雨飾山を日帰りで登る!初夏の登山ルート解説と駐車場の混雑対策

花と紅葉の美しさで名高い日本百名山「雨飾山(あまかざりやま・標高1,963m)」。

6月は梅雨のシーズンですが、晴れの日を狙って北アルプス周辺の山に登ると残雪に輝くアルプスの峰々と梅雨が明けてからは見られない高山植物の花々に出会うことができます。登山口は長野県小谷村の小谷温泉と新潟県糸魚川市の雨飾温泉が一般的でありますが、長野県小谷温泉の雨飾高原キャンプ場から山頂までの道を日帰りで往復します。

非常に人気の高い山ですが、後半に待ち受けるハシゴ場や急登、地形で迷いやすい雪渓など、一歩間違えれば危険を伴う箇所もあり、実際のトレッキング体験をもとに、安全に登るためのリスク管理や駐車場の混雑対策も合わせて解説します。

2026年7月13日 更新

今回歩いた登山ルートとコースタイム

登山ルート:雨飾高原キャンプ場(小谷温泉側)〜 荒菅沢 〜 笹平 〜 雨飾山(ピストン)
合計コースタイム:6時間35分(山と高原地図)

※駐車場は2つあり約50台駐車可能。トイレ、水場、キャンプ場、売店もあります。

雨飾山登山口(雨飾高原キャンプ場)
雨飾山登山口(雨飾高原キャンプ場)

土曜の朝6時過ぎで満車!登山口へのアクセス

白馬から国道148号線を北上して小谷温泉の標識をみて右折します。左側に小谷温泉山田旅館を見て進みます。その先の雨飾高原バス停まで大糸線南小谷駅から小谷村営バスが運行しています。更に新緑の美しいブナ林のドライブを経て、雨飾山登山口駐車場に着きました。キャンプ場周辺の駐車場は土曜日ということもあり、朝6時過ぎで満車。100Mほど下ったところの駐車場に停められました。週末にマイカーでの日帰り登山を計画する場合は、深夜〜早朝5時台前半の到着を目指すなど、早めの行動が安心です。

休憩舎の左側から登山道が始まります。少し下ると大海川沿いに沿って広がる湿原の中の
木道を進みます。快晴の天気で朝の日の光と沢筋を流れる水の音を聞いていると山に北実感がふつふつとわいてきます。湿原が終わると尾根に取り付き、登りが始まります。

新緑のブナの尾根と、道迷い遭難を防ぐ「赤布」

ブナの森の中々を登ります
ブナの森の中々を登ります
雨飾山布団菱の眺めが素晴らしい
雨飾山布団菱の眺めが素晴らしい

新緑のブナの森をしばらく登ります、日本でも有数の豪雪地帯に広がるブナ林は巨木も多く、新緑に包まれて急登の疲れを感じさせません。高度差200mほど登ると平坦地に出ます。木々に囲まれ、日陰もあり丁度休憩にも良い所です。
そこから急斜面を少し下ると荒菅沢です。私が訪れた6月中旬は雪渓が残っていました。傾斜は無いのでアイゼン等は要りませんでした。
(※雪の量は年によって大きく変動します。直前の情報を確認し、不安な場合はチェーンスパイクや軽アイゼンをザックに入れておきましょう)

雪渓を横断するときは対岸の登山口を見失なわない様に注意が必要です。一歩間違えると道迷い遭難に繋がるケースがあります。対岸の木に赤布(目印)が付けてあったので迷わず進めました。荒菅沢からは雪渓の先に迫力ある布団菱(ふとんびし)の岸壁と雨飾山を見ることが出来ます。

急登の難易度と安全対策

日本海側の雪の多い山に咲くタニウツギ(谷空木)
日本海側の雪の多い山に咲くタニウツギ(谷空木)

荒菅沢を渡ると尾根に取り付き急登が始まります。
樹林帯の中を登るとタニウツギやイワカガミといった初夏の花々が迎えてくれて疲れをいやしてくれます。また広葉樹の灌木帯なので秋の紅葉もきっときれいなところです。初夏の強い日差しを背に浴びて一歩一歩高度を上げていきます。沢から見上げた布団菱の岸壁が左側に見え始めると、はしごもある岩尾根が始まります。

ハシゴやロープが設置されている箇所は慎重な通過が必要です。転落などの事故を防ぐため、以下の対策を徹底しましょう。

1.ストックは仕舞う: 両手をフリーにして岩やハシゴを確実に掴みます。
2.三点支持の徹底: 手足を動かす際は、常に他の3点を固定します。
3.前後の間隔をあける: 落石や巻き込み防止のため、前の人がハシゴを登りきるまで下で待ちます。

ここを登っていくと、一気に視界が開けて稜線の一角に出ます!笹平という名前の通り平らになっています。右に行くと金山・妙高方面へ、雨飾山は左に折れて稜線沿いに進みます。

高山植物が咲き乱れる絶景の尾根歩き

1894mピークから雨飾山頂に続く稜線
1894mピークから雨飾山頂に続く稜線
笹平との分岐
笹平との分岐
稜線上に咲くシラネアオイ
稜線上に咲くシラネアオイ

笹平から雨飾山に続く稜線は正面に雨飾山と北アルプスの山々、右側に糸魚川市とその向こうに広がる日本海の絶景を見ることが出来て気分も盛り上がってくるところです。
少し下っていくと雨飾温泉への分岐点があります。山頂に向けて歩を進めていくとシラネアオイなどの初夏の花々を見ることができました。

雨飾山山頂に祀られている石仏群。
雨飾山山頂に祀られている石仏群。

山頂に向けて歩を進めていくと、アルプスの大展望広がる山頂の一角に出ました。右に行くと4体石仏が鎮座しています。全て糸魚川市方面を向いていて、江戸時代に糸魚川の僧が担ぎ上げたとの謂れがあります。今日は小谷側から登ってきましたが、糸魚川方面の麓の熱心な山岳信仰の対象であった山だったことがうかがえます。左に向かうと三角点があります。雨飾山は双耳峰だったんですね。日本100名山「雨飾山」のピークに到達です。

雨飾山頂から見る残雪に輝く北アルプス「朝日岳」
雨飾山頂から見る残雪に輝く北アルプス「朝日岳」

山頂からの展望は本当に素晴らしいです!
北アルプス方面(西側)は奥から残雪に輝く鹿島槍ヶ岳、五竜岳、白馬三山、朝日岳の山々。北側は糸魚川市街と青い日本海。東側は火打山、焼山に続く残雪が残る山並みなどなど周囲の山々が一望できます。

「雨飾りの乙女」を眺め、木道脇の岩魚に癒やされる

ゆっくりと景色を楽しんだら、山頂からは往路を下山します。先ずは山頂から雨飾温泉の分岐まで下ります。登るときは背にしていた火打山と焼山の展望を楽しみながらくだっていきます。笹平の分岐を左に進み、右に布団菱の岸壁を眺めながら下っていきます。
同じルートとはいえ、展望が素晴らしいコースですので登りとは違う景色を楽しめ、小さな発見があったり飽きることはありません。

ハクサンイチゲが咲き始めました
ハクサンイチゲが咲き始めました
イワカガミ
イワカガミ
登山口近くの木道脇の流れで見つけた岩魚
登山口近くの木道脇の流れで見つけた岩魚
無事下山。登山口近くの看板で今日のルートを振り返る
無事下山。登山口近くの看板で今日のルートを振り返る

登山口そばの木道の脇を流れる小川で岩魚の群れを見ることができました。禁漁区のサインもあったので、人に対する警戒心もゆるめで写真におさめることができたのでしょう。
西に傾いた日差しの中でのんびりした空気が辺りを包んでいました。

湿原から少しの登りで駐車場にある休憩舎の脇に出ることができます。

下山後のアクセス:小谷温泉の周辺情報

今回は立ち寄っていませんが、日帰り往復約6時間半、ハシゴや雪渓を乗り越えた体を癒やすなら、登山口のすぐふもとにある温泉がおすすめです。

 雨飾荘(雨飾高原露天風呂)

画像出典:雨飾荘 公式サイト
画像出典:雨飾荘 公式サイト
住所 長野県北安曇郡小谷村中土18926-1
営業期間 4月中旬頃~11月下旬
営業時間 チェックイン15:00 / チェックアウト10:00
電話番号 0261-85-1607
料金  17,600円~(朝夕食付)

※施設の最新の営業状況や宿泊予約の詳細については、事前に必ず公式サイトをご確認ください。


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雨飾荘 公式HP

小谷温泉 山田旅館

画像出典:山田旅館 | 一般社団法人 日本秘湯を守る会
画像出典:山田旅館 | 一般社団法人 日本秘湯を守る会
住所 長野県北安曇郡小谷村中土18836
営業期間 2月上旬〜1月上旬
営業時間 チェックイン14:30 / チェックアウト09:30
電話番号 0261-85-1221
料金 11,000円~(素泊まり)、16,500円~(朝夕食付)

※施設の最新の営業状況や宿泊予約の詳細については、事前に必ず公式サイトをご確認ください。


小谷温泉 山田旅館 公式HP

初夏の雨飾山は、事前の「混雑対策」と「リスク管理」さえ頭に入れておけば、新緑と残雪、高山植物を安全に一度に楽しめる最高の山です。ぜひ万全の準備をして、充実した百名山登山を楽しんできてください!

「ツーリングマップル」を片手にバイクツーリング中に入った喫茶店でA新聞掲載の昭文社中途採用の3行広告を見て応募、中途入社となる。 入社後は特注地図・広告部門の営業職を経て、現在は「山と高原地図」の編集業務に従事。プライベートではグリーンシーズンの温泉&ULハイキング、雪が積もると白馬/小谷エリアを中心にバックカントリースキーに出かける。自選の「山スキーで登る100名山」を一つ一つ登っていくのが楽しみの一つ。

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