登山用語120選 初心者もこれで安心!よく使われる言葉を徹底解説

登山をしていると、耳慣れない専門用語や略語に出会うことが多いもの。「ガレ場」「ピークハント」「コル」「アルプス」など、経験者の会話に入れず戸惑ったことはありませんか?
この記事では、登山初心者がつまずきやすい「登山用語」を120個厳選し、カテゴリ別にわかりやすく解説します。初めての登山でも会話や情報収集に困らないよう、まずは「登山の言葉」をしっかり理解しておきましょう。
登山用語の目次
地形・地図に関する用語

登山では、現在地の把握やルートの確認が命に関わることもあります。地図記号や地形の名称を正しく理解しておくことで、道迷いのリスクを減らし、より安全な登山が可能になります。まずは、地図読みや山の地形に関する基本用語を押さえておきましょう。
岩場
岩が露出している場所。手を使う場面も多い。
尾根
山の高い部分が続く線状の地形。風が通りやすい。
お花畑
高山植物が咲き乱れるエリア。登山中の癒しスポット。
ガレ場
大小の石が崩れたように転がっている場所。
岩稜
岩の尾根。高度感があり、慎重な通過が求められる。
ケルン
石を積み上げた目印。霧が出やすい高山で活躍。
コル(鞍部)
ふたつの山の間にある、くぼんだ場所。
ザレ場
細かい砂利や土が崩れやすく積もった斜面。
三角点
国土地理院が設置した基準点。山頂にあることが多い。
山頂標(山名板)
山の名前や標高が書かれた看板。
山腹
山の斜面の中腹部分。標高では山頂よりも下、登山道の多くはこの山腹を通る。
森林限界
高木が生育できなくなり、森林が成立しなくなる境界線。
水系(流域)
川や沢の集まるエリア。水場の位置に関係する。
雪渓
夏でも雪が残る谷筋の雪の塊。踏み抜きや滑落に注意。
谷(谷筋)
山の低い部分。沢や川が流れていることが多い。
地形図
等高線で地形の起伏を表現した地図。読図には必須。
登山口
登山の出発点。バス停や駐車場があることが多い。
登山道
山に整備された歩道。一般的な登山ルート。
等高線
同じ標高の地点をつないだ線。間隔が狭いと急傾斜。
トラバース
斜面を横切るように歩くルート。滑落注意。
ピーク
山頂や頂上のこと。最も高い地点。
踏み跡
人が歩いた痕跡。登山道ではないが、目印になることも。
分岐(分岐点)
登山道が複数に分かれる地点。
遊歩道
観光地や公園に整備された、初心者向けの歩道。
ランドマーク
目印となる特徴的な地形や建物。
稜線
山の尾根が続くライン。見晴らしが良くなることが多い。
林道
山林に通された舗装または未舗装の道。車両が通れることも。
登山用語 目次
登山装備・技術に関する用語

登山には気象の急変や体力の消耗など、さまざまなリスクが伴います。そのため、状況に応じた装備選びや基本的な歩行技術を知っておくことがとても大切です。ここでは、登山で使われる代表的な装備や行動技術に関する用語を紹介します。
アイゼン
雪や氷上で滑らないように靴底に装着する金属スパイク。
アタックザック
山小屋泊などの縦走時に使う、小型のサブバッグ。
ガス缶(OD缶・CB缶)
登山用バーナーの燃料。OD缶は寒冷地に強い。
カラビナ
金属製のリング型フック。荷物を吊るしたり、クライミングで命綱の接続に使う。
クッカー
携帯用の鍋セット。湯沸かしや調理に使用。
ゲイター(スパッツ)
ズボンの裾に着けるカバー。雪や泥、砂の侵入を防ぐ。
行動食
素早くエネルギー補給できる食べ物。チョコ、ナッツ、羊羹など。
ザック
登山用のリュックサック。日帰り用は20〜30L、縦走なら40L以上が目安。
ストック
登山時に使う杖。足の負担を軽減し、バランスを取りやすくする。
チェーンスパイク
軽アイゼンの一種で、冬の低山や雪道で使う滑り止め。
登山靴(トレッキングシューズ)
足首を保護し滑りにくい構造になっている登山専用の靴。
登山届(登山計画書)
登山者の情報とルートを記載した書類。提出は万が一の備えとして必須。
ナビゲーションツール
GPSアプリ、地図、コンパスなどの位置確認用具の総称。
バーナー
山でお湯を沸かしたり調理したりするための小型コンロ。
ハーネス
身体に装着する安全帯。クライミングや沢登り、雪山で使用。
パッキング
ザックの中身の詰め方。重いものは背中側・上部へ。
非常食(予備食)
天候やトラブルで下山が遅れたときの備え。携行性・保存性の高いものを。
ピッケル
雪山や急傾斜で使用する登山用の斧。バランスをとったり滑落防止に使用。
ファーストエイドキット
応急手当用品一式。絆創膏、消毒液、テーピングなど。
ヘッドライト
頭に装着するライト。日没後やトンネル内で必須。予備電池も忘れずに。
保温ボトル
温かい飲み物を入れておける登山者の強い味方。
レイヤリング
重ね着のこと。ベース・ミドル・アウターの3層構造が基本。
レインウェア
防水・防風機能を持った上下セパレート型の雨具。防寒着としても重要。
登山用語 目次
気象・自然環境に関する用語

山の天気や自然環境は、平地とは大きく異なります。変わりやすい天候や高山特有の気象現象を理解しておくことで、安全な登山計画につながります。ここでは登山者が知っておきたい気象・自然環境に関する基本用語をご紹介します。
風裏(かざうら)
風の当たらない場所。休憩時のポイントとして活用。
ガスる
霧が出ること。「山頂はガスってて何も見えなかった」などと使う。
雷対策
午後は雷が起きやすい。金属類を身体から離し、木の下も危険。
急変天候
山は天気が変わりやすく、晴れでも装備の準備が重要。
黒い雲(積雲)
午後からの天候悪化の兆候。早めの下山を意識。
高山植物
標高が高い地域にだけ咲く植物。チングルマ、イワカガミ、ハクサンイチゲなど。
残雪期
春〜初夏にかけて、雪が一部残る登山シーズン。滑落のリスクも。
紫外線対策
標高が高いほど強くなる。日焼け止めとサングラスは必須。
積乱雲(入道雲)
雷雨を伴う雲。特に夏の午後は発達しやすい。
雪渓(せっけい)
夏まで溶けずに残っている雪のかたまり。踏み抜きに注意。
雪庇(せっぴ)
風下側に張り出す雪の塊。踏み抜くと崩落の危険がある。
沢
山中を流れる小川。登山では「沢沿い」や「沢登り」などで使う。
低体温症
体温が急激に下がる症状。風雨や汗冷えが原因になることも。
登山指数
気象庁などが発表する、登山適正を示す指標。A・B・Cの3段階が多い。
日射病・熱中症
夏山での注意点。こまめな水分・塩分補給が大切。
日没時間
山では早めに暗くなる。コースタイムから逆算しよう。
風速10m/s
風が強い目安。帽子やザックカバーが飛ばされるほど。
ホワイトアウト
雪や霧で視界が真っ白になり方向感覚が失われる現象。
稜線(りょうせん)
山の尾根部分。風が強く、景色が良い反面、天候の影響を受けやすい。
登山用語 目次
山小屋・施設・交通に関する用語

登山を快適に、そして安全に楽しむためには、山小屋や登山道の施設、登山口までのアクセスについての知識も重要です。ここでは山のインフラに関する用語を解説します。
アルペンルート
電車・バス・ロープウェイを使って登山口へアクセスする観光登山ルート。
携帯トイレ
トイレがない山での必需品。指定の回収箱に捨てる。
自炊室
山小屋で持参した食材を調理できるスペース。バーナー使用可。
テント場
山小屋に併設されたテント泊用のスペース。トイレ・水場の有無を要確認。
トイレ協力金
山小屋や登山口のトイレ使用に必要な少額の寄付金。
登山口
山に入る出発点。アクセスや駐車場の有無は事前に確認を。
幕営(ばくえい)
テントを張って宿泊すること。
避難小屋
緊急時用のシンプルな山小屋。食事や寝具のサービスはない。
マイカー規制
境保護のため、山域によって車の乗り入れが制限されている。
山小屋
山中にある宿泊施設。予約制が一般的。素泊まりと食事付きがある。
ロープウェイ・ゴンドラ
高低差のある登山口へのアクセスに便利。
登山用語 目次
安全・ルール・マナーに関する用語

自然の中で行う登山には、独自のルールやマナー、安全に関する知識が欠かせません。自分の身を守るだけでなく、他の登山者や自然環境への配慮も求められます。ここでは登山初心者が覚えておきたいマナーやルール、安全用語をまとめました。
エスケープルート
悪天候や体調不良時に下山するための別ルート。事前に把握を。
滑落
バランスを崩して斜面を滑り落ちること。特に岩場・雪渓で注意。
グループ登山
複数人で登ること。ペース配分や意思疎通が重要。
コースタイム
標準的な所要時間の目安。休憩や写真撮影の時間は含まれていないため、余裕を持って行動する必要がある。
コースタイムコントロール
現在地と残り時間を比較して、予定どおりに歩けているかを確認する行為。計画の修正にも重要。
こまめな水分補給
登山中の水分補給は「喉が渇く前」が鉄則。
山岳保険
登山中のけがや救助費用をカバーする保険。日帰りプランもあり。
単独登山
一人で登ること。緊急時に備え、登山届と装備は万全に。
登山マナー
ゴミの持ち帰り、すれ違いの譲り合いなど基本的なルール。
登山届(登山計画書)
自分の登山ルート・連絡先を記した書類。提出は万が一の命綱。
トラバース
斜面を横切るように進む道。滑りやすいので慎重に。
早出・早着
山では午後ほど天気が崩れやすく、下山も暗くなるため、早朝に出発し午後早めに下山するのが原則。
ハンガーノック
エネルギー切れの状態。シャリバテとも言い、行動食で対策が必要。
引き返す勇気
「もう少しなら行ける」は禁物。体調不良や天候悪化時は、山頂を諦めて安全を優先する決断が大切。
ビバーク
悪天候やトラブルで予定外の場所に緊急野営すること。ツェルトや非常用寝具の携行が推奨される。
ペース配分
体力を消耗しすぎないよう、無理のないスピードで歩くこと。休憩や水分補給のタイミングも含めて考える。
道迷い
地図や標識を見落としてルートを外れること。遭難原因の第1位。
登山用語 目次
地名・山域に関する用語

山域の名前は登山の計画に欠かせません。しかし、一口に“○○山系”と言っても、複数の峰が集まった広大な山域を指すこともあり、初心者にはイメージしづらいことも。このパートでは、全国の代表的な山域をピックアップし、それぞれの位置や特徴を紹介します。
奥羽山地
東北地方を縦断する日本最長の山脈。岩手山・月山・鳥海山など、登山対象となる山が多数点在する。
紀伊山地
奈良・和歌山・三重にまたがる広大な山地。大峯奥駈道や熊野古道など修験道の聖地としても知られる。
北アルプス
飛騨山脈とも。槍ヶ岳、穂高岳、立山、白馬岳などを含む。
九州山地
宮崎・熊本・大分をまたぐ山地。霧島山や祖母山、傾山などの名山を含む。
四国山地
四国を東西に貫く山地。石鎚山(西日本最高峰)や剣山など、四国を代表する山々を含む。
白神山地
青森・秋田県境に広がるブナの原生林が特徴の山地。1993年に世界自然遺産に登録。トレッキングの聖地。
中央アルプス
木曽山脈。木曽駒ヶ岳、宝剣岳など。
中国山地
本州西部を東西に走る山地。比婆山や大山(だいせん)など、歴史や信仰に関わる山も多い。
筑紫山地
九州北部の山地で、英彦山や宝満山など登山者に人気の山を含む。信仰の山も多い。
百名山
深田久弥が著した「日本百名山」に収録された山々。登山者の目標のひとつ。
南アルプス
赤石山脈。北岳、間ノ岳、聖岳などが有名。
登山用語 目次
登山スタイルに関する用語

登山といっても楽しみ方は人それぞれ。「日帰りで気軽に楽しみたい」「いつかは縦走に挑戦したい」「山小屋泊で絶景を堪能したい」など、目的や体力に応じてスタイルを選ぶことが大切です。ここでは、登山スタイルの違いや用語を初心者にもわかりやすく解説します。
アルパインスタイル
高難度の岩壁登攀や雪山登山などで用いられる自己完結型の登山スタイル。上級者向き。
クライミング(ロッククライミング)
岩場や崖を登るアクティビティ。フリー、ボルダー、アイスなど様々なジャンルがある。
小屋泊登山
山小屋に宿泊する登山。体力面での負担が軽減され、天候が崩れた際も安心。
縦走(じゅうそう)
山から山へと尾根を伝って歩く登山。テント泊や山小屋泊が必要なことが多く、中〜上級者向き。
テント泊登山
テントを持参して山中に宿泊するスタイル。自由度が高い一方、荷物が重くなる。
トレイルランニング
登山道を走るアクティビティ。登山とは異なる技術と装備が必要。大会も各地で開催されている。
バリエーションルート
一般登山道ではない、上級者向けのルート。ルーファイ能力と高度な技術が求められる。
日帰り登山
その日のうちに登って下山するスタイル。装備を軽くでき、初心者にもおすすめ。
ピークハント
山頂を目指す登山スタイル。初心者はまずここから始めることが多い。
雪山登山
雪が積もった冬の山に登るスタイル。特別な装備と技術が必要で、気象判断も重要。
登山用語 目次
登山用語を知って、もっと安心・快適な山歩きを

山は自然との対話であり、同時に安全と知識が求められるアクティビティです。今回紹介した登山用語125選は、これから山に親しむ人にも、すでに山歩きを楽しんでいる人にも役立つ内容ばかり。専門用語を知っておくことで、ルート情報やガイド、山仲間との会話がぐっとわかりやすくなり、登山がもっと身近で楽しくなるはずです。
ぜひ今回の記事をきっかけに、安心して登山を楽しむための知識を身につけてみてください。

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