岐阜の日帰り登山におすすめの名山10選 初心者でも楽しめる絶景名山

豊かな自然に恵まれた岐阜県は、北アルプスの名峰から里山ハイク、歴史情緒あふれる山城まで、バラエティ豊かな山歩きが楽しめる登山天国です。
標高3,000m級の絶景を気軽に体感できる山や、四季折々の表情を見せる渓谷、紅葉のトンネルを歩く神秘的なルートなど、登る人の体力や好みに応じて、コースを選べるのも魅力です。
今回は、そんな岐阜県で日帰り登山にもぴったりな、初心者から経験者まで満足できるおすすめの名山と登山スポットを厳選してご紹介します。お気に入りの山を見つけて、次の休日は大自然へ出かけてみませんか?
目次
1.乗鞍岳 岐阜の日帰り登山で3,000m峰の絶景を体感

初心者でも登れる、憧れの北アルプス「乗鞍岳」
長野県と岐阜県の県境にまたがる「乗鞍岳(のりくらだけ、標高3,026m)」。日本に23座しかない標高3,000m峰の中でも、もっとも気軽に挑める山として知られています。その理由は、標高約2,700mの畳平までバスでアクセスできるため。
登山口から山頂までは歩行距離5.6km、累積標高差約420mと、憧れの日本アルプス入門にぴったりの内容です。

高山植物の女王として親しまれるコマクサ
道中では翡翠色の権現池や、高山植物が咲き誇る花畑、火山特有の荒々しい地形など、標高3,000mならではの絶景を余すことなく楽しめます。天気が良ければ、北アルプスの稜線はもちろん、遠く御嶽山や南アルプスの山々まで見渡せる大パノラマが待っています。
体力に余裕があれば、魔王岳(まおうだけ、標高2,764m)や富士見岳(ふじみだけ、標高2,817m)などの小ピークにも立ち寄ってみましょう。初心者からベテランまで、誰もが高山の世界を満喫できる北アルプスの名峰です。
2.納古山 ノコリンと出会える、岐阜の眺望抜群な日帰り登山

御嶽山と美しい緑の山並みを望む「納古山」
加茂郡川辺町に位置する「納古山(のこやま、標高632m)」は、岐阜県の里山ハイキングの代表格。心地よい樹林帯を抜け、天然のアスレチックのような岩場を越えていくルートは、まさに登山の醍醐味をギュッと詰め込んだ内容です。
周回ルートは歩行距離約5km、標高差もおよそ500mと程よい運動量で、登山ビギナーやファミリーでも安心して挑戦できるのが魅力。道はしっかり整備されており、週末になると多くの登山者で賑わいます。

筆者が訪れたときは、4代目ノコリンに挨拶
山頂に着けば、御嶽山(おんたけさん、標高3,067m)や中央アルプス、白山(はくさん、標高2,702m)など、名だたる山々を一望できる360度の大パノラマが広がります。また、地元では「ノコリン」というマスコットキャラクターも人気。山頂の看板などで出会えるので、ぜひ挨拶してみてください。
手軽に登れて、歩きごたえも十分、眺めも抜群な納古山は、登山を始めたばかりの方にもぴったりの名山です。
住所:岐阜県加茂郡七宗町神渕
アクセス:納古山の周回コースで約2時間30分
コースタイム:納古山第2駐車場→(約55分)→天空の岩展望台→(約30分)→納古山山頂
3.猪臥山 初心者でも安心!岐阜の日帰り雪山登山

冬桜のごとき霧氷で覆われる「猪臥山」の山頂周辺
飛騨市と高山市の境にそびえる「猪臥山(いぶしやま、標高1,519m)」。普段は静かな里山ですが、冬になると雪化粧した幻想的な景色へ出会いに、多くの登山者で賑わいます。
特に有名なのが「霧氷(むひょう)」の景色。空気中の水滴が木々に氷結して作り出す霧氷は、冬の桜を思わせるように、山頂一面が白く輝き、銀世界に花が咲いたかのような美しさに包まれます。

青と白の美しいコントラストに思わず立ち止まる
雪山と聞くと難易度が高いイメージがありますが、猪臥山は道中の危険箇所が少なく、比較的なだらかな斜面が多いため、雪山初心者でも挑戦しやすいのが魅力です。
霧氷の時期は12月下旬〜2月頃がベスト。マイナスの気温に対応できるウェアや、アイゼンやゲイターなどの雪山登山装備をしっかり整えて、ぜひ冬限定の絶景に会いに出かけてみてください。
4.天蓋山 日帰り登山で楽しむ北アルプスの絶景と里山の魅力

剱岳から槍ヶ岳まで、北アルプスを一望できる「天蓋山」
岐阜県飛騨市の山之村地区にそびえる標高1,527mの「天蓋山(てんがいさん)」は、“天空の隠れ里”として知られる秘境の名峰です。2023年8月には、地域の方々と登山愛好家の協力により新たな登山道が整備され、山之村牧場を起点にぐるりと周回できる約8.8km、所要時間約4時間40分のコースが整備されました。
これにより、従来のルートと新道を組み合わせることで、飛騨の手つかずの原生林と北アルプスの壮大な眺望を一度に堪能できます。

紅葉の間から、北アルプス「薬師岳(やくしだけ、標高2,926m)」を望む
登山道は細やかに整備されており、急な坂道には階段やロープが設置され、標識も多く初心者でも安心です。山頂に加えて展望スポットも豊富。「雀平」や新たな絶景ポイント「ヤマップ平」からは、槍ヶ岳(やりがたけ、標高3,180m)や笠ヶ岳(かさがたけ、標高2,897m)など北アルプスの名峰を一望できます。
さらに、下山後は山之村牧場で名物のソーセージバイキングや濃厚なソフトクリームを味わったり、乗馬体験や牧場見学でのんびり過ごせるのも魅力の一つです。
住所:岐阜県飛騨市神岡町森茂1940
アクセス:山之村牧場・YAMAP新道→天蓋山→天蓋山登山道の周回で約4時間40分
コースタイム:山之村牧場の駐車場→(約1時間40分)→ヤマップ平→(約25分)→天蓋山山頂
5.小秀山 乙女渓谷から日帰り登山で御嶽山の絶景を望む

壮大に佇む御嶽山を正面に見る「小秀山」山頂
阿寺山地の最高峰「小秀山(こひでやま、標高1,982m)」は、岐阜の日帰り登山でも本格派の絶景を味わえる山として知られ、木曽の名峰・御嶽山を間近に望む絶景の山です。
登山口の乙女渓谷は四季折々の渓流美が楽しめる癒やしのスポット。ここから始まる登山道は、ニノ谷の滝や渓流沿いの岩場、標高を上げるにつれて現れる大展望の兜岩など、変化に富んだ風景を味わえます。

立ちすくむような大パノラマが待つ兜岩
中でも兜岩は、多くの登山者が足を止める人気のビュースポットで、ここから望む御嶽山の姿は圧巻。周回ルートは全長約12.1km、累積標高差は約1,380mと、本格派の登山コースに数えられます。体力に自信がない方は無理をせず、しっかりと準備を整えてからチャレンジするのがおすすめです。
山頂に立てば御嶽山をはじめとした木曽の山並みを一望でき、得られる達成感は格別。静かな山行と壮大な景色の両方を味わえる、知る人ぞ知る名峰です。
6.高賀山 岐阜の修験道ルートをたどる日帰り絶景登山

御嶽山を一望。山頂は360度の大パノラマが待つ「高賀山」
関市と郡上市にまたがる「高賀三山(こうがさんざん)」。その中でも最も高いのが「高賀山(こうがさん、標高1,224m)」です。古くから山岳信仰の対象として崇められ、高賀神社から御坂峠を経て山頂へと続く登山道は、多くの修験者が歩んできた歴史あるルートです。
山域一帯はブナを中心とした広葉樹に覆われ、特に10月下旬から11月上旬にかけては、登山道が鮮やかな紅葉のトンネルに彩られます。

山腹に広がる樹林帯の紅葉が素晴らしい
木々の隙間から差し込む陽光に照らされて輝く紅葉は、まるで散りばめられた宝石のよう。赤や黄、オレンジのグラデーションが揺れ動き、歩を進めるたびに色のシャワーが降り注ぐようです。山頂からは360度の大パノラマが広がり、御嶽山(おんたけさん、標高3,067m)や白山(はくさん、標高2,702m)といった名峰を望む絶景が待っています。
手軽に登れる里山でありながら、本格的な紅葉と雄大な山岳風景を堪能できる、岐阜の日帰り登山におすすめの隠れた名山です。
7.城山(岩村城跡) 歴史と絶景を楽しむ日帰り登山

城マニアの憧れの場所の一つ「城山(岩村城跡)」
「城山(岩村城跡、標高717m)」は、ただの山ではなく、かつて「女城主の城」としても知られた日本三大山城のひとつ。歴史ある城跡でありながら、ハイキングも楽しめる魅力あふれるスポットです。
登山口から本丸跡までは整備された石畳や古道をたどりながら約30〜40分ほど。自然地形を生かした堅牢な石垣は、岩村城主の繁栄を物語ります。

木曽から恵那までのダイナミックな山並みを一望
山頂へ到着すると、恵那山(えなさん、標高2,191m)や遠く中央アルプスまでを望む大パノラマが展開。城下町の古い町並みを散策してから、岩村城へ登るコースを歩けば、観光と軽登山を一緒に楽しめます。下山後には地元グルメの食べ歩きもおすすめです。
また、春や秋に訪れるなら、ぜひ早朝に足を運んでみてください。岩村城跡は雲海の名所としても知られており、幻想的な霧に包まれる朝の景色は、岐阜での歴史ある日帰り登山の締めくくりにふさわしい絶景です。
住所:岐阜県恵那市 岩村町城山
アクセス:岩村城 表御門から徒歩約30分
コースタイム:駐車場→(約25分)→城山山頂(岩村城跡)
8.遠見山 岐阜のグランドキャニオンを望む日帰り絶景登山

岐阜のグランドキャニオンとして話題のハイカーの聖地「遠見山」
加茂郡川辺町に位置する「遠見山(とおみやま、標高272m)」は、かつては知る人ぞ知る穴場の里山でしたが、今では週末には多くのハイカーが訪れる人気スポットへと変貌を遂げました。
人気の理由は、登山道途中の展望スポット「見晴岩」からの圧巻のパノラマ。蛇行する飛騨川と迫力ある断崖の景観が、まるでアメリカの世界遺産グランドキャニオンのようだと話題を呼び、今では「岐阜のグランドキャニオン」という愛称で親しまれています。

山頂周辺の神秘の池は、モリアオガエルのオアシス
登山道の前半は急坂が続き、自然の趣を感じながらおよそ30分で見晴岩へ到着。そこにはグランドキャニオンの名所「ホースシューベンド」を思わせる絶景が待っています。
後半は、かつての下麻生城(しもあそうじょう)の遺構に歴史ロマンを感じながら、秋葉神社が祀られた山頂へと向かいます。不思議と枯れることのない山頂周辺の池は、周囲の景色を鏡のように映し出し、訪れる人を魅了する神秘的なスポットです。
住所:岐阜県加茂郡川辺町下麻生
アクセス:遠見山登山口から徒歩往復約1時間10分
コースタイム:遠見山登山口→(約30分)→見晴岩→(約10分)→遠見山山頂
9.金華山 岐阜市街の夜景を楽しめる日帰りナイトハイク登山

天下布武を掲げた信長の居城・岐阜城が佇む「金華山」
岐阜市のシンボルともいえる「金華山(きんかざん、標高329m)」は、山頂にそびえる岐阜城とともに市民に長く愛されてきたハイキングスポットです。標高はさほど高くありませんが、登山ルートが豊富で、初心者から健脚派まで幅広く楽しめるのが魅力。
麓から山頂までは、ぎふ金華山ロープウェーも運行しており観光客も気軽に訪れることができます。

長良川を挟む美しい夜景が楽しめるナイトハイキングスポット
金華山を訪れたら、ぜひ挑戦してほしいのがナイトハイキング。岩戸公園北側の駐車場から妙見峠を経由して山頂へ向かうルートは片道40分ほどで、無理なく登れます。夕暮れ時には長良川を染めながら沈む夕陽が美しく、日が落ちると岐阜市街が宝石のようにきらめく夜景が広がります。
往復約1時間とお手軽なのに、非日常感あふれる光景を楽しめるのが金華山ナイトハイクの醍醐味。昼間とは違う静寂の中、ライトアップされた岐阜城と市街の夜景を一緒に楽しめる贅沢をぜひ体感してみてください。
10.各務原アルプス アップダウンが楽しい岐阜の日帰り縦走登山

岐阜県南部に連なる「各務原アルプス」は、全国の“ご当地アルプス”の中でも、低山ながら本格的な縦走気分が味わえると評判の尾根歩きスポットです。標高は300m前後と手軽ですが、連続するアップダウンが魅力で、山好きにはたまらない充実のコースが待っています。
縦走ルートの総距離は約14.5km、累積標高差は1,500mを超え、日帰りとは思えない充実感が味わえます。

新緑の季節の縦走路は特に美しい
標高が高いわけではありませんが、何度も尾根を越えて進むため、最後は脚力と気力の勝負に。尾根道からは木曽川や濃尾平野を望む雄大な眺めが広がり、晴れた日には遠くの御嶽山や恵那山を一望できることも。春には新緑、秋には紅葉と季節の移ろいを感じながら、気持ちのよい尾根歩きを楽しめます。
各務原アルプスは、低山トレッキングのイメージを覆すダイナミックな縦走ルート。健脚派はもちろん、登山のステップアップを目指す方にもおすすめです。
住所:岐阜県関市迫間〜各務原市須衛〜岐阜県各務原市蘇原北山町1丁目
アクセス:各務原アルプス縦走コースは約8時間50分
コースタイム:猿啄城展望台駐車場→(約40分)→城山→(約45分)→明王山→(約30分)→迫間山→(約20分)→多賀坂峠→(約1時間10分)→大岩山→(約20分)→金山→(約30分)→岩坂峠→(約1時間35分)→向山→(約30分)→桐谷坂峠→(約1時間20分)→芥見権現山→(約45分)→北山→(約10分)→各務原権現山→(約1時間)→伊吹の滝
岐阜で楽しむ日帰り登山、絶景と出会う心に残る体験を

四季の美しさと自然の奥深さに出会える岐阜の名山
初心者でも安心して登れる里山から、山岳信仰の歴史を感じる霊峰、雪化粧の幻想的な冬山、そして歴史散策も楽しめる山城跡まで、岐阜の山はどれも個性豊かで心に残る景色に出会えます。
歩いた先に広がる大パノラマや、道中で出会う四季の彩り、地元の人々の温かさも、岐阜での登山をより思い出深いものにしてくれます。装備を整え、無理のないプランで安全に山旅を楽しんでください。
今回紹介したスポットを参考に、岐阜で楽しむ日帰り登山で自分だけの特別な思い出を作ってみてはいかがでしょうか。

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