烏帽子岳〜三国岳

コース難易度
中級
  • 5時間35分

コースガイド

鈴鹿北部は石灰岩地質の雄大な地形の山が多いが、烏帽子岳・三国岳は石灰岩帯から外れ、対照的にごつごつとした小さなピークを突き上げている。両山の麓の時山は炭焼きが盛んに行われ、遠い昔の鈴鹿のノスタルジーを感じさせている。
テクニック度
山行日数
歩行時間
5時間35分
歩行距離
最大高低差
水場
トイレ
 烏帽子岳は、かつて炭焼きが盛んだった名残で、多くの踏み跡があったようですが、現在ではかなり整理されています。現在は、時山からの鉄塔の巡視路、細野からの道、篠立から狗留孫岳を経由する道の3コースとなっています。三国岳へは、時山の阿蘇谷道、滋賀県側からの百々女鬼谷道、鞍掛峠からの県境尾根の道などがあります。
 鉄塔の巡視路は、時山集落の背後から烏帽子岳に向けて伸び上がる急峻な尾根にあります。登山は時山バンガロー村から始まりますが、要所には中部電力の巡視路の札と道標があり、それに従って桧の植林地にある急斜面の道を登っていきます。
 ジグザグを繰り返す道は、2つ目の鉄塔を過ぎると傾斜がやや緩くなり、いったん伐採地の明るい尾根に出たあと、常緑樹の中へと入っていきます。このあたりで道が分かれますが、左の道に入り、急な尾根を登っていきます。暗い常緑の林は、登るにつれて次第に落葉樹が増えて明るくなり、雰囲気も変わってきます。
 尾根は緩急がありますが、急な登りが多く、シャクナゲが現れるようになると稜線も近くなり、さらに急登が続きます。やがて道が分かれますが、どちらの道も稜線に出るもので、烏帽子岳へは左を取ります。少し登ると、三国岳と烏帽子岳を結ぶ稜線に出ます。
 左に進むと、何度かアップダウンがあり、途中の小さな岩の露出した場所からは霊仙などの大きな眺望が開けます。15分ほどで烏帽子岳の頂上に到着しますが、頂上直下では右から狗留孫岳からの尾根道が合流しています。烏帽子岳の頂上は樹林に囲まれており、展望はまったくききません。東へ5分ほどのところに三角点ピークがありますが、ここもほとんど眺望はありません。
 三国岳までは、直線的でゴツゴツとした細い尾根が続いています。稜線上のコルにある鉄塔まではほぼ下り道で、道はしっかりとしていますが、鉄塔を過ぎると踏み跡はあやふやになります。ただし、尾根はわかりやすい地形です。三国岳に近づくとヌタ場があり、その先は急な登りとなります。尾根の右端の岩場に沿って細い踏み跡をたどると、県境尾根に出ます。逆コースを取る場合は、やや分かりにくい下りになるでしょう。
 県境尾根に出てから左に5分ほど登ると、三国岳の頂上に着きます。三国岳には2つの頂上があり、その少し先に最高点ピークがあります。どちらの頂上も、あまり展望は良くありません。
 県境尾根を北に進むと、急で歩きにくい下りがしばらく続きます。下りきったところからは815メートルピークの右斜面を巻くような山腹道となり、再び稜線に戻ったところで左側、滋賀県側からの道が合流しています。阿蘇谷のコルはこの先にあり、コルから右に阿蘇谷へと下っていきます。
 浅い谷の流れに沿って下っていくと、広々とした「ダイラ」に出ます。雑木林に包まれた美しい谷間が広がっています。谷はやがて狭くなり、流れに沿って下っていきます。しばらく進むと、尾根をマド状のコルで乗り越し、ワサビ田跡を過ぎると、再び右からの本流と出合います。谷を渡ったところには炭焼き窯の跡があり、さらに少し下ると、しっかりとした広い道となって時山の集落に出ます。なお、阿蘇谷道は近年の大雨により荒れているため、通行には注意が必要です。
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