軽くて動きやすく、冷えを防ぐ中間着として活躍するフリースは、登山装備の中でも重要な存在です。この記事では、登山シーンに最適なフリースの選び方と、おすすめブランドモデルを徹底解説。薄手・中厚手・防風などタイプ別に紹介し、季節や気温に合わせた選び方をご案内していきます。
「薄手で行動しやすいものがいい」「冷えやすい山頂でも暖かく過ごしたい」、あなたの登山スタイルにぴったりの一着を見つけましょう。
目次
登山におすすめのフリースとは?ミドルレイヤーの基本を徹底解説

登山ウェアにおけるフリースの役割は、「ミドルレイヤー(中間着)」として位置づけられます。体の熱を逃がしすぎず、汗を吸って乾かし、快適な温度を保つ——その“体温調整の要”がフリースです。
登山では天候や標高によって気温が急変するため、重ね着のしやすさと保温性のバランスが欠かせません。
登山用フリースの特徴と日常用との違い
一般的な街着のフリースと、登山用フリースの違いは次のとおり。日常用が「暖かさ」重視なのに対し、登山用は「行動中の快適性」を重視しています。
比較項目 | 登山用フリース | 普段着フリース |
素材 | 吸湿速乾性・通気性に優れた化繊(ポーラテックなど) | 保温重視の厚手ポリエステル |
重量 | 軽量でコンパクト(200〜350g前後) | 厚手でかさばる |
機能 | 通気・ストレッチ・耐摩耗・抗菌など多機能 | シンプルな保温中心 |
目的 | 行動中の快適さ・温度調整 | 防寒・室内外の寒さ対策 |
登山では「汗をかいても冷えない」ことが最も大切。そのため、通気性・速乾性・動きやすさの3要素を兼ね備えたフリースが理想的です。
薄手、中厚手、防風タイプの違い

登山用フリースには、大きく分けて3つのタイプがあります。季節や行動量によって、最適な厚さを選ぶことが快適さの鍵です。
タイプ | 特徴 | 向いている登山シーン |
薄手タイプ | 通気性が高く、行動中に暑くなりにくい | 春秋の低山・夏の高山など、汗をかく登山に最適 |
中厚手タイプ | 保温性と軽量性のバランスがよく、汎用性が高い | 標高1,000〜2,000m、秋〜冬の登山 |
防風タイプ | 表面がウインドストッパーなどで覆われ、防寒性が高い | 冬季登山・風の強い稜線歩き・休憩時の防寒 |
フリースは単なる防寒着ではなく、登山者の体温を守る防具です。自分の登山スタイルに合った厚さ・素材を選ぶことで、汗冷えや低体温のリスクを減らし、山での行動を安全かつ快適にしてくれます。
これから紹介するフリース選びのポイントを押さえれば、“軽くて、暖かくて、ちょうどいい一枚”がきっと見つかりますよ。
失敗しない!登山初心者が知っておきたいフリースの選び方とおすすめ基準
登山におすすめのフリースを選ぶときにまず押さえたいのは、次の3つの軸。これを意識するだけで「なんとなく寒い」「汗で冷えた」といった失敗を防げます。
軸 | 内容 | チェックポイント |
①厚さ(保温力) | 薄手/中厚手/防風の3タイプ | 行く季節・標高・体質で選ぶ |
②素材(通気性・速乾性) | ポーラテック・マイクロフリースなど | 汗を吸ってすぐ乾くか |
③形状(フルジップ/プルオーバー) | 着脱のしやすさ・換気のしやすさ | 休憩や気温変化に対応できるか |
「①厚さ(保温力)」「②素材(通気性・速乾性)」「③形状(フルジップ/プルオーバー)」、3つの軸をひとつずつチェックしていきましょう。
①厚さで選ぶ:行く山・季節で最適なフリースは変わる

登山では、標高100mごとに気温が約0.6℃下がるといわれています。そのため、標高・季節に合わせて「薄手・中厚手・防風」の厚さを選ぶのがポイント。
季節 | 標高 | 平均気温目安 | おすすめ厚さ | 使用シーン例 |
春(4〜6月) | 〜1,000m | 10〜15℃ | 薄手 | 朝夕の冷え対策、行動中も快適 |
秋(9〜11月) | 1,000〜2,000m | 5〜10℃ | 中厚手 | 紅葉登山、標高のある山の稜線歩き |
冬(12〜2月) | 1,500m以上 | -5〜5℃ | 防風 | 雪山、風の強い稜線、休憩時の防寒 |
「寒いから厚いのを」と思いがちですが、登山では行動中に暑くなりすぎないことが大切。寒がりな人は、薄手フリース+ウインドシェルの重ね着で体温調整するのがおすすめです。
②素材で選ぶ:汗をかいても“冷えにくい素材”が命
フリースは素材によって性能が大きく変わります。登山用として人気が高いのは「ポーラテック」や「マイクロフリース」など、通気性と速乾性を両立した素材です。
素材名 | 特徴 | おすすめポイント |
ポーラテック(Polartec) | 通気・保温・耐久性に優れる定番素材 | 汎用性が高く、オールシーズン対応 |
マイクロフリース | 肌ざわりが柔らかく、軽量 | 低山や春秋登山にぴったり |
グリッドフリース | 内側に凹凸があり、通気性と保温の両立 | 汗をかきやすい人におすすめ |
防風フリース(Windstopperなど) | 表面が防風加工され、防寒性あり | 冬山や風の強い山向け |
③ 形状・デザインで選ぶ:機能性と使いやすさの両立
登山では、着脱のしやすさ=快適さ。気温変化や行動量に応じて、すぐに調整できるデザインを選ぶのがポイントです。
タイプ | 特徴 | メリット |
フルジップタイプ | 開閉で温度調整がしやすく、休憩時も快適 | 一日中の登山に最適 |
プルオーバータイプ | 軽量・風の侵入が少ない | 冬季や低温の登山向き |
ハーフジップ+フード付き | 首周りを温めつつ換気もできる | 稜線や風の強いシーンに便利 |
「行動中に暑くなったら、ジップを半分開ける」、これだけで体温調整がぐっと楽になります。
女性・寒がりさんにおすすめの選び方
一般的に、登山では女性のほうが筋肉量が少なく、冷えを感じやすい傾向があります。そのため、保温性の高い中厚手や、防風機能つきのモデルを選ぶのがおすすめ。また、首元や手首のフィット感(風の入りにくさ)も重視したいポイントです。
体質×登山シーン別のおすすめフリースタイプもまとめてみましょう。
体質/行動タイプ | 日帰り低山(春秋) | 稜線縦走(秋) | 冬季登山 |
冷えやすい人 | 中厚手+ハイネック | 防風タイプ | 厚手+防風フリース |
汗をかきやすい人 | 薄手+通気素材 | グリッドフリース | 中厚手+ベンチレーション付き |
平均的な体質 | 薄手〜中厚手 | 中厚手 | 中厚手+シェル重ね着 |
フリース選びの正解はひとつではありません。登る山・気温・体質に合わせて、厚さ・素材・形状の3点を見直すだけで、快適さも安全性もぐっと変わります。
次の章では、登山シーン別に「本当におすすめできるブランドとモデル」を紹介します。
登山で安心感をくれる、おすすめフリースブランド5選+実用モデル
登山用フリース選びに迷ったときは、まず信頼できるブランドから絞り込むのがコツ。ここでは、最も汎用性の高い薄手~中厚手のフリースを展開している定番&注目のブランド5社と、それぞれのおすすめモデルをメインにご紹介していきます。
モンベル(Montbell)
軽量とレイヤリング性を両立する国産アウトドアブランド
モンベルは、「軽くて早く乾く」ことをブランド哲学に掲げる日本発のアウトドアブランド。日本人の体型や気候を考慮した設計で、動きやすく着心地が軽いのが特徴です。フリースシリーズも例外ではなく、薄手から中厚手、防風タイプまでラインナップが豊富。
登山初心者でも扱いやすいシンプルなデザインと、細部まで計算された機能性が魅力です。汗をかいてもすぐ乾く素材を使っているため、汗冷えを防ぎながら快適に歩けます。価格も比較的手に取りやすく、初めての登山用フリースとして非常におすすめ。軽量性と通気性を両立したモンベルのフリースは、春から秋にかけての日帰り登山やハイキングで特に活躍します。
特徴
◉薄手〜中厚手ラインを幅広く揃えていて、春〜秋〜冬とシーズンを通じて使える
◉ストレッチ性・通気性を重視した素材が多い
◉価格帯が比較的手に届きやすく、コストパフォーマンスが高い
フリースのおすすめモデル
「シャミースジャケット」⇒軽量薄手で、レイヤリング用としても最適
「クリマプラス 100 ジャケット」⇒やや保温性を上げつつも動きやすさをキープ
こんな登山シーン(または人)におすすめ!
◉春〜秋の低山歩き
◉日帰り登山でアウターっぽくも使いたい人
◉スタイルを気にする女性・体型にフィットするものが欲しい人
ザ・ノース・フェイス(The North Face)
登山・アウトドア界で定番の信頼ブランド
ザ・ノース・フェイスは、登山からタウンユースまで幅広い層に愛される世界的ブランド。ブランドを代表する「マウンテンバーサマイクロジャケット」や「ジップインバーサミッドジャケット」は、どちらも登山向けに作られた定番モデルです。
高品質なマイクロフリース素材を採用し、軽さと保温性のバランスが絶妙。さらに、肩や腕の動きを妨げない立体裁断や補強パネルなど、実際の山行を意識した構造が多く見られます。冷たい風にも対応できる防風性を備えたタイプもあり、秋から初冬の稜線歩きに最適です。耐久性とデザイン性を両立したノースフェイスのフリースは、長く愛用できる安心感があります。
特徴
◉リサイクル素材や高機能フリースタグ(Versa Micro等)を採用
◉補強ナイロンパネルや耐久性設計など、摩耗・肩への負荷を考慮した作り
◉ブランド力が安心感になる
フリースのおすすめモデル
「マウンテンバーサマイクロジャケット」⇒薄手・軽量・ストレッチ性に優れたマイクロフリースタイプ
「ジップインバーサミッドジャケット」⇒中厚手タイプ。保温性を重視した用途に対応
こんな登山シーン(または人)におすすめ!
◉汗をかきやすい春・秋山行
◉稜線や風の強い尾根歩きで、耐久と機能性が欲しいとき
◉重ね着で使用したい中間着として
パタゴニア(Patagonia)
環境配慮も人気のアウトドア老舗
パタゴニアは、リサイクル素材や環境保護への取り組みで知られるアメリカの老舗アウトドアブランド。自然と人の共存を大切にしながらも、高機能な登山ウェアを数多く生み出しています。フリースラインでは、通気性・速乾性・耐久性のバランスに優れた「Rシリーズ」が人気。特に「R1 エア フーディ」や「R2 テックフェイス ジャケット」は、多くの登山者に支持されています。
パタゴニアのフリースは、中空糸構造によって軽量でありながら驚くほど暖かく、汗をかいても蒸れにくいのが特長です。高山帯でのアクティブな行動にも対応し、登山からキャンプ、タウンユースまで幅広く使えます。環境に配慮した素材を選びながらも、性能を一切妥協しないその姿勢は、多くの登山者の信頼を集めています。
特徴
◉中空糸・起毛構造を使った通気性と保温性のバランス
◉綿密なパターン設計、アクティビティに沿った動きやすさ
◉ブランドイメージも高く、長く使いたい人に好まれる
フリースのおすすめモデル
「R1 エア フルジップ フーディ」⇒軽量で運動量の多い登山にも対応
「R2 テックフェイス ジャケット」⇒やや厚手寄りで保温性重視派に
こんな登山シーン(または人)におすすめ!
◉行動量が多い山歩き
◉春・秋・初冬の中間期
◉環境意識を重視する人
ファイントラック(finetrack)
“汗処理”に強みを持つ日本ブランド
ファイントラックは、日本生まれの高機能アウトドアブランド。特に「汗をかく登山者」のために設計されたウェアづくりで知られています。独自素材「ドラウト®シリーズ」は、湿気をすばやく吸い上げて外へ逃がす構造を採用。体温調整が難しい登山中でも、常にドライで快適な着心地を保ってくれます。
フリースもその思想を受け継ぎ、通気性と速乾性を両立。軽く柔らかい生地が体にフィットし、長時間の行動でもストレスを感じにくい設計です。国内ブランドならではの緻密な縫製やサイズ感も魅力で、日本の山を知る登山者から高い評価を受けています。汗冷えを防ぎたい人や、動きの多い山歩きが好きな人に特におすすめの一着です。
特徴
◉通気性・速乾性を重視した素材設計
◉動きやすさを意識したパターン構成
◉国産ブランドならではの信頼性
フリースのおすすめモデル
「ドラウトセンサージャケット」⇒薄手〜中厚手の汎用性モデル
こんな登山シーン(または人)におすすめ!
◉行動量が多くて汗をかきやすい条件で使いたいとき
◉中間着+重ね着構成で快適性を重視したい人
チャムス(CHUMS)
カジュアル性とアウトドア機能のバランス
チャムスは、アメリカ・ユタ州で生まれたカジュアルアウトドアブランド。ポップで明るいデザインが特徴で、アウトドアだけでなくタウンユースにも自然に馴染むアイテムを展開しています。フリースも見た目のかわいらしさだけでなく、しっかりとした保温性と肌ざわりの良さを備えており、登山初心者にも人気です。
「エルモフリースジャケット」などはふわふわとした質感で軽く、朝晩の冷え込み対策や秋の低山ハイクにもぴったり。ストレッチ性のある生地は動きやすく、重ね着してもごわつかないのがうれしいポイントです。おしゃれを楽しみながら登山したい人や、街でも使える一着を探している人におすすめのフリースブランドです。
特徴
◉見た目にもこだわった配色・デザイン
◉価格帯が比較的手を出しやすいモデルも多い
フリースのおすすめモデル
「エルモフリースジャケット」⇒カジュアルな見た目ながら、アウトドア用途にも耐えうるフリースジャケット
こんな登山シーン(または人)におすすめ!
◉低山ハイキングや里山歩き
◉タウンユースとの兼用を考える人
◉見た目も重視したいライトユーザー
登山用おすすめフリースブランド比較表
これまでに登場したブランド・モデルを、比較表でわかりやすくまとめてみましょう。
ブランド | モデル例 | 厚さ傾向 | 重量目安 | 得意シーン | 特徴・差別ポイント |
モンベル | シャミース / クリマプラス100 | 薄~中厚 | 軽量 | 春秋・日帰り | コスパ・日本人体型対応 |
ノースフェイス | マウンテンバーサ / ジップインバーサミッド | 薄~中厚 | 中程度 | 稜線・風強場面 | ブランド信頼性・補強設計 |
パタゴニア | R1 エア / R2 テックフェイス | 薄~中厚 | 中 | 行動量高め | 環境配慮・通気性重視 |
ファイントラック | ドラウトセンサー | 中厚 | 中 | 汗処理重視山行 | 通気性+速乾性設計 |
チャムス | エルモフリース | 薄~中厚 | 軽量~中 | 低山・タウン兼用 | デザイン性+機能性両立 |
防風対応フリースを得意とするブランド
最後に、防風対応フリースを得意としているブランドもご紹介。GORE(ゴア)やその防風素材「Windstopper(ウインドストッパー®)」を採用したブランドは、フリースと防風性を融合した“防風タイプ”の中間着を得意としています。風をシャットアウトしながらも通気や動きやすさを維持する設計で、稜線歩きや風の強い山域などで真価を発揮します。
おすすめモデル例とブランド例
「マウンテン・クラシック・ウィンドプルーフ・フリース・ジャケット(L.L.Bean)」⇒ブランドとしてはアウトドア/フィールド系で歴史がある L.L.Bean の防風フリース。クラシックな佇まいながら、防風機能と中間着としての保温性を両立しており、寒風下の登山でも頼りになる一着。
「 WINDSTOPPER 裏フリース ジャケット ASAHICHO51038(GORE)」⇒ゴア社の Windstopper 膜を裏地に組み込んだ本格仕様。表面材が風を遮りつつ、裏の起毛が保温性を確保。特に冬山や風の強い稜線で活躍する設計。
防風対応フリースは、「風を防ぎたいけれどモコモコ厚手すぎる防風ジャケットは重い」という人にとって、バランスのいい選択肢になります。
よくある質問Q&A 登山フリースの選び方・おすすめの使い方・お手入れ完全ガイド

Q. 登山用フリースと普段着のフリースは何が違うの?
A. 登山用フリースは、行動中の体温調整を目的に作られた機能ウェアです。通気性・速乾性・ストレッチ性に優れており、汗をかいても冷えにくく、動きを妨げません。
一方で、普段着フリースは「保温重視」で通気性が低く、登山中に着ると蒸れてしまうことがあります。登山では、通気+速乾+軽量を兼ね備えたフリースを選ぶのが快適への近道です。
Q. ユニクロやワークマンのフリースでも登山に使える?
A. 軽いハイキングや標高の低い山(〜1,000m程度)なら、薄手のユニクロ・ワークマン製でも代用可能です。ただし、登山専用モデルに比べると通気性と速乾性が劣るため、汗をかいた場合に蒸れて冷えるリスクがあります。
風が強い稜線や秋冬の登山では、防風性・吸湿性・軽量性に優れた登山ブランドのフリースをおすすめします。「行動中に快適であること」を重視すると、結果的に長く使えてコスパも高くなりますよ。
Q. 登山中、フリースはどのタイミングで着るの?
A. フリースは「寒いときに着る服」ではなく、「体温を安定させる服」です。登山では主に次の3つのタイミングで使われます。
シーン | フリースの使い方 |
出発時(朝の冷え込み) | 薄手フリースを羽織って出発し、体が温まったら脱ぐ |
行動中(稜線や風が強い場面) | 中厚手・防風フリースを着て風対策に使う |
休憩・山頂滞在時 | 体が冷えやすいので、保温力のある中厚手を重ね着 |
行動中は、暑くなったらすぐ脱ぐ、冷えたら着る、という「こまめな温度調整」がポイントです。ベースレイヤーとアウターの間に挟む“中間着”として常に使える一枚を持っておきましょう。
Q. 登山用フリースはどう洗えば長持ちする?
A. フリースは摩耗と静電気に弱いため、洗濯ネット使用+柔軟剤なしが鉄則です。手順としては以下の通り。
↓
②弱水流または手洗いコースで洗う
↓
③直射日光を避け、陰干しで自然乾燥
↓
④柔軟剤は使用せず、静電防止スプレーで代用
乾燥機を使うと毛足が潰れたり静電気が発生しやすくなるので避けましょう。登山後すぐに洗って清潔に保てば、保温力・通気性が長持ちします。
Q. フリースは何年くらい使える?買い替えの目安は?
A. 使用頻度や洗濯回数にもよりますが、一般的に2〜3年が交換目安です。
以下のようなサインが出たら買い替えを検討しましょう。
◉毛玉が増えて通気性が落ちた
◉起毛が潰れて保温力が下がった
◉摩耗や擦れで生地が薄くなった
◉静電気がひどくなった
登山ではウェアの性能が“安全”に直結します。特に秋〜冬の山行では、保温性能が落ちたフリースは体温低下の原因になることも。「まだ着られる」ではなく、「まだ暖かいか」で判断すると安心です。
Q. 登山でおすすめのフリースは何枚持っておくべき?
A. 理想は「薄手1枚+中厚手1枚の計2枚体制」。春〜秋の行動中は薄手、寒冷期や標高の高い山では中厚手を重ね着するのが基本です。
防風タイプを1枚加えると、冬季や稜線でも対応可能。これで通年の登山を快適にこなせます。
登山に最適なフリース選びは「機能 × 季節 × 体質」のバランスで決まる

画像:Canva
登山で快適に行動するためのフリースは、単なる防寒着ではなく「体温を管理する機能ウェア」です。気温や標高、風の有無、そして自分の体質に合わせて最適な一枚を選ぶことが、登山の安全性と快適性を大きく左右します。
薄手・中厚手・防風タイプといった厚さの違いはもちろん、素材(ポーラテック、グリッドフリースなど)やデザイン(フルジップ/プルオーバー)にも明確な役割があります。これらを理解して選ぶことで、登山中の汗冷え・蒸れ・重ね着の煩わしさを防ぎ、どんな環境でも安定した体温を保てます。
また、モンベルやパタゴニア、ノースフェイスなどの主要ブランドは、耐久性・通気性・軽量性といった機能の進化を続けています。“おすすめのフリース”とは、ブランドや価格で選ぶものではなく、「どのような登山をしたいか」に応じて選ぶ装備であることを意識しましょう。
ぜひこの記事を参考に、あなたのスタイルに合った「最適なフリース」を見つけてくださいね。

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