を少し登ってから右へと小さな尾根を越し、山腹を巻きながら下りクラ谷に入る。ところどころで道が崩れているので注意したい。クラ谷は炭焼きの窯跡の多い雑木林の美しい谷だ。谷が次第に広く浅くなり源流状となると、道は右の尾根へと詰める。尾根に上がったところは雨乞岳と七人山とのコルで、左へ雑木林の尾根を登って行く。樹林からササの道と変わり傾斜が強くなる。登るにつれササが低くなり、眺望が開けてくると東雨乞岳の頂上に着く。頂上は丸い広場状で、すぐ目の前にはササの山稜が続いて雨乞本峰が伸び上がっている。 広々としたササ尾根を10分あまりの登りで雨乞岳に着く。頂上からは東側の展望が開けているが、東雨乞岳の方が広くて眺望も優れている。頂上の東北のササの中には山名の由来となった雨乞いの行われた“大峠の澤”があり、カエルの声が聞こえてくる。 山頂からは東、西、北の三方に、ササ原のゆったりと広がる大きな尾根を延ばしている。北に山稜を下り切ったところが杉峠で、この峠は滋賀県側のフジキリ谷と愛知川源流から根の平峠を越えて三重県側へと至る、千種越の道である。時間に余裕があり1泊2日の行程とするなら、フジキリ谷へと下れば途中の2箇所に簡易の避難小屋がある。また愛知川源流へと下れば鉱山跡やコクイ谷出合によいテント場がある。山頂からは他にも西へと尾根をたどって大峠からフジキリ谷へと下るコースや、東雨乞岳とのコルから稲ヶ谷へと下るコースがあるが、いずれも山慣れた人向きのコースとなっている。ここでは武平峠へと往復コースとするので往路を戻る。雨乞岳はふところの深いスケールの大きな山だけに、各コースとも高度差のある長い道のりとなる。武平峠コース、稲ヶ谷コース、フジキリ谷の千種越コース、フジキリ谷から西尾根の大峠コースなどがあるが、これらのコースの中でよく歩かれているのは、武平峠コースとフジキリ谷からの千種越の2コースで、この人気のある両コースを使って日帰りで歩こうとすれば、マイカーなら2台以上で1台を下山口に回送しておくか、公共交通機関ならタクシーを利用しなければならない。2012年版まで紹介していた武平峠コースから杉峠、愛知川源流へと下ってコクイ谷を周回するコースは、近年の豪雨でコクイ谷が荒れて道が不明瞭となっているので、マイカー利用が可能な武平峠からクラ谷を通る往復のコースを紹介しておきたい。 鈴鹿スカイラインには路線バスは走っていないので、武平峠からの道はマイカーのみの登山コースとなる。雨乞岳往復だけなら湯の山温泉から登り始めても往復できないことはないが、かなりハードなコースとなる。 武平峠トンネルの西側、滋賀県側に駐車スペースがあり、峠谷の橋から登り始める。檜の植林帯の中の道で左の斜面は伐採地のカヤトの原となっているが、登るにつれ自然林も増える。沢谷峠までは山腹道で小さな谷をいくつか横断するのでアップダウンが多い。また、道の崩れたところもあって、あまり歩きやすい道ではない。 沢谷峠は知らないうちに越えてしまうような峠で、自然林に包まれた谷を下ってクラ谷分岐に着く。 左へ谷を少し登ってから右へと小さな尾根を越し、山腹を巻きながら下りクラ谷に入る。ところどころで道が崩れているので注意したい。クラ谷は炭焼きの窯跡の多い雑木林の美しい谷だ。谷が次第に広く浅くなり源流状となると、道は右の尾根へと詰める。尾根に上がったところは雨乞岳と七人山とのコルで、左へ雑木林の尾根を登って行く。樹林からササの道と変わり傾斜が強くなる。登るにつれササが低くなり、眺望が開けてくると東雨乞岳の頂上に着く。頂上は丸い広場状で、すぐ目の前にはササの山稜が続いて雨乞本峰が伸び上がっている。 広々としたササ尾根を10分あまりの登りで雨乞岳に着く。頂上からは東側の展望が開けているが、東雨乞岳の方が広くて眺望も優れている。頂上の東北のササの中には山名の由来となった雨乞いの行われた“大峠の澤”があり、カエルの声が聞こえてくる。 山頂からは東、西、北の三方に、ササ原のゆったりと広がる大きな尾根を延ばしている。北に山稜を下り切ったところが杉峠で、この峠は滋賀県側のフジキリ谷と愛知川源流から根の平峠を越えて三重県側へと至る、千種越の道である。時間に余裕があり1泊2日の行程とするなら、フジキリ谷へと下れば途中の2箇所に簡易の避難小屋がある。また愛知川源流へと下れば鉱山跡やコクイ谷出合によいテント場がある。山頂からは他にも西へと尾根をたどって大峠からフジキリ谷へと下るコースや、東雨乞岳とのコルから稲ヶ谷へと下るコースがあるが、いずれも山慣れた人向きのコースとなっている。ここでは武平峠へと往復コースとするので往路を戻る。 -
表参道〜綿向山〜竜王山
- 5時間10分
表参道〜綿向山〜竜王山
- 5時間10分
西南側の北畑、熊野から綿向山、竜王山への数コースの登山道が上がっている。メインコースは表参道で他に水無尾根、文三ハゲコース、竜王山からの縦走コースなどがある。綿向山表参道コースはよく踏まれた植林帯の中の歩きやすい道で、上部の行者コバ周辺にはブナ林も残されている。頂上には馬見岡綿向神社の奥宮があり、抜群の眺望が広がっている。 車の場合、西明寺口から少し進んだところに駐車場があり、さらに林道終点まで歩くと登山口のヒミズ谷出合小屋がある。右に杉林を登るのが水無尾根道で、表参道はヒミズ谷を鉄製の橋で渡って、植林帯の中をジグザグに登って行く。斜面を何度も折り返す単調な道を30分ほど登ると山腹を横切る林道に出る。林道を右に進むとまた登山道が続いている。 少し登ったところに小屋があり、ジグザグの登りを繰り返す。五合目まで登ると広い範囲に伐採され、明るい斜面が広がっている。ここにも小屋があり、林道からくる別の登山道が合流している。五合目を過ぎると左山の山腹道となって自然林も混じるようになり、やっと植林帯を抜けて彩り豊かな道となる。七合目の行者コバまでくると大きなブナが現れ、原生の森の香りがわずかに残された、美しい自然林の中に入る。ここには祠があり、その両側に役行者像と不動明王像が祀られている。 この行者コバでいったん尾根の上に出て、再び山腹を縫う道が続いて行く。この山頂直下一帯はブナが一部分に残されているだけで、鈴鹿特有の雑木林に包まれている。水無尾根道と合流してからすぐまた右に道があり、少し下ったところに金明水が湧きだしている。 金明水を過ぎると道は切り返すようになってササが出てくる。もう頂上は近い。最後は急なコンクリートの階段で、見上げると鳥居が見える。これをくぐると綿向馬見岡神社奥宮の大嶽神社が鎮座する頂上に着く。頂上にはコンクリートで固めた大きなケルンがあり、南北に長くササが刈り開かれている。頂上から展望は素晴らしく、とくに北西側が開けて鈴鹿中西部の大パノラマが広がる。 綿向山から稜線を北に向かうとすぐ右に雨乞岳への分岐がある。ここを真っ直ぐに急な下りの道を進む。この下りはいったん少しゆるやかになるが、もう一度急降下の下りとなる。岩混じりのところにはシャクナゲが多く、春は美しい道となる。 下りきったコルからは歩く人が少ないのか、少し道が荒れてくる。登りが続く道は北から西へと振り、左正面に綿向山の巨体を見上げるようになる。アップダウンを繰り返し、鉄塔のあるピークから樹林の中を進むと竜王山に着く。頂上には石仏のような石が祀られている。 階段状の道から何度もジグザグを切って下ると林道に出て、右に進むと西明寺の分岐があり左にとる。すぐに人家があり棚田の間の道を下って行くと西明寺口に着く。車の場合はここで道を左にとり駐車場に戻る。西南側の北畑、熊野から綿向山、竜王山への数コースの登山道が上がっている。メインコースは表参道で他に水無尾根、文三ハゲコース、竜王山からの縦走コースなどがある。綿向山表参道コースはよく踏まれた植林帯の中の歩きやすい道で、上部の行者コバ周辺にはブナ林も残されている。頂上には馬見岡綿向神社の奥宮があり、抜群の眺望が広がっている。 車の場合、西明寺口から少し進んだところに駐車場があり、さらに林道終点まで歩くと登山口のヒミズ谷出合小屋がある。右に杉林を登るのが水無尾根道で、表参道はヒミズ谷を鉄製の橋で渡って、植林帯の中をジグザグに登って行く。斜面を何度も折り返す単調な道を30分ほど登ると山腹を横切る林道に出る。林道を右に進むとまた登山道が続いている。 少し登ったところに小屋があり、ジグザグの登りを繰り返す。五合目まで登ると広い範囲に伐採され、明るい斜面が広がっている。ここにも小屋があり、林道からくる別の登山道が合流している。五合目を過ぎると左山の山腹道となって自然林も混じるようになり、やっと植林帯を抜けて彩り豊かな道となる。七合目の行者コバまでくると大きなブナが現れ、原生の森の香りがわずかに残された、美しい自然林の中に入る。ここには祠があり、その両側に役行者像と不動明王像が祀られている。 この行者コバでいったん尾根の上に出て、再び山腹を縫う道が続いて行く。この山頂直下一帯はブナが一部分に残されているだけで、鈴鹿特有の雑木林に包まれている。水無尾根道と合流してからすぐまた右に道があり、少し下ったところに金明水が湧きだしている。 金明水を過ぎると道は切り返すようになってササが出てくる。もう頂上は近い。最後は急なコンクリートの階段で、見上げると鳥居が見える。これをくぐると綿向馬見岡神社奥宮の大嶽神社が鎮座する頂上に着く。頂上にはコンクリートで固めた大きなケルンがあり、南北に長くササが刈り開かれている。頂上から展望は素晴らしく、とくに北西側が開けて鈴鹿中西部の大パノラマが広がる。 綿向山から稜線を北に向かうとすぐ右に雨乞岳への分岐がある。ここを真っ直ぐに急な下りの道を進む。この下りはいったん少しゆるやかになるが、もう一度急降下の下りとなる。岩混じりのところにはシャクナゲが多く、春は美しい道となる。 下りきったコルからは歩く人が少ないのか、少し道が荒れてくる。登りが続く道は北から西へと振り、左正面に綿向山の巨体を見上げるようになる。アップダウンを繰り返し、鉄塔のあるピークから樹林の中を進むと竜王山に着く。頂上には石仏のような石が祀られている。 階段状の道から何度もジグザグを切って下ると林道に出て、右に進むと西明寺の分岐があり左にとる。すぐに人家があり棚田の間の道を下って行くと西明寺口に着く。車の場合はここで道を左にとり駐車場に戻る。 -
仙ヶ谷道〜仙鶏尾根〜仙ヶ岳
- 5時間0分
仙ヶ谷道〜仙鶏尾根〜仙ヶ岳
- 5時間0分
仙ヶ岳へは石水渓の南尾根、白谷道、小岐須渓谷の仙ヶ谷道があり、どのコースも変化のある山歩きが楽しめる。石水渓、小岐須渓谷のどちらを起点としても多様なコースがあり、仙ヶ岳プラス隣接する野登山、宮指路岳とからめるとさらに多くのコースが考えられるが、距離が長くハードになる。また、頂上から県境尾根を南下すると御所平があり、ササ、ススキのゆったりと傾いた広い台地状の変わった地形が開けているが、踏み跡があまりしっかりとしていないので経験者向きコースとなる。 どこから取り付くにしても登りごたえのあるコースに囲まれ、美しい山容を擁するこの山は、1000m級の山に匹敵する魅力を持っている。ここでは小岐須渓谷からのコースをとる。車の場合、小岐須渓谷の石大神展望台駐車場に置くか、林道を歩いた大石橋の少し先にもスペースがある。石大神展望台駐車場から林道を1時間ほど歩くと、堰堤があり林道終点となる。 登山道に入ると左からの支流を横切り、流れを左岸に渡る。仙ヶ谷はナメ滝を連ね美しい流れを見せている。谷の山腹道を登って行くと、左に流れを渡って仙鶏尾根に取り付く道があるので、この道に入る。ここは植林帯の中の少しわかりにくい分岐だが、道標があり流れを渡るところはナメ滝となっている。 道は小さな尾根に付いており、急な斜面を登ると小さなコルに出て左の谷側が開ける。ここから尾根の左側の山腹に道は続いている。しばらく細い山腹道をたどっていくと、次第に左に谷が近づいてくる。ところどころで崖崩れや支流を渡る部分で道が抜けているところがあり、トラロープが張られている。下の谷はナメの滝が続く流れが見えている。 山腹をたどってきた道はいったん流れに下り、また山腹道に戻ってから再び流れを渡ると、急斜面の山腹を登るようになる。少しの登りで仙鶏尾根上のコルに着く。 ここは仙ヶ岳への急登にかかる基部となるところで、岩やガレの急な登りが仙ヶ岳東峰まで続いている。仙鶏尾根を少し登ると背後に野登山が大きく、右にずんぐりとした入道ヶ岳が見え、鈴鹿中部の山々の展望が開けてくる。急登を登りきったところに、右側が開けた展望台がある。北から西側の眺望が開け、とくに鎌ヶ岳の尖峰が印象的だ。ここからはもう仙ヶ岳の頂上も近い。 最初に出合うピークが仙ヶ岳東峰で、ここには面白い形の仙の石がある。前面が大きく開けた好展望の岩場で、うってつけの休み場となっている。ここからいったん少し下って登り返したところが仙ヶ岳頂上で、眺望はあるが、小さく刈り払われた狭い頂上だ。 北へ小社峠(大峠)へは植林の急斜面となっている。滑りやすい道に注意して下ると滋賀県側が雑木林のT字路となった小社峠に着き、右へ仙ヶ谷への道を下る。道はしっかりとしているが、流れを渡るところでは見失いやすい。しかし踏み跡を確かめながら下れば間違うところはなく、仙鶏尾根分岐をすぎ元の林道終点に出て、林道を下る。仙ヶ岳へは石水渓の南尾根、白谷道、小岐須渓谷の仙ヶ谷道があり、どのコースも変化のある山歩きが楽しめる。石水渓、小岐須渓谷のどちらを起点としても多様なコースがあり、仙ヶ岳プラス隣接する野登山、宮指路岳とからめるとさらに多くのコースが考えられるが、距離が長くハードになる。また、頂上から県境尾根を南下すると御所平があり、ササ、ススキのゆったりと傾いた広い台地状の変わった地形が開けているが、踏み跡があまりしっかりとしていないので経験者向きコースとなる。 どこから取り付くにしても登りごたえのあるコースに囲まれ、美しい山容を擁するこの山は、1000m級の山に匹敵する魅力を持っている。ここでは小岐須渓谷からのコースをとる。車の場合、小岐須渓谷の石大神展望台駐車場に置くか、林道を歩いた大石橋の少し先にもスペースがある。石大神展望台駐車場から林道を1時間ほど歩くと、堰堤があり林道終点となる。 登山道に入ると左からの支流を横切り、流れを左岸に渡る。仙ヶ谷はナメ滝を連ね美しい流れを見せている。谷の山腹道を登って行くと、左に流れを渡って仙鶏尾根に取り付く道があるので、この道に入る。ここは植林帯の中の少しわかりにくい分岐だが、道標があり流れを渡るところはナメ滝となっている。 道は小さな尾根に付いており、急な斜面を登ると小さなコルに出て左の谷側が開ける。ここから尾根の左側の山腹に道は続いている。しばらく細い山腹道をたどっていくと、次第に左に谷が近づいてくる。ところどころで崖崩れや支流を渡る部分で道が抜けているところがあり、トラロープが張られている。下の谷はナメの滝が続く流れが見えている。 山腹をたどってきた道はいったん流れに下り、また山腹道に戻ってから再び流れを渡ると、急斜面の山腹を登るようになる。少しの登りで仙鶏尾根上のコルに着く。 ここは仙ヶ岳への急登にかかる基部となるところで、岩やガレの急な登りが仙ヶ岳東峰まで続いている。仙鶏尾根を少し登ると背後に野登山が大きく、右にずんぐりとした入道ヶ岳が見え、鈴鹿中部の山々の展望が開けてくる。急登を登りきったところに、右側が開けた展望台がある。北から西側の眺望が開け、とくに鎌ヶ岳の尖峰が印象的だ。ここからはもう仙ヶ岳の頂上も近い。 最初に出合うピークが仙ヶ岳東峰で、ここには面白い形の仙の石がある。前面が大きく開けた好展望の岩場で、うってつけの休み場となっている。ここからいったん少し下って登り返したところが仙ヶ岳頂上で、眺望はあるが、小さく刈り払われた狭い頂上だ。 北へ小社峠(大峠)へは植林の急斜面となっている。滑りやすい道に注意して下ると滋賀県側が雑木林のT字路となった小社峠に着き、右へ仙ヶ谷への道を下る。道はしっかりとしているが、流れを渡るところでは見失いやすい。しかし踏み跡を確かめながら下れば間違うところはなく、仙鶏尾根分岐をすぎ元の林道終点に出て、林道を下る。 -
油日岳・那須ヶ原山・高畑山縦走
- 5時間40分
油日岳・那須ヶ原山・高畑山縦走
- 5時間40分
この三山は小さいながらも、均整のとれた美しい山容を見せている。いずれの山もそれぞれに登山道があるが、三山縦走も楽しいコースとなる。少しハードだが、那須ヶ原山や坂下峠でエスケープすることもできるので、体力や時間の調整も可能となる。ただ縦走はJR、バス、マイカーのいずれの場合でも問題が多いので、事前の確認が必要だ。 JR利用での登山の場合、油日駅から登山口まで徒歩ではかなりの距離があるので、油日駅から登山口までタクシーで入りたい。 登山口には参籠所があり、この少し先で林道が終わる。谷に沿った道がしばらく続くと、右の小さな谷に入り、やがて道は斜面を登って行く。かなりの急登が稜線に出るまで続いているが、登山口から登り始めてからわずか30分ほどの辛抱だ。右に稜線を5分ほど進むと、油日神社奥宮の祠のある頂上に着く。北側にも参籠所があり、休憩できる。ここからは西側の丘と平野が入り組む甲賀の里の眺望が開けている。 登ってきたコルの分岐に戻り稜線を進む。稜線は常緑の樹林帯で、風化した花崗岩のやせた尾根が続いている。道は急な登下降の小さなアップダウンが多いので、一定のペースを守って歩くことが重要なポイントとなる。また、三国山までの小さなピークでは、道が分かれており、枝道に入り込まないようにしたい。 三国山を過ぎたところで切れ込んだ岩場があり、ここでは右側を巻いて通過している。このアップダウンが連続する尾根も那須ヶ原山に近づくにつれて幾分穏やかになってくるが、那須ヶ原山の山容にもそれが表れており、見上げながら近づくその姿は、どっしりとして美しい。 那須ヶ原山の頂上手前で縦走する県境尾根は右に振っている。この分岐から少し先が那須ヶ原山の頂上となる。頂上には石室があり、南側の眺望が開けている。 分岐に戻り三頭山まではゆったりとした道だが、ここを過ぎると再びアップダウンが激しくなる。そして唐木岳のピークを過ぎたところでキレットがあり、右側を下りながら大きく巻いて行く。もう坂下峠も近く急な下りとなって峠に下り立つ。峠は車道が越えているが、峠付近が崩壊しており、車は通過できない。 ここで余裕があればさらに縦走を続けよう。峠からはいきなりの急登で、途中ガレ場の右を巻く道を通って溝干山に着く。ここからは登下降があるものの、もう強い登りはなく高畑山の頂上に出る。頂上は抜群の展望で、長い縦走を終えた最後の峰らしく、実に気分のいい広やかな頂上だ。高畑山は双耳峰でこの頂上は南峰にあたる。 鈴鹿峠まで下る間にもアップダウンがあり、キレットも一箇所ある。しかしトラロープがフィックスされており、そんなに危険な箇所ではない。 最後の下りが続くようになると、次第に国道の車の音が高く響いてくる。ゆるやかな植林帯に入り右に鏡岩の分岐を過ぎると、茶畑が広がって鈴鹿峠に着く。鈴鹿峠にはバスは運行されていないので、事前にタクシーに連絡しておきたい。この三山は小さいながらも、均整のとれた美しい山容を見せている。いずれの山もそれぞれに登山道があるが、三山縦走も楽しいコースとなる。少しハードだが、那須ヶ原山や坂下峠でエスケープすることもできるので、体力や時間の調整も可能となる。ただ縦走はJR、バス、マイカーのいずれの場合でも問題が多いので、事前の確認が必要だ。 JR利用での登山の場合、油日駅から登山口まで徒歩ではかなりの距離があるので、油日駅から登山口までタクシーで入りたい。 登山口には参籠所があり、この少し先で林道が終わる。谷に沿った道がしばらく続くと、右の小さな谷に入り、やがて道は斜面を登って行く。かなりの急登が稜線に出るまで続いているが、登山口から登り始めてからわずか30分ほどの辛抱だ。右に稜線を5分ほど進むと、油日神社奥宮の祠のある頂上に着く。北側にも参籠所があり、休憩できる。ここからは西側の丘と平野が入り組む甲賀の里の眺望が開けている。 登ってきたコルの分岐に戻り稜線を進む。稜線は常緑の樹林帯で、風化した花崗岩のやせた尾根が続いている。道は急な登下降の小さなアップダウンが多いので、一定のペースを守って歩くことが重要なポイントとなる。また、三国山までの小さなピークでは、道が分かれており、枝道に入り込まないようにしたい。 三国山を過ぎたところで切れ込んだ岩場があり、ここでは右側を巻いて通過している。このアップダウンが連続する尾根も那須ヶ原山に近づくにつれて幾分穏やかになってくるが、那須ヶ原山の山容にもそれが表れており、見上げながら近づくその姿は、どっしりとして美しい。 那須ヶ原山の頂上手前で縦走する県境尾根は右に振っている。この分岐から少し先が那須ヶ原山の頂上となる。頂上には石室があり、南側の眺望が開けている。 分岐に戻り三頭山まではゆったりとした道だが、ここを過ぎると再びアップダウンが激しくなる。そして唐木岳のピークを過ぎたところでキレットがあり、右側を下りながら大きく巻いて行く。もう坂下峠も近く急な下りとなって峠に下り立つ。峠は車道が越えているが、峠付近が崩壊しており、車は通過できない。 ここで余裕があればさらに縦走を続けよう。峠からはいきなりの急登で、途中ガレ場の右を巻く道を通って溝干山に着く。ここからは登下降があるものの、もう強い登りはなく高畑山の頂上に出る。頂上は抜群の展望で、長い縦走を終えた最後の峰らしく、実に気分のいい広やかな頂上だ。高畑山は双耳峰でこの頂上は南峰にあたる。 鈴鹿峠まで下る間にもアップダウンがあり、キレットも一箇所ある。しかしトラロープがフィックスされており、そんなに危険な箇所ではない。 最後の下りが続くようになると、次第に国道の車の音が高く響いてくる。ゆるやかな植林帯に入り右に鏡岩の分岐を過ぎると、茶畑が広がって鈴鹿峠に着く。鈴鹿峠にはバスは運行されていないので、事前にタクシーに連絡しておきたい。 -
正面登山道
- 3時間50分
正面登山道
- 3時間50分
伊吹山は本冊子紹介の正面登山道のほかに北尾根コース、岐阜県側の笹又コースがあるが、歩行禁止のドライブウェイに阻まれて山頂まで登ることはできず、正面登山道が山頂までの唯一の登山コースとなっている。 正面登山道は一合目から山頂まで草原と低灌木とが続く南斜面にあり、中腹の三合目からは頂上まで一望できる大パノラマが開けているが、まったく日陰がない夏は、帽子の着用と水分摂取といった暑さ対策が必要となる。 登山口で入山協力金300円を納め、植林地の中を登って行くと草地が開けた一合目に着く。ここから四合目まではスキー場跡の草原で、比較的緩やかな斜面が続いているが、五合目からは石が転がるジグザグ道となる。避難小屋のある六合目を過ぎると傾斜も強くなり、眼下の湖北の平野と琵琶湖、鈴鹿の山々の眺望が広がってくる。大きな木がないため高度感は抜群で、花が咲き乱れる夏の登山道は、中部山岳の3000m級の山を思わせる。 登るにつれ咲く花の種類も多く鮮やかになる。八合目あたりが最も急で、ジグザグを繰り返して、緩やかに広がる頂上台地の一角の九合目に登り着く。お花畑の中の道を登って行くと、夏の最盛期ならドライブウェイを登ってきた人たちの列と合流して、山頂に着く。 広々とした頂上一帯では、山小屋が営業する夏は多くの人でにぎわっている。山頂台地にはドライブウェイの駐車場と結んで、周遊路が設けられているので、時間が許せばお花畑を巡ってから往路を下ろう。伊吹山は本冊子紹介の正面登山道のほかに北尾根コース、岐阜県側の笹又コースがあるが、歩行禁止のドライブウェイに阻まれて山頂まで登ることはできず、正面登山道が山頂までの唯一の登山コースとなっている。 正面登山道は一合目から山頂まで草原と低灌木とが続く南斜面にあり、中腹の三合目からは頂上まで一望できる大パノラマが開けているが、まったく日陰がない夏は、帽子の着用と水分摂取といった暑さ対策が必要となる。 登山口で入山協力金300円を納め、植林地の中を登って行くと草地が開けた一合目に着く。ここから四合目まではスキー場跡の草原で、比較的緩やかな斜面が続いているが、五合目からは石が転がるジグザグ道となる。避難小屋のある六合目を過ぎると傾斜も強くなり、眼下の湖北の平野と琵琶湖、鈴鹿の山々の眺望が広がってくる。大きな木がないため高度感は抜群で、花が咲き乱れる夏の登山道は、中部山岳の3000m級の山を思わせる。 登るにつれ咲く花の種類も多く鮮やかになる。八合目あたりが最も急で、ジグザグを繰り返して、緩やかに広がる頂上台地の一角の九合目に登り着く。お花畑の中の道を登って行くと、夏の最盛期ならドライブウェイを登ってきた人たちの列と合流して、山頂に着く。 広々とした頂上一帯では、山小屋が営業する夏は多くの人でにぎわっている。山頂台地にはドライブウェイの駐車場と結んで、周遊路が設けられているので、時間が許せばお花畑を巡ってから往路を下ろう。 -
権現山から蓬莱山
- 日帰り
- 4時間0分
権現山から蓬莱山
- 日帰り
- 4時間0分
まずは栗原から蓬莱山のコースを紹介する。JR和邇駅から栗原まではバスで行き、そこから西に進んで妙道会の分岐まで行く。分岐は右に進み、そのまま舗装道を詰める。徐々に傾斜がきつくなり、ひと汗かくころ霊仙山口に着く。ここから山道に入り、しばらくまっすぐ行くと左に折れて、砂防ダム工事用の林道に出る。山道や左に折れる箇所には道標がある。さらに行くと旧林道終点。まっすぐ進むと新しくできた林道が権現山への急坂手前まで通じているが、未舗装でかなりの傾斜のため、車の通行は不可能。 寸断された旧登山道を横目に見ながら新しい道を登る。途中T字路になっている箇所は、北へ進む。ズコノバンから少し進むと林道終点の広場となり、いよいよ急斜面へ。岩や木株でつらい坂だが、ここを越えれば頂上である。湖西南部が一望でき、権現山から蓬莱山へは二、三の登りがあるものの概ね快適な稜線歩きとなる。 霊仙山を登るコースは霊仙山口からさらに舗装道を電波塔まで詰める。電波塔のすぐ手前、山手側に灌木に覆われた目立たない道がある。細い道だが、そこを入って行くと植林地帯になる。かなりの急斜面だが、そこを登り詰めたところが霊仙山である。ここからは広葉樹林が広がり、景色も一変して面白い。まずは栗原から蓬莱山のコースを紹介する。JR和邇駅から栗原まではバスで行き、そこから西に進んで妙道会の分岐まで行く。分岐は右に進み、そのまま舗装道を詰める。徐々に傾斜がきつくなり、ひと汗かくころ霊仙山口に着く。ここから山道に入り、しばらくまっすぐ行くと左に折れて、砂防ダム工事用の林道に出る。山道や左に折れる箇所には道標がある。さらに行くと旧林道終点。まっすぐ進むと新しくできた林道が権現山への急坂手前まで通じているが、未舗装でかなりの傾斜のため、車の通行は不可能。 寸断された旧登山道を横目に見ながら新しい道を登る。途中T字路になっている箇所は、北へ進む。ズコノバンから少し進むと林道終点の広場となり、いよいよ急斜面へ。岩や木株でつらい坂だが、ここを越えれば頂上である。湖西南部が一望でき、権現山から蓬莱山へは二、三の登りがあるものの概ね快適な稜線歩きとなる。 霊仙山を登るコースは霊仙山口からさらに舗装道を電波塔まで詰める。電波塔のすぐ手前、山手側に灌木に覆われた目立たない道がある。細い道だが、そこを入って行くと植林地帯になる。かなりの急斜面だが、そこを登り詰めたところが霊仙山である。ここからは広葉樹林が広がり、景色も一変して面白い。 -
権現山から蓬莱山
- 日帰り
- 4時間45分
権現山から蓬莱山
- 日帰り
- 4時間45分
まずは栗原から蓬莱山のコースを紹介する。JR和邇駅から栗原まではバスで行き、そこから西に進んで妙道会の分岐まで行く。分岐は右に進み、そのまま舗装道を詰める。徐々に傾斜がきつくなり、ひと汗かくころ霊仙山口に着く。ここから山道に入り、しばらくまっすぐ行くと左に折れて、砂防ダム工事用の林道に出る。山道や左に折れる箇所には道標がある。さらに行くと旧林道終点。まっすぐ進むと新しくできた林道が権現山への急坂手前まで通じているが、未舗装でかなりの傾斜のため、車の通行は不可能。 寸断された旧登山道を横目に見ながら新しい道を登る。途中T字路になっている箇所は、北へ進む。ズコノバンから少し進むと林道終点の広場となり、いよいよ急斜面へ。岩や木株でつらい坂だが、ここを越えれば頂上である。湖西南部が一望でき、権現山から蓬莱山へは二、三の登りがあるものの概ね快適な稜線歩きとなる。 霊仙山を登るコースは霊仙山口からさらに舗装道を電波塔まで詰める。電波塔のすぐ手前、山手側に灌木に覆われた目立たない道がある。細い道だが、そこを入って行くと植林地帯になる。かなりの急斜面だが、そこを登り詰めたところが霊仙山である。ここからは広葉樹林が広がり、景色も一変して面白い。まずは栗原から蓬莱山のコースを紹介する。JR和邇駅から栗原まではバスで行き、そこから西に進んで妙道会の分岐まで行く。分岐は右に進み、そのまま舗装道を詰める。徐々に傾斜がきつくなり、ひと汗かくころ霊仙山口に着く。ここから山道に入り、しばらくまっすぐ行くと左に折れて、砂防ダム工事用の林道に出る。山道や左に折れる箇所には道標がある。さらに行くと旧林道終点。まっすぐ進むと新しくできた林道が権現山への急坂手前まで通じているが、未舗装でかなりの傾斜のため、車の通行は不可能。 寸断された旧登山道を横目に見ながら新しい道を登る。途中T字路になっている箇所は、北へ進む。ズコノバンから少し進むと林道終点の広場となり、いよいよ急斜面へ。岩や木株でつらい坂だが、ここを越えれば頂上である。湖西南部が一望でき、権現山から蓬莱山へは二、三の登りがあるものの概ね快適な稜線歩きとなる。 霊仙山を登るコースは霊仙山口からさらに舗装道を電波塔まで詰める。電波塔のすぐ手前、山手側に灌木に覆われた目立たない道がある。細い道だが、そこを入って行くと植林地帯になる。かなりの急斜面だが、そこを登り詰めたところが霊仙山である。ここからは広葉樹林が広がり、景色も一変して面白い。 -
葛川坂下から蓬莱山
- 日帰り
- 3時間25分
葛川坂下から蓬莱山
- 日帰り
- 3時間25分
国道367号の坂下トンネルを越えたところに下坂下バス停がある。下坂下から延びる旧道を安曇川に沿って南に戻り、集落の南端、道が西に曲がる手前で左下の道に入る。橋を渡ってすぐ左手に、川沿いを上るサカ谷登山道の入口がある。目立たぬ入口なので要注意、そのまま右に進めば近畿自然歩道となってしまう。 さて、入口から堰堤をいくつか越えると、渡渉点がある。対岸に渡り、道標を過ぎると、やがて急坂になる。このジグザグ道を登り、尾根を横切り、さらに進んで広い広葉樹林帯の緩斜面となり、ついで杉の植林の急斜面となる。谷状の急斜面を登り、尾根に出ると、坂はゆるやかになる。あとは少しずつ登って高度を稼ぐ。しばらくシダの草原の中を歩くと蓬莱山頂も見えてくる。稜線を下って左に曲がれば小女郎ヶ池の湿原である。 池のほとりには小女郎池伝説の看板があるので、それを読んでから小女郎峠に向かう。小女郎峠南の小高いピークは眺めも良く休憩によいだろう。峠から蓬莱山までは少しあるが快適な稜線の道で、がんばって登れば30分程度で頂上である。頂上はスキー場のリフト降り場になっており、半円形の展望デッキもあり、琵琶湖の眺めも最高である。国道367号の坂下トンネルを越えたところに下坂下バス停がある。下坂下から延びる旧道を安曇川に沿って南に戻り、集落の南端、道が西に曲がる手前で左下の道に入る。橋を渡ってすぐ左手に、川沿いを上るサカ谷登山道の入口がある。目立たぬ入口なので要注意、そのまま右に進めば近畿自然歩道となってしまう。 さて、入口から堰堤をいくつか越えると、渡渉点がある。対岸に渡り、道標を過ぎると、やがて急坂になる。このジグザグ道を登り、尾根を横切り、さらに進んで広い広葉樹林帯の緩斜面となり、ついで杉の植林の急斜面となる。谷状の急斜面を登り、尾根に出ると、坂はゆるやかになる。あとは少しずつ登って高度を稼ぐ。しばらくシダの草原の中を歩くと蓬莱山頂も見えてくる。稜線を下って左に曲がれば小女郎ヶ池の湿原である。 池のほとりには小女郎池伝説の看板があるので、それを読んでから小女郎峠に向かう。小女郎峠南の小高いピークは眺めも良く休憩によいだろう。峠から蓬莱山までは少しあるが快適な稜線の道で、がんばって登れば30分程度で頂上である。頂上はスキー場のリフト降り場になっており、半円形の展望デッキもあり、琵琶湖の眺めも最高である。 -
キタダカ道から蓬莱山
- 日帰り
- 3時間35分
キタダカ道から蓬莱山
- 日帰り
- 3時間35分
JR志賀駅から国道161号を過ぎ、木戸の樹下神社前に行く。左右どちらからでも登れるが、ここは左を行くとしよう。新しい住宅地を過ぎ、湖西道路のトンネルをくぐると道路下の舗装道であるが、南側山手に林道の入口がある。これは、びわ湖バレイの駐車場につづく道で、300mほど上ると右への分かれ道がある。この道は広いが勾配がきつい。盤所橋からの道との合流点を過ぎ、この林道を詰めたところが大きな堰堤で、ここを高巻くと昔からの登山道となる。 谷から尾根近くの天狗杉まではつづら折れが幾度となく繰り返される。天狗杉はひときわ大きな杉の木で休憩によい。ここを過ぎると道は狭くなる。花崗岩が見え隠れし、南の展望を得た後、道が北斜面に巻き込むとクロトノハゲが現れる。クロトノハゲは花崗岩とそのザレ場である。なお、ここから木戸峠への道は崩落が多く通行止のため地図から削除した。 クロトノハゲからはさらにもうひと息打見山に向かって進み、平坦部から左にトラバースしてロープウェイ下をくぐり抜ける。この辺りから琵琶湖の展望が広がってくる。天命水から打見山頂上はすぐ、頂上から少し下ると笹平である。蓬莱山へは笹平からゲレンデの端を登る。なお、打見山には琵琶湖を一望できる「びわ湖テラス」がつくられた。JR志賀駅から国道161号を過ぎ、木戸の樹下神社前に行く。左右どちらからでも登れるが、ここは左を行くとしよう。新しい住宅地を過ぎ、湖西道路のトンネルをくぐると道路下の舗装道であるが、南側山手に林道の入口がある。これは、びわ湖バレイの駐車場につづく道で、300mほど上ると右への分かれ道がある。この道は広いが勾配がきつい。盤所橋からの道との合流点を過ぎ、この林道を詰めたところが大きな堰堤で、ここを高巻くと昔からの登山道となる。 谷から尾根近くの天狗杉まではつづら折れが幾度となく繰り返される。天狗杉はひときわ大きな杉の木で休憩によい。ここを過ぎると道は狭くなる。花崗岩が見え隠れし、南の展望を得た後、道が北斜面に巻き込むとクロトノハゲが現れる。クロトノハゲは花崗岩とそのザレ場である。なお、ここから木戸峠への道は崩落が多く通行止のため地図から削除した。 クロトノハゲからはさらにもうひと息打見山に向かって進み、平坦部から左にトラバースしてロープウェイ下をくぐり抜ける。この辺りから琵琶湖の展望が広がってくる。天命水から打見山頂上はすぐ、頂上から少し下ると笹平である。蓬莱山へは笹平からゲレンデの端を登る。なお、打見山には琵琶湖を一望できる「びわ湖テラス」がつくられた。