八幡平トレッキングガイド 鏡沼と八幡沼を巡る山頂周回コース
八幡平は、アオモリトドマツの原生林に囲まれ、火山活動によって生まれた湖沼が点在する標高1,613mの山です。山頂レストハウスを起点とする遊歩道では、岩手山や裏岩手連峰を眺めながら、爽やかな高原の空気のなかでトレッキングを楽しめます。
今回紹介するのは、鏡沼、八幡平頂上展望台、八幡沼展望台、見返峠を約1時間30分で巡る山頂周回コースです。木道や石畳が整備され、標高差も比較的小さいため歩きやすい一方、濡れた路面や天候の急変には注意が必要です。八幡平トレッキングの見どころに加え、アクセスや服装・持ち物、前泊・後泊に使いやすい宿泊施設も紹介します。
目次
八幡平山頂レストハウスへのアクセス

八幡平トレッキングの起点となる八幡平山頂レストハウスへは、八幡平アスピーテラインを通ってアクセスします。周辺道路やバスは季節運行・冬季閉鎖があるため、出発前に最新の道路情報と運行状況を確認してください。
車でのアクセス
岩手県側からは、東北自動車道の松尾八幡平ICから県道45号、八幡平アスピーテラインを経由し、八幡平山頂レストハウスまで約40分が目安です。
レストハウスに隣接する八幡平展望駐車場を利用できます。乗用車の駐車料金は1回500円ですが、料金や利用条件は変更される場合があるため、最新情報を確認してください。ドラゴンアイの時期や紅葉シーズンは混雑しやすいため、時間に余裕を持った到着がおすすめです。
八幡平アスピーテラインと八幡平樹海ラインは、例年11月上旬から翌年4月下旬頃まで冬季通行止めとなります。開通期間中も降雪や路面凍結、悪天候によって臨時規制が行われる場合があります。
電車・バスでのアクセス
JR盛岡駅からは、岩手県北バスの「八幡平自然散策バス」を利用し、「八幡平頂上」で下車します。2026年度の運行例では、盛岡駅から八幡平頂上まで約1時間55分、片道運賃は大人1,700円が目安です。
八幡平自然散策バスは予約不要ですが、運行日や時刻、運賃は変更される場合があります。季節運行のため、利用前に公式サイトで最新の時刻表を確認してください。
八幡平温泉郷や藤七温泉にもバス停があるため、トレッキングの前泊・後泊と組み合わせる場合にも利用できます。
八幡平山頂トレッキングコース 鏡沼と八幡沼展望台を巡る散策ルート

【所要時間】約1時間30分
【スタート】八幡平山頂レストハウス → 鏡沼 → 八幡平頂上展望台 → 八幡沼展望台 → 見返峠 → 【ゴール】八幡平山頂レストハウス
木道と石畳が整備され、標高差も比較的小さい歩きやすいルートです。ただし、濡れた木道や石畳は滑りやすく、残雪期は夏道が見えにくくなる場所もあるため、天候と足元の状況を確認して歩きましょう。所要時間は約1時間30分が目安ですが、写真撮影や休憩を含める場合は2時間ほど見ておくと安心です。
【スタート】八幡平山頂レストハウス

秋田県と岩手県の県境に位置する
トレッキングの拠点となる「八幡平山頂レストハウス」には、休憩スペースや展望デッキ、トイレがあり、山歩きの前後に利用できます。軽食や土産を扱っていますが、営業期間や利用時間が変更される場合があるため、水分と行動食は事前に準備しておきましょう。ここで身支度を整えて、八幡平の山頂遊歩道へ向かいます。
① 鏡沼 八幡平ドラゴンアイで知られる名所

晴れた日にはことのほか美しい青色を映す
スタートから15分ほど、静かな木道を歩いてたどり着くのが「鏡沼」。この沼は、風のない晴れた日には空や森がまるで鏡のように映り込む美しい水面が広がります。

雪解けの様子は「ドラゴンアイ」とよばれる
例年5月下旬〜6月上旬頃には、雪解けによって円形の模様が現れ、龍の目のように見える「八幡平ドラゴンアイ」が注目を集めます。雪と水が織りなす幻想的な景観ですが、現れる時期や形は、その年の積雪量や気象条件によって変わります。
メガネ沼 火山活動の名残を感じる湖沼

雪解けを待ち初夏にはイワカガミなどが咲く
鏡沼から少し歩いた先には、火山活動の名残を今に伝える「めがね沼」があります。2つの火口が並ぶように水をたたえていて、その形が眼鏡のように見えることからこの名が付きました。コンパクトな沼ながら、水面を縁取るように咲くイワカガミや、湿地に映る空の色が印象的で、さりげなくも印象に残るスポットです。
② 八幡平頂上展望台 北東北の山々を望む

標高1,613mの地点にある
森を抜け、ゆるやかな登り坂の先にある「八幡平頂上展望台」では、標高1,613mの山頂からの大パノラマが広がります。天候に恵まれれば、岩手山や鳥海山など、北東北の山々を望むことができます。遮るもののない空間に立つと、まるで空の一部になったような清々しさを味わえる場所です。
③ 八幡沼展望台 八幡沼とガマ沼を見渡す

八幡沼の広々とした風景は息をのむ美しさ
展望台からさらに進むと現れるのが、八幡平最大の火山湖「八幡沼」。澄んだ青と深い緑が重なり合う湖面は、息をのむほどの美しさ。周囲を原生林と湿原が囲み、自然がつくる静けさが訪れる人を優しく包み込みます。水辺では風が吹くたびに光が波紋のように広がり、時間を忘れて佇んでしまうことでしょう。展望台周辺からは、八幡沼に隣接するガマ沼も見渡せます。
④ 見返峠 アスピーテラインと岩手山を望む

岩手山も望む
八幡沼の絶景を後にし、森を抜けるように歩いていくと、見返峠にたどり着きます。ここからは裏岩手連峰の雄大な稜線と、眼下を走るアスピーテラインの曲線が一望。山の懐に抱かれながら、風が吹き抜ける高原の峠に立っていると、自然と深呼吸したくなる開放感があります。ここがコース終盤のハイライト。体の疲れを癒すような眺望が待っています。
【ゴール】八幡平山頂レストハウス

見返峠からは、穏やかな木道と石畳の道を経てスタート地点のレストハウスに戻ってきます。約1時間半の行程の中で出会った多彩な景色は、季節や時間帯によっても違った表情を見せてくれるはず。自然のやさしさと雄大さを、歩いて実感できるコースです。
八幡平トレッキングの服装・持ち物

八幡平の山頂周辺は標高約1,600mにあり、夏でも麓より気温が低く、風が強まると体感温度が大きく下がります。晴れていても天候が変わりやすいため、防風・防水性のあるレインウェアと、脱ぎ着して調整できる防寒着を用意しましょう。
行動中に汗が冷えないよう、肌着やシャツには速乾性のある素材が適しています。帽子、サングラス、日焼け止めなどの紫外線対策もあると安心です。
足元には木道や石畳が多く、雨の後は滑りやすくなります。防水性とグリップ力のあるトレッキングシューズや登山靴がおすすめです。残雪期は夏道が雪に隠れる場所もあるため、事前に積雪状況を確認し、必要に応じて滑り止めなどを準備してください。
短時間のコースでも、水分、行動食、地図または登山地図アプリ、モバイルバッテリー、ヘッドライト、救急用品を携行しましょう。八幡平はツキノワグマの生息域のため、クマ鈴など音の出るものも用意し、周囲に自分の存在を知らせながら歩いてください。
八幡平山頂レストハウスには売店がありますが、営業期間や利用時間が変更される場合があります。水分と行動食は、現地で購入する前提にせず事前に準備しておきましょう。
八幡平トレッキングの前泊・後泊に便利な宿泊施設
八幡平山頂の周回コースは日帰りで歩けますが、遠方から訪れる場合や、温泉と組み合わせてゆっくり過ごしたい場合は前泊・後泊もおすすめです。ここでは、今回のトレッキングコースへ移動しやすい2つの宿泊施設を紹介します。
八幡平マウンテンホテル
八幡平マウンテンホテルは、岩手県側の八幡平温泉郷にある温泉付きのホテルです。松尾八幡平ICから車で約15分、盛岡駅から路線バスで約90分が目安で、八幡平自然散策バスの運行期間中は温泉郷から八幡平頂上へ乗り換えなしで移動できます。
館内には八幡平周辺の自然やトレッキングについて相談できる自然ガイドステーションがあり、八幡平を歩く前の情報収集にも便利です。前泊して移動の負担を減らしたい人にも、下山後に温泉で体を休めたい人にも使いやすい宿です。
藤七温泉 彩雲荘
藤七温泉 彩雲荘は、八幡平山頂近くの標高約1,400mに位置する温泉宿です。八幡平頂上から八幡平樹海ラインを下った場所にあり、車や八幡平自然散策バスで移動できます。平時のバス乗車時間は、八幡平頂上から藤七温泉まで約14分です。
山頂周辺を歩いた後も長距離を移動せずに宿泊でき、源泉かけ流しの温泉で体を休められるため、特に後泊に向いています。季節営業の宿で、晩秋には周辺道路の夜間通行止めや路面凍結が始まる場合があるため、営業期間と道路状況を事前に確認してください。
八幡平トレッキングQ&A

八幡平トレッキングを計画する際に気になる、コースの難易度や所要時間、服装、アクセス、前泊・後泊についてまとめました。
Q. 八幡平トレッキングは初心者でも楽しめますか?
A. 今回の山頂周回コースは、木道や石畳が整備され、標高差も比較的小さいため、登山初心者でも歩きやすいルートです。ただし、濡れた路面や残雪、天候の急変には注意し、登山靴やレインウェアを用意して歩きましょう。
Q. 八幡平トレッキングのベストシーズンはいつですか?
A. 八幡平山頂周辺では、残雪景観や高山植物、紅葉など、時期によって異なる景色を楽しめます。八幡平ドラゴンアイが現れるのは例年5月下旬〜6月上旬頃ですが、見頃や形は積雪量と気象条件によって変わります。周辺道路は冬季閉鎖されるため、出発前に開通状況も確認してください。
Q. 八幡平トレッキングの所要時間はどれくらいですか?
A. 今回紹介する山頂周回コースは、約1時間30分が目安です。写真撮影や休憩を含めてゆっくり歩く場合は、2時間ほど確保しておくと余裕があります。
Q. 八幡平トレッキングにはどのような服装・持ち物が必要ですか?
A. 山頂周辺は麓より気温が低く、風によって体感温度も下がります。脱ぎ着しやすい重ね着を基本に、レインウェアや防寒着、滑りにくい登山靴を用意しましょう。短時間のコースでも、水分と行動食、地図、ヘッドライトなどを携行してください。
Q. 八幡平トレッキングで注意すべきことはありますか?
A. 濡れた木道や石畳は滑りやすく、残雪期や霧が出たときは道が分かりにくくなる場合があります。天気と現地の状況を確認し、時間に余裕を持って行動しましょう。ツキノワグマの生息域でもあるため、最新の出没情報を確認し、クマ鈴なども用意してください。
Q. 八幡平トレッキングの起点へはどのようにアクセスしますか?
A. 車の場合は、八幡平アスピーテラインを通り、八幡平山頂レストハウスに隣接する駐車場を利用します。公共交通機関では、運行期間中の八幡平自然散策バスを利用できます。道路とバスは季節によって利用条件が変わるため、出発前に最新情報を確認してください。
Q. 八幡平トレッキングに前泊・後泊は必要ですか?
A. 今回の山頂周回コースは約1時間30分で歩けるため、前泊・後泊は必須ではありません。ただし、遠方から訪れる場合や、朝から余裕を持って歩きたい場合は前泊、下山後に温泉でゆっくり休みたい場合は後泊が向いています。
Q. 八幡平トレッキングで宿泊するなら、どのエリアが便利ですか?
A. 公共交通機関や温泉を重視するなら八幡平温泉郷、山頂周辺への近さを重視するなら藤七温泉周辺が便利です。藤七温泉周辺の宿は季節営業のため、営業期間と道路状況を確認して選びましょう。
八幡平トレッキングで湖沼と高原の景色を楽しもう
八幡平山頂レストハウスを起点とする今回の周回コースでは、鏡沼や八幡平頂上、八幡沼展望台などを約1時間30分で巡ります。火山活動によって生まれた湖沼や、季節によって表情を変える高原の景色が魅力です。
歩きやすいルートですが、濡れた木道や天候の急変に備え、登山靴やレインウェアを用意して時間に余裕を持って歩きましょう。遠方から訪れる場合は、八幡平温泉郷や山頂周辺での前泊・後泊も組み合わせながら、無理のないトレッキング計画を立ててください。
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