北海道のおすすめ登山スポット10選 ダイナミックな景色を堪能できる山々

『日本百名山』より、9座も選定されている北海道は登山スポットの宝庫。
広大な面積の中には数多くの名峰が並び立ち、四季折々多くの登山愛好家を魅了しています。
日本一早い紅葉を迎える大雪山(たいせつざん)や、世界遺産・知床の主峰である羅臼岳(らうすだけ)、火山の荒々しい雰囲気が伝わる恵山(えさん)など、北海道らしいダイナミックな景色を堪能できる山が多いことが特徴です。
今回は、登りやすい低山から、一度は歩きたい登りごたえのある名山まで、10座の登山スポットを厳選してご紹介!
ひとたび足を踏み入れたら、圧倒的なスケールの大自然が待っていますよ。
北海道のおすすめ登山スポット1. 溶岩ドームが印象的。支笏カルデラ「樽前山」(苫小牧市)

まず北海道の登山スポットといえば、第一に挙げられるほど有名な「樽前山(たるまえさん、標高1041m)」。支笏湖の外輪山にあたり、山頂に佇む異形の溶岩ドーム(※1)が目印です。
札幌や苫小牧などの市街地、新千歳空港が近いほか、7合目まで車でアクセスできる手軽さから、道内外問わず多くの登山愛好家が訪れます。
そんな樽前山の特徴は、劇的な景色変化です。登山口から10分もすれば支笏湖を見渡す大パノラマを望み、頂上が近づけば砂漠の風景が広がります。
溶岩ドームを中心に一周する周回コースからは、風不死岳(ふっぷしだけ、標高1102m)など支笏カルデラの山々を見渡すことができ、二つのピークのうち西山からは太平洋のパノラマも広がります。海から山まで、一続きの壮大な自然を味わえるのが醍醐味の登山スポットです。
(※1)溶岩ドーム:粘度の高い水飴状の溶岩が押し出されてできた、ドーム状の火山地形
備考:道道141号線(市道樽前観光道路)は11月上旬〜4月中旬ごろまで冬季閉鎖になります
- 北海道
- 1,041m
- 二百名山
北海道のおすすめ登山スポット2. 断崖絶壁と積丹ブルーが織りなす大展望「尻場山」(余市郡余市町)

積丹(しゃこたん)半島にある港町・余市(よいち)のトレードマークとなっている山が「尻場山(しりぱやま、標高296m)」。アイヌ語で”海中に突き出している頭”を意味し、鋭利な山容が特徴の登山スポットです。
この山が人気の理由は、山頂に待ち受ける大パノラマ。高度感抜群の断崖絶壁から、荒々しく削られた海食崖(かいしょくがい、※2)と果てしなく美しい積丹ブルーの海が広がります。
登山口は、余市神社の右手に走る林道の終点から。修行大師像が目印になっており、約2時間30分ほどで山頂まで往復することが可能。山頂に広がる絶景も素晴らしいですが、その道中の樹林帯も見事な登山スポットです。
緑鮮やかな回廊に癒されながら進めば、時折エゾリスと出会えます。登山道の随所にロープも置かれており、冒険心くすぐる登山を楽しめるのもポイントです。
(※2)海食崖:波浪によって陸地が侵食されて形成された崖
住所:北海道余市郡余市町
アクセス:小樽市街から尻場山登山口まで車で約35分、余市神社の右手を走る林道を終点まで行く
コースタイム:尻場山登山口→(約1時間)→山頂分岐→(約15分)→尻場山山頂
北海道のおすすめ登山スポット3. 荒々しい迫力と迫力を備える。渡島半島・異観の山「恵山」(函館市)

函館を中心とする道南エリアで、ひときわ異彩を放つ「恵山(えさん、標高618m)」。渡島(おしま)半島の先端に位置し、赤茶けた山肌と、沸き上がる噴煙が特徴の登山スポットです。
まるで山が呼吸をしているかのような奇観に、思わず畏怖(いふ)の念さえ感じてしまいますが、日本新百名山の一つに選出されており、手軽に登山を楽しむことができます。
登山口は、恵山登山道路の終点から。前半、少し高原歩きを楽しんだら、荒涼な山肌を縫うように、標高を上げていきます。途中には噴気孔に迫る展望台や、最果ての海を見渡すポイントもあります。
また黄色に変色した地面や、ゴツゴツした岩々が、火山を登っている臨場感を高めてくれます。他に類例がなく、唯一無二の雰囲気を見せてくれる個性的な登山スポットです。
備考:恵山登山道路は12月初旬〜4月中旬ごろまで冬季通行規制あり

- 北海道
- 618m
北海道のおすすめ登山スポット4. 赤井川コースで渡島半島の秀峰「北海道駒ヶ岳」へ(茅部郡森町)

道南のトレードマークとなっている秀峰「北海道駒ヶ岳(ほっかいどうこまがたけ、標高1131m)」。今でも火山活動中の山として有名で、山頂への立ち入りは規制され、2024年現在は赤井川コース8合目の馬の背(標高900m)まで登ることが可能です。
しかし、駒ヶ岳登山口の6合目から往復2時間30分と負荷が低いながらも、北海道らしい大スケールの山岳パノラマを楽しめるため、初心者の方にもおすすめの登山スポットです。
歩くごとに近づく駒ヶ岳の山容も素晴らしいですが、振り返ると麓の大沼から函館方面まで、吸い込まれるような美しいパノラマが広がります。
また夏にかけては山麓を彩る樹林帯の緑が美しく、生命力あふれんばかりに輝きます。青と緑が織りなす景色に、思わず何度も立ち止まってしまう登山スポットです。
備考:馬の背〜山頂は山頂火口部から半径4km圏内の立ち入り規制エリアです
- 北海道
- 1,131m
- 二百名山
北海道のおすすめ登山スポット5. 森林限界の絶景。屈斜路カルデラの最高峰「藻琴山」(斜里郡小清水町)

道東のメインエリアの一つにして、日本最大のカルデラ湖・屈斜路湖(くっしゃろこ)。その外輪山の最高峰に当たるのが「藻琴山(もことやま、標高約1,000m)」です。
登山道はいくつかありますが、一番人気なのが、ハイランド小清水725から登るスカイライン遊歩道。標高差300m、往復約2時間30分と手軽ながら、大パノラマの稜線歩きを楽しめる登山スポットです。
登山道は終始、森林限界の中を進む道。気候条件の厳しい道東では、標高1000mでも高山帯の雰囲気を味わえるのが魅力です。
中間にあたる屏風岩(びょうぶいわ)から一気に展望が開け、開放的な縦走路へ。山頂周辺ではダイナミックな屈斜路湖を俯瞰できます。四季折々風情を変えるため、年間を通じて人気の高い登山スポットです。
備考:ハイランド小清水725までは冬季でも通行可能ですが、スタッドレスタイヤを履くなど雪道対策を行ってください

- 北海道
- 1,000m
北海道のおすすめ登山スポット6. オンネトーから大地の呼吸を感じる「雌阿寒岳」へ(足寄郡足寄町)

道東のオンネトー湖畔に位置する「雌阿寒岳(めあかんだけ、標高1499m)」。体力勝負になりがちな北海道の百名山の中でも、初心者でも登りやすい登山スポットとして知られています。オンネトー野営場から往復約5時間という内容です。
前半は、緑が濃い樹林帯。中盤に差し掛かると火山らしい荒涼な登山道へ変わり、後半には噴気孔を横目に、阿寒湖を見下ろす大パノラマが待っています。
まるで大地が鼓動しているかのような、迫力ある自然の姿を間近に感じられるのが醍醐味。悠久の自然の趣を感じられます。
運が良ければエゾシカやリスなどに出会えることも。こうした一期一会の動物との出会いもできる登山スポットです。
- 北海道
- 1,499m
- 百名山
北海道のおすすめ登山スポット7. 日本一早い紅葉や冬の大雪原。北海道最高峰の「旭岳」(東川町)

北海道の屋根・大雪山系(たいせつさんけい)の最高峰「旭岳(あさひだけ、標高2291m)」。中腹の旭岳温泉から旭岳ロープウェイが運行しており、非常にアプローチしやすいため、登山愛好家から観光客まで多くの人に親しまれている登山スポットです。
中でも一番人気なのは、”日本一早い紅葉”が見られる9月中旬。ナナカマドの赤とハイマツの緑が織りなす絨毯は鮮やかで、旭岳との共演は息を呑む絶景です。
その一方で、密かにおすすめしたいのが冬。ロープウェイを降りると広大な雪原が待ち受けており、荒々しい山肌が一面純白に覆い尽くされています。冬には登頂は目指さず、噴気孔まで往復するのが一般的。
スノーシューやワカン(輪かんじき)を用意すれば、雪上を自由に闊歩することが可能。極上の雪面に、自分のトレース(※3)を残していく雪山登山ならではの楽しみも味わうことができますよ。
(※3)トレース:雪面に残された登山者の踏み跡をたどること
備考:冬季の登頂難易度は格段に上がります。冬に登る場合、姿見の池までがオススメです
- 北海道
- 2,291m
- 百名山
北海道のおすすめ登山スポット8. カムイミンタラへの入り口。大雪山系「黒岳」(上川郡上川町)

大雪山系の主要な山々への玄関口となっている「黒岳(くろだけ、標高1984m)」。観光地である層雲峡(そううんきょう)より層雲峡ロープウェイを使って、標高1520mの山腹までアクセスした後、往復3時間で登頂することが可能な登山スポットです。
こちらも人気が高いのは、紅葉に彩られる初秋のシーズン(9月中旬〜下旬)。赤・黄・緑色とカラフルで淡い色に包まれながら、山頂をめざす時間はまさに至福のひととき。
そして登頂すれば、劇的な景色変化が待っています。カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)と名付けられた、大雪山系の山並みは圧巻の一言。
年間を通じて溶けきることのない雪渓が点在し、赤く色づくナナカマドが鮮烈です。周囲には大雪山系に生息する天然記念物・ナキウサギの可愛らしい声が飛び交う登山スポットです。
- 北海道
- 1,984m
北海道のおすすめ登山スポット9. 熊の湯コースで百名山「羅臼岳」へ。世界遺産の大自然を歩く(目梨郡羅臼町)

知床連峰の最高峰にして、日本百名山にも選定されている「羅臼岳(らうすだけ、標高1661m)」。歩行時間が長く、標高差も大きいため、比較的ハードルの高い登山スポットですが、その中でより玄人向きなのが、羅臼側の熊の湯ルートです。
往復10時間以上というロングコースは、足を踏み入れる人が少なく、硫黄の香りを感じる川やダイナミックな屏風岩など、世界遺産の自然を独り占めすることができます。
硫黄山方面との分岐までくると、知床半島を囲む海から北方領土の国後島(くなしりとう)まで一望。森林限界の稜線は、本州でいう標高3000mクラスの高山帯となっています。
岩々が連なる山頂からは、南へと続く知床連山のパノラマと、どこまでも続くオホーツク海。海から山まで、原生的な自然が一続きで残る、知床の世界観を堪能できる登山スポットです。
備考:ヒグマが出没しやすいコースです。熊鈴や熊スプレーなど入念に対策を行いましょう
- 北海道
- 1,661m
- 百名山
北海道のおすすめ登山スポット10. 急登を終えると支笏ブルーの絶景「風不死岳」へ雪山登山(千歳市)

支笏カルデラ最高峰に当たる「風不死岳(ふっぷしだけ、標高1102m)」。山域全体でヒグマ出没が多く、特に北尾根は急登を行くコースとなっており、中級者以上向けの登山スポットと言えます。
そんな「風不死岳」ですが、冬になるとヒグマで出没する可能性はなくなり、北海道の本格雪山入門の山として高い人気を誇っています。
登山道は終始急登ですが、距離は5kmほどと短く、往復約4時間。アイゼン(※4)をしっかり噛ませて登れば危険はありませんが、後半は特に勾配がきついので、足場を確実に進むようにしてください。
山頂にたどり着けば、雪に覆われた稜線と、真っ青な支笏湖ブルーが織りなす絶景が広がります。天気が良ければ、遠く後方羊蹄山(こうほうようていざん、標高1898m、別名・蝦夷富士)まで望める大パノラマが醍醐味です。
(※4)アイゼン:氷や氷化した雪上を歩く際、滑り止めとして使う爪状の登山道具
備考:12月〜3月には雪山登山装備が必要。冬靴とアイゼンを携行しましょう。

- 北海道
- 1,102m
収まりきらない!大スケールの山岳絶景が待つ北海道の登山スポット

北海道のおすすめ登山スポットはいかがでしたでしょうか。今回はよく知られた山から穴場な山まで、北海道が誇る登山スポットをご紹介しました。これらの山に共通するのは、標高の高低にかかわらず、ダイナミックなパノラマを有している山が多いということ。
どこまでも続く大地、竜の瞳のような湖、神がもたらしたとさえ思える日本一早い紅葉や、圧倒的な雪景色。どれも北海道の山々でしか味わえない世界観があります。ぜひ登山を目的にした北海道旅行を計画してみませんか?
取材・撮影・文 : 土庄雄平

登山道、コースタイム情報、コースの見どころ、山小屋や水場など登山者に必須の情報がすべて掲載!