八方尾根から祖母谷温泉へ

コース難易度
上級
  • 2泊3日
  • 13時間40分
  • 17.7km

コースガイド

唐松岳の西に延びるロングコース。八方尾根と結べば、信州、越中の国境越えが味わえます。
テクニック度
岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要
難易度の目安
難易度の目安
テクニック度
    岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける
    岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要
    岩場やクサリ場などがあって、中級以上の技術と経験が必要
山行日数
2泊3日
歩行時間
13時間40分
歩行距離
17.7km
最大高低差
2,030m
水場
大黒銅山跡等
トイレ
各山小屋
 本コースは健脚向きです。下りが続くものの、道程は非常に長く、踏破にはかなりの体力が必要となります。唐松岳頂上山荘を早立ちすること、途中の餓鬼山避難小屋利用を考慮し、必要な装備を持って入山することをおすすめします。八方池山荘から唐松岳頂上山荘までは八方尾根から唐松岳、五竜岳へ(コースガイド)を参照。
 唐松岳頂上山荘を出発。すぐ下に位置するキャンプ場を抜け、唐松岳南側の斜面を横切る道に入ります。周辺はガレ場で、随所にクサリが架かります。残雪時は特に注意しましょう。これを抜けると足元の危うさは無くなり、樹林帯に入ります。この先「馬鹿下り」と呼ばれる急坂を下ります。しばらく我慢が続きます。尾根の下部に至ると視界が開け、平坦になります。木道を道なりに進むと、沢に下りる枝道との分岐に出ます。沢までは往復約15分で水を補給できます。分岐からわずかに進むと大黒銅山跡に出ますが、赤茶けた石が小山を作っているくらいで、往時を思わせるものはほとんどありません。
 銅山跡から餓鬼山への道はヤセ尾根に延びますが、かなりきつい傾斜です。途中に旧道がありますが、ほとんどヤブに没しているので迷う心配はないでしょう。要所に架かるロープやハシゴを頼りに登ると、ようやく餓鬼山に到着します。山頂は灌木に囲まれているものの、唐松岳をはじめ周囲の山を望むことができます。登り同様のヤセ尾根をロープ、ハシゴを頼りに下る。針葉樹林に入ってしばらくゆくと餓鬼山避難小屋に至ります。整備されていますが、近くに水場はありません。
 避難小屋からゆるやかに下ると餓鬼ノ田圃です。地名の由来となった湿地は左手にあります。さらに進むと南越峠へ。このあたりにはブナが多く美しい風景が広がります。ロープを頼りに稜線を右に逸れ、「四十八曲り」と呼ばれる急坂を下って南越沢に向かいます。滑りやすいので注意して下さい。坂の途中に水場の標識がありますが、涸れていることもしばしばなので、水は南越沢で汲むようにしましょう。苔むした道を慎重に下れば南越沢に至ります。
 南越沢出合からしばらくは沢床を歩きます。ペンキ印を見落とさないように注意して下さい。山腹の道に取着き、ロープを頼りに高巻いていきます。これを過ぎると、眼下に堰堤が見えてきます。林道に合流し、鉄橋を渡ると、ようやく祖母谷温泉小屋に到着です。ロングコースを歩いたあとの湯は格別です。あとは林道を下り、黒部峡谷鉄道の欅平駅へ。
祖母谷コース起点となる唐松岳頂上山荘。左が唐松岳。
餓鬼山山頂からの展望。右が唐松岳、左は天狗ノ頭。
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