【屋久島トレッキング完全ガイド】縄文杉・白谷雲水峡など4大コース紹介!服装・おすすめツアー・レンタル情報まで網羅

世界自然遺産の島・屋久島は、神秘的な森と豊かな水に満ちた特別な場所。縄文杉をはじめ、白谷雲水峡、宮之浦岳、ヤクスギランドなど、歩いてこそ味わえる絶景と出会えるのが屋久島トレッキングの魅力です。

とはいえ、屋久島の自然は想像以上に奥深く、しっかりとした事前準備が必要。服装・ガイドツアーの選び方はもちろん、初心者におすすめのコース情報やレンタルショップの活用法まで、気になるポイントを徹底的に解説します。

2025年4月3日 更新

屋久島トレッキングの主なモデルコースはこの4つ

 

屋久島には、代表的なトレッキングコースが4つあります。どのルートも自然の美しさにあふれ、体力や時間、目的に応じて選べるのが魅力です。

①癒しの森歩きが楽しめる「白谷雲水峡」
②巨木に会いに行くなら「縄文杉」
③九州最高峰を制覇する「宮之浦岳」
④気軽に屋久杉観察できる「ヤクスギランド」

それぞれのコースの魅力や難易度、歩行時間などを丁寧に解説するので、自分の旅のスタイルにぴったりのルートを見つけてみてください。

①白谷雲水峡コース

 
緑一色の世界が広がる苔むす森

白谷雲水峡は、苔むす森と清流に囲まれた神秘的なトレッキングコース。歩きやすく整備されており、初めての屋久島トレッキングにもぴったりです。巨樹が立ち並ぶ森の中をゆっくり歩けば、苔の緑や水の音が心を静かに癒してくれるはず。コース途中では、映画『もののけ姫』の舞台のモデルになったとも言われる「苔むす森」にも立ち寄れます。

 
全体を苔で覆われたいくつもの巨木を目にする

自然の豊かさを全身で感じられるルートなので、体力に自信がない方や、観光気分で森を楽しみたい人にもおすすめです。足元がぬかるむ場所もあるので、滑りにくいトレッキングシューズやレインウエアの用意を忘れずに。

難易度:★★★☆☆(初心者〜中級者向け)
所要時間:往復役4時間45分(休憩時間含まず)
距離:約6.5km

②縄文杉コース

 
屋久島で最大とされる縄文杉

屋久島のトレッキングといえば、まず思い浮かぶのが「縄文杉コース」。標高約1,300mの森に佇む縄文杉は、幹周16.4m、推定樹齢は2,000年以上とも言われ、まさに神々しい存在感。屋久島で最も多くの人が訪れる定番ルートです。

 
大きく口を開けた巨大なウィルソン株

コースは片道約11kmと長く、所要時間も8時間以上と体力を要しますが、道中にはウィルソン株や夫婦杉、大王杉など、見どころが次々と現れます。トロッコ道から山道へと変化するルートは、歩きごたえもあり、冒険心をくすぐります。

体力に不安がある方は、ガイドツアーに参加するのもおすすめ。天候によっては道がぬかるむため、登山靴とレインウエアは必須です。

難易度:★★★★☆(中級者向け)
所要時間:往復約8時間20分(休憩時間含まず)
距離:約22km

③宮之浦岳コース

 
ダイナミックな山岳風景

標高1,936m、九州で最も高い山「宮之浦岳」。世界自然遺産の屋久島を象徴する主峰であり、その山頂に立てば、360度の大パノラマが広がります。眼下に続く深い森、遠くに見える種子島や屋久島の山々。まさに“島全体を見渡す”感動の風景が待っています。

コースは標高差もあり、縄文杉ルート以上にハード。登山道は急登と岩場が続き、体力と登山経験が求められます。ただ、そのぶん、原生林や高山帯、苔むす沢、稜線歩きと、屋久島の自然のすべてが凝縮されたような景観に出会えます。

天候は変わりやすく、風が強くなることもあるため、装備は万全に。日帰りではなく山小屋泊を検討するのもひとつです。

難易度:★★★★☆(中級者向け)
所要時間:往復約8時間20分(休憩時間含まず)
距離:約22km

④ヤクスギランドコース

 

「ヤクスギランド」は、屋久島の自然と屋久杉の魅力を気軽に楽しめるトレッキングコースです。名前に“ランド”とついているように、園内は整備された遊歩道が中心で、歩きやすく安心。登山に不慣れな人や、時間に余裕がない旅行者でも、無理なく屋久島の森を体感できます。

 
樹齢1800年の貫録を感じさせる仏陀杉 

園内には、30分・50分・80分・150分と4つのモデルコースが用意されており、体力や予定に合わせて自由に選択が可能。それぞれのコースでは、千年杉や仏陀杉、母子杉といった個性的な屋久杉を間近に観察できます。森の中には吊り橋や沢もあり、ちょっとした冒険気分も味わえるのが魅力です。

また、標高が高めなため、夏でも比較的涼しく、苔むした樹林の静けさと清涼感が心地よい場所。家族連れやシニア層のトレッキングにもおすすめです。

難易度:★★☆☆☆(初心者向け。整備された道が中心)
所要時間:往復約3時間30分(コースにより選択可)
距離:最長4.4km

屋久島トレッキングの基本装備。服装はどう選ぶ?

 
「防風・防水・防寒」を兼ねる 

屋久島の山は、標高が上がるにつれて天候が変わりやすく、湿度も高め。季節に関係なく雨に降られる可能性が高いため、快適かつ安全に歩くための服装を整えておくことがとても重要です。

ここでは、日帰りトレッキングを想定した基本の服装をご紹介します。装備のレンタルも充実しているので、初めての方は事前に準備リストをチェックして、足りないものは島内でレンタルを活用するのもおすすめです。

■帽子(ハットタイプがおすすめ)
直射日光や小雨、枝葉から頭を守るために必須。ツバのあるハットタイプがベター。あご紐付きだと風で飛ばされる心配もありません。

■アウター(レインウエア兼防寒着)
屋久島では晴れていても、山中では突然雨に変わることがよくあります。防水・透湿性の高くレインウエアとしても使用できるものがおすすめです。防寒着としても使えるので、少し肌寒い時にも活躍します。

■インナー(吸汗速乾タイプ)
肌に直接触れるインナーは、吸汗速乾素材の長袖シャツとタイツがおすすめ。綿素材は一度濡れると乾きにくく冷えるので避けましょう。

■ミドルレイヤー(温度調整用)
気温差が大きい屋久島では、重ね着で体温調整するのが基本。薄手のフリースやソフトシェルなど、脱ぎ着しやすいアイテムが便利です。

■ボトムス(ストレッチ性のある長ズボン)
動きやすく、引っかかりにくい伸縮性のあるトレッキングパンツが最適。ショートパンツ+レギンスでも可ですが、虫刺され対策の意味でも長ズボンが安心。

■靴(ハイカットの登山靴)
濡れた岩場や木道が多いため、滑りにくく足首をしっかり支えるハイカットタイプの登山靴が安心。靴下は厚手で速乾性のある登山用ソックスを。

ワンポイントアドバイス
標高や天候の変化に応じて「脱ぎ着しやすい服装」「濡れても冷えにくい素材」を意識するのがコツ。装備をそろえるのが不安な人は、事前にガイドに相談したり、島内のレンタルショップを活用しましょう。

雨が多い屋久島。トレッキングの装備は万全に

 
防水カバーでしっかりと雨からガード 

屋久島は「ひと月に35日雨が降る」といわれるほど、天気が変わりやすい山域です。晴れの予報でも、登山中に雨に見舞われることは珍しくありません。特に標高が上がるにつれて気温が下がり、濡れた状態での低体温症もリスクになります。

安心・快適に歩くために、以下の雨天装備を事前に準備しておきましょう。

■レインウエア(上下セパレート型)
傘やポンチョでは屋久島の山道は歩けません。上下分かれた防水透湿性の高い登山用レインウエアが必須です。安価なビニール製ではなく、しっかりとした山用の装備を選びましょう。防水・透湿性の高いアウターを着ていても念のため持っておくと安心です。軽量で動きやすいタイプがおすすめ。

■ザックカバー
ザックの中身が濡れてしまうと行動に支障が出ます。ザックの容量に合った防水カバーでしっかりガードを。カバーは風で飛ばされることもあるので、コード付きのものが安心です。

■防水スタッフバッグ・ジップ袋
レインウエアを着ていても、ザック内部は湿気がこもりがち。スマホや貴重品、着替えなどは個別に防水スタッフバッグやジップ袋で小分けしておくと安心です。

■トレッキングシューズ+速乾性靴下
シューズが濡れると足元の冷えと疲労につながります。防水性の高いトレッキングシューズを選び、靴下は速乾性の登山用を。替えの靴下を1足ザックに入れておくのもおすすめです。

ワンポイントアドバイス
屋久島では“雨具はお守り”ではなく“標準装備”です。ガイドツアーに参加する場合でも、雨具の持参は必須となっていることがほとんど。雨対策の有無が、快適さと安全性を大きく左右すると言っても過言ではありません。

登山装備を忘れても大丈夫。屋久島でレンタルできるものは?

 

屋久島でのトレッキングに必要な装備は、島内でしっかりレンタルできます。シューズやレインウエア、ザックなど、主要な登山用品はほとんど揃っており、現地で調達できるのは初心者にとっても安心材料です。

各アウトドアショップでは、コースに応じた持ち物や服装のアドバイスも受けられるため、経験が浅い方は相談しながら準備を進めるのがおすすめです。事前予約をしておくとスムーズにレンタルできるので、予定が決まり次第問い合わせておきましょう。

【レンタルできる主な装備と料金の目安】
・トレッキングシューズ:1,000円~
・レインウエア(上下セット):1,000円~
・20~30Lザック:500円~
その他にもザックカバー、ストック、ヘッドランプなども取り扱いあり。

日帰りでもしっかりとした装備が求められる屋久島では、無理に購入せず、必要なものを賢くレンタルするのも快適に歩くためのコツ。装備に迷ったら、遠慮せず現地ショップのスタッフに相談してみましょう。

はじめてでも安心。屋久島トレッキングはガイドと歩くのもおすすめ

 

屋久島の森を安全に、そして深く楽しむなら、ガイドツアーの利用もぜひ検討を。道迷いや天候の変化など、屋久島の自然には注意すべき点も多く、土地に詳しいガイドが同行することで安心感がぐっと増します。

また、ガイドは単にルートを案内するだけでなく、屋久杉や苔、地形の成り立ち、島に伝わる歴史や文化など、知識豊富な解説が聞けるのも大きな魅力。ひとりでは気づけない森の表情や、小さな発見に出会えることも少なくありません。

最近では少人数制や女性ガイドによるツアー、写真撮影を目的としたフォトトレックなど、多彩なプランが揃っており、自分の目的にあったスタイルで参加できます。

屋久島のガイドツアー情報

■屋久島メッセンジャー
対応コース:縄文杉、白谷雲水峡、ヤクスギランド など
特徴:女性ガイド/5人以下の少人数制/貸切対応/1名から参加OK
ポイント:テレビ・雑誌でも活躍する人気ガイドが主催。写真撮影のコツを学べるツアーも魅力。
>>公式サイト

■YNACクラシック
対応コース:白谷雲水峡、ヤクスギランド など
特徴:貸切/女性ガイド/1名から参加OK/1泊ツアーあり
ポイント:島のエコツアー草分け的存在。初心者でも安心の丁寧な案内が好評。
>>公式サイト

■ 美屋久(びやく)
対応コース:縄文杉、白谷雲水峡、ヤクスギランド など
特徴:貸切/5人以下の少人数制/1名から参加OK/1泊ツアーあり
ポイント:自然観察と写真を組み合わせたユニークな森歩き。太忠岳など穴場の案内も対応。
>>公式サイト

■屋久島ガイドクラブ
対応コース:縄文杉、白谷雲水峡、ヤクスギランド など
特徴:貸切/5人以下の少人数制/1名から参加OK
ポイント:トレッキングと海のアクティビティをセットで楽しめるプランも。屋久島を満喫したい人にぴったり。
>>公式サイト

ガイドツアー選びのコツ

・体力や経験に合ったコースと難易度を選ぶ
・雨具や装備のレンタルが含まれているか確認
・集合・解散場所の送迎有無もチェック

屋久島の自然は美しい反面、天候や環境の変化が激しい場所でもあります。登山初心者や体力に不安がある方、ひとりでの参加を検討している方には、ガイドツアーが心強い選択肢となるでしょう。

屋久島トレッキングポイント

屋久島でのトレッキングは、自然保護と安全確保のためのルールや利用手続きが設けられています。特に縄文杉や宮之浦岳など人気コースでは、交通規制や協力金の制度があるため、事前の確認と準備が欠かせません。ここでは登山前に押さえておきたい2つのポイントをご紹介します。

荒川登山バスの利用とチケット購入について

 
登山口にある休憩スペース 

縄文杉への登山口となる「荒川登山口」は、環境保全のため3月1日〜11月30日までマイカーの乗り入れが規制されています。期間中は、屋久杉自然館前から発着する「荒川登山バス」の利用が必須です。車で訪れる場合も、屋久杉自然館に駐車し、バスへ乗り換えることになります。

チケットは中学生以上2,000円(往復)/1,000円(片道)、小学生は1,000円(往復)/500円(片道)。観光案内所や宿泊施設など、島内各所の取扱窓口で前日までに購入しておきましょう。

【運行時刻表】
■【行き】屋久杉自然観前発~荒川登山口着
5:00、5:20、5:40、14:00 / 5:35、5:55、6:15、14:35
※6月は5:20発・5:55着の便は運休

■【帰り】荒川登山口発 / 屋久杉自然観前着
6:20、15:00、16:00、16:30、17:00、17:45 / 6:55、15:35、16:35、17:05、17:35、18:20
※6月は16:30発・17:05着の便は運休

山岳部環境保全協力金と森林環境整備推進協力金

 
協力金の礼として屋久杉で作った木札

屋久島の山岳エリアでは、自然保全を目的とした2種類の協力金制度があります。

■ 山岳部環境保全協力金(縄文杉・宮之浦岳コース対象)
日帰り:1,000円/山中泊:2,000円
荒川登山バスのチケット購入時に同時納入が可能です。前日までに観光案内所などの取扱施設で納入しておくのがおすすめです。当日納入も可能で、屋久杉自然館前のバス停で待機するスタッフに支払うこともできます。

■ 森林環境整備推進協力金(白谷雲水峡・ヤクスギランド)
一律500円(現地払い)
各施設の入口にて現金で納入します。

さあ、屋久島の森へ。心が動くトレッキングの旅へ出発!

 

屋久島の山々には、言葉では言い尽くせない自然の魅力が詰まっています。太古から生き続ける屋久杉、苔むす静寂の森、深く青い空と清流。どのルートを歩いても、心が洗われるような時間が流れていきます。

その反面、天候の急変や滑りやすい登山道など、気をつけたいポイントがあるのも事実。しっかりと準備を整え、無理のない計画を立てることが、安全で楽しいトレッキングの第一歩です。

もし不安があるなら、現地のガイドに相談するのもひとつの手。装備のレンタルも充実しており、手ぶらに近い形でもしっかり歩ける体制が整っています。

屋久島の森に一歩踏み込んだ瞬間から、日常とはまったく違う世界が広がっています。自分のペースで、無理なく、自分だけの屋久島トレッキングを楽しんでください。

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