一ノ谷新道〜御在所岳〜中道

コース難易度
中級
  • 6時間0分

コースガイド

岩の鎧をまとい一気に天空に突き上げる姿は、とても1200m余りの山とは思えない迫力とスケールを感じさせてくれる。四季を通じてさまざまな魅力に包まれた自然と、変化に富んだ各コース。そして温泉と、山の楽しみをいっぱいに詰め込んだ鈴鹿一人気の山。
テクニック度
山行日数
歩行時間
6時間0分
歩行距離
最大高低差
水場
トイレ
 湯の山温泉を基点として、5つの変化に富んだ登山コースが御在所岳の山頂を目指しています。表道、中道、裏道、武平峠道、一ノ谷新道の各コースがあり、いずれも整備されており、安全に楽しむことができますが、裏道を除くと急峻な岩場の多い尾根道ですので、慎重に行動する必要があります。
 ここでは、圧倒されるような頂上岩壁を眺めながら一ノ谷新道を登り、展望が広がるスリリングな岩尾根である中道を下るコースをご紹介します。
 川鹿橋から温泉街を抜けて車道を登っていくと、一ノ谷茶屋があり、ここで車道を離れて一ノ谷沿いの登山道へと入ります。すぐに左側に武平峠への道を分け、鈴鹿スカイラインをくぐると中道の取り付きに至ります。スカイライン上に出ると一ノ谷山荘があり、その左の尾根が一ノ谷新道の登山口となります。
 一ノ谷新道は、風化した花崗岩による白砂の急な登りが続きます。緩急の変化はあるものの、最後まで急登が続くため、ペース配分に注意して登ることが大切です。特に登り始めは木の根を掴みながら登る急斜面で厳しいですが、春にはイワカガミの可憐なピンクの花やアカヤシオ、シロヤシオの美しい彩りに励まされ、夏も木陰が多く涼しい道のりとなっていて救われます。
 登る途中、木々の間からは、一ノ谷を挟んで切り立つ岩壁が城塞のように連なる様子が見え、その上空を色鮮やかなゴンドラが行き交う様子が垣間見えます。
 いくつかの岩場を巻いて越えていくと、やがて恵比須岩を見下ろす地点に達し、そこからはササの茂る急な登山道となります。山上公園駅の直下まで登り、左に向かってさらに登ると、山上公園に到着します。公園内のアスファルト道を進み、右手の階段道を登ると、御在所岳の頂上に到着します。
 頂上にはリフトが上がってきており、多くの観光客で賑わっています。ここからは大きな展望が広がり、滋賀県側の愛知川の谷に突き出すような岩の上に立つと、樹林の広がりが鮮やかに見え、心地よい風が吹き抜けていきます。
 山上公園駅まで戻り、左に分かれる国見峠への縦走路を通り過ぎたところで、右側に分かれる中道へと下ります。
 中道は、登りとは対照的に最初から急な岩場の下りが続く尾根コースで、伊勢平野や伊勢湾を一望できるスケールの大きな展望が魅力です。また、山稜上には地蔵岩や負ばれ石といった奇岩が点在し、キレット(岩の割れ目)なども現れるため、次々と現れる「ストーンアート」を楽しむことができます。
 岩場が続くため慎重な歩行が必要ですが、特に頂上直下の岩壁を巻いて下る箇所やキレットは注意が必要です。ただし、道を誤らなければ特に危険な箇所はありません。
 キレットを過ぎると、尾根はやや穏やかになり、地蔵岩と出会います。この岩は石の仏像を思わせる形状をしており、背景には広大な平野が広がる素晴らしい展望が楽しめます。さらに少し下ると、巨大な石のまな板を立てかけたような形をした「負ばれ石」が現れます。
 この負ばれ石を過ぎると、登山道は樹林帯に入り、ゴンドラの下をくぐった後、暗い常緑樹の森の中を下っていきます。左側から裏道が合流すると、足元が滑りやすい砂ザレの道となり、一ノ谷のスカイライン登山口に出ます。そこから往路を戻り、約50分ほどで川鹿橋に戻ることができます。
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