御池岳〜鈴北岳

コース難易度
初級
  • 4時間20分

コースガイド

鈴鹿山系の最高峰、御池岳は石灰岩山地特有のカルスト地形で、広大な原をもつ頂上台地を広げている。この台地にはいくつもの小さな池が点在し、これが山名の由来となっている。自然林に包まれた春や秋の彩りは格別で、多くの登山者を集めている。
テクニック度
山行日数
歩行時間
4時間20分
歩行距離
最大高低差
水場
トイレ
 昔は静かで行きにくい山とされていたようですが、現在ではヤブの深かった複雑な頂上台地にも踏み跡ができるほどになっています。最も一般的なコースはコグルミ谷道で、春にはカタクリを求めて登る人も多く、国道306号のコグルミ谷出合を基点とした御池岳の丸山から鈴北岳、鞍掛峠をめぐるコースは、車での登山において手軽に楽しめる周回コースとなっています。また、静かなコースとしては、滋賀県側の御池川からのT字尾根コースもおすすめです。
 ここで案内するコースは、マイカー利用を前提としたコグルミ谷道です。国道306号には鞍掛トンネル東口に駐車できるスペースがあります。
 コグルミ谷は、出合付近を除いて水がほとんど伏流しています。最初は右岸側が杉の植林帯、左岸側が自然林となっており、15分ほど歩いたタテ谷道(廃道)分岐あたりからは、完全に自然林に包まれます。道沿いには、真っ直ぐに高く伸びたサワグルミが中心に立ち並び、四季折々の色彩の変化を楽しむことができます。
 コグルミ谷では近年、大雨による土石流で下流部がかなり荒れてしまいました。そのため、国道から登り始める道も、左岸から右岸に付け替えられています。カレンフェルトがごつごつと突き出す滑りやすい道も、さらに歩きにくくなっていましたが、次第に落ち着きを取り戻しつつあります。
 長命水の水場まで登ると谷は浅く広がり、サワグルミやトチなどの自然林が多く、気持ちのよい斜面が広がります。以前は長命水から谷沿いに道が続いていましたが、現在は長命水の背後から登るように道が付け替えられています。斜面を登っていくと、以前の道と合流し、やがて県境尾根の峠状となった天ヶ平に出ます。
 ここからは、はっきりとした尾根道となり、しばらく登ると尾根の鼻を越えて、浅く広がる真ノ谷と出合います。右に真ノ谷を少し登ったところで、左に丸山への道が分かれており、ここからがいよいよ最後の登りとなります。長く広がる頂上台地への登りは、春には遅くまで雪が残る滑りやすい急登が続きます。
 登るにつれて、ごつごつと曲がりくねったオオイタヤメイゲツが覆う樹林帯となり、やがて丸山とボタンブチとの分岐に飛び出します。ボタンブチは台地の西側に位置する急崖の岩場で、素晴らしい展望が望めますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
 分岐を右に進むと、すぐに御池岳の最高峰・丸山の頂上に到着します。頂上は樹林に囲まれていて、かつてはほとんど展望がききませんでしたが、近年では大きく伐り開かれました。昼食をとるなら、天気さえ良ければボタンブチの方が適しているでしょう。
 鈴北岳へは、いったん真ノ谷に下ります。元来た道を下ってもよいですし、頂上から尾根をたどって真ノ谷へと下る道もあります。尾根通しに真ノ谷へ下ると広い原に出ます。以前はササに覆われた迷いやすい場所でしたが、火事によってすっかり見通しのきく原となりました。
 台地の北西端にあるゆるやかな鈴北岳への斜面からは、樹林に包まれた丸山とササのなくなった広大な台地の大きな風景が広がっています。鈴北岳頂上からは、北へと広く刈り払われた県境尾根を下ると鞍掛峠に至り、そこから右へ下ると三重県側のトンネル東口に着きます。
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