立山・雄山の日帰り登山 室堂からのルートや所要時間、アクセス・装備を解説

富山県に位置する立山は、雄山・大汝山・富士ノ折立の3つの峰からなる山です。そのうち標高3,003mの雄山は、立山黒部アルペンルートを利用して標高2,450mの室堂までアクセスでき、無雪期には日帰りで山頂を往復できます。

室堂から雄山山頂までの登山道は、前半の石畳と、一ノ越から続く岩の多い急登で構成されています。鎖場などの難所はありませんが、標高3,000m級の高山であり、急な天候の変化や気温の低下、高山病への備えが欠かせません。

この記事では、室堂から一ノ越を経て雄山を往復する日帰り登山ルートを、所要時間や見どころとともに紹介します。室堂へのアクセス方法や必要な装備、高山病や天候の急変など、登山前に知っておきたい注意点も解説します。

2026年8月11日 更新

立山とは?今回目指す雄山の特徴

 

北アルプス北部に位置する立山は、ひとつの独立した山ではなく、雄山(3,003m)・大汝山(3,015m)・富士ノ折立(2,999m)の3つの峰の総称です。最高峰は大汝山ですが、この記事では、室堂から一ノ越を経て雄山を往復する日帰り登山ルートを紹介します。

立山は、富士山・白山と並ぶ日本三霊山のひとつです。古くから山岳信仰の対象とされ、雄山山頂には雄山神社峰本社が鎮座しています。開山期間中には、山頂で登拝することもできます。

室堂周辺や登山道では、高山植物の花々が見られるほか、国の特別天然記念物であるライチョウに出会えることもあります。ただし、野生動物や植物を守るため、登山道を外れず、距離をとって観察しましょう。

アクセス情報 立山・雄山登山の玄関口「室堂ターミナル」への行き方

 
室堂ターミナル

立山・雄山の日帰り登山は、標高2,450mに位置する室堂ターミナルから始まります。室堂へはマイカーで直接行くことができず、富山県側の立山駅、または長野県側の扇沢駅から立山黒部アルペンルートの乗り物を利用します。

日帰り登山では、登山時間だけでなく室堂までの移動や乗り換えにも時間がかかります。往路の到着時刻と室堂からの最終便を先に確認し、余裕のある計画を立てましょう。

富山県側・立山駅からアクセスする場合

富山県側からは、立山駅で立山ケーブルカーに乗り、美女平で立山高原バスに乗り換えて室堂へ向かいます。

・立山駅~美女平:立山ケーブルカーで約7分
・美女平~室堂:立山高原バスで約50分

電車を利用する場合は、電鉄富山駅から富山地方鉄道で立山駅へ向かいます。車の場合は、北陸自動車道の立山ICまたは富山ICから立山駅を目指し、駅周辺の駐車場に車を置いて乗り換えます。

乗車時間に加えて、美女平での乗り換えや待ち時間も必要です。雄山への日帰り登山では、できるだけ早い時間帯に室堂へ到着できる便を選びましょう。

長野県側・扇沢駅からアクセスする場合

長野県側からは、扇沢駅から関電トンネル電気バスに乗り、黒部ダム・黒部湖・黒部平・大観峰を経由して室堂へ向かいます。

・扇沢~黒部ダム:関電トンネル電気バスで約16分
・黒部ダム~黒部湖:徒歩約15分
・黒部湖~黒部平:黒部ケーブルカーで約5分
・黒部平~大観峰:立山ロープウェイで約7分
・大観峰~室堂:立山トンネル電気バスで約10分

複数回の乗り換えがあり、富山県側より室堂までの移動に時間を要します。黒部ダムなどの観光時間も取りたい場合は、雄山登山と同じ日に詰め込まず、室堂周辺での宿泊も検討しましょう。

電車の場合はJR信濃大町駅から路線バスで扇沢へ向かいます。車の場合は扇沢駅周辺の駐車場を利用してください。


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日帰り登山では最終便を必ず確認

立山黒部アルペンルートの運行時刻は、時期や曜日によって異なります。混雑時には乗車まで待つこともあるため、予定している最終便より早い便で室堂を出発できる計画が安心です。

悪天候によって運休や遅延が発生する場合もあります。出発前と登山当日の朝に、時刻表と運行状況を公式サイトで確認してください。

>>立山黒部アルペンルートの時刻表・運行情報を確認する

立山・雄山の日帰り登山ルート 室堂から山頂を往復

 

今回紹介するのは、室堂ターミナルから一ノ越を経て、雄山山頂を往復するルートです。鎖場などの難所はありませんが、一ノ越から山頂までは岩の多い急登が続きます。標高3,000mを超える高山であることを踏まえ、登山に適した装備と体調で臨みましょう。

・歩行時間:約3時間40分(上り約2時間、下り約1時間40分)
・歩行距離:約4.9km
・標高差:約550m
・登山適期:7月中旬~9月中旬ごろの無雪期

所要時間には休憩や山頂での参拝、混雑による待ち時間を含みません。登山道の残雪状況も年によって異なるため、出発前に最新情報を確認してください。

室堂ターミナルから一ノ越へ 石畳の道を登る

 

室堂ターミナルを出発したら、雄山を正面に望みながら一ノ越を目指します。室堂平では高山植物が見られ、運がよければライチョウに出会えることもあります。植物を採取したり、ライチョウに近づいたりせず、登山道から観察しましょう。


祓堂から先が神域

途中では、江戸時代に建てられた日本最古の山小屋とされる「立山室堂」のそばを通ります。さらに進むと、立山信仰において神域との境界とされてきた「祓堂」があります。

一ノ越までの道は石畳を中心に整備されていますが、傾斜があり、濡れた路面では滑りやすくなります。夏でも雪が残る年があるため、残雪がある場合は現地の案内に従い、状況に適した装備を使用してください。

一ノ越で休憩し、雄山山頂へ

室堂から約1時間で、標高約2,700mの一ノ越に到着します。一ノ越山荘があり、休憩やトイレの利用が可能です。ここから先は登山道の様子が大きく変わります。出発前に呼吸や体調を確認し、頭痛や吐き気などの異変がある場合は無理に山頂を目指さず、引き返すことも検討してください。

一ノ越から雄山山頂までは、岩や石が連続する急な登りです。路面には浮石もあるため、足元を確かめながら進みましょう。登りと下りで通行位置が分けられている場所では、現地の矢印や案内に従います。

混雑時には前の登山者を無理に追い越さず、落石を起こさないよう注意が必要です。上から石が落ちてくる可能性もあるため、前後の登山者と間隔を取りながら登ってください。

高度を上げるにつれて周囲の山並みが見渡せるようになりますが、立ち止まって景色を見る場合は、ほかの登山者の通行を妨げない安全な場所を選びましょう。

雄山山頂 雄山神社峰本社と展望を楽しむ

一ノ越から約1時間で、雄山神社峰本社の社務所がある山頂部に到着します。峰本社が鎮座する最高地点へ登拝できる期間や受付時間、登拝料は決まっているため、希望する場合は事前に雄山神社の公式情報を確認してください。

天候に恵まれれば、室堂平や周囲の北アルプスの山々を見渡せます。ただし、山頂付近は風が強く、夏でも冷え込むことがあります。汗冷えを防ぐため、休憩時は早めに防寒着を着用しましょう。

雄山山頂から室堂へ下山する

下山は往路を戻り、一ノ越を経て室堂ターミナルへ向かいます。一ノ越までの岩場は、登りよりも足元が不安定になりやすいため、歩幅を小さくして慎重に下りましょう。

一ノ越から室堂へ続く石畳も、雨天時や残雪のある場所では滑りやすくなります。室堂から乗車する最終便の時刻を意識しつつ、急がなくて済むよう余裕を持って下山を始めてください。

立山・雄山の日帰り登山に必要な持ち物・服装

 

標高3,003mの雄山を目指すため、日帰りでも一般的な登山装備が必要です。室堂周辺が晴れていても、山頂付近では風が強まり、気温が大きく下がることがあります。雨や寒さ、予定より下山が遅れた場合にも対応できるように準備しましょう。

基本の持ち物

・登山靴:岩場や濡れた石畳を歩きやすい、滑りにくいもの
・ザック:両手を空けて歩けるもの
・レインウェア:防水性のある上下セパレートタイプ
・防寒着:フリースや薄手のダウンなど
・水分:行程や気温に応じて余裕を持って用意
・昼食・行動食:おにぎりやパン、ナッツなど、歩きながら補給しやすいもの
・登山地図・地図アプリ:スマートフォンは事前に充電し、必要な地図を保存
・ヘッドライト:日帰りでも必携。予備電池または予備バッテリーも用意
・ファーストエイドキット:ばんそうこう、消毒用品、テーピング、常備薬など
・帽子・サングラス・日焼け止め:高所の強い日差しや紫外線への対策
・手袋:防寒に加え、岩場で手をついた際の保護にも役立つ
・携帯電話・モバイルバッテリー
・健康保険証またはその情報を確認できるもの
・小銭:山小屋のトイレや山頂での登拝などに備える
・ごみ袋:ごみや濡れた衣類の持ち帰りに使用

登山届は、出発前に行程や緊急連絡先を記入して提出し、家族などにも登山計画を共有しておきましょう。

服装は重ね着で調節する

立山では、登山中の運動量や標高、風、天候によって体感温度が変わります。汗を吸って乾きやすい肌着の上に、長袖の登山用シャツやフリースなどを重ね、気温に応じて脱ぎ着できる服装が基本です。

肌着やシャツには、乾きにくい綿素材を避け、化学繊維やウールなどの速乾性に優れた素材を選びます。パンツも、足を動かしやすく乾きやすい登山用のものが適しています。

夏でも山頂や休憩中は冷えることがあるため、防寒着とレインウェアを必ず携行してください。9月以降は冷え込みが強まり、降雪する場合もあります。季節だけで判断せず、登山当日の気温や風、残雪などの状況に合わせて装備を調整しましょう。

残雪がある場合は追加装備を確認する

室堂から一ノ越にかけては、夏まで雪が残る年があります。残雪の量や雪面の状態によっては、滑り止めなどの装備が必要です。事前に登山道の情報を確認し、必要な装備や使い方に不安がある場合は、無理に入山しないようにしましょう。

登山の前後に利用したい宿泊施設

雄山は室堂から日帰りで往復できますが、室堂までの移動時間や帰りの最終便を考えると、前後に宿泊するのもひとつの方法です。室堂周辺に泊まれば、早朝から行動しやすく、時間に余裕を持って登山や周辺散策を楽しめます。

みくりが池温泉

 

室堂ターミナルから徒歩約15分の場所にある「みくりが池温泉」は、標高2,410mに位置する温泉宿です。宿泊できるほか、宿泊者以外も日帰り入浴を利用できます。

源泉は地獄谷にあり、湯は無加水・無加温の源泉かけ流しです。白く濁った硫黄の香りがする湯で、男女別の展望内湯が設けられています。

 
天気が良ければ、内湯から大日岳が眺められる

雄山登山の前後に宿泊すれば、室堂への到着時刻や帰りの最終便に追われにくく、余裕を持った計画を立てられます。登山とあわせて温泉や室堂平の散策も楽しみたい人におすすめです。

日帰り入浴を利用する場合は、室堂ターミナルからの最終便に注意しましょう。温泉までの往復に徒歩約30分かかるため、入浴や着替えの時間も含めて余裕がある場合に利用してください。


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ホテル立山


画像:楽天トラベル

「ホテル立山」は、標高2,450mの室堂ターミナルに直結する山岳リゾートホテルです。室堂に到着してから長い距離を歩く必要がなく、雄山登山の出発地点にも近いため、移動の負担を抑えたい人に向いています。

前日に宿泊すれば、朝早くから雄山を目指すことができ、混雑や天候の変化も考慮した余裕のある行程を組みやすくなります。下山後すぐに休めるため、登山後に宿泊する場合にも便利です。


画像:楽天トラベル

館内にはレストランや大浴場、売店などがあり、山岳地帯に滞在しながらホテルでゆっくり過ごせるのも特徴です。


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立山・室堂周辺の宿泊施設を探す

室堂周辺のほか、富山県側の玄関口となる立山駅周辺にも宿泊施設があります。予算や登山日程、利用する交通機関に合わせて選びましょう。


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立山の日帰り登山に関するよくある質問

雄山への日帰り登山を計画する際は、所要時間や登山適期、必要な装備など、事前に確認しておきたい点がいくつかあります。ここでは、立山・雄山の日帰り登山に関するよくある質問に回答します。

Q. 立山・雄山は日帰りで登れますか?

A. 室堂ターミナルから一ノ越を経て雄山山頂を往復するコースは、日帰りで登れます。標準歩行時間は約3時間40分ですが、休憩や山頂での参拝、混雑による待ち時間は含まれていません。

室堂までの移動時間と帰りの最終便を確認し、余裕のある計画を立てましょう。

Q. 登山初心者でも雄山に登れますか?

A. 室堂から雄山へ向かうルートには鎖場などの難所がなく、登山初心者も挑戦しやすいコースです。ただし、一ノ越から山頂までは岩の多い急登が続き、標高3,000mを超える高山を歩きます。

登山に適した装備を整え、体調や天候、残雪の状況がよくない場合は、無理に山頂を目指さないようにしましょう。

Q. 雄山登山に適した時期はいつですか?

A. 一般的な登山適期は、登山道の雪が少なくなる7月中旬から9月中旬ごろです。ただし、雪解けの時期や降雪の状況は年によって異なります。

夏でも残雪がある場合があり、9月には気温が大きく下がったり雪が降ったりすることもあります。出発前に最新の登山道、天気、気温の情報を確認してください。

Q. スニーカーでも雄山に登れますか?

A. 一ノ越から雄山山頂までは、岩や浮石の多い急な登山道です。濡れた石畳や残雪の上を歩く可能性もあるため、スニーカーではなく、滑りにくく足元を安定させやすい登山靴を使用しましょう。

履き慣れていない登山靴は靴擦れの原因になるため、事前に何度か履いて足に慣らしておくことも大切です。

Q. 高山病になることはありますか?

A. 登山口となる室堂ターミナルは標高2,450mにあり、人によっては頭痛や吐き気、強いだるさなどの高山病の症状が現れることがあります。

室堂に到着したらすぐに登り始めず、休憩や準備をしながら体を高所に慣らしましょう。登山中に症状が現れた場合は無理に進まず、改善しなければ標高の低い場所へ下りる判断が必要です。

Q. 雄山登山に登山届は必要ですか?

A. 安全のため、日帰りでも登山届を提出しましょう。登山する山やルート、行動予定、緊急連絡先を記入し、家族などにも計画を共有しておくと、遭難やけがが発生した際の早期対応につながります。

提出方法や提出場所は変更される場合があるため、出発前に富山県警察などが案内する最新情報を確認してください。

Q. 夏休みや週末は混雑しますか?

A. 夏山シーズンの週末や連休、お盆の時期は、室堂へ向かう交通機関や一ノ越から雄山山頂までの登山道が混雑することがあります。混雑時には、予定していたペースで歩けない可能性もあります。

交通機関や登山道での待ち時間を見込み、早めに室堂へ到着できる計画を立てましょう。下山後は室堂発の最終便に乗り遅れないよう、時間に十分な余裕を持つことが重要です。

立山・雄山の日帰り登山は余裕のある計画で楽しもう

 

立山の雄山は、室堂ターミナルから一ノ越を経て山頂を往復できる、日帰り登山で人気の山です。標準歩行時間は約3時間40分ですが、休憩や山頂での参拝、混雑による待ち時間も見込み、余裕のある計画を立てましょう。

一ノ越から山頂までは岩や浮石の多い急登が続きます。登山靴やレインウェア、防寒着などを準備し、出発前には天気や残雪、登山道の状況を確認してください。体調や天候がよくない場合は、無理に山頂を目指さず引き返すことも大切です。

日帰りで登る場合は、室堂までの移動時間と帰りの最終便を必ず確認しましょう。移動や登山後の時間に余裕を持ちたい場合は、室堂周辺での前泊・後泊も検討してみてください。

立山の雄大な景色を楽しめるよう、事前の準備を整えて、安全な登山を心がけましょう。

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