藻琴山登山ガイド ハイランド小清水725から屈斜路湖を望む絶景の山へ
知床や阿寒摩周国立公園など、雄大な自然が広がる道東。その一角、屈斜路湖を見下ろすように位置するのが「藻琴山(もことやま)」です。標高約1,000mながら登山口が高く、ハイランド小清水725からなら片道約1時間で山頂を目指せます。
稜線に出ると一気に視界が開け、山頂からは屈斜路湖を一望するダイナミックな景色が広がります。短時間でしっかり展望を楽しみたい人に向いている一座です。
目次
藻琴山登山の魅力 屈斜路カルデラを見下ろす展望の山

屈斜路湖を見下ろす、開放感あふれる稜線歩きの山・藻琴山
北海道東部・阿寒摩周国立公園内に位置する標高約1,000mの「藻琴山」。屈斜路湖カルデラの外輪山の一角を担い、火山活動によって形づくられた地形が特徴です。山体は比較的なだらかで、整備された登山道をたどりながら展望のよい山歩きを楽しめます。

広大な道東の大地とともに広がる、屈斜路湖のパノラマビュー
稜線は視界が開けており、山頂からは屈斜路湖をはじめ、周辺の山並みや広大な道東の景色を見渡せます。手軽な行程でありながら、スケールの大きな自然を感じられるのが藻琴山登山の魅力です。
藻琴山登山の起点 ハイランド小清水725から歩く定番ルート

ハイランド小清725水の駐車場からスタートする登山道
今回紹介するのは、「ハイランド小清水725」から登る藻琴山の定番ルートです。片道約1時間、往復約4km、標高差も約300mで、気軽に山歩きを楽しみやすいコース。女満別空港から車で約45分、網走市街地からは約50分、釧路からでも約1時間50分ほどと、道東の主要エリアからアクセスしやすいのも魅力です。
ハイランド小清水725には広い駐車場があり、藻琴山山頂へ続く登山道がそのまま延びています。トイレや売店も整っているため、登山前の準備や下山後の休憩をしやすいのも、この起点のよさです。

登山前後の休憩や、観光の寄り道にもおすすめのハイランド小清水725
ハイランド小清水725は、標高725mに位置する利便性の高いレストハウスです。旅の途中でも立ち寄りやすく、目の前には屈斜路湖をはじめとした雄大な景色が広がります。登山前後に景色を眺めながらひと息つけるのも、この起点ならではの魅力です。

藻琴山の登山道からハイランド小清水725を見下ろす
施設の横、駐車場から続く階段を上がると、そのまま登山道へと入ります。ルートはほぼ一本道で見通しもよく、初めてでも歩き始めの流れをつかみやすいコースです。傾斜は比較的ゆるやかで、景色を楽しみながら無理なく歩き始めやすいのも、このルートの魅力です。
藻琴山登山コース ハイランド小清水725から稜線をたどって山頂へ
ハイランド小清水725からの藻琴山登山は、片道約1時間で山頂を目指せる歩きやすいコースです。序盤に階段の登りがあるものの、その先には森林限界のような開放的な稜線が広がり、屈斜路湖を眺めながら気持ちよく歩けます。ここからは、登山口から山頂までの流れを順にたどります。
ハイランド小清水725駐車場→(徒歩約45分)→屏風岩→(徒歩約25分)→藻琴山山頂 ※下り約50分
階段の登りを越えて 森を抜け、藻琴山登山が始まる

出だしから森を抜け、森林限界の稜線歩きが始まる
登山は、階段を登る序盤からスタートします。木製の段差が続くこの区間は約10〜15分ほどで、このコースの登りどころ。一定のリズムで呼吸を整えながら進めば問題はなく、無理にペースを上げないことがポイントです。ここを越えると、風景は一変します

稜線の随所から、屈斜路湖を見渡す絶景が広がる
視界が一気に開け、登山道の両脇には背丈の低いハイマツ帯が広がります。高木に遮られない空間が続き、どこまでも空が広がるような開放感に包まれるのが、このコースの大きな魅力です。本州であればもっと高い標高で出会うような景色が、藻琴山では歩き始めてほどなく現れます。

標高1,000m未満とは思えない、圧倒的なスケール感
やがて傾斜は緩やかになり、歩きやすい尾根道へと変わります。足元は比較的整っており、景色を楽しみながら歩きやすい区間です。ふと振り返ると、なだらかな曲線を描く稜線の向こうに屈斜路湖がのぞき、標高を上げるごとに景色が変わっていくのを実感できます。
屏風岩を過ぎて なだらかな尾根の先の山頂へ向かう

稜線上のトレードマーク、力強い存在感の屏風岩
さらに進むと現れるのが「屏風岩」です。突如として現れる荒々しい岩峰は、それまでのなだらかな風景とは対照的で、このコースの印象的な目印になっています。天候によってはガスが流れ込み、雰囲気ががらりと変わるのも魅力です。

<片道約1時間とは思えない、絶景パノラマが待つ山頂
その先はアップダウンの少ない快適な尾根歩き。ハイマツの間を縫うように進みながら、広大な空と大地を眺める道が続きます。最後にわずかな登り返しを越えると、視界が大きく開けて山頂へ。歩き始めて約1時間とは思えないほど、藻琴山登山の魅力が凝縮されたコースです。
藻琴山山頂へ 屈斜路湖を見下ろす大パノラマが広がる

刻々と表情を変える、藻琴山山頂からのパノラマ
山頂に立つと、目の前に広がるのは圧巻の大パノラマです。眼下には屈斜路湖が大きく弧を描き、その周囲を外輪山が取り囲むダイナミックな地形を一望できます。片道約1時間の行程とは思えないほど、スケールの大きな景色に出会えるのが藻琴山登山の魅力です。

吸い込まれるような青い湖面が広がる屈斜路湖
天候によって表情を変えるのも、この山頂の見どころです。快晴の日には湖面が鮮やかなブルーに輝き、雲が流れ込めば幻想的な雰囲気に包まれます。標高以上のスケールを感じられる景色は、まさに道東らしい眺めといえるでしょう。
往路を戻って下山 稜線の景色を楽しみながらハイランド小清水725へ

行きとは違う景色が続く、縦走路さながらの下山
下山は往路をそのまま戻るルートですが、登りとはまた違った魅力があります。尾根上から眺める景色はとくに印象的で、緩やかな曲線を描く稜線が続く様子は、まるで長い縦走路を歩いているかのようです。見慣れたはずの景色も、向きが変わることで違った表情を見せてくれます。

視界の先に青空が広がる、気持ちのいいコース
ハイマツ帯を抜ける登山道は風が通り抜ける心地よいルートです。晴れた日にはやわらかな風に包まれながら、どこまでも広がる景色の中を歩く時間が続き、下山まで飽きることがありません。

下山後はハイランド小清水725でクールダウンのひととき
標高差が比較的少ないため足への負担は抑えやすいものの、階段区間では段差に足を取られやすいので、無理をせずゆっくり下るのが安心です。登山口へ戻ったあとは、ハイランド小清水725でひと休み。歩いてきた稜線を振り返りながら、下山後の時間をゆっくり楽しめます。
藻琴山登山のあとに立ち寄りたい 屈斜路湖・摩周湖周辺の見どころ
藻琴山登山のあとは、屈斜路湖や摩周湖をはじめとした道東らしい景色にも足を延ばしたくなります。山頂から見下ろした大きな自然を、今度は湖畔や展望地からゆっくり味わえるのも、このエリアを歩く楽しみです。
屈斜路湖と硫黄山へ 藻琴山登山のあとに道東の自然を味わう

道東らしい自然のスケールを物語る屈斜路湖
登山後はぜひ、麓に広がる屈斜路湖周辺の観光も楽しみたいところ。日本最大級のカルデラ湖である屈斜路湖は、雄大な自然に抱かれた静かな湖で、四季ごとに異なる表情を見せてくれます。
湖畔には温泉が点在し、砂を掘ると湯が湧き出す「砂湯」では、自然と一体になるようなひとときを体験できます。

荒々しく噴煙を上げる、迫力ある硫黄山
さらに、荒々しい噴気が立ち上る硫黄山では大地の息吹を間近に感じることができ、ダイナミックな景観が広がります。ドライブで足を延ばせば「美幌峠」から望む屈斜路湖の大パノラマも圧巻です。
摩周湖第一展望台から 神秘的な湖の青を眺める

摩周ブルーの湖の先には、日本百名山・斜里岳が佇む
あわせて訪れたいのが、透明度の高さで知られる摩周湖。「摩周湖第一展望台」から見下ろすコバルトブルーの湖面は、思わず息をのむほどの美しさです。天気が良ければ、摩周湖外輪の先に、日本百名山の一つ「斜里岳(しゃりだけ、標高1,547m)」を望むことができます。
住所:北海道川上郡弟子屈町摩周湖第一展望台
TEL:015-482-1530
営業時間:8:30〜17:00
定休日:不定休
道東ドライブの途中に立ち寄りたい 甘味と宿の楽しみ

摩周メロンと摩周そば&そばの実のダブル
観光の合間には、弟子屈町中心部にある「摩周湖のあいす」にもぜひ立ち寄りたいところ。摩周産の野菜や果物、牛乳を100%使用したジェラートは、「摩周メロン」や「摩周そば&そばの実」など個性豊かなフレーバーが並び、ダブルで楽しむのもおすすめです。
住所:北海道川上郡弟子屈町摩周2丁目8-6
TEL:015-482-6500
営業時間:10:00〜17:00
定休日:木曜日

まるでオーナーの家に招かれたような、アットホームなペンション
せっかくなら、観光とあわせて宿泊までゆっくり楽しみたいところ。屈斜路湖周辺には魅力的な宿が点在していますが、なかでもおすすめなのが、屈斜路湖と摩周湖のちょうど間、美留和(びるわ)の森にひっそりと佇む温泉付きペンション「きらの宿すばる」です。

手料理のフルコースに、お腹も心も満たされる
温かく迎えてくれるオーナー夫妻と、地元食材にこだわった手づくり料理が魅力で、心までほぐれるような時間を過ごせます。朝食のひとときには、窓の外に野鳥やエゾリスが姿を見せることもあり、自然とともに目覚める贅沢な時間が流れます。
藻琴山登山まとめ 短時間で道東らしい大展望を味わえる山

手軽な往復2時間コースで、景色を存分に楽しめる藻琴山
「藻琴山」は、初心者でも無理なく登れる手軽さと、まるで本格的な高山に足を踏み入れたかのようなダイナミックな景観をあわせ持つ山です。短時間の行程ながら、森林限界のような稜線歩きや屈斜路湖の大パノラマといった、道東ならではの自然の魅力が凝縮されています。

道東を旅するなら、ぜひ足を運びたい名山・藻琴山
往復2時間ほどで登れる行程の中に、景色の変化や山歩きの楽しさがしっかり詰まっているのも藻琴山登山の魅力です。旅の途中でも組み込みやすく、屈斜路湖や摩周湖周辺の観光とあわせて楽しみやすいのも、この山のよさ。登山と旅を無理なく一緒に味わいたいときに、選びやすい一座といえるでしょう。
※ヒグマ対策について
北海道の山域では、ヒグマの生息地に入ることを前提に十分な対策を行いましょう。クマ鈴やホイッスルなど音の出るものを携行し、見通しの悪い場所では人の存在を知らせながら歩くことが大切です。できるだけ単独行動は避け、早朝や夕方など薄暗い時間帯の行動も控えましょう。入山前には、自治体や観光協会などが発信する最新の目撃情報や通行規制情報を確認し、状況によっては無理をせず計画を見直す判断も必要です。

登山の専門家が調査した正確なルートやコースタイム、見どころ情報までを一つにまとめました。
紙地図「山と高原地図」として60年以上の信頼を重ねてきた情報が、アプリ「山と高原地図ホーダイ」で。
今すぐダウンロードして安全登山を楽しみましょう。





