縄文杉トレッキング完全ガイド コース・難易度・所要時間・アクセスを解説
屋久島を代表するトレッキングスポット「縄文杉」。荒川登山口からの往復は約22km、所要時間は10時間前後におよびますが、道中では豊かな森や屋久杉の巨樹、ウィルソン株など、屋久島ならではの風景に出会えます。
この記事では、縄文杉トレッキングのコースや難易度、所要時間、見どころをはじめ、荒川登山口へのアクセス、登山バスの利用方法、必要な装備や注意点まで紹介します。初めて挑戦する方は、無理なく歩けるかを判断しながら計画づくりに役立ててください。
目次
登山前に押さえておきたい縄文杉トレッキングの基礎知識
屋久島を代表する縄文杉を訪ねるトレッキングは、日帰りでも往復約22kmを歩く長時間の山行です。トロッコ道が長く続く一方、大株歩道入口からは急な階段や木の根、岩が多い登山道となるため、事前にコースの特徴や必要な体力を把握しておきましょう。
ここでは、縄文杉の概要やコースの基本情報、日帰りと1泊2日の違い、ガイドを利用するかどうかについて解説します。
縄文杉とは

ウィルソン株
縄文杉トレッキングでは、荒川登山口からトロッコ道と大株歩道を歩き、縄文杉を往復するコースが一般的です。
| 項目 | 内容 |
| 起点 | 荒川登山口 |
| 歩行距離 | 往復約22km |
| 所要時間 | 約9~10時間 |
| 主なルート | 荒川登山口~小杉谷集落跡~大株歩道入口~ウィルソン株~大王杉~縄文杉 |
| コースの特徴 | 長いトロッコ道と、大株歩道入口から続く登山道 |
| 必要な体力 | 長距離を9~10時間程度歩き続けられる体力が必要 |
技術的に極端に難しいコースではありませんが、早朝から長い距離を歩くため、体力と持久力が求められます。特に帰路では疲労がたまった状態でトロッコ道を長時間歩くことになるため、往路でペースを上げすぎないことが大切です。
雨天時は木道や木の根、岩が滑りやすくなります。普段から運動する習慣がない場合は、事前に長時間歩く練習をしておきましょう。
日帰りと1泊2日のどちらで歩くか

縄文杉トレッキングは、日帰りで歩くのが一般的です。早朝に荒川登山口を出発し、縄文杉を見学して、帰りの荒川登山バスに間に合うように下山します。
日帰りでは9~10時間程度の行動になるため、歩行ペースだけでなく、休憩時間や縄文杉の見学時間も含めて計画を立てましょう。予定より進みが遅れている場合は、縄文杉へ到着する前でも引き返す判断が必要です。
高塚小屋や新高塚小屋を利用し、1泊2日で歩く方法もあります。ただし、いずれも寝具や食事、電気などのない無人避難小屋です。寝袋や食料、調理器具などの宿泊装備を背負って歩く必要があるため、山中泊の経験がある登山者向けの行程と考えましょう。
避難小屋は予約制ではありませんが、現在は利用予定日の事前申告が試行されています。事前申告をしても場所が確保されるわけではないため、利用者同士で譲り合う必要があります。高塚小屋・新高塚小屋の利用案内も確認しておきましょう。
縄文杉トレッキングにガイドは必要?
縄文杉トレッキングは、ガイドの同行が必須のコースではありません。ただし、次のような人はガイドの利用を検討するとよいでしょう。
・長時間の登山に慣れていない人
・屋久島で初めて登山する人
・ペース配分や引き返す判断に不安がある人
・雨天時の歩行やルート判断に不安がある人
・屋久島の自然や歴史について解説を聞きながら歩きたい人
ガイドツアーによっては、宿泊施設から登山バス乗り場までの送迎や、弁当の手配に対応している場合もあります。サービス内容や参加条件を確認し、自分に合ったツアーを選びましょう。
ガイドを利用しない場合も、地図や登山地図アプリを用意し、コースと当日の行程を事前に確認してください。
荒川登山口へのアクセスと登山前の準備
縄文杉トレッキングの一般的な起点となる荒川登山口へは、時期によって一般車両の乗り入れが規制されるため、荒川登山バスまたはタクシーを利用します。
登山当日の移動で慌てないよう、アクセス方法や乗車券の購入、登山届などの準備を前日までに済ませておきましょう。
荒川登山口へのアクセス

登山口にある休憩スペース
3月1日から11月30日までは、荒川登山口へ通じる町道荒川線で一般車両の乗り入れが規制されます。
町道荒川線で車両乗り入れ規制が行われている期間は、マイカーやレンタカー、バイク、自転車で荒川登山口まで向かうことはできません。
マイカーやレンタカーを利用する場合は、屋久杉自然館前の駐車場に車を止め、荒川登山バスに乗り換えます。宿泊施設から屋久杉自然館前まで路線バスや送迎車を利用する場合は、早朝の移動方法も確認しておきましょう。
荒川登山口まではタクシーでもアクセスできます。ただし、早朝は利用が集中する可能性があるため、利用する場合は事前予約をおすすめします。
車両規制の期間や登山バスの運行時刻は変更されることがあります。出発前に、荒川登山バスの最新情報を確認してください。
荒川登山バスの乗車券を購入する
荒川登山バスを利用する場合は、事前に乗車券を購入しておきましょう。乗車券は屋久島内の観光案内所などで販売されています。
販売場所や運賃、利用方法は変更される可能性があるため、屋久島へ到着する前に最新情報を確認し、できるだけ登山前日までに購入を済ませてください。
登山届を提出する
万が一の事故や遭難に備え、出発前に登山届を提出しましょう。登山届には、歩くコースや入山日、下山予定時刻、緊急連絡先などを記入します。
登山届は屋久島の空港や港、観光案内所、宿泊施設、登山口などで入手・提出できます。家族や知人にも、当日のコースと下山予定時刻を伝えておきましょう。
予定より下山が遅れる場合は、宿泊施設などへ連絡してください。
山岳部環境保全協力金を納める

協力金の礼として屋久杉で作った木札
屋久島の山岳環境や登山道、山岳トイレなどの維持管理を支えるため、山岳部環境保全協力金の納入に協力しましょう。
基本額は、日帰り入山の場合が1人1,000円、山中泊を伴う場合が1人2,000円です。荒川登山口から入山する場合は、荒川登山バスの乗車券を購入する際に納めることもできます。
金額や受付場所は変更される可能性があるため、山岳部環境保全協力金の公式サイトで最新情報を確認してください。
登山前日までに準備しておきたいこと
登山当日は早朝から移動するため、食事や交通手段も含めて前日までに準備を済ませておきましょう。
・荒川登山バスの乗車券を購入する
・登山届を作成・提出する
・山岳部環境保全協力金を納める
・宿泊施設からバス乗り場までの移動方法を確認する
・朝食・昼食・行動食を用意する
・天気予報と登山バスの運行情報を確認する
・ヘッドランプや携帯電話の充電、荷物の防水対策を確認する
早朝は飲食店や商店が営業していないことがあります。登山弁当を利用する場合も、受け取り場所や時間を前日までに確認してください。
縄文杉トレッキング開始までのモデルスケジュール

整備されたトロッコ道が続く
縄文杉トレッキングは往復9~10時間程度を要するため、早朝の出発が基本です。登山バスの時刻や宿泊先から屋久杉自然館までの移動時間を確認し、余裕を持って準備しましょう。以下は、日帰りで歩く場合のモデルスケジュールです。
3:30ごろ 起床・準備
天候を確認し、服装や装備、行動食などを最終確認します。
4:30ごろ 宿泊先を出発
朝食や登山弁当は、宿泊先で用意してもらえる場合があります。対応の有無や受け取り方法は、予約時に確認しておきましょう。
5:00ごろ 屋久杉自然館前から登山バスに乗車
乗車券は予約制ではありませんが、混雑緩和のため事前購入が推奨されています。出発時刻より早めに乗り場へ到着しましょう。
5:40ごろ 荒川登山口に到着
トイレを済ませ、軽食を取るなどして出発の準備を整えます。
6:00ごろ トレッキング開始
準備運動を行い、登山届の提出を確認してから出発します。帰りのバスに間に合うよう、縄文杉への到着時刻と引き返す時刻をあらかじめ決めておきましょう。
日帰りスケジュールを組むときのポイント
・登山バスは予約制ではありません。乗車券を事前に購入し、当日は時間に余裕を持って乗り場へ向かいましょう。
・荒川登山口にはトイレがありますが、トイレットペーパーを持参しておくと安心です。
・日の出前に行動する可能性があるため、ヘッドランプと予備電池を携行してください。
・帰りのバス時刻から逆算し、遅れている場合は縄文杉へ到着する前でも引き返しましょう。
・登山バスの運行時刻は変更される可能性があるため、出発前に最新の時刻表を確認してください。
縄文杉トレッキングコースを14のポイントで紹介

縄文杉トレッキングでは、荒川登山口から長いトロッコ道を歩き、大株歩道入口から本格的な登山道へ入ります。小杉谷集落跡やウィルソン株、大王杉など、コース上の見どころをたどりながら、目的地となる縄文杉を目指します。
ここでは、荒川登山口から縄文杉までの往路を14のポイントに分け、登山道の様子や見どころ、注意したい場所を順に紹介します。
縄文杉トレッキングコース情報

標準所要時間:約9~10時間(休憩時間を除く)
標高差:約700m
コースの特徴:長時間歩行を伴う体力の必要なコース
トイレ:荒川登山口、小杉谷山荘跡、大株歩道入口
携帯トイレブース:コース上の複数箇所に設置
主な装備:トレッキングシューズ、レインウエア、ヘッドランプ、防寒着、行動食、飲料水、携帯トイレなど
① 荒川登山口(標高約600m)

準備運動は念入りに
早朝の荒川登山口には、登山バスで到着した登山者が集まります。トイレと登山届ポストがあるため、出発前に用を済ませ、服装や装備を最終確認しておきましょう。
日の出前に歩き始める場合は、ヘッドランプを点灯し、準備運動をしてから出発します。
「ヘッドランプは必須」という注記は、明るくなってから出発する場合もあるため、日の出前に歩く場合に必要であることが伝わる表現に修正します。
② トロッコ道

荒川登山口から続く、枕木が敷かれたトロッコ道
荒川登山口を出発すると、かつて木材の運搬に使われていたトロッコ道が続きます。高低差は比較的小さいものの、枕木や木道を長時間歩くため、足元を確認しながら一定のペースで進みましょう。
トロッコ道で見られる3つのポイント
トロッコ道では、橋やトンネル、林業の歴史を伝えるトロッコ機関車などが見られます。橋には欄干のない場所もあるため、写真を撮る際も足元に注意してください。
① 橋
コース上には、沢や森を見渡せる橋が何度か現れます。欄干のない橋では無理にすれ違わず、対向する登山者と譲り合って通行しましょう。

② トンネル
荒川登山口を出発して間もなく、短いトンネルを通ります。暗い場合は足元を確認し、必要に応じてヘッドランプを使用してください。

③ トロッコ機関車
小杉谷集落跡までの途中では、かつて木材の運搬に使われていたトロッコ機関車が見られます。林業が営まれていた時代の面影を伝える場所です。

③ 小杉谷橋

周辺は橋を入れた撮影ポイントとしておすすめ
トロッコ道を進むと、小杉谷川に架かる小杉谷橋が現れます。橋の上からは、沢と周囲の森が織りなす景色を眺められます。

鳥居の奥には石段があり、上ると小さな社がある
橋を渡った先には大山神社へ向かう分岐がありますが、縄文杉への登山ルートは右方向です。案内表示を確認して進みましょう。
④ 小杉谷集落跡

小さな杉が林立している開けた小杉谷事業所跡
小杉谷橋を渡ってしばらく進むと、小杉谷集落跡に到着します。かつて林業に携わる人々とその家族が暮らし、学校や事業所などが置かれていた場所です。
現在は東屋やベンチがあり、トロッコ道を歩く途中の休憩場所として利用できます。長い行程はまだ続くため、水分や行動食を補給しておきましょう。
⑤ 楠川分かれ

縄文杉へは案内表示を確認して直進する
トロッコ道を進むと、白谷雲水峡方面への道が分かれる「楠川分かれ」に到着します。縄文杉を目指す場合は、案内表示に従ってトロッコ道を直進します。
白谷雲水峡へ向かう道は、縄文杉トレッキングとは異なるルートです。誤って分岐へ入らないよう、現在地と進行方向を確認してください。
⑥ 小杉谷山荘跡

紙は設置されているが、自分でも予備を持っておくと安心
楠川分かれからトロッコ道を進むと、かつて山荘があった小杉谷山荘跡に到着します。現在は山荘はありませんが、トイレとベンチがあり、休憩場所として利用できます。
トイレットペーパーが切れている場合に備え、水に流せる紙を持参しておくと安心です。利用後の紙は、現地の案内に従って処理してください。
⑦ 三代杉

倒木、伐採ののちに切り株から三代目が成長している
トロッコ道沿いに立つ三代杉は、倒木や伐採を経た杉の上で、次の世代の杉が成長を続けてきた巨樹です。世代を重ねながら森の中で生き続ける姿から、屋久島の豊かな生命力を感じられます。

雨量豊富な屋久島では世代交代を経て巨木へと成長を続ける
⑧ 仁王杉(阿形)

複雑にうねる幹は迫力がある
トロッコ道を進むと、複雑にうねった太い幹が印象的な仁王杉(阿形)が姿を現します。幹のくぼみが口を開けた仁王像のように見えることから、この名で呼ばれています。
かつて対となっていた「吽形」は倒木していますが、付近ではその姿を確認できます。登山道を外れず、足を止める際はほかの登山者の通行を妨げないように見学しましょう。

10mほど先に倒木した吽形がある
⑨ 大株歩道入口(標高 約1000m)

この看板が見えたらいったん休憩
大株歩道入口で長いトロッコ道が終わり、ここから岩や木の根、急な階段が続く本格的な登山道に入ります。縄文杉までの後半に備え、体調や残り時間を確認してから出発しましょう。
付近にはトイレや水場、携帯トイレブースがあります。トイレを済ませ、水分や行動食を補給しておくと安心です。携帯トイレブースを利用する場合は、携帯トイレを持参してください。

再出発する山道へは急勾配の階段を上る
⑩ 翁杉(倒木)

倒木した幹に苔や植物が育つ翁杉
大株歩道入口から登山道を進むと、倒木した翁杉が現れます。かつて縄文杉に次ぐ太さを誇った屋久杉で、倒れた幹には苔や植物が育ち、森の中で新たな命を支えています。
⑪ ウィルソン株

切り株に入って右から見上げるとハート型に見える
登山道を進むと、巨大な切り株「ウィルソン株」に到着します。切り株の内部には空洞があり、特定の位置から空を見上げると、切り口がハート形に見えることで知られています。
人気の撮影スポットですが、切り株に登ったり、内部の植物を踏んだりしないように注意してください。混雑している場合は長時間場所を占有せず、ほかの登山者と譲り合って見学しましょう。

大きく口が開けた切り株は大人十数名が入れるほど大きい
⑫ 大王杉

天に向かって真っすぐに幹を伸ばしている
ウィルソン株から木の根や階段が続く登山道を上ると、大王杉が現れます。縄文杉が広く知られるようになる以前に、屋久島最大とされていた屋久杉です。複雑にうねる太い幹から、長い年月を生きてきた巨樹の迫力を感じられます。
大王杉の周辺では登山道が狭い場所もあります。立ち止まる際は、対向する登山者や後続の通行を妨げないよう注意しましょう。
⑬ 夫婦杉

秋はマルバヤマシグレやナナカマドが色づく
大王杉からさらに進むと、2本の杉が寄り添うように立つ夫婦杉に出会います。高い位置で枝がつながった姿が、手を取り合う夫婦のように見えることから、この名で呼ばれています。
縄文杉まではまだ上りが続きます。疲れが出やすい区間のため、足元を確認しながら無理のないペースで進みましょう。
⑭ 縄文杉(標高 約1300m)

凹凸のある木肌は人間の横顔に見える。まるで生きているようだ
長い登山道を歩いた先で、目的地となる縄文杉に到着します。幹の表面には深い凹凸が刻まれ、展望デッキからでもその大きさと複雑な樹形を感じられます。

凹凸のある木肌は人間の横顔に見える。まるで生きているよう
縄文杉と周辺の植生を保護するため、樹木の近くには立ち入れません。展望デッキから見学し、混雑時は譲り合って利用しましょう。
到着後は休憩や撮影に時間を使いすぎず、帰りの登山バスと日没時刻から逆算して下山を開始します。天候の悪化や到着の遅れがある場合は、速やかに引き返す判断も必要です。
縄文杉から荒川登山口までの帰り道
縄文杉に到着しても、トレッキングはまだ半分です。荒川登山口まで長い復路が残っているため、帰りの登山バスと日没時刻を意識し、休憩を取りながら慎重に下山しましょう。
復路では、ウィルソン株やトロッコ道など、往路で通った場所を再びたどります。ウィルソン株は、時間帯や天候によって内部に差し込む光が変わり、往路とは異なる雰囲気に見えることがあります。

午前に撮影したウィルソン株内部の様子

午後に撮影したウィルソン株内部の様子
ただし、光の見え方は当日の天候や季節によって異なります。撮影に時間をかけすぎず、混雑時はほかの登山者と譲り合って見学しましょう。
大株歩道入口までは、木の根や岩、急な階段が続きます。疲労がたまる復路では転倒しやすくなるため、足元を確認しながら無理のないペースで下ってください。
トロッコ道に戻ってからも、荒川登山口までは長い距離が残っています。沢や苔むした森など、往路で見落とした景色に気づくこともあります。

トロッコ道の橋から望む沢

登山道沿いで見られるみずみずしい苔
景色を楽しむ場合も、帰りの登山バスに間に合うよう、時間を確認しながら歩きましょう。
縄文杉トレッキングで見られる植物・動物
縄文杉までの道中では、季節の花や屋久島に生息する動物、個性的な姿をした木々に出会うことがあります。足元や周囲の森にも目を向けながら、屋久島ならではの自然を観察してみましょう。
ただし、植物や動物を見られる場所や時期は、天候や生育状況によって異なります。登山道を外れず、動植物に触れたり近づいたりせずに観察してください。
季節によって見られる植物

サクラツツジ
春から初夏にかけて、淡い紅色や白色の花を咲かせます。開花状況は標高やその年の気候によって異なります。

クロバイ
春になると、小さな白い花をまとまって咲かせる常緑樹です。花の時期には、緑の森の中で白い花が目を引きます。

ナナカマド
初夏に白い花を咲かせ、秋には葉や実が赤く色づきます。歩く時期によって異なる姿を楽しめる植物です。

ヤマボウシ
初夏になると、白い花のように見える部分が目を引く落葉樹です。山中で見上げると、緑の葉の間に白い模様が広がっているように見えます。
森で出会うことがある動物

ヤクシカ
屋久島に生息するニホンジカの仲間です。登山道付近に姿を現すことがありますが、見かけても近づいたり、餌を与えたりせず、距離を取って観察しましょう。

ヤクザル
屋久島に生息するニホンザルの仲間で、群れで行動している姿を見かけることがあります。目を合わせ続けたり、食べ物を見せたりせず、進路をふさがないようにしてください。
個性的な姿をした木々

ヒメシャラ
赤褐色のなめらかな樹皮が特徴の木です。周囲の木々とは異なる明るい色合いで、屋久島の森の中でも目を引きます。

メデューサの木
幹から複数の枝が広がる個性的な姿から、「メデューサの木」と呼ばれています。見る位置によっても印象が変わるため、登山道から樹形を観察してみましょう。

ヤマグルマ
屋久杉などの樹上で芽生え、根を地面へ伸ばしながら成長することがある木です。ほかの木を土台にして育つ、屋久島の森ならではの姿が見られます。

ハート形に見える木
森の中では、幹や枝、空洞などがハート形や動物の顔のように見える木に出会うことがあります。足元にも注意しながら、自分なりの形を探してみるのも楽しみのひとつです。
縄文杉トレッキングに必要な服装・装備

縄文杉トレッキングは、往復約22km、9~10時間程度を要するロングコースです。屋久島は雨が多く、濡れた木道や木の根、岩が滑りやすくなるため、雨天と長時間歩行に対応できる服装・装備を準備しましょう。
雨と長時間歩行に対応する服装
レインウエア
雨に備え、上下が分かれた防水透湿性のあるレインウエアを用意します。防寒着の代わりになる場合もありますが、気温が低い時期は別に保温着を携行しましょう。
「一週間のうち8日は雨」は誇張を含む慣用的な表現で、準備に必要な情報ではないため削除します。また、「ゴアテックスなど」と特定の素材・製品に寄せず、必要な性能を示します。
トレッキングシューズ
濡れた木道や岩、木の根の上を長時間歩くため、履き慣れた滑りにくいトレッキングシューズを選びましょう。防水性があり、足に合ったものが適しています。
ハイカットがすべての人に適するとは限らないため、「足首をしっかり固定できるハイカットタイプがおすすめ」という断定は避けます。靴の形状よりも、履き慣れていることとフィット感が重要です。
ベースレイヤー・防寒着
肌に触れる服は、汗を吸って乾きやすい化学繊維やウール素材が適しています。早朝や雨天時は夏でも冷えることがあるため、季節や予想気温に応じてフリースなどの防寒着を携行してください。
綿素材は濡れると乾きにくく、体を冷やすため避けましょう。
携行したい基本装備
ザック・防水対策
日帰りの場合は、必要な装備が収まる20~30L程度のザックが目安です。ザックカバーだけでは内部への浸水を完全に防げないため、着替えや電子機器などは防水バッグやビニール袋に入れておきましょう。
ヘッドランプ・予備電源
日の出前の出発や下山の遅れに備え、ヘッドランプを携行します。予備電池または充電手段も準備してください。
行動食・飲料水
長時間歩行でエネルギー切れを起こさないよう、パンやおにぎりのほか、ナッツ、エネルギーバー、ゼリー飲料など、歩きながら補給しやすい行動食を用意します。
必要な水分量は、季節や気温、体格によって異なります。現行の「最低でも1.5L」とは断定せず、十分な量を準備したうえで、コース上の水場を利用する場合も浄水器などを用意すると安心です。
携帯トイレ
コース上のトイレは限られているため、携帯トイレを必ず携行しましょう。携帯トイレブースで使用し、使用済みのものは指定された回収箱へ入れます。
そのほかの装備
地図・登山地図アプリ、モバイルバッテリー、救急用品、タオル、手袋、帽子、日焼け止め、ごみ袋なども準備します。登山地図アプリは、事前に地図をダウンロードしておきましょう。
縄文杉トレッキングの前後に泊まりたい屋久島の宿
縄文杉を日帰りで訪れる場合は早朝に出発し、下山は夕方になります。登山当日の移動負担を抑えるため、前日と下山日の2泊を同じ宿で予約しておくと予定を組みやすいでしょう。
宿泊エリアは、荒川登山バスが発着する屋久杉自然館に比較的近い安房地区が便利です。宿を選ぶ際は、早朝の移動方法に加え、朝食・昼食用の登山弁当を手配できるか、濡れた装備を乾かせる設備があるかも確認しておきましょう。
ホテル屋久島山荘
安房川を望む場所にあり、縄文杉トレッキングの拠点にしやすいホテルです。和室や洋室など複数の客室タイプがあり、大浴場では屋久島の超軟水を使った湯に浸かれます。
朝食用と昼食用の登山弁当をフロントで注文できるため、早朝に出発する日も食事を用意しやすいのが特徴です。宿泊と登山の準備を一か所で整えたい人に向いています。
民宿いっぱち
安房地区に位置し、地元の魚を中心とした家庭料理を味わえる民宿です。夕食を部屋でゆっくり食べられるため、登山前日は早めに休みたい人にも利用しやすいでしょう。
朝食付きプランで早朝登山に出かける場合は、朝食を弁当に変更できます。昼食用の弁当も別途手配できるため、希望する場合はチェックイン時に確認してください。
屋久島コテージ くつろき
安房地区にある、一棟ごとに独立したコテージタイプの宿です。全室にバスとトイレが備わり、ほかの宿泊客に気兼ねせず過ごせます。
合庁前バス停から徒歩約2分で、敷地内には無料駐車場もあります。食事の付かない宿のため、登山弁当や夕食は別途用意する必要がありますが、自分たちの時間に合わせて滞在したい人に向いています。
ほかのエリアを含めて屋久島の宿を探す
ガイドツアーの送迎範囲や島内観光の予定によっては、宮之浦や小瀬田、尾之間などの宿も候補になります。登山当日の集合場所と移動時間を確認したうえで、予算や食事、客室タイプに合った宿を選びましょう。
縄文杉トレッキングに関するよくある質問

Q. 縄文杉トレッキングは初心者でも挑戦できますか?
A. 登山初心者でも挑戦できますが、往復約22kmを9~10時間程度歩き続けられる体力が必要です。技術的に極端に難しいコースではないものの、長いトロッコ道に加え、大株歩道入口からは木の根や岩、急な階段が続きます。
普段あまり運動していない場合は、事前に長時間のハイキングや低山登山を経験しておきましょう。体力やペース配分に不安がある人は、ガイドツアーの利用も検討してください。
Q. 縄文杉トレッキングの所要時間はどれくらいですか?
A. 荒川登山口から縄文杉を往復する場合、歩行時間は約9~10時間が目安です。休憩や食事、見学にかかる時間は歩くペースによって異なるため、余裕を持った計画を立てましょう。
早朝に出発し、帰りの荒川登山バスと日没時刻から逆算して下山する必要があります。予定より遅れている場合は、縄文杉へ到着する前でも引き返してください。
Q. 縄文杉トレッキングに適した服装は?
A. 汗を吸って乾きやすいベースレイヤーと動きやすい登山用のパンツを着用し、季節や予想気温に応じて防寒着を用意します。綿素材は濡れると乾きにくく、体を冷やすため避けましょう。
屋久島では天候が変わりやすいため、上下が分かれた防水透湿性のあるレインウエアも必要です。足元には、履き慣れた滑りにくいトレッキングシューズを選んでください。
Q. 縄文杉トレッキングは雨の日でも歩けますか?
A. 雨が降っているだけで必ず中止になるわけではありませんが、降雨量や風、道路・登山道の状況を確認して判断する必要があります。雨天時は木道や木の根、岩が滑りやすくなり、沢の増水や交通機関の運休が発生する可能性もあります。
大雨や強風が予想される場合、警報が発表されている場合は入山を控えてください。登山バスの運行情報や現地の案内を確認し、ガイドや宿泊施設から中止を勧められた場合も従いましょう。
Q. 縄文杉トレッキングのコース上にトイレはありますか?
A. 荒川登山口や小杉谷山荘跡、大株歩道入口付近などにトイレがあります。ただし、設置箇所が限られているうえ、故障や混雑などで利用できない場合もあります。
コース上には携帯トイレブースも設けられているため、携帯トイレを必ず持参しましょう。使用済みの携帯トイレは、指定された回収箱へ入れてください。
Q. 縄文杉トレッキングのベストシーズンはいつですか?
A. 比較的歩きやすい時期としては、春から初夏と秋が挙げられます。春から初夏には新緑や花、秋には色づく木々など、季節ごとに異なる森の風景を楽しめます。
ただし、屋久島は年間を通して雨が多く、同じ季節でも天候や気温は日によって変わります。夏は暑さや湿度、冬は積雪や路面凍結、登山バスの運休に注意が必要です。季節だけで判断せず、出発前に最新の天気予報や交通情報を確認してください。
Q. 縄文杉トレッキングではガイドを利用した方がよいですか?
A. ガイドの同行は必須ではありません。ただし、長時間の登山に慣れていない人や屋久島で初めて登山する人、ペース配分や悪天候時の判断に不安がある人は、利用を検討するとよいでしょう。
ガイドツアーでは、屋久島の自然や歴史について解説を聞けるほか、送迎や登山弁当の手配に対応している場合もあります。参加条件やサービス内容を比較し、自分に合ったツアーを選んでください。
Q. 縄文杉までの登山道に危険な場所はありますか?
A. コースには欄干のない橋や濡れると滑りやすい木道、木の根、岩、急な階段があります。特に大株歩道入口から縄文杉までの区間は傾斜が増え、疲労がたまる復路では転倒に注意が必要です。
登山道が整備されていても、安全が保証されているわけではありません。足元を確認しながら無理のないペースで歩き、天候の悪化や体調不良がある場合は早めに引き返しましょう。
縄文杉トレッキングは事前の準備と余裕のある計画が大切

縄文杉トレッキングは、荒川登山口から往復約22km、約9~10時間をかけて歩く長距離コースです。長いトロッコ道に加え、大株歩道入口からは木の根や岩、急な階段が続くため、登山経験が少ない人も、事前に長時間歩く練習をしておきましょう。
登山前には、荒川登山口までの交通手段や登山バスの乗車券、登山届、山岳部環境保全協力金について確認しておく必要があります。天候やバスの運行状況などは変わる可能性があるため、出発前に最新情報を確認してください。
当日は帰りのバスや日没時刻を意識し、余裕のあるペースで行動することが大切です。予定より遅れている場合や、天候・体調が悪化した場合は、縄文杉への到着にこだわらず早めに引き返しましょう。十分な装備と無理のない計画を整え、屋久島の森と縄文杉を訪ねる道のりを安全に楽しんでください。

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