霧ヶ峰登山で爽快ハイク!絶景広がる車山山頂へ、リフトで楽々アクセス

日本百名山の霧ヶ峰は、標高1,925mの車山を最高峰とする広大な高原。
リフトを使えば手軽に登れ、八島ヶ原湿原や車山湿原など自然も満喫できます。
名峰を一望する絶景トレイルを歩き、爽快な登山を楽しんでみませんか?
今回歩く霧ヶ峰登山コース

山と高原地図35 八ヶ岳 蓼科・美ヶ原・霧ヶ峰
スタート:車山高原バス停→→車山展望リフト(スカイライナー)→中腹→車山→ころぼっくるひゅって→沢渡→八島ヶ原湿原→ビジターセンターあざみ館→男女倉山(ゼブラ山)→北の耳→南の耳→中腹→車山展望リフト(スカイライナー)→ゴール:車山高原バス停
茅野駅に到着!駅前のバス停からアルピコ交通のバスで車山高原へ

東京から特急あずさに揺られること約2時間。朝早かったせいもあり、ウトウトしているとあっという間に茅野駅に到着。この日は天気にも恵まれ朝から快晴。気温は高いものの高地特有の爽やかな風を感じつつ、ご機嫌で駅前の「白樺湖・車山高原線」のバスに乗り込みます。本数が少ないため時刻表(詳細はこちらでチェック)で帰りの時間を計画しておきましょう。
1時間ほどバスに揺られると目的地の車山高原バス停に到着です。さらに涼しく、澄み渡った風が山への意欲をいっそう掻き立てます。「さすがはエアコンの名前の由来になっただけのことはある」そんなことを考えながらリフトに向かいます。

車山高原に到着。爽やかな風が吹きわたっています
リフト券を買って、いざ霧ヶ峰登山スタート!通なリフトの使い方もご紹介
車山高原バス停で下車したら、リフト乗り場までは歩いてすぐです。売店も併設されているので色々なグッズもここで手に入ります。さて「では窓口で山頂往復券を・・・」と普通はなりますがちょっと待って!!この後の「霧ヶ峰満喫山行」のことを考えてここは「中腹往復券」を購入します。料金も少し抑えられます。なぜ山頂までの往復券を買わないのかって?その詳細については後ほど。(リフトの運行時間や料金についての詳細はこちらでチェック)
およそ10分で車山の中腹に到着です。多くの人はここから「スカイパノラマ」と呼ばれる山頂へと続くリフトに乗り継ぎますが、今回リフトはここまで。いよいよ本格的な登山の開始です!

車山の中腹へと続くスカイライナーの乗り場。青空に白の「SKYLINER」の文字が映えます

リフトに乗って車山の中腹へ。怖さもあるのですが、この浮遊感がクセになるというか。分かる方いらっしゃいますかね・・・?

車山の中腹に到着、展望カフェレストランもあります。時間があればぜひ立ち寄りましょう
中腹をスタート、一路レーダー観測所が建つ車山山頂を目指します
車山の中腹から歩き始めます。山頂までは約20分、傾斜はややきついですが歩きやすい道が続きます。振り返れば八ヶ岳が美しい姿を見せてくれています。目印のレーダー観測所が見えてくれば山頂はもうすぐです。
山頂からは360°の絶景が広がります。東には八ヶ岳連峰が大きな裾野を広げ、その奥には浅間山が火山らしい荒々しい姿を見せています。南に目を向ければ甲斐駒・仙丈をはじめとした南アルプスの山々がその大きな山体を横たえています。空気が澄んでいれば富士山もはっきりと見えるので探してみてください。西には木曽駒・空木の中央アルプス、遠方には御嶽山も姿を見せています。北を仰ぎ見れば、乗鞍岳・穂高岳・槍ヶ岳といった北アルプスの峰々がそびえます。
「一度は登ってみたい」そう思っていた憧れの山々が一望のもとに集結しています。一つの山頂からここまで多くの有名な峰々を見ることができる場所はなかなかありません。木製の展望テラスも設置されているので、存分にこの美しい景色を目に焼き付けましょう。

レーダー観測所が見えてくれば山頂はすぐそこ

山頂から西方向に御嶽山が見えています
霧ヶ峰登山はまだ終わらない!山頂を後に、日本を代表する高層湿原、八島ヶ原湿原へ
山頂の絶景は名残惜しいですが、見どころはまだまだあります。次なる目的地に向けて車山を下山します。なだらかな道を下りきると大きな駐車場があり、近くには山小屋ころぼっくるひゅってが建っています。ボルシチが有名で、ケーキなどの軽食も楽しめます。時間に余裕があればぜひ立ち寄りましょう。

車山下山途中の一枚。駐車場や赤い屋根のころぼっくるひゅってが見えている
こちら側にも車山肩バス停がありますが、ここからは茅野駅に向かうバスは出ていないので注意。全て上諏訪駅行のバスとなります。(詳しくはこちらをチェック)
道はなだらかに高度を下げていきます。沢渡という場所でその名の通り沢を渡ってしばらく進み、木道が始まるといよいよ八島ヶ原湿原に到着です。

ここまでくれば八島ヶ原湿原は目の前。獣害防止柵を開けて進みます
日本有数の高層湿原「ハート形の八島ヶ原湿原」を楽しもう!
八島ヶ原湿原の周囲には木道が整備されており、歩きやすくなっています。また、背の高い樹木が発達していないため、見晴らしが非常に良いです。吹きわたる爽やかな風、池に映る青い空と白い雲。湿原が見せる独特の表情は見ていて飽きることがありません。景色を楽しみながら進みましょう。
木道を一番奥まで進むと、ビジターセンターがあります。ここで八島ヶ原湿原の成り立ちなどについて学ぶことができるので、休憩がてら立ち寄るのがおすすめです。隣の八島山荘では食事を楽しんだりお土産を購入したりすることもできます。
ここにもバス停がありますが、やはり茅野駅ではなく上諏訪駅方面に行くバスのみなので要注意です。(詳しくはこちらをチェック)
ビジターセンターを後にし、再び木道を進みます。やがて獣害防止柵が現れ、外に出れば湿原歩きも終了です。
※高層湿原・・・寒い地域では土中の微生物の活動が鈍るため、枯れた植物が分解されず泥炭となり、周囲の地形よりも高く積もっていきます。その結果、雨水からの水の供給のみで維持されるようになった湿原のこと。寒い地域に発達するため、八島ヶ原湿原が日本の高層湿原の南限とされる。
※泥炭・・・気温が低いため植物が完全に分解されずに堆積してできた土のこと。

湿原独特の景観を楽しみましょう

八島ヶ原湿原はハート形の湿原です。恋人の聖地とも言われています。恋愛に悩んでいるそこのあなた!ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか

湿原の奥にはビジターセンターと八島山荘が並んでいます。休憩に最適
湿原を離れ、雄大な稜線歩きへ。様々な顔を持つ霧ヶ峰を楽しみ尽くす
湿原を離れると登山道の様相は一気に変わります。ここからは霧ヶ峰の北側外輪山を歩くことになります。外輪山の登山道に入る手前には分岐がいくつか連続しますので、アプリで十分に現在地と進行方向を確認しながら進みましょう。
時おり現れる急斜面を攻略しながら、男女倉山(ゼブラ山)、北の耳、南の耳と連続して現れるピークを制していきます。男女倉山(ゼブラ山)以降の道はなだらかな草原の道が続き気持ちのよい稜線歩きが楽しめます。霧ヶ峰の中でも一番、霧ヶ峰らしい雰囲気を味わえるコースの一つかもしれません。終始展望もよく、八ヶ岳や浅間山方面の眺望がすばらしいです。
また、八島ヶ原湿原に向かう人の多くは物見石~蝶々深山のルートを通るため静かな山歩きを堪能できるのも魅力の一つです。
筆者はこの場所を通りたいがために今回のルートを選択したといっても過言ではありません。自信をもっておすすめできるので霧ヶ峰を訪れる際はぜひ計画に盛り込んでみてください。
山行もいよいよ終盤戦です。足に疲労を感じながらもご褒美のような美しい景色に癒されながら歩をどんどん進めていきます。

外輪山手前の登山道の様子。いくつか分岐が連続します。アプリを使って進行方向と現在地を確認しながら進みます

正面に八ヶ岳の峰々を眺めながら、草原の中を進みます。疲れが吹き飛ぶほど充実した時間が流れます

男女倉山(ゼブラ山)より、八島ヶ原湿原を望みます。ハートの形をしているのが伝わるでしょうか・・・?

稜線ではクラブアップルの花が満開でした
長かった霧ヶ峰登山も無事ゴール、そして「中腹往復券」の真実
基本的には見通しの良い一本道であるとはいえ、時おり下山道が分岐している箇所があります。下山にかかるときこそ道迷いに注意しなくてはなりません。一つ分岐を間違えただけで全く違う場所に出てしまい、帰りのバスにも間に合わなかった・・・などということはよくあるミスです。だんだんと登山道が集約していく登りと違って、下りの場合には道が次々と枝分かれしていきます。下山こそ気を引き締めなければなりません。要所ではアプリを確認しながら進みましょう。
いつまでも続いて欲しいと思えるほどの北側外輪山でしたが、さすがにこれだけ歩くと足に疲労が溜まり始めます。「もう眺めは十分堪能したし、そろそろ下りたいなあ・・・」
そこで再び登場するのが、そう、あの「中腹往復券」です。この後掲載する地図を確認していただくと分かるのですが、北側外輪山を歩き終えると、なんと、運命かのごとくリフト中腹の駅近くの分岐に出るのです!
これでこのままスムーズにリフトに乗り下山することができます。この「中腹往復券」こそが、無駄無く霧ヶ峰の魅力を余すことなく堪能する大切な鍵の一つだったのです。
下りのリフトに乗ればあっという間にスタート地点の車山高原バス停に到着です。疲労をため込んだ足に下りのリフトは非常にありがたい。喜びをかみしめつつ、茅野駅行のバスを待つ筆者であった・・・。
さて今回の「霧ヶ峰満喫山行」いかがだったでしょうか。一見リフトで簡単に往復出来てしまうだけの山のように見えますが、少し計画を工夫するだけで「絶景あり」「湿原あり」「美しい稜線歩きあり」という盛りだくさんの1日を楽しむことができました。皆さんも訪れる機会がありましたら、ぜひ霧ヶ峰が持つ様々な魅力にふれてみてくださいね。

現地の道標だけでなく、必ずアプリ・地図を併用しながら進路を確認します

リフト中腹駅近くの分岐に出ます。無駄のない完璧すぎる計画・・・!

無事、リフトで中腹からスタート地点に戻ってきました。お疲れさまでした!
今回歩いた霧ヶ峰登山コースはこちら

山と高原地図35 八ヶ岳 蓼科・美ヶ原・霧ヶ峰
スタート:車山高原バス停→→車山展望リフト(スカイライナー)→中腹→車山→ころぼっくるひゅって→沢渡→八島ヶ原湿原→ビジターセンターあざみ館→男女倉山(ゼブラ山)→北の耳→南の耳→中腹→車山展望リフト(スカイライナー)→ゴール:車山高原バス停

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