登山中の突然の天候悪化。「スマホがあるから大丈夫」と思っていても、圏外やバッテリー切れのリスクはゼロではありません。そんなとき、リアルタイムで気象情報を受信できるラジオは、安全のための判断材料のひとつとなります。
今回は、登山におすすめのラジオを初心者向けに解説。低山でも役立つ理由や選び方、防水・軽量モデルまでわかりやすく紹介していきます。
目次
低山でも油断しない。登山におすすめのラジオとは?

登山におすすめのラジオとは、「音を楽しむ道具」ではなく「状況を判断するための情報源」になるラジオのことです。
とくに日帰り中心の低山ハイクでは、
✓ 午後からの天候急変
✓ 稜線での強風
✓ スマホ圏外
✓ スマホのバッテリー残量
といったリスクが、決して珍しくありません。
「低い山だから大丈夫」と思っていた山で、下山が遅れた経験はありませんか?登山用ラジオは、そうした“判断の遅れ”を防ぐための装備。使わないかもしれないけれど、あると安心できる存在です。
登山でおすすめされるラジオの役割
登山におけるラジオの主な役割は、次の3つです。
① リアルタイムの気象情報を得る
山では天気アプリが更新されないこともあります。一方、ラジオは電波が届く限り、気象情報や警報を受信可能。山間部でも最新情報を受信できる可能性があります。
② スマホ圏外時のバックアップ
登山で最も多いのが「圏外問題」。スマホは便利ですが、
✓ 電波が届かない
✓ バッテリー消耗が早い
✓ 低温で動作不安定になる
といった弱点があります。
ラジオは通信回線を使わないため、独立した情報源として機能するのが強み。
③ 災害・緊急時の情報確保
地震や大雨などの緊急情報は、ラジオが最も早く伝えるケースもあります。低山でも、
✓ 林道崩落
✓ 通行止め
✓ 交通機関の乱れ
といった影響を受ける可能性があります。
「無事に下山する」までが登山。そのための情報源。これが登山ラジオの本質です。
登山用ラジオと一般ラジオの違い
登山におすすめのラジオを探すとき、どのような点に注意したらよいのでしょうか。一般的なラジオとの違いを表にまとめてみます。
| 比較項目 | 一般的なラジオ | 登山におすすめのラジオ |
| 重量 | やや重い | 軽量(100〜300g目安) |
| 防水性 | “無し”が多い | 防滴・防水対応 |
| 電源 | コンセント中心 | 乾電池・USB・手回し |
| 携帯性 | 室内向け | ポケットサイズ |
| 耐久性 | 想定外 | 屋外使用前提 |
登山におすすめのラジオの条件

登山用のラジオを探すとき、さきほどの一覧表のなかでとくにチェックしておきたいポイントは以下の3点です。
① 軽さは最優先(300g以下が目安)
登山では、装備の軽量化は重要。重すぎる多機能モデルは逆に負担になります。
② 防滴性能があると安心
突然の雨や汗対策。完全防水でなくても、生活防水レベルがあると心強いということを押さえておきましょう。
③ 電池式+USB対応が理想
バッテリー切れリスク分散。モバイルバッテリーと併用できるモデルが扱いやすいです。
それでも「登山にラジオは本当におすすめ?」と思う方へ
正直に言うと、必須装備ではありません。
ただし、
◉行動時間が長くなってきた
◉天候判断に不安がある
このいずれかに当てはまるなら、検討する価値は大いにあり。ラジオは「使うため」ではなく、“使わずに済む安心のため”の装備です。
登山におすすめのラジオ選び【5つのチェックポイント】

登山におすすめのラジオは数多くありますが、大切なのは「何を基準に選ぶか」です。登山歴の浅い方であれば、次の5つを押さえておくと安心です。
チェック① 重量は300g以下が目安
登山では「軽さ=正義」。日帰り登山であれば、目安は300g以下。できれば200g台がおすすめです。多機能モデルは400gを超えることもありますが、重さは確実に疲労へつながります。とくに低山では、軽量コンパクト型がおすすめです。
チェック② 防水・防滴性能はあるか
日帰りの低山でも突然の雨はあります。最低限、防滴(IPX3〜4相当)があると安心。防水レベルの目安は次のとおりです。
| 等級 | 内容 | 登山での安心度 |
| IPX0 | 防水なし | △ |
| IPX3 | 小雨に対応 | ○ |
| IPX4 | あらゆる方向からの水しぶき | ◎ |
| IPX7 | 一時的な水没 | オーバースペック気味 |
| 耐久性 | 想定外 | 屋外使用前提 |
日帰り登山中心なら、IPX4程度で十分なケースが多いです。完全防水よりも“軽さとのバランス”が重要となります。
チェック③ 電源方式は「分散」が理想

画像:Canva
登山で怖いのはバッテリー切れです。おすすめは
◉USB充電対応
◉可能なら手回し機能
複数の電源方式があるモデルは安心度が高いです。スマホと同じUSBで充電できるタイプは、モバイルバッテリーと併用しやすく便利。
チェック④ 受信感度(AM対応は重要)
登山ではFMよりもAMの方が遠くまで届きやすい傾向があります。特に山間部では、AM対応モデルがおすすめ。また、ワイドFM対応なら、都市部の災害時にも役立ちます。
現状、「AM/FM両対応」はほぼ必須条件となります。
チェック⑤ 操作のシンプルさ
意外と見落としがちなポイントです。登山中、
✓ 手袋をしている
✓ 風が強い
✓ 焦っている
といった状況で、複雑な操作は負担になります。ダイヤル式やボタンの大きいモデルが扱いやすいといえるでしょう。
“簡単に使えるか”。これも登山向けラジオの重要条件です。
初心者向け、登山におすすめラジオ「理想スペックまとめ」
上記を踏まえて、登山初心者(日帰り登山中心)にとっての理想的なラジオをまとめてみます。
| 項目 | 目安 |
| 重量 | 200〜300g |
| 防水 | IPX3〜4 |
| 電源 | 乾電池+USB |
| 受信 | AM/FM対応 |
| サイズ | 手のひらサイズ |
登山で安心して持てる、おすすめのラジオブランド5選
登山向けのラジオ選びに迷ったときは、まず信頼できるブランドから絞り込むのがコツ。ここでは、おすすめのブランド5社をご紹介します。
ソニー(SONY)
高感度受信と安定感。信頼性で選ぶなら定番ブランド
ソニーはポータブルラジオ分野でも長年支持されている国内ブランド。受信感度の高さとノイズの少なさが特長です。コンパクトモデルでもAM/FMの安定受信が可能で、登山中の情報収集に安心感があります。軽量モデルも多く、低山ハイクとの相性も良好です。
特徴
・AM/FM高感度受信
・小型軽量モデルが豊富
・操作がシンプルで扱いやすい
こんな人におすすめ
・登山での受信安定性を最優先したい
・信頼できる国内ブランドを選びたい
パナソニック(Panasonic)
扱いやすさと堅実設計。初めての登山用ラジオに
パナソニックのポータブルラジオは、シンプル設計と耐久性が魅力。軽量モデルも多く、日帰り登山でも負担になりにくい仕様です。音声が聞き取りやすく、気象情報の確認にも適しています。価格帯も幅広く、選択肢が多い点も強み。
特徴
・聞き取りやすいクリア音声
・乾電池式中心で扱いやすい
・耐久性に定評
こんな人におすすめ
・登山装備はシンプル派
・操作に迷わないモデルを探している
オーム電機(AudioComm)
コストと実用性のバランス型。低山ハイク向け
オーム電機のAudioCommシリーズは、価格を抑えながら必要十分な機能を備えるブランド。軽量コンパクトモデルが多く、日帰り登山のサブ装備としてもおすすめです。初めて登山にラジオを持つ人にも選びやすい価格帯が魅力。
特徴
・比較的リーズナブル
・小型軽量モデル中心
・AM/FM対応
こんな人におすすめ
・まずは登山用ラジオを試してみたい
・コスパを重視したい
東芝(TOSHIBA)
ライト付きモデルも。多機能ながら扱いやすい
東芝のポケットラジオは、LEDライト搭載モデルなど実用性の高い設計が特長。登山中の情報収集だけでなく、万が一の暗所対策も兼ねられます。価格も比較的手頃で、機能性とのバランスが良いブランドです。
特徴
・LEDライト付きモデルあり
・手のひらサイズ中心
・防災用途にも活用可能
こんな人におすすめ
・登山と防災を兼用したい
・1台で複数機能を持たせたい
リテケス(Retekess)
USB充電対応。長時間行動にも対応
リテケスは海外ブランドながら、通販サイトでもレビュー数の多い人気メーカー。USB充電対応モデルが多く、乾電池と併用できるタイプもあります。受信感度も比較的良好で、登山中の情報確保に十分対応可能です。
特徴
・USB充電対応モデルが豊富
・価格帯が比較的手頃
・多バンド対応機種あり
こんな人におすすめ
・モバイルバッテリー併用派
・機能性と価格のバランス重視
登山初心者~中級者が本当に知りたい「登山用ラジオ」Q&A

Q. 登山にラジオは本当に必要な装備ですか?
A. 必須装備ではありません。ただし、
◉行動時間が長くなってきた
◉天候判断に不安がある
このいずれかに当てはまるなら、持つ価値はあります。登山用ラジオは「使うため」ではなく、“使わずに済む安心のため”の装備です。
Q. スマホがあれば登山用のラジオはいらない?
A. スマホは便利ですが、登山では弱点もあります。
| 比較項目 | スマホ | ラジオ |
| 圏外対応 | × | ○ |
| バッテリー消耗 | 早い | 比較的長持ち |
| 災害速報 | 通信依存 | 電波受信 |
山間部では圏外になることも少なくありません。登山におすすめのラジオは、通信回線に依存しない情報源という点が最大の強みです。
Q. 低山でもAMは受信できますか?
A. 地域や地形によりますが、AMはFMより遠くまで届きやすい傾向があります。そのため、登山向けラジオはAM/FM両対応モデルがおすすめ。特に低山では、都市部に近いことも多く、AM受信が比較的安定するケースがあります。
Q. 登山用ラジオの防水性能は、どの程度必要ですか?
A. 日帰りの低山中心であれば、IPX3〜IPX4程度の防滴性能が目安。完全防水(IPX7以上)は安心ですが、重量が増える傾向があります。
軽さと防水性のバランスを考えることが、登山での装備選びでは重要です。
Q. 登山向けラジオは熊よけとして使えますか?
A. 音が出るため一定の効果は期待できますが、熊対策専用品の代替にはなりません。あくまで副次的な効果。熊鈴などと併用するのが現実的です。
Q. 登山には、どの価格帯のラジオがおすすめですか?
A. 低山中心であれば、
◉4,000〜6,000円台:受信感度+多機能
このあたりがバランス型。高価格=必ずしも登山向き、ではありません。
登山で「安心を持ち歩く」ならラジオがおすすめ

登山におすすめのラジオは、必ずしも全員に必要な装備ではありません。けれど、山歩きに少し慣れてきた今だからこそ、「もしも」を考える時間が増えてきたのではないでしょうか。
日帰りの登山であっても「午後からの急な天候悪化」「スマホ圏外」「下山の遅れ」「交通機関の乱れ」、こうした出来事は、決して特別ではありません。そんなときに「ラジオ」という選択肢がある。それだけで、心の余裕は少し変わります。
登山におすすめのラジオは、“音を楽しむ道具”ではなく、“無事に帰るための選択肢”。次の山行に向けて、あなたの装備にその安心を加えるかどうか。ゆっくり考えてみるのも、悪くありません。

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