初心者でも安心!斑尾山登山と野尻湖テラスをめぐる絶景ハイキングコースガイド

長野県と新潟県の県境にそびえる斑尾山は、北信五岳のひとつとして知られ、野尻湖や妙高山を望む絶景が魅力の登山スポットです。標高は1,382mと比較的登りやすく、観光リフトを利用すれば体力に不安のある方でも手軽に山歩きが楽しめます。
特に山頂近くの「野尻湖テラス」からのパノラマビューは圧巻。秋にはカラマツやブナの紅葉が彩りを添え、登山初心者や家族連れにもぴったりのルートです。
この記事では、斑尾山登山の基本情報から、野尻湖テラスや大明神岳までの見どころ、アクセス情報まで、初めての方でも安心して楽しめる一日ハイキングコースをわかりやすくご紹介します。
斑尾山とは?北信五岳のひとつで初心者にも人気の山
斑尾山(まだらおやま)は標高1,382m。長野県信濃町と新潟県妙高市の県境に位置し、妙高山・戸隠山・黒姫山・飯縄山とあわせて「北信五岳(ほくしんごがく)」と呼ばれる名峰のひとつです。その中では最も標高が低いものの、裾野を大きく広げたどっしりとした山容が印象的で、山麓に広がる高原リゾートとのアクセスの良さから、登山初心者やファミリーにも人気があります。
斑尾山は、信越トレイルやあまとみトレイルなど、長距離縦走路の起点・終点としても知られており、複数の登山ルートが整備されているのが特徴です。ルートによって景色や難易度が異なるため、何度訪れても新たな魅力を発見できるのも、この山の大きな魅力です。
斑尾山登山のモデルコース

本記事では、リゾート施設「タングラム斑尾東急リゾート」からスタートし、観光リフトを活用しながら、野尻湖を望むテラスや大明神岳の展望地などを巡る周回コースをご紹介します。体力や時間に応じて調整しやすいルート構成で、自然を満喫しながら無理なく楽しめるコースです。
距離:約5.5km
標高差:約300〜600m(リフト利用によって調整可能)
難易度:初級〜中級(道は整備されており、初心者でも歩きやすい)
アクセス方法|斑尾山登山の起点「タングラム斑尾」までの行き方

登山のスタート地点、タングラム斑尾東急リゾート
斑尾山登山の拠点となるのは、「タングラム斑尾東急リゾート」。登山口・観光リフト・駐車場・温泉施設が一体となったリゾート施設で、登山だけでなく観光や宿泊も一緒に楽しめる人気のスポットです。
アクセス方法
● 車の場合
・上信越自動車道「信濃町IC」または「妙高高原IC」から車で約20分(敷地内に無料駐車場あり)
● 公共交通機関の場合
・JR北陸新幹線「長野駅」からしなの鉄道またはえちごトキめき鉄道に乗り換え、「妙高高原駅」または「黒姫駅」下車後、タクシーで約20分

ホテルの入口から登山口へと向かう
登山口はタングラム斑尾の施設内にあり、ホテルの1階部分を抜けて観光リフト方面へ向かえば、リフト乗り場や登山口がすぐ見えてきます。観光リフトを活用すれば標高差を約300mカットできるので、体力に自信のない人にも安心。もちろん、歩いてリフト下を登っていくルートも整備されており、好みに応じて選べます。
リフトはゴールデンウィークから11月上旬まで毎日運行(9:00〜16:00)。往復チケットのみの販売で、片道のみの利用でも料金は同一なので、下山時に歩くかどうかも計画時に考慮しておくと良いでしょう。
登山スタート!野尻湖テラスを目指して登ろう

リフト乗り場
タングラム斑尾東急リゾートの敷地内から、いよいよ斑尾山登山のスタートです。リゾートの1階を抜けてリフト乗り場へ向かえば、標高約800mの地点から約1100m地点まで、一気に上がることができる観光リフトがあります。片道約10分、気軽に標高差300mをクリアできるため、登山初心者や体力に不安のある人にも心強い選択肢です。なお、リフトチケットは往復券のみで、登りだけ使いたい場合でも料金は変わりません。復路に利用する場合は、最終便(16:00)を逃さないよう計画を立てましょう。

フト乗り場脇が登山口で、番号が付けられた案内看板も設置
リフトを利用しない場合は、リフト乗り場脇の登山口から徒歩で登ることも可能です。スキーシーズンはゲレンデとなるこの斜面は、夏季にはしっかりと草が刈られ、歩きやすく整備されています。

季節によって違う花が植栽されている
沿道には高原植物が植えられており、季節ごとにさまざまな花が彩りを添えてくれます。森林に囲まれた開放的な登山道をのんびりと登っていくのも、斑尾山の楽しみ方のひとつです。

野尻湖テラス。展望が素晴らしく休憩に最適なスポット
リフト終点に広がる「野尻湖テラス」は、眼下に野尻湖を望み、晴れた日には妙高山や黒姫山などの北信五岳の雄姿を一望できる絶景ポイント。周辺には木製の展望デッキやカフェも整備されており、登山の前にひと息つくのにも最適です。

野尻湖や妙高山、黒姫山が良く見える
時間に余裕があるなら、野尻湖と山並みの眺望をゆったり楽しんでから、斑尾山の山頂を目指して歩き始めましょう。
野尻湖テラスから斑尾山・大明神岳へ

野尻湖テラスから第2展望デッキを経由して山頂を目指す
野尻湖テラスで絶景を楽しんだら、いよいよ斑尾山の山頂を目指して出発です。ここからはスキー場のコース跡を活用した登山道を歩いていきます。斜面の傾斜は少しずつ急になっていきますが、道幅は広く整備されていて歩きやすく、登山に不慣れな人でも安心して進めるルートです。

ヤナギラン、季節によって高原の花が楽しめる
しばらく進むと、万坂峠との分岐に到着します。この分岐を直進して尾根をたどれば、斑尾山の北山頂を経て本峰へと至ります。

ブナ林に囲まれた登山道
道は徐々に細くなり、より本格的な登山道の雰囲気が感じられるようになりますが、周囲は美しいブナ林に包まれ、足元には落ち葉がふかふかに積もり、気持ちのよい道のりが続きます。

展望がほとんどない、斑尾山頂
やがて登り切ると、斑尾山の山頂(標高1,382m)に到着です。山頂周辺は木々に囲まれているため、展望はほとんどありませんが、ここまでの道中で体感した自然の豊かさが、山頂の静けさと相まって心に残る体験となるはずです。

大明神岳へは、斑尾山頂から片道10分ほど
天気がよく体力に余裕があれば、ぜひ山頂からさらに東へ足を伸ばして「大明神岳」へ。片道10分ほどの道のりでたどり着くこの小ピークからは、視界が一気に開け、野尻湖を中心としたパノラマが広がります。

大明神岳からの展望。北信五岳を一望しよう
右手には妙高山、正面には黒姫山、左手には飯縄山、そして奥には戸隠山と、北信五岳を一望する絶好のビュースポットです。登ってきたご褒美のような大展望に、思わず息を呑むことでしょう。
斑尾山から万坂峠を経てタングラム斑尾へ下山

木々に囲まれながらも開放的なロケーション
大明神岳で北信五岳の大パノラマを堪能したら、来た道を斑尾山の山頂まで戻り、さらに万坂峠方面への分岐まで下っていきます。分岐を右に折れると、帰路は再びスキー場のコース内に設けられた登山道。九十九折れのルートがしっかりと整備されており、傾斜も比較的ゆるやかなので、膝や足首への負担が少なく、初心者にもやさしい下山コースです。

紅葉の見頃は例年10月中旬頃
眼下に広がるゲレンデや斑尾高原の風景を楽しみながら、開放感あふれるトレイルを歩く時間は格別。特に秋には、足元を彩る落ち葉や紅葉が美しく、季節の移ろいを感じながら気持ちよく下山できます。
万坂峠を過ぎてさらに進むと、ほどなくして出発地点であるタングラム斑尾に到着。ホテル周辺には日帰り入浴が可能な温泉施設もあるので、トレッキングの疲れを癒やすのにぴったりです。汗を流してから、野尻湖の風景を思い出しながら帰路につくのも、この山旅を締めくくる楽しみのひとつになるでしょう。
斑尾山登山と野尻湖テラスで、手軽に絶景と自然を満喫しよう

斑尾山は、リフトを活用することで標高差を抑えつつ、山頂の静けさや大明神岳からの大展望まで楽しめる、バランスの良い山旅が叶う場所です。北信五岳の中ではもっとも登りやすく、整備された登山道と温泉施設のあるタングラム斑尾の利便性も相まって、登山初心者からファミリーまで多くの人に親しまれています。
登山後は温泉に立ち寄って、心も体もリフレッシュ。信州の自然と山の恵みを一日満喫できる、斑尾山ハイキング。次の休日に、ぜひ訪れてみてください。
執筆・写真:山と高原地図「妙高・戸隠・雨飾」著者 中野豊和
斑尾山登山のモデルコース

【スタート】タングラム斑尾 ⇒ 野尻湖テラス(リフト利用) ⇒ 北山頂 ⇒ 斑尾山山頂 ⇒ 大明神岳(展望スポット) ⇒ 斑尾山山頂 ⇒ 万坂峠 ⇒ 【ゴール】タングラム斑尾
時間:約3〜4時間
距離:約5.5km
標高差:約300〜600m(リフト利用によって調整可能)
難易度:初級〜中級(道は整備されており、初心者でも歩きやすい)
【もしもの時のために・・・】紙地図も携行しよう!


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