【三重県】の登山コースガイド
三重県
検索結果27件中
1-20件
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八鬼山越え
- 日帰り
- 5時間10分
- 11.1km
八鬼山越え
- 日帰り
- 5時間10分
- 11.1km
JR大曽根浦駅から尾鷲節歌碑の立つ三叉路に向かいます。三叉路を左折し、八鬼山古道入口へ。古道に入ると、しばらく緩やかな登りが続きます。やがて町石地蔵を祀る駕籠立場に到着します。町石地蔵は、矢ノ浜から八鬼山間の50町の古道沿い、1町毎に旅人の無事を願って、祀られたもので、現在、35体ほどの地蔵が残されています。やがて八鬼山越え最大の難関、七曲がりに突入。つづら折れの石畳道で高度を上げ、蓮華石・烏帽子石を過ぎると九木峠はすぐです。 峠を右にとって火の神様を祀る荒神堂へ。ひと登りで江戸道と明治道の分かれ辻の八鬼山山頂に到着します。傍らには町石地蔵が集められています。左の江戸道を進み、すぐの分岐を左折、熊野灘を望むさくらの森広場に立ち寄ります。ひと休みしたのち、十五郎茶屋跡から石畳道を一気に下って名柄一里塚跡へ。平坦道を進むと、目の前に三木里海岸が開けてきます。八十川橋手前の車道を右折すると、JR三木里駅まで、あと少しです。JR大曽根浦駅から尾鷲節歌碑の立つ三叉路に向かいます。三叉路を左折し、八鬼山古道入口へ。古道に入ると、しばらく緩やかな登りが続きます。やがて町石地蔵を祀る駕籠立場に到着します。町石地蔵は、矢ノ浜から八鬼山間の50町の古道沿い、1町毎に旅人の無事を願って、祀られたもので、現在、35体ほどの地蔵が残されています。やがて八鬼山越え最大の難関、七曲がりに突入。つづら折れの石畳道で高度を上げ、蓮華石・烏帽子石を過ぎると九木峠はすぐです。 峠を右にとって火の神様を祀る荒神堂へ。ひと登りで江戸道と明治道の分かれ辻の八鬼山山頂に到着します。傍らには町石地蔵が集められています。左の江戸道を進み、すぐの分岐を左折、熊野灘を望むさくらの森広場に立ち寄ります。ひと休みしたのち、十五郎茶屋跡から石畳道を一気に下って名柄一里塚跡へ。平坦道を進むと、目の前に三木里海岸が開けてきます。八十川橋手前の車道を右折すると、JR三木里駅まで、あと少しです。 -
天狗倉山・オチョボ岩
- 日帰り
- 6時間0分
- 10.1km
天狗倉山・オチョボ岩
- 日帰り
- 6時間0分
- 10.1km
JR尾鷲駅下車。尾鷲神社に立ち寄ったのち、大島元橋北詰へ。北浦町のコクボ谷沿いの路地をしばらく進むと岩屋堂参道入口に到着します。参道に入って、八畳岩に立ち寄ったのち、観音石像を祀る岩屋堂へ。大岩の下に西国三十三ヶ所の観音石像が整然と並べられています。岩屋堂を後に、支尾根の道に取り付くと、右下に尾鷲湾の眺望が開けてきます。覗岩を経て、急斜面を一気に登っていきます。やがて天狗倉山の東尾根の尾鷲トレイル道に突き当たります。まずは、尾鷲トレイル道を左にとって天狗倉山山頂へ。天狗岩に登ると、尾鷲湾をはじめ、大台ヶ原方面の大パノラマが開けています。 天狗倉山をあとに、尾鷲トレイル道を東にとってオチョボ岩へ。尾鷲湾を眼下に熊野灘の絶景が広がっています。尾鷲トレイル道を水地越峠を経て猪ノ鼻口方面に下っていきます。猪ノ鼻口を左にとって、JR相賀駅へと向かいます。JR尾鷲駅下車。尾鷲神社に立ち寄ったのち、大島元橋北詰へ。北浦町のコクボ谷沿いの路地をしばらく進むと岩屋堂参道入口に到着します。参道に入って、八畳岩に立ち寄ったのち、観音石像を祀る岩屋堂へ。大岩の下に西国三十三ヶ所の観音石像が整然と並べられています。岩屋堂を後に、支尾根の道に取り付くと、右下に尾鷲湾の眺望が開けてきます。覗岩を経て、急斜面を一気に登っていきます。やがて天狗倉山の東尾根の尾鷲トレイル道に突き当たります。まずは、尾鷲トレイル道を左にとって天狗倉山山頂へ。天狗岩に登ると、尾鷲湾をはじめ、大台ヶ原方面の大パノラマが開けています。 天狗倉山をあとに、尾鷲トレイル道を東にとってオチョボ岩へ。尾鷲湾を眼下に熊野灘の絶景が広がっています。尾鷲トレイル道を水地越峠を経て猪ノ鼻口方面に下っていきます。猪ノ鼻口を左にとって、JR相賀駅へと向かいます。 -
御池岳〜鈴北岳
- 4時間20分
御池岳〜鈴北岳
- 4時間20分
昔は静かで行きにくい山とされていたようだが、現在ではヤブの深かった複雑な頂上台地にも踏み跡ができるほどになっている。最も一般的なコースがコグルミ谷道で、春はカタクリを求めて登る人も多く、国道306号のコグルミ谷出合を基点として、御池岳の丸山から鈴北岳、鞍掛峠のコースは、車での登山では手軽に楽しめる周回コースである。また、静かなコースとしては滋賀県側の御池川からのT字尾根コースがおすすめだ。 ここで案内コースとして設定したコグルミ谷道は、マイカーを前提とした登山コースとしており、国道306号には鞍掛トンネル東口に駐車できるスペースがある。 コグルミ谷は出合あたりを除いて水はほぼ伏流している。最初は右岸側が杉の植林帯、左岸側が自然林で、15分ほど歩いたタテ谷道(廃道)分岐あたりから、すっぽりと自然林の中に包まれる。真っ直ぐに高く伸びたサワグルミが中心で、四季の色彩の変化の楽しい道だ。 コグルミ谷では近年大雨の土石流により、下流部がかなり荒れてしまった。国道から登り始める道も左岸から右岸に付け替わっている。カレンフェルトがごつごつ突き出す滑りやすい道も、さらに歩きにくくなったようだが、次第に落ち着きを取り戻している。長命水の水場まで登ると谷は浅く広がり、サワグルミやトチなどの自然林が多く気持ちのよい斜面が開けてくる。長命水からは谷通しに道は続いていたが、長命水の背後から登るように道は付け替えられている。斜面を登って行くと以前の道と合流し、やがて県境尾根の峠状となった天ヶ平に出る。 はっきりとした尾根道となり、しばらく登ると尾根の鼻を越えて、浅く広がる真ノ谷と出合う。右に真ノ谷を少し登ったところに、左に丸山への道が分かれており、いよいよ最後の登りとなる。長く広がる頂上台地への登りで、春は遅くまで雪が残る滑りやすい急な登りが続いている。登るにつれてごつごつと曲がりくねったオオイタヤメイゲツの覆う樹林帯となり、丸山とボタンブチとの分岐に飛び出す。ボタンブチは台地の西側の急崖となった岩場で、素晴らしい展望が眺められるので、ぜひ立ち寄ってみたい。 分岐を右に進めばすぐに御池岳の最高峰の丸山の頂上に着く。樹林の中で眺望はほとんどきかなかったが、近年は大きく伐り開かれた。昼にするなら天気さえ良ければボタンブチの方がいいだろう。 鈴北岳へはいったん真ノ谷に下るのだが、もと来た道を下ってもいいし、頂上から尾根を通って真ノ谷へと下る道がある。尾根通しに真ノ谷へと下ると広い原に出る。以前はササに覆われた迷いやすい場所だったのだが、火事によってすっかり見通しのきく原となった。台地の北西端のゆるやかな鈴北岳への斜面からは、樹林に包まれた丸山とササのなくなった広大な台地の大きな風景が広がっている。鈴北岳頂上から北へ広く刈り払われた県境尾根を下ると鞍掛峠で、右へと下ると三重県側のトンネル東口に着く。昔は静かで行きにくい山とされていたようだが、現在ではヤブの深かった複雑な頂上台地にも踏み跡ができるほどになっている。最も一般的なコースがコグルミ谷道で、春はカタクリを求めて登る人も多く、国道306号のコグルミ谷出合を基点として、御池岳の丸山から鈴北岳、鞍掛峠のコースは、車での登山では手軽に楽しめる周回コースである。また、静かなコースとしては滋賀県側の御池川からのT字尾根コースがおすすめだ。 ここで案内コースとして設定したコグルミ谷道は、マイカーを前提とした登山コースとしており、国道306号には鞍掛トンネル東口に駐車できるスペースがある。 コグルミ谷は出合あたりを除いて水はほぼ伏流している。最初は右岸側が杉の植林帯、左岸側が自然林で、15分ほど歩いたタテ谷道(廃道)分岐あたりから、すっぽりと自然林の中に包まれる。真っ直ぐに高く伸びたサワグルミが中心で、四季の色彩の変化の楽しい道だ。 コグルミ谷では近年大雨の土石流により、下流部がかなり荒れてしまった。国道から登り始める道も左岸から右岸に付け替わっている。カレンフェルトがごつごつ突き出す滑りやすい道も、さらに歩きにくくなったようだが、次第に落ち着きを取り戻している。長命水の水場まで登ると谷は浅く広がり、サワグルミやトチなどの自然林が多く気持ちのよい斜面が開けてくる。長命水からは谷通しに道は続いていたが、長命水の背後から登るように道は付け替えられている。斜面を登って行くと以前の道と合流し、やがて県境尾根の峠状となった天ヶ平に出る。 はっきりとした尾根道となり、しばらく登ると尾根の鼻を越えて、浅く広がる真ノ谷と出合う。右に真ノ谷を少し登ったところに、左に丸山への道が分かれており、いよいよ最後の登りとなる。長く広がる頂上台地への登りで、春は遅くまで雪が残る滑りやすい急な登りが続いている。登るにつれてごつごつと曲がりくねったオオイタヤメイゲツの覆う樹林帯となり、丸山とボタンブチとの分岐に飛び出す。ボタンブチは台地の西側の急崖となった岩場で、素晴らしい展望が眺められるので、ぜひ立ち寄ってみたい。 分岐を右に進めばすぐに御池岳の最高峰の丸山の頂上に着く。樹林の中で眺望はほとんどきかなかったが、近年は大きく伐り開かれた。昼にするなら天気さえ良ければボタンブチの方がいいだろう。 鈴北岳へはいったん真ノ谷に下るのだが、もと来た道を下ってもいいし、頂上から尾根を通って真ノ谷へと下る道がある。尾根通しに真ノ谷へと下ると広い原に出る。以前はササに覆われた迷いやすい場所だったのだが、火事によってすっかり見通しのきく原となった。台地の北西端のゆるやかな鈴北岳への斜面からは、樹林に包まれた丸山とササのなくなった広大な台地の大きな風景が広がっている。鈴北岳頂上から北へ広く刈り払われた県境尾根を下ると鞍掛峠で、右へと下ると三重県側のトンネル東口に着く。 -
聖宝寺道〜藤原岳〜大貝戸道
- 5時間35分
聖宝寺道〜藤原岳〜大貝戸道
- 5時間35分
藤原岳は南北にいくつかのピークを連ねた山々の総称で、一番南の展望丘ピークが頂上とされている。いくつかある一般的な登山道の中で、花の豊富な聖宝寺道を登りのコースとし、道がよく歩きやすい大貝戸道を下山路にしているが、歩きやすい大貝戸道の往復コースをすすめたい。他のコースには木和田尾、孫太尾根、滋賀県側の茶屋川からの治田峠道や西尾根などがある。ここに紹介する大貝戸道が最もよく登られているコースであるが、近年、花のコースとして孫太尾根道もよく登られている。 西藤原駅から集落の中を進み、鳴谷神社から登って聖宝寺に出る。右から寺の裏手の林道に出て谷と出合ったところから、聖宝寺登山道が始まる。取り付きの斜面は急で、常緑の林の中のジグザグ登りが続く。二合目と三合目の間で谷を渡るところがあるが、道が流されてわかりにくくなっているので注意したい。ここからもしばらく暗い杉林の中を切り返す道で、このあたりは暖かい時期にはヒルが多い。 五合目の標識を過ぎると雑木林の中に入り、雰囲気はがらりと明るくなる。はっきりとした尾根道となり六合目まで登ると、可憐な花々が顔をのぞかせ始める。ひと息入れるには丁度いい場所だ。厳しかった傾斜も和らぎ、花を楽しみながらの登りとなるが、近年シカの食害によって見られる花もすっかり減ってしまった。右側の浅い溝状の谷に近づき、やがてごろごろと石の転がる浅い谷に道は続き、早春には周りの雑木林に光りがあふれる。 やがて左の植林地の斜面を登るようになり、左からきた大貝戸道と合流する。ここが八合目でまだ頂上までは結構長い登りが続くが、春はここからがフクジュソウなど多くの花が見られる楽しいところだ。雑木林の急な道は頂上台地に近づくと背の低い灌木帯となり、藤原山荘に出る。左の展望丘頂上を往復しよう。 広大な斜面が広がる稜線をいったん下って登り返すと、頂上に着く。ここはカレンフェルトの突き出た狭いピークだが、360度の大展望が開け、登りの苦しさも忘れさせてくれる。 藤原山荘に戻り往路を八合目まで下るが、時間があれば天狗岩ピークまで往復してみよう。アップダウンがあるが、晴れていれば広やかな稜線は気持ちがいいところだ。また、天狗岩ピークからの切れ込んだ茶屋川斜面の眺望は圧巻で、とくに秋の紅葉が素晴らしい。ただ、稜線は大きな樹林がないだけに吹きっさらしで広い尾根なので、悪天候の時は注意したい。 八合目から右の大貝戸道に入る。この道は聖宝寺道より歩きやすい道で、六合目まで杉林の植林帯の中を大きくジグザグを繰り返しながら下って行く。六合目あたりからは広葉樹林となりしっかりとした広い道が続くが、四合目から下は歩きにくい急な下りとなる。 神武神社へ下ったところに駐車場とトイレのある休憩所がある。ここから民家の間を抜けると西藤原駅に戻る。藤原岳は南北にいくつかのピークを連ねた山々の総称で、一番南の展望丘ピークが頂上とされている。いくつかある一般的な登山道の中で、花の豊富な聖宝寺道を登りのコースとし、道がよく歩きやすい大貝戸道を下山路にしているが、歩きやすい大貝戸道の往復コースをすすめたい。他のコースには木和田尾、孫太尾根、滋賀県側の茶屋川からの治田峠道や西尾根などがある。ここに紹介する大貝戸道が最もよく登られているコースであるが、近年、花のコースとして孫太尾根道もよく登られている。 西藤原駅から集落の中を進み、鳴谷神社から登って聖宝寺に出る。右から寺の裏手の林道に出て谷と出合ったところから、聖宝寺登山道が始まる。取り付きの斜面は急で、常緑の林の中のジグザグ登りが続く。二合目と三合目の間で谷を渡るところがあるが、道が流されてわかりにくくなっているので注意したい。ここからもしばらく暗い杉林の中を切り返す道で、このあたりは暖かい時期にはヒルが多い。 五合目の標識を過ぎると雑木林の中に入り、雰囲気はがらりと明るくなる。はっきりとした尾根道となり六合目まで登ると、可憐な花々が顔をのぞかせ始める。ひと息入れるには丁度いい場所だ。厳しかった傾斜も和らぎ、花を楽しみながらの登りとなるが、近年シカの食害によって見られる花もすっかり減ってしまった。右側の浅い溝状の谷に近づき、やがてごろごろと石の転がる浅い谷に道は続き、早春には周りの雑木林に光りがあふれる。 やがて左の植林地の斜面を登るようになり、左からきた大貝戸道と合流する。ここが八合目でまだ頂上までは結構長い登りが続くが、春はここからがフクジュソウなど多くの花が見られる楽しいところだ。雑木林の急な道は頂上台地に近づくと背の低い灌木帯となり、藤原山荘に出る。左の展望丘頂上を往復しよう。 広大な斜面が広がる稜線をいったん下って登り返すと、頂上に着く。ここはカレンフェルトの突き出た狭いピークだが、360度の大展望が開け、登りの苦しさも忘れさせてくれる。 藤原山荘に戻り往路を八合目まで下るが、時間があれば天狗岩ピークまで往復してみよう。アップダウンがあるが、晴れていれば広やかな稜線は気持ちがいいところだ。また、天狗岩ピークからの切れ込んだ茶屋川斜面の眺望は圧巻で、とくに秋の紅葉が素晴らしい。ただ、稜線は大きな樹林がないだけに吹きっさらしで広い尾根なので、悪天候の時は注意したい。 八合目から右の大貝戸道に入る。この道は聖宝寺道より歩きやすい道で、六合目まで杉林の植林帯の中を大きくジグザグを繰り返しながら下って行く。六合目あたりからは広葉樹林となりしっかりとした広い道が続くが、四合目から下は歩きにくい急な下りとなる。 神武神社へ下ったところに駐車場とトイレのある休憩所がある。ここから民家の間を抜けると西藤原駅に戻る。 -
遠足尾根〜竜ヶ岳〜宇賀渓本谷道
- 5時間35分
遠足尾根〜竜ヶ岳〜宇賀渓本谷道
- 5時間35分
竜ヶ岳の魅力は延びやかなササ尾根からの大きな展望が挙げられるが、宇賀渓の渓谷美も見どころのひとつであろう。コースとして取り上げるのは、長大な尾根をゆったりと延ばした遠足尾根と、宇賀渓本谷へと下る中道登山道で、眺望が開けた雄大な尾根道と滝や淵が連なる谷道という、変化に富んだボリューム感いっぱいの楽しいコースである。また宇賀渓からは他にも表登山道、金山尾根道があり、組み合わせを変えることもできる。また、古くからメインコースとなっていた裏道登山道(ホタガ谷道)は、出水のため道が荒れてしまい、通行禁止となっている。誤って立ち入らないようにしてほしい。 店が何軒か並ぶ中を抜けて橋を渡ると林道となり、左の河原がキャンプ場となっている。約20分で遠足尾根へと取り付く登山口に着く。登山道は杉の植林地の急な斜面をジグザグに登って行き、やがて明るい落葉広葉樹林の中となって遠足尾根に出る。 遠足尾根には掘れこんだ昔の道が残っている。しばらく登ると周囲はササや低灌木となって眺望が開け、金山尾根からのび上がる竜ヶ岳が見えてくる。反対側には鉱山で削られた藤原岳の大きな姿が見えている。広々としたササ尾根の遠足尾根は、開放感にあふれて気持ちがいい道だ。 ゆったりとしたアップダウンを過ぎて裏道登山道、金山尾根道が続けて左から合流して1042mピークを越えると、県境稜線へと出る。右を行けば樹林の道が続く鈴鹿山脈の縦走路で、静ヶ岳、銚子岳からさらに藤原岳へと至る。左の道はササ原の中を竜ヶ岳の丸みを帯びた巨体へとのび上がっている。ここから見る端正な姿の竜ヶ岳は、ビロードのようなササの緑に包まれ、春はシロヤシオが点在する。 真っすぐに延びた道の頂点が竜ヶ岳頂上で、山頂は360度遮るものもなく、西側の伊勢の平野の先には海が光る、雄大な展望が広がっている。 下山は石榑峠からの表道と竜ヶ岳頂上からヨコ谷へと下る中道がある。石榑峠から竜ヶ岳まで往復する人は多いが、峠から下の三重県側から登る表道は歩く人も少なく荒れているので注意したい。 中道を下るとササ原の斜面から樹林の尾根道となる。春にはシロヤシオが多い道だ。やがて右に谷へと下る急な道となるが、この手前で左に不明瞭な蛇谷へ入る道が分かれるので、間違って入らないように注意したい。ぐんぐん下って行くと谷に下り宇賀渓本谷に着く。右に美しい滝を落とす長尾滝がある。時間があれば見ておきたい。 宇賀渓本谷はツバメ滝などがかかる美しい流れが続いているが、道は流れから離れて山腹にある。蛇谷の雄壮な五階滝を横切り魚止滝の下で鉄製の橋を二度渡ると、ホタガ出合に出て、林道を歩いてノルディスクヒュゲサークルズウガケイのある場所に戻る。竜ヶ岳の魅力は延びやかなササ尾根からの大きな展望が挙げられるが、宇賀渓の渓谷美も見どころのひとつであろう。コースとして取り上げるのは、長大な尾根をゆったりと延ばした遠足尾根と、宇賀渓本谷へと下る中道登山道で、眺望が開けた雄大な尾根道と滝や淵が連なる谷道という、変化に富んだボリューム感いっぱいの楽しいコースである。また宇賀渓からは他にも表登山道、金山尾根道があり、組み合わせを変えることもできる。また、古くからメインコースとなっていた裏道登山道(ホタガ谷道)は、出水のため道が荒れてしまい、通行禁止となっている。誤って立ち入らないようにしてほしい。 店が何軒か並ぶ中を抜けて橋を渡ると林道となり、左の河原がキャンプ場となっている。約20分で遠足尾根へと取り付く登山口に着く。登山道は杉の植林地の急な斜面をジグザグに登って行き、やがて明るい落葉広葉樹林の中となって遠足尾根に出る。 遠足尾根には掘れこんだ昔の道が残っている。しばらく登ると周囲はササや低灌木となって眺望が開け、金山尾根からのび上がる竜ヶ岳が見えてくる。反対側には鉱山で削られた藤原岳の大きな姿が見えている。広々としたササ尾根の遠足尾根は、開放感にあふれて気持ちがいい道だ。 ゆったりとしたアップダウンを過ぎて裏道登山道、金山尾根道が続けて左から合流して1042mピークを越えると、県境稜線へと出る。右を行けば樹林の道が続く鈴鹿山脈の縦走路で、静ヶ岳、銚子岳からさらに藤原岳へと至る。左の道はササ原の中を竜ヶ岳の丸みを帯びた巨体へとのび上がっている。ここから見る端正な姿の竜ヶ岳は、ビロードのようなササの緑に包まれ、春はシロヤシオが点在する。 真っすぐに延びた道の頂点が竜ヶ岳頂上で、山頂は360度遮るものもなく、西側の伊勢の平野の先には海が光る、雄大な展望が広がっている。 下山は石榑峠からの表道と竜ヶ岳頂上からヨコ谷へと下る中道がある。石榑峠から竜ヶ岳まで往復する人は多いが、峠から下の三重県側から登る表道は歩く人も少なく荒れているので注意したい。 中道を下るとササ原の斜面から樹林の尾根道となる。春にはシロヤシオが多い道だ。やがて右に谷へと下る急な道となるが、この手前で左に不明瞭な蛇谷へ入る道が分かれるので、間違って入らないように注意したい。ぐんぐん下って行くと谷に下り宇賀渓本谷に着く。右に美しい滝を落とす長尾滝がある。時間があれば見ておきたい。 宇賀渓本谷はツバメ滝などがかかる美しい流れが続いているが、道は流れから離れて山腹にある。蛇谷の雄壮な五階滝を横切り魚止滝の下で鉄製の橋を二度渡ると、ホタガ出合に出て、林道を歩いてノルディスクヒュゲサークルズウガケイのある場所に戻る。 -
八風峠道〜三池岳〜東尾根
- 3時間50分
八風峠道〜三池岳〜東尾根
- 3時間50分
古くより歩き続けられてきた八風峠道は、幾多の人々の足跡とそれを包み込んできた自然とが、見事にとけあった美しい道だ。心地よい風の吹き渡る八風峠、眺望広がる三池岳、静かにたたずむ御池、そこには目をひく風景はないが、落ち着いた山歩きを楽しめる。田光のバス停から往復すると、2時間以上のアプローチとなるので、できればマイカーでの登山が望ましい。 八風キャンプ場からもう少し林道を登ったところに数 台の駐車スペースがある。林道は滝ヶ谷出合で終わり、堰堤の上で流れを右岸に渡ってから谷沿いに登山道を登っていくが、豪雨によって道が荒れ一部迂回路が造られている。登るにつれ石畳が敷かれた旧街道の面影がしのばれる道となる。 谷沿いの道からやがて流れを渡ったところで尾根に取り付く。斜面を斜めに登るようになり、常緑樹林の中をジグザグに登って行く。しばらくで左に中峠への道が分かれるが、中峠への道はあまりよくない。 あたりが落葉樹に変わってくると、三体の石仏と出合う。登るにつれ道は深く踏み込まれ、昔の峠道の風情の残る、風格ある道だ。若葉の頃はライムグリーンに染まる明るい林が続き、ジグザグを切って高度を上げて行く。このあたりは道も歩きやすくて見通しがきき、峠道の美しさが際だっている。 少しなだらかな尾根上を歩くようになると稜線も近くなり、アカヤシオが点在する木々の背も低くなって左にガレが見えてくる。明るいガレが広がるコルに登り着くと鳥居が立っている。八風峠は風の吹き抜ける明るい気持ちのいい峠だ。滋賀県側へと越える峠道は県境尾根を少し北へ進んだところから下っているが、道はあまりよくない。 峠から北へ10分あまり歩くと三池岳がある。実際の三角点ピークはこの頂上から三重県側に少し入ったところにあるが、三角点峰よりこのピークのほうが頂上らしく、眺望も優れている。とくに西側が開け、神崎川に向けてゆったりと傾いた緑の斜面が大きく広がり、鈴鹿主脈の地形の対照が実感できる。 下山コースは東尾根を下る。三角点ピークを過ぎ雑木林を下って行くと左にガレがあって左斜面が開け、再び林の中に入ると御池に出合う。池が3つあるのではなく、御池という池への敬称であり、山名の三池は当て字だ。ほんの小さな静かな池で、初夏に訪れるとモリアオガエルの泡のような卵塊が樹林にいくつもぶら下がっている。 御池から少し下ると道標があり、直進する八風牧場跡のある東海自然歩道への道と、右に三池林道への道と分かれるが、右の三池林道への道を下る。八風牧場跡への道からは八風キャンプ場下流の切畑集落に出られるが、道はあまりよくない。 分岐からぐんぐんと下る道となり、最後は植林の中に入って、三池林道の堰堤の下に下り立つ。林道を下っていくと往路の林道と出合う。バスでの登山の場合は、田光バス停までさらに車道を1時間ほど歩かなければならない。古くより歩き続けられてきた八風峠道は、幾多の人々の足跡とそれを包み込んできた自然とが、見事にとけあった美しい道だ。心地よい風の吹き渡る八風峠、眺望広がる三池岳、静かにたたずむ御池、そこには目をひく風景はないが、落ち着いた山歩きを楽しめる。田光のバス停から往復すると、2時間以上のアプローチとなるので、できればマイカーでの登山が望ましい。 八風キャンプ場からもう少し林道を登ったところに数 台の駐車スペースがある。林道は滝ヶ谷出合で終わり、堰堤の上で流れを右岸に渡ってから谷沿いに登山道を登っていくが、豪雨によって道が荒れ一部迂回路が造られている。登るにつれ石畳が敷かれた旧街道の面影がしのばれる道となる。 谷沿いの道からやがて流れを渡ったところで尾根に取り付く。斜面を斜めに登るようになり、常緑樹林の中をジグザグに登って行く。しばらくで左に中峠への道が分かれるが、中峠への道はあまりよくない。 あたりが落葉樹に変わってくると、三体の石仏と出合う。登るにつれ道は深く踏み込まれ、昔の峠道の風情の残る、風格ある道だ。若葉の頃はライムグリーンに染まる明るい林が続き、ジグザグを切って高度を上げて行く。このあたりは道も歩きやすくて見通しがきき、峠道の美しさが際だっている。 少しなだらかな尾根上を歩くようになると稜線も近くなり、アカヤシオが点在する木々の背も低くなって左にガレが見えてくる。明るいガレが広がるコルに登り着くと鳥居が立っている。八風峠は風の吹き抜ける明るい気持ちのいい峠だ。滋賀県側へと越える峠道は県境尾根を少し北へ進んだところから下っているが、道はあまりよくない。 峠から北へ10分あまり歩くと三池岳がある。実際の三角点ピークはこの頂上から三重県側に少し入ったところにあるが、三角点峰よりこのピークのほうが頂上らしく、眺望も優れている。とくに西側が開け、神崎川に向けてゆったりと傾いた緑の斜面が大きく広がり、鈴鹿主脈の地形の対照が実感できる。 下山コースは東尾根を下る。三角点ピークを過ぎ雑木林を下って行くと左にガレがあって左斜面が開け、再び林の中に入ると御池に出合う。池が3つあるのではなく、御池という池への敬称であり、山名の三池は当て字だ。ほんの小さな静かな池で、初夏に訪れるとモリアオガエルの泡のような卵塊が樹林にいくつもぶら下がっている。 御池から少し下ると道標があり、直進する八風牧場跡のある東海自然歩道への道と、右に三池林道への道と分かれるが、右の三池林道への道を下る。八風牧場跡への道からは八風キャンプ場下流の切畑集落に出られるが、道はあまりよくない。 分岐からぐんぐんと下る道となり、最後は植林の中に入って、三池林道の堰堤の下に下り立つ。林道を下っていくと往路の林道と出合う。バスでの登山の場合は、田光バス停までさらに車道を1時間ほど歩かなければならない。 -
庵座谷中尾根〜釈迦ヶ岳〜ハト峰峠
- 5時間0分
庵座谷中尾根〜釈迦ヶ岳〜ハト峰峠
- 5時間0分
朝明渓谷はキャンパーやハイカーで賑わい、鈴鹿有数の登山基地となっている。釈迦ヶ岳へ登る庵座谷道、松尾尾根道を始めとして、美しい渓谷美を見せる愛知川源流へと越えるいくつもの峠道、そして国見岳、御在所岳へのコースと、放射状に峠道や登山道が広がっている。 その朝明から釈迦ヶ岳へのメインコースとなっていたのが庵座谷道だが、過去の集中豪雨で道が荒れて歩きにくくなったため、現在はその庵座谷左岸の中尾根に道が拓かれている。 庵座谷へは朝明渓谷有料駐車場からテント村へ入るか、少し下流の朝明テント村入口から車道を登るふたつの道がある。テント村入口に右に尾根へと取り付く中尾根登山口があり、新しい道標も立てられている。 最初は暗い常緑樹林の中にジグザグを繰り返す。急斜面にしっかりと刻まれた登りやすい道で、やがて尾根上に登り着く。左へと登る尾根道は雑木林に包まれ、展望もほとんどきかない緑の中の坦々とした登りが続く。庵座谷道のような変化はないが登りやすい道だ。 鳴滝コバに登り着くと片側の木が伐り開かれて、国見岳や御在所岳の山々が眺められるようになる。そして鳴滝の名前の通り、ここに出て初めて庵座谷の流れの音が響いてくる。ひと息入れるのにはいいところだ。 尾根は右へと振りしばらく進むと木を組んだ階段状の急な登りとなる。889.1mのピークに出て少し下りとなったところで、左に庵座谷道へと下りる道が分かれている。再び急登となり前方に岩場が見えると、道は左の山腹を巻きながら進むようになる。左に大蔭のガレが覗くようになり県境の山々が開ける。 ここから樹林の中の急な斜面をひたすら登る辛い道となる。この急登を登りきったところが釈迦白毫と呼ばれるところで、松尾尾根と合流する主尾根である。左へと登ると左側が切れ落ちる大蔭のガレ場で、やがて庵座谷道との合流点となる釈迦ヶ岳最高点の松尾尾根の頭に出る。さらに尾根を進むと県境稜線に出て県境尾根道と合流する。右に数分で釈迦ヶ岳の頂上だ。 頂上は三重県側が開けているが、滋賀県側は樹林にふさがれている。頂上の高度感もあまりなく狭く窮屈な感じがするので、ゆっくりと休憩するのなら松尾尾根の頭のほうがいいだろう。下山コースは松尾尾根コースがあるが、単調な尾根なので、ここでは距離は少し長くなるが県境尾根の道を南に歩いて、ハト峰峠から下るコースをとる。 県境尾根はゆったりとした下りが続く。すぐ前には猫岳の三角のピークがあり、国見、御在所などの県境尾根のピークが連なりがかすんでいる。背後にはさっき登った釈迦の緑の斜面と大蔭のガレの斜面が見え、ダイナミックなスケールの大きい風景が開けている。 猫岳に登るとまたササの道の長い下りとなり、ところどころで左の三重県側が大きく切れ込んで開けるが、右の滋賀県側は美しい雑木林が続いている。ハト峰峠の明るく開けたガレ場に着くと、左の朝明への道を下る。峠の少し手前にも朝明に下る林道の道があり、どちらを下ってもいいが、林道の方が歩きやすい。朝明渓谷はキャンパーやハイカーで賑わい、鈴鹿有数の登山基地となっている。釈迦ヶ岳へ登る庵座谷道、松尾尾根道を始めとして、美しい渓谷美を見せる愛知川源流へと越えるいくつもの峠道、そして国見岳、御在所岳へのコースと、放射状に峠道や登山道が広がっている。 その朝明から釈迦ヶ岳へのメインコースとなっていたのが庵座谷道だが、過去の集中豪雨で道が荒れて歩きにくくなったため、現在はその庵座谷左岸の中尾根に道が拓かれている。 庵座谷へは朝明渓谷有料駐車場からテント村へ入るか、少し下流の朝明テント村入口から車道を登るふたつの道がある。テント村入口に右に尾根へと取り付く中尾根登山口があり、新しい道標も立てられている。 最初は暗い常緑樹林の中にジグザグを繰り返す。急斜面にしっかりと刻まれた登りやすい道で、やがて尾根上に登り着く。左へと登る尾根道は雑木林に包まれ、展望もほとんどきかない緑の中の坦々とした登りが続く。庵座谷道のような変化はないが登りやすい道だ。 鳴滝コバに登り着くと片側の木が伐り開かれて、国見岳や御在所岳の山々が眺められるようになる。そして鳴滝の名前の通り、ここに出て初めて庵座谷の流れの音が響いてくる。ひと息入れるのにはいいところだ。 尾根は右へと振りしばらく進むと木を組んだ階段状の急な登りとなる。889.1mのピークに出て少し下りとなったところで、左に庵座谷道へと下りる道が分かれている。再び急登となり前方に岩場が見えると、道は左の山腹を巻きながら進むようになる。左に大蔭のガレが覗くようになり県境の山々が開ける。 ここから樹林の中の急な斜面をひたすら登る辛い道となる。この急登を登りきったところが釈迦白毫と呼ばれるところで、松尾尾根と合流する主尾根である。左へと登ると左側が切れ落ちる大蔭のガレ場で、やがて庵座谷道との合流点となる釈迦ヶ岳最高点の松尾尾根の頭に出る。さらに尾根を進むと県境稜線に出て県境尾根道と合流する。右に数分で釈迦ヶ岳の頂上だ。 頂上は三重県側が開けているが、滋賀県側は樹林にふさがれている。頂上の高度感もあまりなく狭く窮屈な感じがするので、ゆっくりと休憩するのなら松尾尾根の頭のほうがいいだろう。下山コースは松尾尾根コースがあるが、単調な尾根なので、ここでは距離は少し長くなるが県境尾根の道を南に歩いて、ハト峰峠から下るコースをとる。 県境尾根はゆったりとした下りが続く。すぐ前には猫岳の三角のピークがあり、国見、御在所などの県境尾根のピークが連なりがかすんでいる。背後にはさっき登った釈迦の緑の斜面と大蔭のガレの斜面が見え、ダイナミックなスケールの大きい風景が開けている。 猫岳に登るとまたササの道の長い下りとなり、ところどころで左の三重県側が大きく切れ込んで開けるが、右の滋賀県側は美しい雑木林が続いている。ハト峰峠の明るく開けたガレ場に着くと、左の朝明への道を下る。峠の少し手前にも朝明に下る林道の道があり、どちらを下ってもいいが、林道の方が歩きやすい。 -
国見尾根〜国見岳〜裏道
- 5時間0分
国見尾根〜国見岳〜裏道
- 5時間0分
国見岳へは湯の山温泉か朝明渓谷が起点となるが、ここでは藤内小屋をベースにして、変化に富んだ岩尾根の国見尾根を登り、御在所山、国見岳へのポピュラーなコースである裏道を下る。 藤内小屋から尾根道と岳不動道があり、岳不動道が国見尾根上に登り着いたところで合流している。この国見尾根はゆるぎ岩や天狗岩など変化にとんだ景観と、その岩場から眺める展望が素晴らしく、鈴鹿の魅力を最もよく伝えるコースといえるだろう。下山路となる裏道は険しい道の多い御在所周辺の中では、危険なところのない平易な道で、一番親しまれているコースとなっている。川鹿橋からロープウエイ湯の山温泉駅の下で三滝川北谷へと下る。蒼滝茶屋からスカイラインを過ぎると、流れの上高くに通る山腹道のところどころには、鉄製の桟道が渡されている。 北谷は2008年の豪雨以降様相がすっかり変わり、荒れてしまっている。常緑樹林の中にしっかりと踏まれた道も付け替えられている箇所が多くなったが、御在所岳や国見岳へ登る人、藤内壁に登るクライマーなど多くの登山者が行き交う、鈴鹿の中心となるルートであることは変わっていない。 藤内小屋の周辺も巨岩がごろごろと転がる荒れ果てた谷になっており、裏道、国見尾根、岳不動道、腰越峠道などの道が分岐合流する交差点となっていたのだが、様相もすっかり変化しているので注意したい。 国見岳へのコースも岳不動から国見尾根へと登る道が崩壊して通行止めとなっており、小屋から北谷を渡って国見尾根を登って行く。道はしっかりと踏まれ、登って行くと花崗岩の岩の間から展望も開ける快適な道である。 大岩が積み重なるピークまで登ると、目の前には岩の壁が広がる藤内壁を見る、素晴らしい眺望の展望台となっている。ここが通行止めとなった岳不動からの道が合流するところである。 国見尾根はここからゆるぎ岩、天狗岩などの奇岩怪石が突き出す変化に富んだ尾根が続いている。これらの岩からは展望が開け絶好の休憩場所をつくってくれている楽しい道である。 やがて県境稜線に合流し右に少し登ると、左に道が分かれているが、ここにも石門と呼ばれている奇岩を見ることができる。この分岐から少し歩くと岩の重なる国見岳の頂上に着く。眺望の開けた静かな頂上だ。 県境稜線を南に向かう。先ほど登ってきた国見尾根の分岐を過ぎるとガレの展望の良い斜面があり、さらに下ると国見峠に出る。ここで県境稜線と分かれて左へと裏道を下る。樹林に包まれた道だったが、豪雨以来道も付け替えられている。荒れて岩が転がる流れに沿って下って行くと藤内小屋に着き、往路を戻る。国見岳へは湯の山温泉か朝明渓谷が起点となるが、ここでは藤内小屋をベースにして、変化に富んだ岩尾根の国見尾根を登り、御在所山、国見岳へのポピュラーなコースである裏道を下る。 藤内小屋から尾根道と岳不動道があり、岳不動道が国見尾根上に登り着いたところで合流している。この国見尾根はゆるぎ岩や天狗岩など変化にとんだ景観と、その岩場から眺める展望が素晴らしく、鈴鹿の魅力を最もよく伝えるコースといえるだろう。下山路となる裏道は険しい道の多い御在所周辺の中では、危険なところのない平易な道で、一番親しまれているコースとなっている。川鹿橋からロープウエイ湯の山温泉駅の下で三滝川北谷へと下る。蒼滝茶屋からスカイラインを過ぎると、流れの上高くに通る山腹道のところどころには、鉄製の桟道が渡されている。 北谷は2008年の豪雨以降様相がすっかり変わり、荒れてしまっている。常緑樹林の中にしっかりと踏まれた道も付け替えられている箇所が多くなったが、御在所岳や国見岳へ登る人、藤内壁に登るクライマーなど多くの登山者が行き交う、鈴鹿の中心となるルートであることは変わっていない。 藤内小屋の周辺も巨岩がごろごろと転がる荒れ果てた谷になっており、裏道、国見尾根、岳不動道、腰越峠道などの道が分岐合流する交差点となっていたのだが、様相もすっかり変化しているので注意したい。 国見岳へのコースも岳不動から国見尾根へと登る道が崩壊して通行止めとなっており、小屋から北谷を渡って国見尾根を登って行く。道はしっかりと踏まれ、登って行くと花崗岩の岩の間から展望も開ける快適な道である。 大岩が積み重なるピークまで登ると、目の前には岩の壁が広がる藤内壁を見る、素晴らしい眺望の展望台となっている。ここが通行止めとなった岳不動からの道が合流するところである。 国見尾根はここからゆるぎ岩、天狗岩などの奇岩怪石が突き出す変化に富んだ尾根が続いている。これらの岩からは展望が開け絶好の休憩場所をつくってくれている楽しい道である。 やがて県境稜線に合流し右に少し登ると、左に道が分かれているが、ここにも石門と呼ばれている奇岩を見ることができる。この分岐から少し歩くと岩の重なる国見岳の頂上に着く。眺望の開けた静かな頂上だ。 県境稜線を南に向かう。先ほど登ってきた国見尾根の分岐を過ぎるとガレの展望の良い斜面があり、さらに下ると国見峠に出る。ここで県境稜線と分かれて左へと裏道を下る。樹林に包まれた道だったが、豪雨以来道も付け替えられている。荒れて岩が転がる流れに沿って下って行くと藤内小屋に着き、往路を戻る。 -
一ノ谷新道〜御在所岳〜中道
- 6時間0分
一ノ谷新道〜御在所岳〜中道
- 6時間0分
湯の山温泉を基点として、5つの変化に富んだコースが山頂をめざしている。表道、中道、裏道、武平峠道、一ノ谷新道の各コースで、いずれも整備された安心して楽しめるコースだが、裏道を除くと急峻な岩場の多い尾根道なので慎重に行動したい。 ここでは圧倒されるような頂上岩壁を眺めながら一ノ谷新道を登り、展望の広がるスリリングな岩尾根の中道を下るコースを取り上げている。 川鹿橋から温泉街を抜けて車道を登って行くと一ノ谷茶屋があり、ここで車道を離れて一ノ谷沿いに進む。すぐに左に武平峠への道を分け、鈴鹿スカイラインをくぐると中道の取り付きとなる。ここでスカイライン上に出ると一ノ谷山荘があり、この左の尾根から一ノ谷新道の登りが始まる。 一ノ谷新道は花崗岩の風化した白砂が掘れ込まれた急な道が続いている。この急登は緩急はあるものの最後まで続くので、ペース配分を考えて登りたい。とくに登り始めの木の根を掴みながらの急登はつらいが、春はイワカガミの可憐なピンクの花や、アカヤシオ、シロヤシオの華やかな彩りに慰められるし、夏も木陰の多い涼しい道で救われる。 木々の間からは一ノ谷をはさみ、切れ込んで城塞のように連なる岩壁がところどころでのぞいており、その中空を鮮やかなゴンドラが行き交っている。 何箇所かの岩場を巻いて越し、やがて恵比須岩を見下ろすようになるとササの中の急な道となる。山上公園駅直下まで登り左に振るように登って行くと山上公園に出る。公園のアスファルト道を進み、右に階段の道を登ると頂上に着く。頂上にはリフトが上がってきており観光客も多い。ここからは大きな展望が広がっており、滋賀県側の愛知川の谷に突き出るような岩の上からは、樹林の広がりが鮮やかで、心地よい風が吹き抜ける。 山上公園駅まで戻り、左に分かれる国見峠への縦走路を過ごして進んでから、右に下る中道に入る。 中道は最初から急な下りの岩場が続く尾根コースで、伊勢の平野と海を眺めるスケールの大きな展望が魅力だ。また山稜に点在する地蔵岩、負ばれ石の奇岩とキレットなど、次々と出合うストーンアートも楽しい。岩場が続くだけに慎重さが必要で、下り始めの頂上直下の岩壁を巻くところとキレットは、岩場を通過することになるが、道を間違えなければそんなに危険な箇所はない。 キレットを過ぎると少し穏やかな尾根となり、地蔵岩と出合う。石の仏を思わすような岩で、平野の大きな広がりを背景にした眺望が素晴らしい。そしてもう少し下ると、巨大な石のまな板を立てかけたような負ばれ石がある。 この負ばれ石を過ぎると樹林帯に入ってゴンドラをくぐり、暗い常緑樹の道を下って行く。左に裏道からくる道と合流したところで、滑りやすい砂ザレの道となり一ノ谷のスカイラインの登山口に出る。往路を戻り50分ほどで川鹿橋に着く。湯の山温泉を基点として、5つの変化に富んだコースが山頂をめざしている。表道、中道、裏道、武平峠道、一ノ谷新道の各コースで、いずれも整備された安心して楽しめるコースだが、裏道を除くと急峻な岩場の多い尾根道なので慎重に行動したい。 ここでは圧倒されるような頂上岩壁を眺めながら一ノ谷新道を登り、展望の広がるスリリングな岩尾根の中道を下るコースを取り上げている。 川鹿橋から温泉街を抜けて車道を登って行くと一ノ谷茶屋があり、ここで車道を離れて一ノ谷沿いに進む。すぐに左に武平峠への道を分け、鈴鹿スカイラインをくぐると中道の取り付きとなる。ここでスカイライン上に出ると一ノ谷山荘があり、この左の尾根から一ノ谷新道の登りが始まる。 一ノ谷新道は花崗岩の風化した白砂が掘れ込まれた急な道が続いている。この急登は緩急はあるものの最後まで続くので、ペース配分を考えて登りたい。とくに登り始めの木の根を掴みながらの急登はつらいが、春はイワカガミの可憐なピンクの花や、アカヤシオ、シロヤシオの華やかな彩りに慰められるし、夏も木陰の多い涼しい道で救われる。 木々の間からは一ノ谷をはさみ、切れ込んで城塞のように連なる岩壁がところどころでのぞいており、その中空を鮮やかなゴンドラが行き交っている。 何箇所かの岩場を巻いて越し、やがて恵比須岩を見下ろすようになるとササの中の急な道となる。山上公園駅直下まで登り左に振るように登って行くと山上公園に出る。公園のアスファルト道を進み、右に階段の道を登ると頂上に着く。頂上にはリフトが上がってきており観光客も多い。ここからは大きな展望が広がっており、滋賀県側の愛知川の谷に突き出るような岩の上からは、樹林の広がりが鮮やかで、心地よい風が吹き抜ける。 山上公園駅まで戻り、左に分かれる国見峠への縦走路を過ごして進んでから、右に下る中道に入る。 中道は最初から急な下りの岩場が続く尾根コースで、伊勢の平野と海を眺めるスケールの大きな展望が魅力だ。また山稜に点在する地蔵岩、負ばれ石の奇岩とキレットなど、次々と出合うストーンアートも楽しい。岩場が続くだけに慎重さが必要で、下り始めの頂上直下の岩壁を巻くところとキレットは、岩場を通過することになるが、道を間違えなければそんなに危険な箇所はない。 キレットを過ぎると少し穏やかな尾根となり、地蔵岩と出合う。石の仏を思わすような岩で、平野の大きな広がりを背景にした眺望が素晴らしい。そしてもう少し下ると、巨大な石のまな板を立てかけたような負ばれ石がある。 この負ばれ石を過ぎると樹林帯に入ってゴンドラをくぐり、暗い常緑樹の道を下って行く。左に裏道からくる道と合流したところで、滑りやすい砂ザレの道となり一ノ谷のスカイラインの登山口に出る。往路を戻り50分ほどで川鹿橋に着く。 -
鎌尾根〜鎌ヶ岳〜カズラ谷道
- 5時間50分
鎌尾根〜鎌ヶ岳〜カズラ谷道
- 5時間50分
湯の山温泉と宮妻峡からいくつものコースがあるが、岩峰が続く鎌尾根は、鎌ヶ岳の魅力を引き出した代表的なコースである。宮妻峡からはバス利用の場合は、バス停終点から距離が長く時間的に無理があるので、マイカー利用のコースとなる。公共交通機関の利用の場合は湯の山起点のコースとなる。湯の山側の登山道としては、武平峠からの県境尾根道、長石尾根、三ツ口谷道、長石谷、馬の背尾根道などがある。 宮妻峡キャンプ場には駐車場が整備されている。宮妻峡に沿った林道を30分ほど歩くと、水沢峠の登り口に着く。この取り付きは中谷の橋を渡って10分たらずのところで、小さな涸れ谷の横に道標があるが、通り過ごしてしまいそうなところなので注意したい。このあたりは崩壊しやすい地質なので、峠道は大きな谷沿いは避けて巧みに造られている。 荒れているところもあるが、しっかりとした峠道が続き、峠への詰めに近くなったところで岩が囲む狭い谷道になって、右からほとんど水のない大滝が落ちているところで、左のガレの斜面に取り付いて本谷を巻いている。そして滑りやすい急斜面にジグザグを切ると、窓状の水沢峠に飛び出す。 北へガレの滑りやすい急な道で始まり、すぐに樹林帯に入る。ヤセ尾根を通過して峠から20分ほどで丸く刈り開かれた水沢岳(宮越山)の頂上に着く。 ここから鎌ヶ岳を眺めながらの縦走となる。最初はなだらかな山稜だが、少し進んだところで大きなガレ場に出合う。ここは樹林帯との境目を下ってからガレを横断して通過すると、ササ尾根となる。自然林の気持ちのいい樹林帯が続くが、前には荒々しい山稜が見えてくる。 広い尾根がやせてくると鎌尾根の岩稜が始まるが、次々と現れる岩峰にはしっかりとした踏み跡がある。鎌ケ岳の頂上まで小岩峰、ヤセ尾根、ガレ場が続くが、難しいところはなく、鎌ヶ岳の尖峰を眺めながら登る、変化があって楽しい道だ。しかし浮き石が多いので、落石やスリップには十分注意をして、慎重に歩きたい。 岳峠手前で右に雲母峰、宮妻峡への道を分けている。頂上直下の岳峠にくると、頭上にかぶさるような頂上岩峰に圧倒される。右のルンゼを登り尾根を左にたどると頂上に着く。祠のある頂上は南北に長く、大きな展望が広がっている。 岳峠に戻り、左にササの歩きにくい斜面を横切って雲母峰への尾根に入る。樹林帯の中のよく踏まれた美しい道で、尾根を岳峠から20分ほど歩くと、右に分かれるカズラ谷道と出合う。宮妻峡へはこのカズラ谷道を下るが、谷の名前が付いているものの尾根道である。深く掘り込まれた道の部分では滑りやすいところもあるが、安定した歩きやすいコースだ。流れの音が響いてくると右に20mほどの大きな滝を見て、カズラ谷の両俣出合いに下りる。 流れに沿って5分ほど下ると林道に出る。ここから宮妻峡キャンプ場の駐車場はすぐだ。湯の山温泉と宮妻峡からいくつものコースがあるが、岩峰が続く鎌尾根は、鎌ヶ岳の魅力を引き出した代表的なコースである。宮妻峡からはバス利用の場合は、バス停終点から距離が長く時間的に無理があるので、マイカー利用のコースとなる。公共交通機関の利用の場合は湯の山起点のコースとなる。湯の山側の登山道としては、武平峠からの県境尾根道、長石尾根、三ツ口谷道、長石谷、馬の背尾根道などがある。 宮妻峡キャンプ場には駐車場が整備されている。宮妻峡に沿った林道を30分ほど歩くと、水沢峠の登り口に着く。この取り付きは中谷の橋を渡って10分たらずのところで、小さな涸れ谷の横に道標があるが、通り過ごしてしまいそうなところなので注意したい。このあたりは崩壊しやすい地質なので、峠道は大きな谷沿いは避けて巧みに造られている。 荒れているところもあるが、しっかりとした峠道が続き、峠への詰めに近くなったところで岩が囲む狭い谷道になって、右からほとんど水のない大滝が落ちているところで、左のガレの斜面に取り付いて本谷を巻いている。そして滑りやすい急斜面にジグザグを切ると、窓状の水沢峠に飛び出す。 北へガレの滑りやすい急な道で始まり、すぐに樹林帯に入る。ヤセ尾根を通過して峠から20分ほどで丸く刈り開かれた水沢岳(宮越山)の頂上に着く。 ここから鎌ヶ岳を眺めながらの縦走となる。最初はなだらかな山稜だが、少し進んだところで大きなガレ場に出合う。ここは樹林帯との境目を下ってからガレを横断して通過すると、ササ尾根となる。自然林の気持ちのいい樹林帯が続くが、前には荒々しい山稜が見えてくる。 広い尾根がやせてくると鎌尾根の岩稜が始まるが、次々と現れる岩峰にはしっかりとした踏み跡がある。鎌ケ岳の頂上まで小岩峰、ヤセ尾根、ガレ場が続くが、難しいところはなく、鎌ヶ岳の尖峰を眺めながら登る、変化があって楽しい道だ。しかし浮き石が多いので、落石やスリップには十分注意をして、慎重に歩きたい。 岳峠手前で右に雲母峰、宮妻峡への道を分けている。頂上直下の岳峠にくると、頭上にかぶさるような頂上岩峰に圧倒される。右のルンゼを登り尾根を左にたどると頂上に着く。祠のある頂上は南北に長く、大きな展望が広がっている。 岳峠に戻り、左にササの歩きにくい斜面を横切って雲母峰への尾根に入る。樹林帯の中のよく踏まれた美しい道で、尾根を岳峠から20分ほど歩くと、右に分かれるカズラ谷道と出合う。宮妻峡へはこのカズラ谷道を下るが、谷の名前が付いているものの尾根道である。深く掘り込まれた道の部分では滑りやすいところもあるが、安定した歩きやすいコースだ。流れの音が響いてくると右に20mほどの大きな滝を見て、カズラ谷の両俣出合いに下りる。 流れに沿って5分ほど下ると林道に出る。ここから宮妻峡キャンプ場の駐車場はすぐだ。 -
入道ヶ岳北尾根道〜二本松尾根
- 3時間50分
入道ヶ岳北尾根道〜二本松尾根
- 3時間50分
入道ヶ岳には、宮妻峡、椿大神社、小岐須渓谷の三方からの登山道があってコースには恵まれている。さらに県境尾根へと続くイワクラ尾根をたどればいっそうバリエーションが広がり、コース選定も多様になる。ここでは椿大神社から登る一番ポピュラーなコースを紹介している。 椿大神社横のキャンプ場への道を進むと、右に愛宕社への石段がある。ここが北尾根道の取り付きで、登山道は石段の左にジグザグの道が登っている。取り付きはかなり急登で、暗い檜の植林地の中を30分ほど登ると尾根の上に出る。ここからゆるやかに下ると鉄塔があり、このすぐ先で右に大久保へと下る道が分かれている。もう少し下りが続いてコルとなると、ここからまたきつい登りが始まる。木の根を掴んだり、張ってあるロープにたよりながらの登りとなる。 いったん少し下ってから先は、緩急があるものの登りが続くようになる。避難小屋を過ぎると樹相は変わり、短いササの下生えの明るい雑木林の道となる。明るい疎林の斜面の気持ちのいい道だが、やがてアセビの木が次第に増えてきて、アセビの純林と変わるほどになる。 樹林帯からアセビの群落がまだらに固まる原となると北の頭も近い。やがて右には水沢岳、鎌ヶ岳、御在所岳などを望める眺望が広がってくる。丸い北の頭に登りきるとさらに大きな展望が広がり、鞍部をへだててササ原の丸いピークの上に鳥居の立つ、入道ヶ岳の頂上が向かい合っている。ゆったりとしたササ原と黒いアセビの群落が散らばる中を5分ほど進むと頂上に着く。 頂上にはいつきてもグループの輪がいくつも広がり、賑やかな声が響き合っている。展望の良い山が多い鈴鹿だが、これだけ明るくおおらかな山も珍しい。県境の山々は言うに及ばず、眼下には平野が広がり、その先には伊勢の海が光っている。知多半島やその先に浮かぶ神島と、天気の良い日の眺望は見飽きることがない。 下山コースは椿大神社に戻るなら、北尾根、井戸谷道、二本松尾根のコースがあり、小岐須渓谷へと下るなら池ヶ谷道があるが、ここではよく歩かれている二本松尾根コースを紹介しよう。 頂上の鳥居の下から道が始まっている。ササ原からアセビの樹林の中の道となるが、上部は急な下りだ。ロープの張られている斜面を15分ほど下ると、道は落ちついてくる。ねじれ広がったアセビの純林は、下るにつれ雑木が混じる林となり、やがて二本松尾根避難小屋に出合う。 ここから少し下ったところが滝ヶ谷道との分岐で、右の滝ヶ谷道は小岐須渓谷へと下るので、左の椿大神社への道をとる。 左山の山腹道で大きな檜や杉の植林地の中を下って行く。鬱蒼とした針葉樹林の中の道は、谷道となったり、山腹道へと移ったりしながら、歩きやすい道に導かれる。最後は井戸谷の大きな堰堤の上の広い伏流した河原に飛び出す。谷は広く何段にも堰堤が続き、その上に入道ヶ岳の斜面が大きくのぞいている。渡ったところはアスファルト道で、もう椿大神社は近い。入道ヶ岳には、宮妻峡、椿大神社、小岐須渓谷の三方からの登山道があってコースには恵まれている。さらに県境尾根へと続くイワクラ尾根をたどればいっそうバリエーションが広がり、コース選定も多様になる。ここでは椿大神社から登る一番ポピュラーなコースを紹介している。 椿大神社横のキャンプ場への道を進むと、右に愛宕社への石段がある。ここが北尾根道の取り付きで、登山道は石段の左にジグザグの道が登っている。取り付きはかなり急登で、暗い檜の植林地の中を30分ほど登ると尾根の上に出る。ここからゆるやかに下ると鉄塔があり、このすぐ先で右に大久保へと下る道が分かれている。もう少し下りが続いてコルとなると、ここからまたきつい登りが始まる。木の根を掴んだり、張ってあるロープにたよりながらの登りとなる。 いったん少し下ってから先は、緩急があるものの登りが続くようになる。避難小屋を過ぎると樹相は変わり、短いササの下生えの明るい雑木林の道となる。明るい疎林の斜面の気持ちのいい道だが、やがてアセビの木が次第に増えてきて、アセビの純林と変わるほどになる。 樹林帯からアセビの群落がまだらに固まる原となると北の頭も近い。やがて右には水沢岳、鎌ヶ岳、御在所岳などを望める眺望が広がってくる。丸い北の頭に登りきるとさらに大きな展望が広がり、鞍部をへだててササ原の丸いピークの上に鳥居の立つ、入道ヶ岳の頂上が向かい合っている。ゆったりとしたササ原と黒いアセビの群落が散らばる中を5分ほど進むと頂上に着く。 頂上にはいつきてもグループの輪がいくつも広がり、賑やかな声が響き合っている。展望の良い山が多い鈴鹿だが、これだけ明るくおおらかな山も珍しい。県境の山々は言うに及ばず、眼下には平野が広がり、その先には伊勢の海が光っている。知多半島やその先に浮かぶ神島と、天気の良い日の眺望は見飽きることがない。 下山コースは椿大神社に戻るなら、北尾根、井戸谷道、二本松尾根のコースがあり、小岐須渓谷へと下るなら池ヶ谷道があるが、ここではよく歩かれている二本松尾根コースを紹介しよう。 頂上の鳥居の下から道が始まっている。ササ原からアセビの樹林の中の道となるが、上部は急な下りだ。ロープの張られている斜面を15分ほど下ると、道は落ちついてくる。ねじれ広がったアセビの純林は、下るにつれ雑木が混じる林となり、やがて二本松尾根避難小屋に出合う。 ここから少し下ったところが滝ヶ谷道との分岐で、右の滝ヶ谷道は小岐須渓谷へと下るので、左の椿大神社への道をとる。 左山の山腹道で大きな檜や杉の植林地の中を下って行く。鬱蒼とした針葉樹林の中の道は、谷道となったり、山腹道へと移ったりしながら、歩きやすい道に導かれる。最後は井戸谷の大きな堰堤の上の広い伏流した河原に飛び出す。谷は広く何段にも堰堤が続き、その上に入道ヶ岳の斜面が大きくのぞいている。渡ったところはアスファルト道で、もう椿大神社は近い。 -
仙ヶ谷道〜仙鶏尾根〜仙ヶ岳
- 5時間0分
仙ヶ谷道〜仙鶏尾根〜仙ヶ岳
- 5時間0分
仙ヶ岳へは石水渓の南尾根、白谷道、小岐須渓谷の仙ヶ谷道があり、どのコースも変化のある山歩きが楽しめる。石水渓、小岐須渓谷のどちらを起点としても多様なコースがあり、仙ヶ岳プラス隣接する野登山、宮指路岳とからめるとさらに多くのコースが考えられるが、距離が長くハードになる。また、頂上から県境尾根を南下すると御所平があり、ササ、ススキのゆったりと傾いた広い台地状の変わった地形が開けているが、踏み跡があまりしっかりとしていないので経験者向きコースとなる。 どこから取り付くにしても登りごたえのあるコースに囲まれ、美しい山容を擁するこの山は、1000m級の山に匹敵する魅力を持っている。ここでは小岐須渓谷からのコースをとる。車の場合、小岐須渓谷の石大神展望台駐車場に置くか、林道を歩いた大石橋の少し先にもスペースがある。石大神展望台駐車場から林道を1時間ほど歩くと、堰堤があり林道終点となる。 登山道に入ると左からの支流を横切り、流れを左岸に渡る。仙ヶ谷はナメ滝を連ね美しい流れを見せている。谷の山腹道を登って行くと、左に流れを渡って仙鶏尾根に取り付く道があるので、この道に入る。ここは植林帯の中の少しわかりにくい分岐だが、道標があり流れを渡るところはナメ滝となっている。 道は小さな尾根に付いており、急な斜面を登ると小さなコルに出て左の谷側が開ける。ここから尾根の左側の山腹に道は続いている。しばらく細い山腹道をたどっていくと、次第に左に谷が近づいてくる。ところどころで崖崩れや支流を渡る部分で道が抜けているところがあり、トラロープが張られている。下の谷はナメの滝が続く流れが見えている。 山腹をたどってきた道はいったん流れに下り、また山腹道に戻ってから再び流れを渡ると、急斜面の山腹を登るようになる。少しの登りで仙鶏尾根上のコルに着く。 ここは仙ヶ岳への急登にかかる基部となるところで、岩やガレの急な登りが仙ヶ岳東峰まで続いている。仙鶏尾根を少し登ると背後に野登山が大きく、右にずんぐりとした入道ヶ岳が見え、鈴鹿中部の山々の展望が開けてくる。急登を登りきったところに、右側が開けた展望台がある。北から西側の眺望が開け、とくに鎌ヶ岳の尖峰が印象的だ。ここからはもう仙ヶ岳の頂上も近い。 最初に出合うピークが仙ヶ岳東峰で、ここには面白い形の仙の石がある。前面が大きく開けた好展望の岩場で、うってつけの休み場となっている。ここからいったん少し下って登り返したところが仙ヶ岳頂上で、眺望はあるが、小さく刈り払われた狭い頂上だ。 北へ小社峠(大峠)へは植林の急斜面となっている。滑りやすい道に注意して下ると滋賀県側が雑木林のT字路となった小社峠に着き、右へ仙ヶ谷への道を下る。道はしっかりとしているが、流れを渡るところでは見失いやすい。しかし踏み跡を確かめながら下れば間違うところはなく、仙鶏尾根分岐をすぎ元の林道終点に出て、林道を下る。仙ヶ岳へは石水渓の南尾根、白谷道、小岐須渓谷の仙ヶ谷道があり、どのコースも変化のある山歩きが楽しめる。石水渓、小岐須渓谷のどちらを起点としても多様なコースがあり、仙ヶ岳プラス隣接する野登山、宮指路岳とからめるとさらに多くのコースが考えられるが、距離が長くハードになる。また、頂上から県境尾根を南下すると御所平があり、ササ、ススキのゆったりと傾いた広い台地状の変わった地形が開けているが、踏み跡があまりしっかりとしていないので経験者向きコースとなる。 どこから取り付くにしても登りごたえのあるコースに囲まれ、美しい山容を擁するこの山は、1000m級の山に匹敵する魅力を持っている。ここでは小岐須渓谷からのコースをとる。車の場合、小岐須渓谷の石大神展望台駐車場に置くか、林道を歩いた大石橋の少し先にもスペースがある。石大神展望台駐車場から林道を1時間ほど歩くと、堰堤があり林道終点となる。 登山道に入ると左からの支流を横切り、流れを左岸に渡る。仙ヶ谷はナメ滝を連ね美しい流れを見せている。谷の山腹道を登って行くと、左に流れを渡って仙鶏尾根に取り付く道があるので、この道に入る。ここは植林帯の中の少しわかりにくい分岐だが、道標があり流れを渡るところはナメ滝となっている。 道は小さな尾根に付いており、急な斜面を登ると小さなコルに出て左の谷側が開ける。ここから尾根の左側の山腹に道は続いている。しばらく細い山腹道をたどっていくと、次第に左に谷が近づいてくる。ところどころで崖崩れや支流を渡る部分で道が抜けているところがあり、トラロープが張られている。下の谷はナメの滝が続く流れが見えている。 山腹をたどってきた道はいったん流れに下り、また山腹道に戻ってから再び流れを渡ると、急斜面の山腹を登るようになる。少しの登りで仙鶏尾根上のコルに着く。 ここは仙ヶ岳への急登にかかる基部となるところで、岩やガレの急な登りが仙ヶ岳東峰まで続いている。仙鶏尾根を少し登ると背後に野登山が大きく、右にずんぐりとした入道ヶ岳が見え、鈴鹿中部の山々の展望が開けてくる。急登を登りきったところに、右側が開けた展望台がある。北から西側の眺望が開け、とくに鎌ヶ岳の尖峰が印象的だ。ここからはもう仙ヶ岳の頂上も近い。 最初に出合うピークが仙ヶ岳東峰で、ここには面白い形の仙の石がある。前面が大きく開けた好展望の岩場で、うってつけの休み場となっている。ここからいったん少し下って登り返したところが仙ヶ岳頂上で、眺望はあるが、小さく刈り払われた狭い頂上だ。 北へ小社峠(大峠)へは植林の急斜面となっている。滑りやすい道に注意して下ると滋賀県側が雑木林のT字路となった小社峠に着き、右へ仙ヶ谷への道を下る。道はしっかりとしているが、流れを渡るところでは見失いやすい。しかし踏み跡を確かめながら下れば間違うところはなく、仙鶏尾根分岐をすぎ元の林道終点に出て、林道を下る。 -
油日岳・那須ヶ原山・高畑山縦走
- 5時間40分
油日岳・那須ヶ原山・高畑山縦走
- 5時間40分
この三山は小さいながらも、均整のとれた美しい山容を見せている。いずれの山もそれぞれに登山道があるが、三山縦走も楽しいコースとなる。少しハードだが、那須ヶ原山や坂下峠でエスケープすることもできるので、体力や時間の調整も可能となる。ただ縦走はJR、バス、マイカーのいずれの場合でも問題が多いので、事前の確認が必要だ。 JR利用での登山の場合、油日駅から登山口まで徒歩ではかなりの距離があるので、油日駅から登山口までタクシーで入りたい。 登山口には参籠所があり、この少し先で林道が終わる。谷に沿った道がしばらく続くと、右の小さな谷に入り、やがて道は斜面を登って行く。かなりの急登が稜線に出るまで続いているが、登山口から登り始めてからわずか30分ほどの辛抱だ。右に稜線を5分ほど進むと、油日神社奥宮の祠のある頂上に着く。北側にも参籠所があり、休憩できる。ここからは西側の丘と平野が入り組む甲賀の里の眺望が開けている。 登ってきたコルの分岐に戻り稜線を進む。稜線は常緑の樹林帯で、風化した花崗岩のやせた尾根が続いている。道は急な登下降の小さなアップダウンが多いので、一定のペースを守って歩くことが重要なポイントとなる。また、三国山までの小さなピークでは、道が分かれており、枝道に入り込まないようにしたい。 三国山を過ぎたところで切れ込んだ岩場があり、ここでは右側を巻いて通過している。このアップダウンが連続する尾根も那須ヶ原山に近づくにつれて幾分穏やかになってくるが、那須ヶ原山の山容にもそれが表れており、見上げながら近づくその姿は、どっしりとして美しい。 那須ヶ原山の頂上手前で縦走する県境尾根は右に振っている。この分岐から少し先が那須ヶ原山の頂上となる。頂上には石室があり、南側の眺望が開けている。 分岐に戻り三頭山まではゆったりとした道だが、ここを過ぎると再びアップダウンが激しくなる。そして唐木岳のピークを過ぎたところでキレットがあり、右側を下りながら大きく巻いて行く。もう坂下峠も近く急な下りとなって峠に下り立つ。峠は車道が越えているが、峠付近が崩壊しており、車は通過できない。 ここで余裕があればさらに縦走を続けよう。峠からはいきなりの急登で、途中ガレ場の右を巻く道を通って溝干山に着く。ここからは登下降があるものの、もう強い登りはなく高畑山の頂上に出る。頂上は抜群の展望で、長い縦走を終えた最後の峰らしく、実に気分のいい広やかな頂上だ。高畑山は双耳峰でこの頂上は南峰にあたる。 鈴鹿峠まで下る間にもアップダウンがあり、キレットも一箇所ある。しかしトラロープがフィックスされており、そんなに危険な箇所ではない。 最後の下りが続くようになると、次第に国道の車の音が高く響いてくる。ゆるやかな植林帯に入り右に鏡岩の分岐を過ぎると、茶畑が広がって鈴鹿峠に着く。鈴鹿峠にはバスは運行されていないので、事前にタクシーに連絡しておきたい。この三山は小さいながらも、均整のとれた美しい山容を見せている。いずれの山もそれぞれに登山道があるが、三山縦走も楽しいコースとなる。少しハードだが、那須ヶ原山や坂下峠でエスケープすることもできるので、体力や時間の調整も可能となる。ただ縦走はJR、バス、マイカーのいずれの場合でも問題が多いので、事前の確認が必要だ。 JR利用での登山の場合、油日駅から登山口まで徒歩ではかなりの距離があるので、油日駅から登山口までタクシーで入りたい。 登山口には参籠所があり、この少し先で林道が終わる。谷に沿った道がしばらく続くと、右の小さな谷に入り、やがて道は斜面を登って行く。かなりの急登が稜線に出るまで続いているが、登山口から登り始めてからわずか30分ほどの辛抱だ。右に稜線を5分ほど進むと、油日神社奥宮の祠のある頂上に着く。北側にも参籠所があり、休憩できる。ここからは西側の丘と平野が入り組む甲賀の里の眺望が開けている。 登ってきたコルの分岐に戻り稜線を進む。稜線は常緑の樹林帯で、風化した花崗岩のやせた尾根が続いている。道は急な登下降の小さなアップダウンが多いので、一定のペースを守って歩くことが重要なポイントとなる。また、三国山までの小さなピークでは、道が分かれており、枝道に入り込まないようにしたい。 三国山を過ぎたところで切れ込んだ岩場があり、ここでは右側を巻いて通過している。このアップダウンが連続する尾根も那須ヶ原山に近づくにつれて幾分穏やかになってくるが、那須ヶ原山の山容にもそれが表れており、見上げながら近づくその姿は、どっしりとして美しい。 那須ヶ原山の頂上手前で縦走する県境尾根は右に振っている。この分岐から少し先が那須ヶ原山の頂上となる。頂上には石室があり、南側の眺望が開けている。 分岐に戻り三頭山まではゆったりとした道だが、ここを過ぎると再びアップダウンが激しくなる。そして唐木岳のピークを過ぎたところでキレットがあり、右側を下りながら大きく巻いて行く。もう坂下峠も近く急な下りとなって峠に下り立つ。峠は車道が越えているが、峠付近が崩壊しており、車は通過できない。 ここで余裕があればさらに縦走を続けよう。峠からはいきなりの急登で、途中ガレ場の右を巻く道を通って溝干山に着く。ここからは登下降があるものの、もう強い登りはなく高畑山の頂上に出る。頂上は抜群の展望で、長い縦走を終えた最後の峰らしく、実に気分のいい広やかな頂上だ。高畑山は双耳峰でこの頂上は南峰にあたる。 鈴鹿峠まで下る間にもアップダウンがあり、キレットも一箇所ある。しかしトラロープがフィックスされており、そんなに危険な箇所ではない。 最後の下りが続くようになると、次第に国道の車の音が高く響いてくる。ゆるやかな植林帯に入り右に鏡岩の分岐を過ぎると、茶畑が広がって鈴鹿峠に着く。鈴鹿峠にはバスは運行されていないので、事前にタクシーに連絡しておきたい。 -
養老山・笙ヶ岳
- 6時間15分
養老山・笙ヶ岳
- 6時間15分
草原状の養老山と樹林の深い笙ヶ岳は対照的な山で、養老山系の主峰の養老山と最高峰の笙ヶ岳を一日で楽しむことができる。登山道は、よく整備された歩きやすい道が続いているが、大洞谷から笙ヶ岳への間は、そんなに道がよくないので注意したい。笙ヶ岳まで歩くとかなりハードなコースとなるので、時間と体力に合わせてコースを短縮して対応できるようにしている。 一番短いコースは養老山往復で、次の段階はもみじ峠手前の旧牧場跡のあせび平、そしてさらに足を延ばせば笙ヶ岳と、3段階に分けられるし、逆コースをとって笙ヶ岳だけを目指すこともできるので、体力や経験に応じて歩くことができるコースとなっている。 公共交通機関を利用するなら養老鉄道の養老駅から歩くので、登山口の養老ノ滝まではかなり距離もあり、養老山のみの往復コースとなる。 登山口は養老ノ滝の上にある駐車場から上って行く林道で、駐車場横から林道に入ってすぐ左に谷に下りる道に入る。ここは養老ノ滝の上で堰堤があり、流れを渡ったところから登山道が始まる。 最初は急な雑木林の斜面に続くジグザグの道で、よく整備されていて、何度もターンを繰り返してベンチが2基ある明瞭な尾根に出る。丸太の階段状の坦々とした歩きやすい尾根道で、やがてもう一度大きな尾根に出る。ここが三方山手前の分岐で、左に1分ほどで濃尾平野の眺望が大きく広がる三方山に着く。素晴らしい展望だ。分岐に戻り10分ほどの登りで、養老山脈主稜の笹原峠に出る。峠はササが刈り開かれているが周りは灌木に囲まれている。 しかし、左へ養老山への道を少し登ると、左に濃尾平野の眺望が開け、樹林の背も低くなって明るい草原状の稜線となる。道を登りきったところが小倉山で、山頂には東屋やベンチがあり、公園のように整備されている。山頂からの眺望は素晴らしく、眼前にはこれから登る三角の端正な姿の笙ヶ岳がある。 小倉山から小さなアップダウンがあって、右から上ってきている林道と出合うとすぐ、登山道が右に分かれておりこれを登ると養老山の頂上に着く。刈り開かれた頂上だが、眺望は良くない。 笹原峠に戻り主稜線を直進する。稜線の道はきついアップダウンの多い暗い雑木林の道で、何度も上下をさせられてあせび平となり、もう一度下ってもみじ峠に着く。時間と体力の余裕がなければ、あせび平から右に林道を下ればいい。 笙ヶ岳は峠から大洞谷登山道を下る。鬱蒼とした樹林の道で、右から流れる大きな支流と出合ったところで右に分かれる道があり、右に入る。流れを渡り斜面の山腹道から最後に浅い谷を詰め上がると、笙ヶ岳の東のコルに出るが、分岐からは道はあまりよくない。植林された北側が開けた稜線を登ると笙ヶ岳に着く。頂上は植林が伸びてきて、次第に眺望はきかなくなってきている。 下山はあせび平から長い林道を歩いて登山口に戻る。草原状の養老山と樹林の深い笙ヶ岳は対照的な山で、養老山系の主峰の養老山と最高峰の笙ヶ岳を一日で楽しむことができる。登山道は、よく整備された歩きやすい道が続いているが、大洞谷から笙ヶ岳への間は、そんなに道がよくないので注意したい。笙ヶ岳まで歩くとかなりハードなコースとなるので、時間と体力に合わせてコースを短縮して対応できるようにしている。 一番短いコースは養老山往復で、次の段階はもみじ峠手前の旧牧場跡のあせび平、そしてさらに足を延ばせば笙ヶ岳と、3段階に分けられるし、逆コースをとって笙ヶ岳だけを目指すこともできるので、体力や経験に応じて歩くことができるコースとなっている。 公共交通機関を利用するなら養老鉄道の養老駅から歩くので、登山口の養老ノ滝まではかなり距離もあり、養老山のみの往復コースとなる。 登山口は養老ノ滝の上にある駐車場から上って行く林道で、駐車場横から林道に入ってすぐ左に谷に下りる道に入る。ここは養老ノ滝の上で堰堤があり、流れを渡ったところから登山道が始まる。 最初は急な雑木林の斜面に続くジグザグの道で、よく整備されていて、何度もターンを繰り返してベンチが2基ある明瞭な尾根に出る。丸太の階段状の坦々とした歩きやすい尾根道で、やがてもう一度大きな尾根に出る。ここが三方山手前の分岐で、左に1分ほどで濃尾平野の眺望が大きく広がる三方山に着く。素晴らしい展望だ。分岐に戻り10分ほどの登りで、養老山脈主稜の笹原峠に出る。峠はササが刈り開かれているが周りは灌木に囲まれている。 しかし、左へ養老山への道を少し登ると、左に濃尾平野の眺望が開け、樹林の背も低くなって明るい草原状の稜線となる。道を登りきったところが小倉山で、山頂には東屋やベンチがあり、公園のように整備されている。山頂からの眺望は素晴らしく、眼前にはこれから登る三角の端正な姿の笙ヶ岳がある。 小倉山から小さなアップダウンがあって、右から上ってきている林道と出合うとすぐ、登山道が右に分かれておりこれを登ると養老山の頂上に着く。刈り開かれた頂上だが、眺望は良くない。 笹原峠に戻り主稜線を直進する。稜線の道はきついアップダウンの多い暗い雑木林の道で、何度も上下をさせられてあせび平となり、もう一度下ってもみじ峠に着く。時間と体力の余裕がなければ、あせび平から右に林道を下ればいい。 笙ヶ岳は峠から大洞谷登山道を下る。鬱蒼とした樹林の道で、右から流れる大きな支流と出合ったところで右に分かれる道があり、右に入る。流れを渡り斜面の山腹道から最後に浅い谷を詰め上がると、笙ヶ岳の東のコルに出るが、分岐からは道はあまりよくない。植林された北側が開けた稜線を登ると笙ヶ岳に着く。頂上は植林が伸びてきて、次第に眺望はきかなくなってきている。 下山はあせび平から長い林道を歩いて登山口に戻る。 -
東大台、西大台周遊
- 1泊2日
- 7時間35分
- 15.3km
東大台、西大台周遊
- 1泊2日
- 7時間35分
- 15.3km
大和八木駅からバスに乗り、終点の大台ヶ原で下車。ビジターセンターの横から回遊路に入り、日出ヶ岳へ向います。広い林間の道を伝うと右手にヒバリ谷の流れが上がってきて、斜面を登り詰めると鞍部に出て、さらに左へ階段道を急登すれば日出ヶ岳の山頂です。鞍部へと戻り、直進して、植生保護のために整備された木道を登りなおし正木嶺を越えて正木ヶ原へと向かいます。トウヒの立ち枯れ風景を見て、しばらく行くと原生林の倒木とミヤコザサの絨毯が美しい正木ヶ原に出ます。樹林の景観を味わい、緩やかに下って尾鷲辻に出ると、駐車場からの中道に出合います。まっすぐ行けば間もなく牛石ヶ原が開けます。 ひと息ついたら、コース最大の見どころ大蛇嵓へ。大蛇嵓の展望台までは岩稜を通るので注意が必要です。大蛇嵓の岩頭に立つと眼下は目もくらむほどの大絶壁です。 眼前の絶景を堪能したら分岐に戻り、シャクナゲの茂る中を下ってシオカラ谷吊橋に出ます。吊橋を渡って階段道を登り返せば広い道に出て、左へ歩き大台山上駐車場へと引き返し、心・湯治館にザックを降ろします。 2日目、道標に従い大台教会の前に出て西へ進み、七ツ池分岐で右を取って七ツ池経由の道を選びます。ブナの深い樹林を緩やかに下ると明るい河原に出ます。バイケイソウの群落を見てナゴヤ谷の渓流を渡ります。沢に沿う道を上下して、石畳の残る涸谷を横切り、次に中ノ谷の源流を渡ると沢音も遠のきます。トウヒやブナの樹海が広がりを見せる中に七ツ池の湿地が点在しています。 坂道を下り、カエデやナナカマドが見られる沢沿いの道を進み、固定ロープの張られたカツラ谷を渡って少し行くと、開拓跡と呼ばれる平地に出ます。高野谷に続いてワサビ谷を対岸に渡ると道標があり、右に向かえば経ヶ峰に通じます。左に取り、苔むす倒木を見て行くとわずかで開拓分岐点に着きます。三差路を直進して展望所まで足を延ばします。しばらく行くと展望所に着きます。ここからは東面の展望が開け、大蛇嵓、千石嵓の雄壮な景観が楽しめます。展望を楽しんだら開拓分岐点へと引き返し、山上駐車場へと戻る周遊コースに入ります。高野谷に続いて大和谷の赤い吊橋を渡ると、しばらく急な登りが続き、やがて中ノ谷を渡ります。谷沿いの道を登ってナゴヤ谷を横切り、胸突き八丁の登りにひと汗かく頃、往路に分岐した地点に到着。あとは大台山上駐車場へと引き返し、周遊コースは終了です。大和八木駅からバスに乗り、終点の大台ヶ原で下車。ビジターセンターの横から回遊路に入り、日出ヶ岳へ向います。広い林間の道を伝うと右手にヒバリ谷の流れが上がってきて、斜面を登り詰めると鞍部に出て、さらに左へ階段道を急登すれば日出ヶ岳の山頂です。鞍部へと戻り、直進して、植生保護のために整備された木道を登りなおし正木嶺を越えて正木ヶ原へと向かいます。トウヒの立ち枯れ風景を見て、しばらく行くと原生林の倒木とミヤコザサの絨毯が美しい正木ヶ原に出ます。樹林の景観を味わい、緩やかに下って尾鷲辻に出ると、駐車場からの中道に出合います。まっすぐ行けば間もなく牛石ヶ原が開けます。 ひと息ついたら、コース最大の見どころ大蛇嵓へ。大蛇嵓の展望台までは岩稜を通るので注意が必要です。大蛇嵓の岩頭に立つと眼下は目もくらむほどの大絶壁です。 眼前の絶景を堪能したら分岐に戻り、シャクナゲの茂る中を下ってシオカラ谷吊橋に出ます。吊橋を渡って階段道を登り返せば広い道に出て、左へ歩き大台山上駐車場へと引き返し、心・湯治館にザックを降ろします。 2日目、道標に従い大台教会の前に出て西へ進み、七ツ池分岐で右を取って七ツ池経由の道を選びます。ブナの深い樹林を緩やかに下ると明るい河原に出ます。バイケイソウの群落を見てナゴヤ谷の渓流を渡ります。沢に沿う道を上下して、石畳の残る涸谷を横切り、次に中ノ谷の源流を渡ると沢音も遠のきます。トウヒやブナの樹海が広がりを見せる中に七ツ池の湿地が点在しています。 坂道を下り、カエデやナナカマドが見られる沢沿いの道を進み、固定ロープの張られたカツラ谷を渡って少し行くと、開拓跡と呼ばれる平地に出ます。高野谷に続いてワサビ谷を対岸に渡ると道標があり、右に向かえば経ヶ峰に通じます。左に取り、苔むす倒木を見て行くとわずかで開拓分岐点に着きます。三差路を直進して展望所まで足を延ばします。しばらく行くと展望所に着きます。ここからは東面の展望が開け、大蛇嵓、千石嵓の雄壮な景観が楽しめます。展望を楽しんだら開拓分岐点へと引き返し、山上駐車場へと戻る周遊コースに入ります。高野谷に続いて大和谷の赤い吊橋を渡ると、しばらく急な登りが続き、やがて中ノ谷を渡ります。谷沿いの道を登ってナゴヤ谷を横切り、胸突き八丁の登りにひと汗かく頃、往路に分岐した地点に到着。あとは大台山上駐車場へと引き返し、周遊コースは終了です。 -
大台ヶ原から大杉谷へ
- 1泊2日
- 9時間30分
- 14.7km
大台ヶ原から大杉谷へ
- 1泊2日
- 9時間30分
- 14.7km
大台山上駐車場から道標に従って日出ヶ岳に向かいます。40分ほどで日出ヶ岳の山頂に着きます。雄大な展望を楽しんだら、大杉谷へと三重県側に延びた尾根を下っていきます。トウヒ、ブナが枝葉を広げ、シャクナゲが尾根を埋めていて陽春には沿道を彩ります。木々のたたずまいを見て下っていけば、林道に出る手前に堂倉避難小屋があります。 小屋の前から石段を下り、大台林道に出たら右折し、すぐの分岐で左の山道に入ります。林道を左へ行けば粟谷小屋があり、シーズン中は営業しています。堂倉滝へ下る道は、急坂となり、足場も悪いので、足運びには注意して下さい。長い下りに飽きが来る頃、西ノ谷との出合い、堂倉滝の前面に降り立ちます。落差18m、広い滝壺は美しく、絶好の憩い場です。 滝前の堂倉滝吊橋、堂倉吊橋を渡ります。岩壁伝いに進むと、対岸に与八郎滝が見えます。そこから5分ほどで足元に隠滝が見えます。岩肌に沿って急傾斜を下ると、光滝(落差40m)が眺められます。光滝から約1kmは右岸伝いに進みますが、ここが大崩落のあったところで、現在は修復されていますが、足場の悪い箇所もあるので注意が必要です。右から沖見沢が流れ込み、七ツ釜滝上吊橋を渡ります。岩壁内に付けられた小道を絡んで下れば休憩所があり、七ツ釜滝が三段に分かれて優美な姿を見せています。初日の探勝はこれで終わり、今宵の宿、桃ノ木山の家はここから25分の道のりです。秋にはカエデの紅葉が見事な道です。 2日目、桃ノ木吊橋を対岸に渡り、左に不動谷の出合いを見送り右岸を伝います。加茂助吊橋を渡ると、行く手に平等嵓の大岩壁がそそり立ち、その前面を通過します。平等嵓吊橋を左岸に渡ると、対岸にニコニコ滝が二段50mの高さで堂々と落下しています。前面に建つ休憩所を離れ、10分も下ると河原に出て猪ケ淵に着きます。 クグリと呼ばれる岩の重なりをくぐり、左岸の高みを上下を繰り返しながらたどります。やがて右岸の枝谷から千尋滝が透明の玉すだれをかけた形で落ち、その落差は160mといわれ、大杉谷に見る最大の滝です。これで名のある滝は終わり、あとはただ下るのみです。対岸に水越谷出合を過ぎ、道は一旦河原に出て、地獄谷吊橋に続いて能谷を渡るとワイドスクリーンのような大日嵓のスラブ壁が眼前に展開します。岩壁内を通り抜け宮川第三発電所に着きます。ここから約15分先の大杉峡谷登山口に出て、予約しておいたバスで、道の駅奥伊勢おおだいに出ます。大台山上駐車場から道標に従って日出ヶ岳に向かいます。40分ほどで日出ヶ岳の山頂に着きます。雄大な展望を楽しんだら、大杉谷へと三重県側に延びた尾根を下っていきます。トウヒ、ブナが枝葉を広げ、シャクナゲが尾根を埋めていて陽春には沿道を彩ります。木々のたたずまいを見て下っていけば、林道に出る手前に堂倉避難小屋があります。 小屋の前から石段を下り、大台林道に出たら右折し、すぐの分岐で左の山道に入ります。林道を左へ行けば粟谷小屋があり、シーズン中は営業しています。堂倉滝へ下る道は、急坂となり、足場も悪いので、足運びには注意して下さい。長い下りに飽きが来る頃、西ノ谷との出合い、堂倉滝の前面に降り立ちます。落差18m、広い滝壺は美しく、絶好の憩い場です。 滝前の堂倉滝吊橋、堂倉吊橋を渡ります。岩壁伝いに進むと、対岸に与八郎滝が見えます。そこから5分ほどで足元に隠滝が見えます。岩肌に沿って急傾斜を下ると、光滝(落差40m)が眺められます。光滝から約1kmは右岸伝いに進みますが、ここが大崩落のあったところで、現在は修復されていますが、足場の悪い箇所もあるので注意が必要です。右から沖見沢が流れ込み、七ツ釜滝上吊橋を渡ります。岩壁内に付けられた小道を絡んで下れば休憩所があり、七ツ釜滝が三段に分かれて優美な姿を見せています。初日の探勝はこれで終わり、今宵の宿、桃ノ木山の家はここから25分の道のりです。秋にはカエデの紅葉が見事な道です。 2日目、桃ノ木吊橋を対岸に渡り、左に不動谷の出合いを見送り右岸を伝います。加茂助吊橋を渡ると、行く手に平等嵓の大岩壁がそそり立ち、その前面を通過します。平等嵓吊橋を左岸に渡ると、対岸にニコニコ滝が二段50mの高さで堂々と落下しています。前面に建つ休憩所を離れ、10分も下ると河原に出て猪ケ淵に着きます。 クグリと呼ばれる岩の重なりをくぐり、左岸の高みを上下を繰り返しながらたどります。やがて右岸の枝谷から千尋滝が透明の玉すだれをかけた形で落ち、その落差は160mといわれ、大杉谷に見る最大の滝です。これで名のある滝は終わり、あとはただ下るのみです。対岸に水越谷出合を過ぎ、道は一旦河原に出て、地獄谷吊橋に続いて能谷を渡るとワイドスクリーンのような大日嵓のスラブ壁が眼前に展開します。岩壁内を通り抜け宮川第三発電所に着きます。ここから約15分先の大杉峡谷登山口に出て、予約しておいたバスで、道の駅奥伊勢おおだいに出ます。 -
宮川・堂倉谷本谷遡行
- 1泊2日
- 11時間55分
- 14.7km
宮川・堂倉谷本谷遡行
- 1泊2日
- 11時間55分
- 14.7km
大台山上駐車場を出発、日出ヶ岳からの登山道を下り堂倉滝のかかる出合に至ります。堂倉滝吊橋を渡り少し行った堂倉吊橋から右手に上がる小道を登り堂倉滝の上流に下り立ちます。瀬滝が美しい景観を見せ、上流には幅広いナメと7mの滝がかかり、次いでこの谷最大の斜瀑30mが大釜に飛び込んでいます。ここは左岸の踏み跡を拾って巻きます。次に斜瀑6mに続く小滝をへつりで通過していくと斜瀑8mが岩肌を滑り落ちています。ここまでが中七ツ釜で、巨岩が散在する中を行くと斜瀑10mが現れます。左岸の水際を直登しますが十分に注意すること。初日はアザミ谷出合付近でビバークとなります。 2日目、谷は大きく曲がって奥七ツ釜に入ります。ナメ滝の中、あちこちに穿たれた釜は特異な景観です。斜瀑8m×15mを直登し、しばらく行くと大台林道が横切ります。二俣では左の本谷を取り、石楠花谷を右に見送り、上流部の連瀑帯へと突入します。出てくる滝のほとんどを直登して行けますが、バランスのいる滝もあるので慎重に登って下さい。やがて水流もやせ細り、二段10mの滝を越えたあたりから一枚岩のナメが続き、原生林の中を登り詰めると正木ヶ原に飛び出します。あとは尾鷲辻に出て大台山上駐車場へと戻ります。大台山上駐車場を出発、日出ヶ岳からの登山道を下り堂倉滝のかかる出合に至ります。堂倉滝吊橋を渡り少し行った堂倉吊橋から右手に上がる小道を登り堂倉滝の上流に下り立ちます。瀬滝が美しい景観を見せ、上流には幅広いナメと7mの滝がかかり、次いでこの谷最大の斜瀑30mが大釜に飛び込んでいます。ここは左岸の踏み跡を拾って巻きます。次に斜瀑6mに続く小滝をへつりで通過していくと斜瀑8mが岩肌を滑り落ちています。ここまでが中七ツ釜で、巨岩が散在する中を行くと斜瀑10mが現れます。左岸の水際を直登しますが十分に注意すること。初日はアザミ谷出合付近でビバークとなります。 2日目、谷は大きく曲がって奥七ツ釜に入ります。ナメ滝の中、あちこちに穿たれた釜は特異な景観です。斜瀑8m×15mを直登し、しばらく行くと大台林道が横切ります。二俣では左の本谷を取り、石楠花谷を右に見送り、上流部の連瀑帯へと突入します。出てくる滝のほとんどを直登して行けますが、バランスのいる滝もあるので慎重に登って下さい。やがて水流もやせ細り、二段10mの滝を越えたあたりから一枚岩のナメが続き、原生林の中を登り詰めると正木ヶ原に飛び出します。あとは尾鷲辻に出て大台山上駐車場へと戻ります。 -
宮ノ谷出合から池木屋山へ
- 日帰り
- 7時間50分
- 11.9km
宮ノ谷出合から池木屋山へ
- 日帰り
- 7時間50分
- 11.9km
宮ノ谷は池木屋山の北面に源を持つ渓谷で、両岸に急崖が迫り、樹林の深いV字峡には滝、深渕、急流が次々と展開し訪れる人を魅了します。 宮ノ谷出合へは前日に入っておき、早朝出発。宮ノ谷林道を歩き、途中から山道に変わります(車の場合は林道終点に駐車スペースあり)。杉、檜の植林の中を行くと、犬飛びの分岐です。左に折れると両岸接した絶壁となり犬飛嵓の頭に出ます。まれにみる奇勝で、ここで宮ノ谷は幅約3mに狭まり廊下をなしています。元の分岐に戻り、谷沿いの道を進むが、桟道は数箇所欠壊しており増水時には要注意。斜瀑のそばを谷に下ると鷲岩が見られます。ヘビ滝を足元に見て、千丈嵓や六曲岩を対岸に仰ぎ、岩壁に架かる鉄橋をいくつか渡ると、岳魂碑の立つ風折谷出合に着きます。 池木屋山へは出合から右岸を絡んで15分ほど登ると高滝の直前に達し(整備された散策道はここで終わり、ここからは登山の領域となります)、岩を飛んで左岸に移ります。高滝は落差50mといわれ一条に落下する様は見事です。ここから猫滝までは絶壁に沿って付けられた急峻な道となり、過去に転落事故も起きているので慎重な行動が必要です。猫滝15mを絡み終えると道は谷筋に下り右岸に転じ、ドッサリ滝15mが見られる地点から左岸に渡り返します。その先斜面の急な登りを終えると、奥ノ出合に着きます。登路は出合から左俣に入り、すぐ上で枝分かれする右の谷沿いに10分程たどり、谷を渡って左手の山裾に取り付き、胸つく急斜面を登ります。 瀬音が遠ざかると美しい落葉樹に混じって自生の檜やコウヤマキが目に付き、シャクナゲやアケボノツツジも多く、春から初夏には新緑に紅を染める花々が楽しめます。奥ノ出合から標高差580mの登りは辛いですが、一歩一歩高度を稼ぐとやがてヒメザサの茂る草原が明るく開けます。振り返れば三峰山地が東西に連なり、北東には迷岳が顔を覗かせています。右に登って2等三角点の標石が埋まる池木屋山の山頂に到着です。さすが台高の雄峰、周囲はブナの自然林がしっとりと落ち着いた感じを見せています。 下山は明神平方面へ40分ほど行った霧降山から北東に派生する尾根をたどり宮ノ谷出合へと下ります。ブナ林の中を少し下ると池木屋山の名の起こりとなった小屋池の湿地があります。東西約10m南北に約25mで季節によっては水が涸れることもあります。霧降山からは「宮ノ谷→」の道標に従い、主稜を離れて北東に派生する尾根に入ります。見通しのきく独漂1222mを過ぎ、ヒメシャラの純林の中を下って、少し登り返すとコブシ平に出ます。その先、右手側が檜の植林帯に変わり、シカ除けのフェンスのある756.1mの南肩鞍部から右に折れてジグザグに下ると宮ノ谷沿いの林道に出て宮ノ谷出合に向かいます。宮ノ谷は池木屋山の北面に源を持つ渓谷で、両岸に急崖が迫り、樹林の深いV字峡には滝、深渕、急流が次々と展開し訪れる人を魅了します。 宮ノ谷出合へは前日に入っておき、早朝出発。宮ノ谷林道を歩き、途中から山道に変わります(車の場合は林道終点に駐車スペースあり)。杉、檜の植林の中を行くと、犬飛びの分岐です。左に折れると両岸接した絶壁となり犬飛嵓の頭に出ます。まれにみる奇勝で、ここで宮ノ谷は幅約3mに狭まり廊下をなしています。元の分岐に戻り、谷沿いの道を進むが、桟道は数箇所欠壊しており増水時には要注意。斜瀑のそばを谷に下ると鷲岩が見られます。ヘビ滝を足元に見て、千丈嵓や六曲岩を対岸に仰ぎ、岩壁に架かる鉄橋をいくつか渡ると、岳魂碑の立つ風折谷出合に着きます。 池木屋山へは出合から右岸を絡んで15分ほど登ると高滝の直前に達し(整備された散策道はここで終わり、ここからは登山の領域となります)、岩を飛んで左岸に移ります。高滝は落差50mといわれ一条に落下する様は見事です。ここから猫滝までは絶壁に沿って付けられた急峻な道となり、過去に転落事故も起きているので慎重な行動が必要です。猫滝15mを絡み終えると道は谷筋に下り右岸に転じ、ドッサリ滝15mが見られる地点から左岸に渡り返します。その先斜面の急な登りを終えると、奥ノ出合に着きます。登路は出合から左俣に入り、すぐ上で枝分かれする右の谷沿いに10分程たどり、谷を渡って左手の山裾に取り付き、胸つく急斜面を登ります。 瀬音が遠ざかると美しい落葉樹に混じって自生の檜やコウヤマキが目に付き、シャクナゲやアケボノツツジも多く、春から初夏には新緑に紅を染める花々が楽しめます。奥ノ出合から標高差580mの登りは辛いですが、一歩一歩高度を稼ぐとやがてヒメザサの茂る草原が明るく開けます。振り返れば三峰山地が東西に連なり、北東には迷岳が顔を覗かせています。右に登って2等三角点の標石が埋まる池木屋山の山頂に到着です。さすが台高の雄峰、周囲はブナの自然林がしっとりと落ち着いた感じを見せています。 下山は明神平方面へ40分ほど行った霧降山から北東に派生する尾根をたどり宮ノ谷出合へと下ります。ブナ林の中を少し下ると池木屋山の名の起こりとなった小屋池の湿地があります。東西約10m南北に約25mで季節によっては水が涸れることもあります。霧降山からは「宮ノ谷→」の道標に従い、主稜を離れて北東に派生する尾根に入ります。見通しのきく独漂1222mを過ぎ、ヒメシャラの純林の中を下って、少し登り返すとコブシ平に出ます。その先、右手側が檜の植林帯に変わり、シカ除けのフェンスのある756.1mの南肩鞍部から右に折れてジグザグに下ると宮ノ谷沿いの林道に出て宮ノ谷出合に向かいます。 -
宮ノ谷出合から池木屋山・野江股ノ頭へ
- 1泊2日
- 9時間20分
- 13.3km
宮ノ谷出合から池木屋山・野江股ノ頭へ
- 1泊2日
- 9時間20分
- 13.3km
池木屋山から東に派生する東尾根は野江股ノ頭から白倉山へと連なり、そこから北へ大熊の頭、迷岳へと延びる山稜と、東へ古ヶ丸山、清治山へと延びる山稜に分かれ、いずれも台高山脈の前衛峰として知られています。ガイドでは1泊2日のコースとして、宮ノ谷から池木屋山に至り東尾根を縦走して野江股ノ頭を踏み、ナンノキ平を経て絵馬小屋谷へと下るコースを紹介します。 1日目、宮ノ谷出合から池木屋山までは宮ノ谷出合から池木屋山へ(コースガイド)を参照して下さい。京阪神を朝発の場合、山行初日は奥ノ出合でビバークとなります。 2日目、早朝に出発し池木屋山を目指します。池木屋山から四方に分かれる分岐を東に取り、右に分岐する焼山ノ尾を見送り、東尾根を東進。ブナ林の中を緩やかに上下して行くと、1時間ほどで1332mピークに達します。振り返ると池木屋山が美しい姿を見せています。次の1223mピークにかけては北には三峰山から高見山に続く山稜と、南には大台ヶ原へと延びる主稜線が樹林を透して眺められます。緩やかな起伏を進むと尾根は大きく二方に分かれ、ここは左(真北に折れる)の尾根を取って下りますが、間違いやすいので地図やGPSで確認してください。 高度差にして180mほど下った鞍部が水越で、左の水越谷に少し下ると水が得られます。 ブナ、ヒメシャラの樹林中、岩稜の急斜をあえぎ登るとコブに達する。地形図に破線記号が宮ノ谷方面へと記載されているところですが、既に廃道となっています。ここで、右に折れ登り返したピークが野江股ノ頭で、3等三角点の標石があります。展望が得られないものの、人の訪れの少ない静かな山頂です。 山頂を辞して100mほど下り、少し登り返した二つ目のコブが1226mピークで、おおらかな台地となっています。ここから東へ延びる稜線は白倉山へと続き、踏み跡程度の小道が通じています。下山の野江股出合には左に折れ緩やかな尾根を下って行きます。ミズナラの巨木が枝葉を広げるナンノキ平を過ぎ、標高が1000mを切ると杉・檜の植林帯に変わり、変化のない山道を下って行くと、やがて野江股谷出合に着きます。谷を対岸に渡れば広場となっていてここまで林道が通じていて5~6台の駐車スペース(4WD車ならここまで入れる)があり、あとは絵馬小屋谷に沿う林道を歩き県道蓮峡線(江馬小屋谷出合)に出て山歩きは終わりです。池木屋山から東に派生する東尾根は野江股ノ頭から白倉山へと連なり、そこから北へ大熊の頭、迷岳へと延びる山稜と、東へ古ヶ丸山、清治山へと延びる山稜に分かれ、いずれも台高山脈の前衛峰として知られています。ガイドでは1泊2日のコースとして、宮ノ谷から池木屋山に至り東尾根を縦走して野江股ノ頭を踏み、ナンノキ平を経て絵馬小屋谷へと下るコースを紹介します。 1日目、宮ノ谷出合から池木屋山までは宮ノ谷出合から池木屋山へ(コースガイド)を参照して下さい。京阪神を朝発の場合、山行初日は奥ノ出合でビバークとなります。 2日目、早朝に出発し池木屋山を目指します。池木屋山から四方に分かれる分岐を東に取り、右に分岐する焼山ノ尾を見送り、東尾根を東進。ブナ林の中を緩やかに上下して行くと、1時間ほどで1332mピークに達します。振り返ると池木屋山が美しい姿を見せています。次の1223mピークにかけては北には三峰山から高見山に続く山稜と、南には大台ヶ原へと延びる主稜線が樹林を透して眺められます。緩やかな起伏を進むと尾根は大きく二方に分かれ、ここは左(真北に折れる)の尾根を取って下りますが、間違いやすいので地図やGPSで確認してください。 高度差にして180mほど下った鞍部が水越で、左の水越谷に少し下ると水が得られます。 ブナ、ヒメシャラの樹林中、岩稜の急斜をあえぎ登るとコブに達する。地形図に破線記号が宮ノ谷方面へと記載されているところですが、既に廃道となっています。ここで、右に折れ登り返したピークが野江股ノ頭で、3等三角点の標石があります。展望が得られないものの、人の訪れの少ない静かな山頂です。 山頂を辞して100mほど下り、少し登り返した二つ目のコブが1226mピークで、おおらかな台地となっています。ここから東へ延びる稜線は白倉山へと続き、踏み跡程度の小道が通じています。下山の野江股出合には左に折れ緩やかな尾根を下って行きます。ミズナラの巨木が枝葉を広げるナンノキ平を過ぎ、標高が1000mを切ると杉・檜の植林帯に変わり、変化のない山道を下って行くと、やがて野江股谷出合に着きます。谷を対岸に渡れば広場となっていてここまで林道が通じていて5~6台の駐車スペース(4WD車ならここまで入れる)があり、あとは絵馬小屋谷に沿う林道を歩き県道蓮峡線(江馬小屋谷出合)に出て山歩きは終わりです。 -
大又から明神平をへて池木屋山へ
- 1泊2日
- 10時間0分
- 20.1km
大又から明神平をへて池木屋山へ
- 1泊2日
- 10時間0分
- 20.1km
大又バス停から林道終点(登山口)まで進みます。明神滝からはつづら折れにかかり、登り詰めると明るく開けた明神平に着きます。南へスキー場跡の草原を三ツ塚へと登って行きます。三ツ塚で薊岳への道を分け、左折して明神岳へはなだらかな登りで達します。 展望はないもののブナの素晴らしい林相が、この先笹ヶ峰まで続いていて、その美しさに魅せられます。桧塚奥峰への分岐を見送り直進すると、狭い尾根の下りの後、広い尾根に変わります。笹ヶ峰に近づくと稜線はおおらかになり、主稜線と枝尾根の区別がつきにくいので注意が必要です。 笹ヶ峰から千石山までの間はやせ尾根になっていて、下り切った鞍部が瀬戸越で、かつて蓮と瀬戸を結ぶ峠道が越えていましたが、今は廃道となっています。ブナの美林を見ながら登り詰めると千石山(奥ノ迷峰)で、三角点のある山頂は登り着いた西端にあります。東側にはコブがあり、目指す赤嵓山方面の展望が得られます。赤嵓山へは南に折れ急斜面を下ると、小さな清流が流れる水場になっています。1日目はここが泊まり場となります。 2日目は、早朝出発。小さな起伏を繰り返し、赤嵓山への登りとなります。時折眺望が開ける尾根道を登り切ると赤嵓山山頂に立ちます。 赤嵓山からは千里峰、奥ノ平峰を越え、霧降山までは30分ほどの道のりです。霧降山からは稜線漫歩で池木屋山の名の起こりとなった小屋池の湿地に出ます。小屋池からはブナ林を登り詰めて池木屋山の山頂に到着です。 山頂を辞したら下山は宮ノ谷へと下ります。奥ノ出合へと標高差580mの急坂の下りが続くので、足運びには注意して下さい。急斜の下りの末端は左へと山腹を絡み奥ノ出合へと降り立ちます。谷を対岸に渡ると急な下りとなり、右岸に渡り返します(渡渉地点にはテープがある)。ドッサリ滝15mをみて右岸を行くと、左岸に渡り返し、猫滝15mを絡んで下ります。ここから高滝までは絶壁に付けられた急峻な道となり、過去には転落事故が何回も起きているので慎重な行動が必要です。高滝の直下で岩を飛んで右岸に移ります。ここからは整備された散策道となり、右岸を絡んで10分も下ると岳魂碑の立つ風折谷出合に着きます。 風折谷出合からは六曲岩や千丈嵓を対岸に仰ぎ、岩壁に架かる鉄橋をいくつか渡り、谷沿いの道を伝うと、犬飛びの分岐。右に折れると両岸接した絶壁となり犬飛嵓に出ます。元の分岐に戻り、杉・檜の植林の中を行くとほどなく林道終点(登山口)です。あとは予約しておいたタクシーで榛原駅に出ます。大又バス停から林道終点(登山口)まで進みます。明神滝からはつづら折れにかかり、登り詰めると明るく開けた明神平に着きます。南へスキー場跡の草原を三ツ塚へと登って行きます。三ツ塚で薊岳への道を分け、左折して明神岳へはなだらかな登りで達します。 展望はないもののブナの素晴らしい林相が、この先笹ヶ峰まで続いていて、その美しさに魅せられます。桧塚奥峰への分岐を見送り直進すると、狭い尾根の下りの後、広い尾根に変わります。笹ヶ峰に近づくと稜線はおおらかになり、主稜線と枝尾根の区別がつきにくいので注意が必要です。 笹ヶ峰から千石山までの間はやせ尾根になっていて、下り切った鞍部が瀬戸越で、かつて蓮と瀬戸を結ぶ峠道が越えていましたが、今は廃道となっています。ブナの美林を見ながら登り詰めると千石山(奥ノ迷峰)で、三角点のある山頂は登り着いた西端にあります。東側にはコブがあり、目指す赤嵓山方面の展望が得られます。赤嵓山へは南に折れ急斜面を下ると、小さな清流が流れる水場になっています。1日目はここが泊まり場となります。 2日目は、早朝出発。小さな起伏を繰り返し、赤嵓山への登りとなります。時折眺望が開ける尾根道を登り切ると赤嵓山山頂に立ちます。 赤嵓山からは千里峰、奥ノ平峰を越え、霧降山までは30分ほどの道のりです。霧降山からは稜線漫歩で池木屋山の名の起こりとなった小屋池の湿地に出ます。小屋池からはブナ林を登り詰めて池木屋山の山頂に到着です。 山頂を辞したら下山は宮ノ谷へと下ります。奥ノ出合へと標高差580mの急坂の下りが続くので、足運びには注意して下さい。急斜の下りの末端は左へと山腹を絡み奥ノ出合へと降り立ちます。谷を対岸に渡ると急な下りとなり、右岸に渡り返します(渡渉地点にはテープがある)。ドッサリ滝15mをみて右岸を行くと、左岸に渡り返し、猫滝15mを絡んで下ります。ここから高滝までは絶壁に付けられた急峻な道となり、過去には転落事故が何回も起きているので慎重な行動が必要です。高滝の直下で岩を飛んで右岸に移ります。ここからは整備された散策道となり、右岸を絡んで10分も下ると岳魂碑の立つ風折谷出合に着きます。 風折谷出合からは六曲岩や千丈嵓を対岸に仰ぎ、岩壁に架かる鉄橋をいくつか渡り、谷沿いの道を伝うと、犬飛びの分岐。右に折れると両岸接した絶壁となり犬飛嵓に出ます。元の分岐に戻り、杉・檜の植林の中を行くとほどなく林道終点(登山口)です。あとは予約しておいたタクシーで榛原駅に出ます。