【九鬼山】登山初心者でも楽しめる日帰りコース 富士山ビューが魅力の静寂ルートを歩く

山梨県にある九鬼山は、登山初心者にも人気の富士山ビューコース。富士急行・田野倉駅から気軽にアクセスできる日帰り登山ルートで、静かな森歩きや開放感のある稜線、山頂からの絶景が楽しめます。
この記事では、九鬼山登山の魅力やルートの見どころ、下山後のおすすめスポットまで詳しく紹介します。
九鬼山について

富士山の展望と静かな山歩きが楽しめる山梨県・九鬼山(くきやま)。標高970mと手頃な高さでありながら、山頂からは富士山や奥多摩・小金沢連嶺の景色が広がり、達成感のある山として人気です。登山道は静かで落ち着いた雰囲気が魅力。人混みを避けて、自然をじっくり楽しみたい人にぴったりの山です。
九鬼山へのアクセス

登山の出発点となる田野倉駅と、下山後の禾生(かせい)駅は、どちらも富士急行線の駅。新宿駅からはJR中央線で大月駅へ向かい、そこから富士急行線に乗り換えてアクセスできます。
• 新宿駅 → 大月駅(JR中央線・約90分)
• 大月駅 → 田野倉駅(富士急行線・約8分)
• 帰路は禾生駅から大月駅へ(約10分)
電車利用でもアクセスしやすく、日帰り登山に適したロケーションです。
九鬼山登山コース 静けさと絶景を味わう、田野倉駅からのルート

登山地図ナビアプリ「山と高原地図ホーダイ」で作成
今回登る田野倉駅を起点とする九鬼山の登山ルートは「池ノ山コース」。静かな住宅街から山道へ入り、富士山の展望や自然豊かな尾根道を経て標高970mの山頂を目指すコースです。稜線からは360度のパノラマが楽しめ、下山は杉林の中を抜ける「杉山新道」を通って禾生駅へ。自然の変化を味わいながら歩ける、静けさと達成感に満ちたルートです。
九鬼山登山「池ノ山コース」情報

登山地図ナビアプリ「山と高原地図ホーダイ」で作成
時間:3時間20分
距離:6.2km
九鬼山登山スタート|田野倉駅から住宅街を抜けて

田野倉駅前
登山のスタート地点は、富士急行・田野倉駅。改札を出ると、のどかな空気と静かな町並みが迎えてくれます。

水路の流れる住宅街を進む

踏切を渡りさらに進む
宅街を進み小さな踏切を渡ってさらに進んでいくと、どこか懐かしさを感じる風景の中に、水のせせらぎがやさしく響きます。

登山道の表示がありがたい
突き当りを左へ進むと、道沿いには「登山道」の表示があり、少しずつ山に近づいていく気配が感じられます。

富士山が見えるビュースポット
歩みを進める途中、ふと視界が開ける場所があり、木々の合間から富士山がちらりと姿を見せてくれます。早朝の光に照らされたその姿に、思わず足が止まる瞬間。登山の気分がぐっと高まります。

現在地を確認すると分岐を過ぎていた
舗装路をそのまま歩き続けていると、ふと「ん? 分岐を見落としたかも」と不安な気持ちに。慌ててスマートフォンを取り出し、登山地図ナビアプリ「山と高原地図ホーダイ」で現在地を確認すると、やはり分岐点を通り過ぎていました。

見逃していた分岐点
数メートル引き返すと、木陰にひっそりとたたずむ案内標識を発見。気を取り直して標識に従って「池ノ山コース」方面へ。

舗装路が終わり山道へ
足元には落ち葉の積もった登山道が現れました。ここからが、いよいよ本格的な山歩きの始まりです。
沢を渡って山道へ|静かな森に包まれて

針葉樹と広葉樹が入り混じる登り
小さな沢を渡り自然の山道へと入っていきます。周囲は針葉樹と広葉樹が混じる豊かな森で、空からは木漏れ日が差し込み、耳を澄ませば鳥のさえずりが聞こえてきます。キビタキなどの野鳥の声に導かれながら進む山道は、まるで森林浴をしているかのような心地よさがあります。

木々の間から富士山が見える
しばらく進み尾根道に出ると、木々の間から突如現れたのは、遠くに佇む富士山の姿。その荘厳な眺めに、思わず足を止めてしまいます。静かな山歩きの中で不意に現れる絶景は、疲れた体に活力をくれます。

風が心地よい尾根
涼しい風が頬をなでる尾根道を進んでいると、カサカサッという音とともに、リスがひょいと目の前に飛び出してきて、あっという間に茂みの中へ。そんなささやかな出会いにも、山の豊かさを感じます。

現在地を確認
立ち止まり、登山地図アプリ「山と高原地図ホーダイ」で現在地を確認。画面上には、まもなく別ルートとの合流点が近いことが表示されていました。
尾根に出ると展望が広がる|富士山を眺めてひと息

禾生駅方面からのルートとの合流地点
登りが続いた先、尾根に出ると禾生駅方面からのルートと合流します。ちょうどこのあたりが登りの中間地点。

見事な姿を見せてくれる富士山
ここでも視界が開けて真正面に富士山が姿を現します。稜線越しに浮かび上がるそのシルエットは、思わず息をのむほどの存在感。登ってきた疲れもひととき忘れ、しばらくその景色に見入ってしまいます。

山頂を目指して尾根道を登る
深呼吸をして気持ちを整えたら、再び歩を進めましょう。足元に気を配りながら、山頂を目指して静かな尾根道を登っていきます。木漏れ日が揺れる登山道は、頂上への期待と達成感を少しずつ高めてくれます。

マムシグサ
途中には有毒植物のマムシグサが自生していました。この植物は有毒のため、見かけてもむやみに触れないよう注意しましょう。自然の中では思わぬ危険もあるため、植物観察も慎重に楽しむのがポイントです。
天狗岩分岐を越えて山頂を目指す

天狗岩への分岐
しばらく進むと「天狗岩」と書かれた分岐が現れます。興味をそそられますが、今回は山頂を目指して本道を直進。

稜線の分岐
稜線に出ると、木々の合間から柔らかな光が差し込み、少しずつ空が近づいてくるような感覚が広がります。さらに登ると稜線の分岐に到達。

頂上はもうすぐ
ここで一度立ち止まり、「山と高原地図ホーダイ」で現在地を確認。地図上でも山頂がすぐ近くにあることを確かめ、再び前へ進みます。

山頂の気配がぐっと身近に感じられる
呼吸を整えつつ、一歩一歩足を運んでいくと、木々の隙間から山頂の気配が感じられるようになります。
九鬼山山頂に到着|富士山と草原の大パノラマ

山頂到着
最後のひと登りを終えると、標高970.2mの九鬼山山頂に到着。登ってきた達成感が一気に込み上げてきます。

南側の富士山方面の眺望
山頂に立てば、南側には富士山の雄姿。北側には奥多摩から白谷ノ丸の草地が目をひく小金沢連嶺まで見渡せる景色が広がっています。

北側は白谷ノ丸の草地が特徴的
目の前に広がる景色と静けさに包まれるこの瞬間は、まさに何ものにも代えがたいご褒美です。
杉山新道を下って禾生駅へ|静かな森を歩く癒しの時間

禾生駅方面へ向かう
たっぷりと山頂の景色を味わったら、名残惜しさを胸に禾生駅へ向けて下山を開始します。来た道を少し引き返し、分岐点を禾生駅方面へ。さらに次の分岐で「杉山新道」を選び、ゆるやかに斜面を下っていきます。

木漏れ日の道を下る
ルートは明るい新緑に包まれた木漏れ日の道。木々の葉が風にそよぎ、足元にはふかふかとした落ち葉の絨毯が続きます。やがて弥生峠に到着。

弥生峠

杉山新道方面へ
弥生峠まで下ってくると、ここで尾根道と分かれ、杉山新道へと入っていきます。

足を滑らせないように注意して歩こう
足元には乾いた落ち葉が積もっていて、滑らないよう慎重に。

標高も下がってきた
どんどん下っていると森の静けさの中に電車や車の音が混じるようになり、街が近づいてきたことを感じます。

姿は見えないがカエルの声が響く
小さな沢を渡る際、ふいに耳に届くのは、どこか懐かしいカエルの鳴き声。そしてミソサザイのさえずりも響きます。都会では味わえない、豊かな自然の音が心を癒してくれます。

登山道の出口
さらに下っていくと、目の前に舗装された道路が現れます。ここで九鬼山の登山道は終了。あとは禾生駅へ向けて、のんびりと歩いていくだけです。

突然現れたレトロな橋「落合水路橋」
舗装路をのんびりと歩いていくと、ふいに視界に入ってくるのが「落合水路橋」。赤レンガのアーチが美しく、まるで昔話の中に入り込んだような趣があります。思わずカメラを構えたくなる、下山途中のフォトスポットです。

左折して駅を目指す
橋をくぐり、のどかな道を進むと国道139号に出ます。ここで左折し、交差点の標識に従って右へ進みます。

九鬼山が見える
ふと振り返れば、九鬼山の穏やかな稜線が遠くに見送ってくれます。登山の余韻を胸に、静かな山旅の締めくくりです。

ゴールの禾生駅
そのまま歩を進めると、ようやくゴールの禾生駅に到着です。

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