金華山で登山と絶景を満喫 初心者も楽しめる岐阜の名所を歩こう

岐阜市のシンボル「金華山(きんかざん)」は、標高329mの山頂に岐阜城を擁し、歴史と自然が融合する人気の登山スポット。

登山道は全部で10本あり、初心者や家族連れでも安心して歩ける整備されたルートがそろっています。山頂からは長良川や岐阜市街を一望でき、晴れた日には遠く日本アルプスの山々まで見渡せる絶景も。

この記事では、初心者にもおすすめの登山コース「七曲り登山道」を中心に、アクセス情報や服装のポイント、下山後に楽しめる温泉やグルメまで、金華山登山の魅力をわかりやすくご紹介します。

2025年4月22日 更新

金華山へのアクセス 登山の起点・岐阜公園までの行き方をチェック


岐阜城

岐阜県岐阜市にある金華山は、標高329mと手軽に登れる山ながら、岐阜城や展望台、ロープウェー、ハイキングコースなど見どころ満載。アクセスが良く、登山初心者や家族連れでも気軽に訪れることができます。

電車・バスでのアクセス

金華山の登山口にあたる「岐阜公園」へは、JRまたは名鉄岐阜駅から路線バスの利用が便利です。

最寄駅は、JR岐阜駅、名鉄岐阜駅。そこからN系統バス(長良橋方面行き)または市内ループ線(左回り)に乗車し、「岐阜公園・歴史博物館前」下車(所要約15分/運賃230円)。

バスの本数は多く、概ね5分〜10分間隔で運行されているため、時間を気にせずアクセスできます。

車でのアクセス

自家用車で訪れる場合、名古屋方面や岐阜市街からのドライブにも最適です。

名神高速道路「岐阜羽島IC」から約40分または、東海北陸自動車道「各務原IC」からで約25分。

駐車場情報(岐阜公園堤外駐車場・岩戸公園北側駐車場)
金華山登山の拠点となる「岐阜公園」と「岩戸森林公園」には、専用の駐車場も整備されています。金華山ロープウェーや岐阜公園の観光と合わせるなら有料駐車場の利用が便利。登山をメインに楽しむなら、無料で停められる岩戸森林公園がおすすめです。

岐阜公園堤外駐車場
営業時間:8:30~21:00(年中無休)
利用料金:1時間まで無料、以降1回310円
※台数に限りあり。週末や観光シーズンは混み合うため、公共交通機関の利用が推奨されています。
岩戸公園北側駐車場
営業時間:24時間
利用料金:無料
※台数は30台まで、近くの岩戸公園駐車場(南側)は80台まで駐車可能。

金華山登山に必要な服装と持ち物 初心者でも安心の装備チェック


岩場も多いので、トレッキングシューズで登りたい

金華山は標高329mと登りやすく、初心者やファミリーにも人気の登山スポットですが、登山であることに変わりはありません。快適で安全な山歩きのために、服装や持ち物の準備はしっかりとしておきましょう。

基本の服装(季節に応じて調整を)

動きやすい服装:伸縮性のある長袖・長ズボンが基本。気温変化に備えて、脱ぎ着しやすいレイヤリング(重ね着)を。

登山靴またはトレッキングシューズ:滑りやすい道や石段があるため、靴底がしっかりした靴が安心。

帽子:日差し対策だけでなく、夏は熱中症予防にも効果的。

秋~冬にかけては、冷え込み対策に防風ジャケットやネックウォーマーなどもおすすめです。

あると便利な持ち物リスト

リュックサック:両手をあけて歩けるよう、肩にかけるバッグは避けましょう。

飲み物(500ml〜1L程度):水分補給はこまめに。夏場はスポーツドリンクも◎。

タオル:汗ふきや日除けとしても使えます。

虫除けスプレー:特に春〜秋の森林ルートでは必須。

携帯ライト/ヘッドランプ:万が一暗くなってしまった場合の備えに。

簡単な救急用品:絆創膏やテーピングなど、最低限の応急処置用具を。

金華山登山コースの特徴と選び方 初心者向けから本格ルートまで全10コース


画像提供:エエトコタント岐阜市

金華山には、岐阜公園を起点とした10の登山コースが整備されており、体力や経験に応じてルートを選べるのが魅力です。ここでは、そのなかでも特に人気のあるコースを中心に紹介します。

初心者やファミリーにおすすめのコース

七曲り登山道(大手道)


前半は大手道の名残を感じながら、ゆったりとしたカーブの道を歩く

岐阜城の大手道をそのまま利用した七曲り登山道は、金華山で最も一般的で歩きやすいコースです。幅広く整備された道が続くため安心して登ることができ、名前の通り緩やかなカーブを繰り返しながら進みます。傾斜も比較的なだらかで、観光で訪れた方や体力に自信のない登山者にも歩きやすいルートです。

東坂ハイキングコース


金華山随一のパノラマを誇る岩尾根が魅力

東坂ハイキングコースは、岩戸森林公園から岐阜城の山頂へと続く金華山の人気ルートです。山頂までの所要はおよそ1時間。序盤は静かな森を歩き、中盤には金華山随一のパノラマを望める岩尾根が現れ、最後は岐阜城のある山頂へと至ります。無料駐車場も整備されており、多くの登山者に親しまれているコースです。

登山慣れした方向けの健脚コース

百曲り登山道


ややスリルある岩場が連続する百曲り登山道は、人気の下山ルート

百曲り登山道は、チャートの岩盤が露出した岩場と急坂が続く健脚者向けのコースです。登り下りどちらも可能ですが、一般的には七曲り登山道で登頂し、このルートを下山に利用する登山者が多く見られます。名前の通り数多くの曲がり道が連なり、ややスリルのある道のりが特徴です。

唐釜ハイキングコース


こじんまりとした独特の情緒を醸す、唐釜ハイキングコース

唐釜ハイキングコースは、金華山の七曲り登山道と東坂ハイキングコースを結ぶ連絡路です。こぢんまりとした山道ながら独特の情緒があり、斜面を横切る道のりではちょっとしたスリルも味わえます。七曲り登山道からこのコースを経由して東坂ハイキングコースへ抜ければ、金華山の見どころを一通り楽しむことができます。

七曲り登山道で気軽に金華山登山 初心者にもおすすめの安心ルート


多くの登山者が行き交う安心の定番ルート・七曲り登山道

初心者や家族連れに人気のコースが、整備の行き届いた七曲り登山道です。実際に歩いてみると、安心感のある道のりの中に、金華山ならではの自然や景観を楽しめる魅力が随所に感じられます。

金華山の七曲り登山道を進む リス村を経て広がる展望へ


道しるべがきちんと設置されていて、登山口から迷う心配なし

登山のスタートは岐阜公園の南側。案内板を目印に登山口へ進むと、緩やかなスロープ状の道が始まります。足元は固められており、幅も広いため小さな子どもと一緒でも歩きやすく、ゆったりとした気持ちで登り始められます。


唐釜ハイキングコースから東坂ハイキングコースで山頂を目指すのもよし

登り始めておよそ30分、唐釜ハイキングコースとの分岐に到着します。ここで左へ進めば岩戸公園方面ですが、七曲り登山道は「岐阜城方面」へ。分岐を過ぎると道は階段状になり、傾斜も少しずつ増していきます。


石段を一歩ずつ踏みしめながら、金華山の山頂を目指す

七曲り登山道はここから岐阜城方面へと進みます。階段状の道が現れ、傾斜も少しずつ増していきますが、曲がりくねった道が一定のリズムをつくり、無理なく登れるのが特徴です。


リスに餌やり体験ができる

しばらく歩くと、ぎふ金華山ロープウェイ山頂駅の隣にある「金華山リス村」へ到着。自然の中で飼育されているリスたちとふれあえる癒しのスポットで、ファミリーには特に人気です。かわいいリスへの餌やりを楽しみながら、後半戦に向けてひと息ついてみてはいかがでしょうか。


長良川や岐阜市街を見渡せる大パノラマが待つ

ここまで来ると山頂まであと少し。岐阜城を目前にした終盤に差し掛かると、眼下の市街や遠景の山並みがちょっとしたご褒美に。四季折々に変わる自然の彩りも魅力で、春は新緑、秋は紅葉を楽しみながら歩けます。


一時期、織田信長が居城にした岐阜城

前方には岐阜城が。最後の石段を上りきれば金華山山頂に到着します。

金華山山頂に到着 岐阜城と絶景を楽しむひととき


金華山山頂にある「岐阜城」

標高329mの金華山山頂には、戦国武将・織田信長が居城としたことで知られる「岐阜城」が堂々とそびえています。

岐阜城はかつて斎藤道三の居城であった稲葉山城を、織田信長が攻略した後に改名したもので、現在の天守は再建されたものです。城内には信長にまつわる資料や戦国時代の展示が整えられており、歴史に触れられるスポットとなっています。


西方面には長良川と岐阜市街を一望、遠くに伊吹山

天守最上階からは長良川と岐阜市街を眼下に、遠く伊吹山や鈴鹿山脈、北には日本アルプス、南には濃尾平野と、360度の展望が広がります。


岐阜城から振り返った山頂周辺の展望

岐阜城の見学を終えたら、山頂周辺でひと息つくのもおすすめです。広々とした山頂にはベンチや休憩所、トイレが整備されており、おにぎりを広げて休憩したり、景色を眺めながら過ごしたりできます。


金華山の展望レストラン「ル・ポンドゥ・シェル」〈画像提供:ぎふ金華山ロープウェー〉

さらに余裕があれば、山頂駅に隣接する展望レストラン「ル・ポンドゥ・シェル」へ。ガラス張りの店内から長良川や市街を一望でき、岐阜名物の「信長どて丼」などのグルメも味わえます。

金華山の下山は百曲り登山道 岩場と曲がりが続く変化に富んだ道


足元に注意を払いながら百曲り登山道を下る

山頂で景色や施設を楽しんだあとは、登りとは異なる道で下山してみましょう。おすすめは「百曲り登山道」。金華山にある10の登山コースのなかでも勾配や岩場があり、変化に富んだ歩きごたえのあるルートです。


百曲り登山道の下山口は、木製の階段から始まる

スタート地点は岐阜城の裏手にある下山道入口。序盤には急な岩場が現れますが、道は整備されているため、足元を確かめながら進めば安心です。


一歩一歩、足場を確実に安全に下ろう

足元には金華山特有の硬いチャートが広がり、雨により表面の土が流されることで、岩肌に植物がしっかり根を張っている様子を観察できます。


まさに天然のアスレチックのような道が続く

道中はゴツゴツとした岩場が続き、名前の通り曲がりの多いジグザグ道が登山口まで続きます。カーブごとに視界が開ける場所もあり、静かな山の雰囲気を味わいながら下ることができます。


禅林寺に咲くアジサイ

終盤には、梅雨時にアジサイが咲くことで知られる「禅林寺」の近くを通ります。5月末から6月にかけて紫や青の花が彩りを添え、下山のひとときを和ませてくれます。

百曲り登山道の所要時間はおよそ30分。比較的短時間で岐阜公園まで下山できるコースとして、多くの登山者に利用されています。

東坂ハイキングコース 登りごたえある金華山登山ルート


妙見峠までは静謐な樹林帯を緩やかに進む

七曲り登山道に比べて、登りごたえのある登山を楽しみたい方には「東坂ハイキングコース」も人気があります。金華山ドライブウェイの麓、岩戸公園から取りつくルートで、七曲りより急な坂が続き、達成感のある歩きが楽しめるのが特徴です。


岩場を進むと、山麓まで続く壮大な景色が目の前に広がる

序盤は静かな樹林帯を抜け、妙見峠までは緩やかな道が続きます。峠を過ぎると岩場ルートに分かれ、足元に注意しながら登れば、長良川や岐阜の町並みを望む大パノラマが広がります。


目の前には一歩一歩、岐阜城の天守閣が近づく

途中、木々の間から岐阜城の天守閣が姿を現し、歴史ある山の雰囲気を感じられるのも魅力です。終盤は石段の急登となりますが、城下町を見守るようにそびえる天守に近づく高揚感は、このルートならでは。山頂に立ったときの達成感もひとしおです。

登山後は長良川温泉へ 金華山のふもとで体を癒す


露天風呂で疲れを癒す

金華山登山を楽しんだあとは、疲れた体をじっくり癒してくれる温泉でリラックス。岐阜公園から徒歩圏内にある「長良川温泉」は、自然に囲まれた絶好のロケーションと上質な湯が魅力の温泉地です。

このエリアの温泉は「鉄泉」に分類され、湧き出た直後は無色透明ですが、大気に触れると酸化し、徐々に赤みを帯びた濁り湯へと変化していきます。この泉質は体を芯から温め、登山の疲労回復にも効果的。日帰り入浴が可能な施設も複数あり、観光と合わせて気軽に楽しめるのがうれしいポイントです。


赤褐色の濁り湯が特徴

また、長良川温泉は「にっぽんの温泉100選」にも選出されており、県内外から多くの温泉ファンが訪れています。露天風呂からは、金華山や岐阜城、長良川の風景を一望でき、夕暮れ時には空が染まる絶景が広がります。

金華山登山を締めくくるにふさわしい贅沢なひととき。心も体もほっとする温泉で、旅の余韻をじっくりと味わってください。

アクセス:JR岐阜駅から岐阜バス長良橋方面行きで15分、長良橋下車すぐ

金華山登山のあとにもう一つのお楽しみ 長良川の鵜飼を見に行こう


岐阜の夏の風物詩として受け継がれる長良川の鵜飼

金華山の登山と絶景を楽しんだあとは、岐阜ならではの伝統行事「長良川鵜飼」を訪れてみませんか。

鵜飼とは、「鵜(う)」という鳥を使って鮎をとる昔ながらの漁法です。鵜匠(うしょう)と呼ばれる人がかがり火を焚いた船に乗り、鵜を巧みに操って魚をとる姿は幻想的で、長良川鵜飼は1300年以上の歴史を誇ります。

観覧船に乗って川の上から眺めれば、昼の登山とはまた違った岐阜の魅力を味わえます。開催期間は例年5月11日から10月15日まで。朝に金華山を登り、夜は鵜飼を観覧するという流れもおすすめです。

自然と伝統の両方を楽しめるのは岐阜ならでは。昼の山と夜の川、異なる表情が一日を彩ってくれるでしょう。

出船航時間:18:15、18:45、19:15
所要時間:約1時間
出発場所:鵜飼観覧船乗り場(長良橋の近く)
料金:大人3,200円〜
※雨の日でも実施されます(増水時などは中止の場合あり)

体力的にちょっと不安…という方は、ロープウェーで山頂へ


ぎふ金華山ロープウェー

「鵜飼も見てみたいけれど、登山とあわせるのは体力的に不安」という方には、ぎふ金華山ロープウェーの利用が便利です。岐阜公園と山頂をおよそ4分で結び、車窓からは春の新緑や秋の紅葉など、季節ごとに変化する景色を眺めることができます。体力や時間にあわせて選べるアクセス手段として、ロープウェーも広く利用されています。

料金:12歳以上1,300円(往復)、800円(片道) ※12歳未満は半額運賃

金華山登山で岐阜の自然と歴史をまるごと楽しもう

<


金華山の穴場ルート。筆者のイチオシは唐釜ハイキングコース

金華山は、初心者でも歩きやすいコースから本格的なルートまでそろい、自然・歴史・景色・食・文化と多彩な魅力にあふれた登山スポットです。山頂で絶景を味わったあとは、長良川鵜飼で幻想的な夜を過ごすのもおすすめです。ロープウェーを利用すれば、体力に不安がある方も無理なく楽しめます。

自然に癒され、歴史に触れ、岐阜の魅力を凝縮した一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。なお登山の際は、気象条件やルート状況が変わることもありますので、事前に最新情報を確認することが大切です。

安全で快適な登山をサポートする「山と高原地図ホーダイ」なら、金華山をはじめ全国の山の登山地図をスマートフォンで確認できます。地図アプリを活用して、安心の山旅を計画してみてください。

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部を卒業後、商社やメーカーで営業職を経験。2019年より複業でトラベルライターとしての活動を始め、旅の魅力を伝える仕事がライフワークになる。2021年には本業も旅行業界へ本格転身し、国内OTAにて宿泊施設の集客支援に従事。現在は旅行系ベンチャー企業でメディアマネージャーを務める。これまでに執筆した記事は2,000本以上。地方の自然や暮らしをテーマにした発信を続けながら、「旅を通じて人生が豊かになるきっかけ」を届けたいと考えている。登山、自転車旅、温泉巡り、離島旅が趣味で、毎年の北海道旅行を家族の恒例行事にしている。 notehttps://note.com/yuhei_tonosho
山と高原地図ホーダイ
道迷いの不安を軽減 登山専用地図アプリ
山と高原地図ホーダイ
紙地図60年以上の信頼をスマホで
複雑な登山道も、正確な地図で不安を軽減。
登山の専門家が調査した正確なルートやコースタイム、見どころ情報までを一つにまとめました。
紙地図「山と高原地図」として60年以上の信頼を重ねてきた情報が、アプリ「山と高原地図ホーダイ」で。
今すぐダウンロードして安全登山を楽しみましょう。