剣山登山で絶景と自然を満喫!初心者にもおすすめの3つの人気ルート

四国・徳島県の名峰「剣山」は、日本百名山にも選ばれたパワースポット。標高1,955mの頂へはロープウェイでもアプローチ可能で、登山初心者にも人気です。
この記事では、体力や目的に合わせて選べるおすすめ登山ルート3選をご紹介。山頂から望む四国の絶景や、豊かな自然に心癒やされる剣山登山の魅力をたっぷりお届けします!
剣山ってどんな山?

剣山は徳島県西部に位置する標高1,955mの山で、古くから山岳信仰の霊山としても知られています。西日本では2番目に高い山ですが、登山道は整備されており、初心者でも登りやすいルートがあるのが魅力です。
10月中旬からは紅葉が見頃を迎え、例年「もみじ祭り」も開催されます。また、剣山はパワースポットとしても人気があり、山頂付近にある神社や、日本百名水に選ばれた「御神水(おしきみず)」など、登山をしながらスピリチュアルな名所も巡ることができます。
登山初心者にも挑戦しやすく、自然の美しさや歴史、文化にふれられる剣山。初めての登山にもおすすめの名峰です。
- 徳島県
- 1,955m
- 百名山
剣山登山の服装と持ち物チェック

剣山は初心者でも登りやすい登山道が整備された山ですが、標高が1,955mあるため、山頂に近づくほど気温が大きく下がります。たとえ夏でも防寒対策は必須です。安全に登山を楽しむためにも、服装と装備はしっかり整えておきましょう。
【服装のポイント】
・長袖を基本に、脱ぎ着しやすい重ね着スタイル
・靴底がしっかりした登山靴(トレッキングシューズでも可)
・日差し・熱中症・虫対策にも帽子を忘れずに
・朝晩の冷え込みに備えて軽量の防寒着も持参
【あると安心な持ち物】
・リュックサック(両手が空くタイプがおすすめ)
・タオル
・虫除けスプレー
・ヘッドランプまたは懐中電灯(万が一に備えて)
・雨具(天候は急変することがあります)
・救急用品(絆創膏、消毒液など)
・水分(500ml〜1L以上)と行動食
登山は自然とのふれあいを楽しむアクティビティ。マナーを守り、余裕を持った装備で、安全で気持ちのよい山時間を楽しみましょう!
剣山登山口までのアクセス情報

【車でのアクセス】
剣山登山口(見ノ越)へは、以下のルートからアクセスできます。
・徳島市中心部から国道438号経由:約2時間
・脇町ICから国道492号・438号経由:約2時間
・美馬ICから国道438号経由(つるぎ町貞光):約1時間30分
・井川池田ICから国道32号・439号経由:約2時間
【バスでのアクセス(ぐるっと剣山登山バス)】
季節運行の「ぐるっと剣山登山バス」は2ルートがあります。
貞光・一宇ルート(料金:3,000円)
・貞光駅 7:50発/13:20発 → 見ノ越 9:24着/15:15着
池田・東祖谷ルート(料金:3,170円)
・池田バスターミナル 8:15/10:25発 → 見ノ越 11:10着/14:08着)
※いずれのルートも本数が限られているため、事前に時刻表の確認をおすすめします。
剣山登山の前に!劔神社で安全祈願&登山リフトで西島駅へ

剣山登山のスタート地点「西島駅」へ向かう前に、まずは劔神社で登山の安全を祈願しておきましょう。劔神社は登山口のある見ノ越エリアにあり、古くから山岳信仰の拠点として親しまれてきました。神主さんによる登山祈願も行っており、当日の申し込みでも快く対応してくれますが、スムーズに進めたい場合は事前予約がおすすめです。

劔神社で安全祈願<画像提供:劔神社HP>
参拝を終えたら、剣山観光登山リフトに乗って、登山のスタート地点である標高1,750mの「西島駅」へ。リフトは標高1,420mの「見ノ越駅」から出ており、約15分の空中散歩を楽しめます。

リフトからの景色
広がる山々の景色を眺めながら、ゆっくりと標高を上げていく時間は、登山前の気持ちを高めてくれます。
なお、リフトを使わずに徒歩で「西島駅」を目指すことも可能。整備された登山道を約40分かけて歩けば、足慣らしにもぴったりです。体力やスケジュールに合わせて選びましょう。
次からは、西島駅から登れる3つのおすすめ登山コースを紹介します!
剣山の登山初心者におすすめ!遊歩道コース(約80分)

剣山山頂に近い「西島駅」からは、3つの登山コースが整備されています。ここでは、その中でも特に初心者におすすめの「遊歩道コース」をご紹介します。
道は整備されていて、勾配も比較的ゆるやか。子ども連れの家族や、はじめての登山でも安心してチャレンジできるルートです。西島駅からスタートすると、小さな鳥居が目印。ここから登山道が始まります。
前半は階段の多い整備された道を進みます。剣山は5月でも雪が残ることがあるため、春〜初夏の登山でも防寒対策は必須です。

5月でも雪が残る剣山
歩きはじめて約45分で「二度見展望台」に到着。目の前には、美しい稜線を描く名峰「次郎笈(じろうぎゅう)」が現れ、思わず息をのむ絶景が広がります。

時間と体力に余裕があれば、次郎笈の山頂まで足を延ばすのもおすすめです(ここから片道約1時間)。

剣山地にある次郎笈は四国百名山の一つ
展望台を過ぎると、周囲の木々が徐々になくなり、見晴らしのよい稜線歩きがスタート。気持ちのいい風を感じながら、のんびり山頂を目指しましょう。

剣山山頂までの道なり
出発から約80分、いよいよ標高1,955mの剣山山頂に到着!晴れた日には瀬戸内海や淡路島まで一望できる大パノラマが広がります。

剣山山頂、絶景が広がる
山頂からも再び次郎笈の姿を楽しめる、剣山登山の醍醐味を味わえるコースです。

山頂から見る「次郎岌」
剣山登山でパワースポット巡り!大剣道コース(約60分)

剣山の魅力を感じるなら、神聖なスポットをめぐる「大剣道コース」がおすすめです。西島駅からスタートし、大劔神社や御神水といったパワースポットを経由しながら、山頂を目指します。登山道はやや傾斜がありますが、見どころが多く充実感たっぷりのルートです。
登山リフトを降りて西島駅から歩くこと約10分、鳥居が見えてきたら「大劔神社」への入口。さらに10分ほど登山道を進むと、剣山の霊場として知られる大劔神社が現れます。

良縁を結ぶ大剣神社 <画像提供:剣神社HP>
背後には約50mもの「御塔石(おとういし)」がそびえ立ち、「天地一切の悪縁を絶ち、現生最高の良縁を結ぶ」という力強い文字が刻まれています。登山の途中でぜひ立ち寄りたい、心洗われる場所です。
神社から少し歩くと、日本の名水百選にも選ばれた「剣山御神水」に到着。カルシウムを多く含み、若返りの水とも言われるこの湧水で、喉を潤すとともに健康祈願も忘れずに。

剣山御神水 <画像提供:環境省>
その後、やや急な登山道を約35分登ると、「劔山本宮 宝蔵石神社」に着きます。

劔山本宮 宝蔵石神社
剣山という名の由来とも言われるこの神社は、安徳天皇の宝剣が納められているという伝承の地。神秘的な空気が漂い、登山の疲れも吹き飛ぶような静けさが広がります。
さらに5分ほど歩くと整備された木道が広がり、標高1,955mの剣山山頂に到着!

剣山山頂に広がる木道
このルートは途中で「遊歩道コース」ともつながっているため、展望の異なるルートを楽しめるのも魅力です。
最短ルートで剣山の山頂へ!尾根道コース(約40分)

剣山の山頂を最短距離で目指したい方には「尾根道コース」がおすすめ。距離は短いものの、急な階段や坂道が続くため登りごたえは十分。短時間で達成感を得たい登山者にぴったりのコースです。
西島駅から出発して15分ほどで、3つの登山ルートが交差する分岐点に到着します。ここからは、記事では紹介していないルートですが「行場コース」や「大剣道コース」に合流することも可能です。

3つの登山コースの分岐点
道中には見どころも。歴史あるスポット「刀掛の松」は、安徳天皇が従者の持つ宝剣を松の枝に掛けたという伝説が残るパワースポット。看板の奥にひっそり佇むその松は、歴史ロマンを感じさせてくれます。

刀掛の松
さらに20分ほど進むと、「大剣道コース」でも立ち寄る「劔山本宮 宝蔵石神社」に到着。この神社は剣山の名前の由来にもなった場所で、神秘的な雰囲気が漂います。足場が不安定な箇所もあるので、焦らずマイペースに歩きましょう。

剣山山頂までの道なり
山頂まではあと一歩。登りきれば標高1,955mからの絶景が広がり、晴れた日には瀬戸内海や淡路島まで望めます。岩場もあるため、写真撮影の際は足元に注意して楽しんでください。

岩場上に登って撮影すればフォトジェニックな一枚が!
山頂にある「剣山頂上ヒュッテ」では、うどんやそばなどの温かい軽食が人気。冷えた体を温めてくれる名物「あめ湯」は、生姜の風味が効いた優しい味わいで登山後にぴったりです。

食事もできる、青い屋根が目印の剣山頂上ヒュッテ

名物「あめ湯」は冷えた体を温めてくれる
さらに宿泊すれば、朝日や夕日、星空を剣山の頂から眺めるという貴重な体験も。日帰り登山も魅力ですが、時間に余裕がある方は、ぜひ山小屋泊にも挑戦してみてください。

剣山頂上からの夜景
剣山登山と一緒に立ち寄りたい!奥祖谷の秘境「二重かずら橋」

剣山を訪れたら、ぜひあわせて足を延ばしたいのが「奥祖谷二重かずら橋(おくいや にじゅうかずらばし)」。剣山登山口・見ノ越から車で約30分の場所にあり、自然と歴史が息づく秘境スポットとして人気です。
この橋は、長さ42mの「男橋(おばし)」と22mの「女橋(めばし)」の2本が並んで架かる全国的にも珍しい構造。平家の落人が訓練に通うために架けたと伝わり、800年の歴史を誇ります。

季節ごとに変わる風景を楽しめる
橋は木の隙間が広くスリル満点! 下を流れる清流も美しく、写真映えも抜群ですが、スマホの落下には要注意。自然と伝説が織りなすこの場所は、剣山登山とセットで訪れるのにぴったりの観光名所です。
剣山登山で絶景とパワースポットを満喫しよう!

剣山登山は、標高1,955mの山頂から望む雄大な景色はもちろん、歴史ある神社や名水といったパワースポットも楽しめるのが魅力です。
整備された登山道には、初心者にも安心な「遊歩道コース」、ご利益スポットを巡れる「大剣道コース」、達成感のある「尾根道コース」と、目的に応じて選べるルートが揃っています。
体力や時間に合わせて、自分にぴったりのルートで剣山の自然と信仰の空気を感じてみましょう。きっと忘れられない登山体験になるはずです。
- 徳島県
- 1,955m
- 百名山

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