【立山】日帰り登山で雄山を目指そう!初心者でも絶景を楽しめるルート紹介

標高3,003m、日本三霊山のひとつ「立山・雄山」。「登ってみたいけど難しそう」と思っている方も多いかもしれません。

でも、安心してください。立山黒部アルペンルートを利用すれば、室堂ターミナル(標高2,450m)まで一気にアクセスでき、そこから雄山山頂までは日帰りで目指せるのです!

道中はしっかりと整備された石畳が続き、高山植物や雄大なパノラマを楽しみながらの快適な山歩き。最後の急登も、ゆっくり登れば初心者でもクリアできます。

今回は、そんな立山・雄山を目指す日帰り登山ルートを、初心者向けにわかりやすく紹介します。

2025年4月29日 更新

立山・雄山について知ろう

 

北アルプス北部、中部山岳国立公園の中心に位置する「立山」。実は「立山」という単独の山は存在せず、雄山(3,003m)を主峰に、大汝山(3,015m)、富士ノ折立(2,999m)という3つの峰を総称して「立山」と呼びます。

立山は富士山・白山と並び日本三霊山に数えられる、古くからの山岳信仰の対象。主峰・雄山の山頂には雄山神社峰本社が鎮座し、伊弉諾尊(イザナギノミコト)と手力雄命(タヂカラオノミコト)を祀っています。夏山シーズンには神主が常駐し、御祈祷を受けることもできます。

豊かな自然も大きな魅力で、登山道沿いには高山植物が咲き誇り、特別天然記念物のライチョウに出会えるチャンスもあります。

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アクセス情報|室堂ターミナルへの行き方

 
室堂ターミナル

立山・雄山への登山をスタートするなら、玄関口となる「室堂ターミナル」へ向かう必要があります。室堂は標高2,450m、日本最高所にある山岳駅のひとつ。ここから雄山山頂を目指すルートが整備されており、初心者でも安心してチャレンジできるのが魅力です。

では、室堂ターミナルまでの行き方をチェックしておきましょう。

電車・バス利用の場合

・JR「富山駅」下車 → 富山地方鉄道に乗り換え「立山駅」へ(約1時間)
・立山駅から立山ケーブルカー(約7分)→ 美女平、
・美女平から立山高原バス(約50分)→ 室堂ターミナルに到着!

車利用の場合

・北陸自動車道「立山IC」または「富山IC」から立山駅へ(約40分)
・立山駅周辺に車を駐車後、公共交通機関(ケーブルカー+バス)に乗り換えて室堂へ
※室堂周辺はマイカー規制エリアのため、直接の乗り入れはできません。

【ポイント】
・室堂へは「立山黒部アルペンルート」の利用が必須
・当日はケーブルカー・バスの運行時間を事前に確認しておきましょう

立山日帰り登山ルート|初心者も楽しめる雄山への道

 

雄大な自然に抱かれた立山。今回は、室堂ターミナルから雄山を目指す初心者向けの王道日帰りルートをご紹介します!

難易度:★☆☆☆☆(初心者~初級者向き)
歩行時間:約3時間50分
歩行距離:約4.9km
最大高低差:約583m
ベストシーズン:7月中旬~10月上旬

【スタート】室堂ターミナル|立山登山の玄関口

  

立山黒部アルペンルートの中心、室堂ターミナルが登山のスタート地点。広場には名水「玉殿の湧水」が湧き出しており、登山前の水分補給にも最適です。

石畳の遊歩道を歩き始めると、目の前には高山植物の楽園が広がります。チングルマやイワイチョウ、ミヤマキンバイなど、色とりどりの花々が出迎えてくれます。運が良ければ、ライチョウが現れることも。

歴史ある山小屋、国の重要文化財に指定されている「立山室堂」の脇を抜け、つづら折りの石畳を進んでいきます。いくつか雪渓も残っていますが、整備されたルートなので初心者でも安心して歩けます。

【ポイント①】祓堂|神域への入り口


祓堂から先が神域

しばらく進むと現れるのが「祓堂(はらいどう)」。立山信仰において、ここは俗世と神域の境界とされ、かつては祓川で身を清め、白装束に着替えてから山頂を目指していたといいます。ここを過ぎると、いよいよ神聖な領域に入る気持ちが高まります。

【ポイント②】一ノ越〜五ノ越|天空への階段


岩に書かれた矢印は登山の道しるべ。示された方向をたどろう

さらに歩みを進め、標高2,700mの「一ノ越」に到着。ここには山小屋「一ノ越山荘」もあり、トイレも完備されています。一ノ越からは石畳が終わり、岩がゴロゴロとした急なガレ場へ突入。注意して足元を確かめながら進みましょう。

この登り道は「二ノ越」「三ノ越」…と五つの越えポイントに区切られており、各所に小さな祠が建っています。途中の「三ノ越」付近には、昭和天皇(当時は皇太子)御製の碑文もあり、歴史を感じながら小休止するのもおすすめです。

視界が開けると、北アルプスの名峰たちがずらり!槍ヶ岳、穂高連峰、薬師岳、そして天気が良ければ富士山まで見渡せることもあります。

【ゴール】雄山山頂・雄山神社峰本社|天空のご褒美

最後の急登を頑張り、鳥居をくぐると標高3,003mの雄山山頂に到着です。ここには「雄山神社峰本社」が建っており、夏山シーズンには神主が常駐。参拝料を納めれば、御祈祷を受けることもできます。

360度の大パノラマが広がり、眼下には室堂平、さらに立山連峰が堂々たる姿を見せてくれます。山頂付近では、2012年に「氷河」と認定された御前沢雪渓も一望可能。標高3000mならではの特別な景色を、存分に堪能しましょう!

立山日帰り登山に必要な持ち物リスト

 

標高3000m級の登山では、日帰りでもしっかりとした装備が必要です。特に防寒対策と雨対策は万全にしましょう。

・登山靴(トレッキングシューズ推奨)
・レインウェア(上下セパレートタイプ)
・防寒着(フリースやライトダウン)
・帽子(日除け・防寒兼用)
・手袋
・水(最低1リットル以上)
・行動食(おにぎり、パン、ナッツなど)
・登山マップ・地図アプリ
・日焼け止め、サングラス
・ヘッドライト(予備電池も)
・ファーストエイドキット(絆創膏、テーピングなど)
・登山届の提出(室堂ターミナル小屋にて)
・小銭(トイレ利用料や祈祷料用)

※特に立山は天気が急変しやすいので、必ずレインウェアと防寒着を持参しましょう

登山後に立ち寄りたい温泉スポット|「みくりが池温泉」

  

立山登山の疲れを癒すなら、室堂周辺で日帰り入浴を楽しめる「みくりが池温泉」がおすすめです。みくりが池温泉は、標高2,410m、日本一高所にある天然温泉宿。登山帰りでも立ち寄り湯が可能で、乳白色の湯にじっくり浸かれば、疲れた体も癒されます。

 
天気が良ければ、内湯から大日岳が眺められる
みくりが池温泉
営業時間:9:00~16:00
料金:大人1,100円、子ども800円、オリジナルフェイスタオル400円、レンタルバスタオル400円
アクセス:室堂ターミナルから徒歩15分

初心者でも楽しめる!憧れの立山日帰り登山

 

立山・雄山への日帰り登山は、ケーブルカー・バスで楽に標高を稼げる、整備された登山道で初心者も安心、3000m級の絶景が気軽に楽しめると、登山初心者にもぴったりなルートです。

ただし標高が高いぶん、防寒具・雨具は必携。天候の急変に備え、早出・早着を心がけて安全登山を楽しみましょう。

夏山シーズン、ぜひ立山で特別な一日を体験してみませんか?

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