音更山から石狩岳、化雲岳を経て天人峡温泉へ縦走

コース難易度
上級
  • 3泊4日
  • 31時間10分
  • 45.8km

コースガイド

大雪山を東西に横断するルート。南北縦走と比べて人が少なく、静かな山の雰囲気に浸ることができます。
テクニック度
岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける
難易度の目安
難易度の目安
テクニック度
    岩場やクサリ場などがなく、問題なく歩ける
    岩場やクサリ場などがあり、部分的に注意が必要
    岩場やクサリ場などがあって、中級以上の技術と経験が必要
山行日数
3泊4日
歩行時間
31時間10分
歩行距離
45.8km
最大高低差
1,367m
水場
ブヨ沼野営指定地他
トイレ
なし
 大雪山を縦走する場合、入山と下山の際の交通が最大の問題となります。このコースの場合、行きは層雲峡発でタクシーを使い、帰りは天人峡温泉泊でバス停まで送迎してもらい旭川に出るのが現実的でしょうか。3日目のヒサゴ沼以外避難小屋はなく野営指定地でのテント泊。いずれも9月でも水が取れます。登山道の大部分でササやハイマツに覆われ、特に2日目はヤブが濃い道を通ります。
1日目:ユニ石狩岳登山口〜ブヨ沼野営指定地
 ユニ石狩岳登山口から十石峠を目指します。最初は作業道跡の広い道を緩やかに、やがて道が細く急登となり、あたりに岩が目立ち始めます。展望の良い広場に出ると十石峠です。峠の反対側に下る道は廃道となりましたが、かつては名前の通り十勝側と石狩側からの登山道が出合う場所でした。
 目的地のブヨ沼は峠の分岐を左に進みますが、初日は行程が短く時間に余裕があるのでユニ石狩岳を往復するのも良いでしょう。十石峠からはハイマツの尾根歩きです。いくつかピークを踏んでやや下ると、ブヨ沼を過ぎた鞍部にブヨ沼野営指定地があります。水場は看板に従って沢を下った先です。
2日目:ブヨ沼野営指定地〜大沼野営指定地
 長い1日となるので早立ちします。まずは音更山まで。一つピークを越え吊り尾根を渡ると早速急登が待っています。標高差200mを一気に稼ぎ、チシマツガザクラが目立つ広い山頂部に出ます。奥の高まりが音更山山頂です。ここから石狩岳を経てニペの耳まで東大雪の主脈を歩くことになります。右手には表大雪がずっと見えている展望の縦走です。音更山からの岩場の下りは道が分かりづらく、ペンキや道標などもほとんどありません。視界が悪い時は要注意です。(シュナイダーコース分岐から石狩岳までは石狩岳(シュナイダーコース)(コースガイド)参照)
 東大雪は静かな山が多く、その中でも石狩岳から沼ノ原までは特に人の少ない区間です。石狩岳からニペの耳に連なる稜線は細く、左右にうねるように続きます。大雪山では他にない山並みです。尾根の右手側、斜面が落ちていく先は石狩川の源流部。その向こうに大沼の水面が目立つ沼ノ原。五色岳まで続く広く緩やかな尾根とトムラウシ山も見えています。川上岳・ニペの耳とピークは踏まずわずかに巻きます。一度見えなくなったニペソツ山が再び現れたあたりで下りに入ります。一旦登り返して岩の目立つピークに立ち、展望が良いのもここで終わり。すぐにダケカンバが現れ笹が目立ち出します。滑りやすい急坂下りの始まりです。鞍部付近は「根曲り廊下」と呼ばれ、ササが密生して歩きにくいことで有名です。たまに刈り払いが行われ、直後は歩きやすくなりますが、数年で元通りとなってしまいます。
 急な登り返しを終え小さな湿原に出ると石狩岳分岐です。標識は置かれているものの文字が読めなくなっており、示す方向もよくわかりません。細い青棒が立てられているのでそれに従い、緩やかに下っていくと今度は大きな湿原、沼ノ原に出ます。分岐で木道に乗り左手に進みます。池溏越しにトムラウシ山を見ているとすぐに大沼に到着。沼のほとりが大沼野営指定地入口です。増水時はテントを張れなくなることもあるので要注意。
3日目:大沼野営指定地〜ヒサゴ沼避難小屋
 歩行時間的には3日目に天人峡まで下りてしまうこともできますが、ヒサゴ沼はぜひ一度泊まりたい場所です。
 大沼から木道を歩き、わずかに下ると9月でも水量の豊富な五色の水場です。泥の急登を越え、尾根を乗越し沢に出ます。ここから沢沿いに標高を上げていきます。左右を木々に挟まれた狭い流れの場所と、広く雪渓が残る伸びやかな場所を繰り返します。雪渓が消えたところから順にお花畑となり、やがて流れが途絶え、最後のお花畑を過ぎると、ササとハイマツの登山道となります。途中から木道歩きとなりますが、かなりの区間で木道が壊れていて、そこにササが被さり足元が見えなくなっているので危険極まりない状態です。緩やかに登っていくとやがてトムラウシ山が見えてきます。ホソバウルップソウが咲く湿地を過ぎると五色岳に到着です。(五色岳から化雲岳を越えてヒサゴ沼分岐までは旭岳からトムラウシ山、十勝岳へ縦走 2日目(コースガイド)参照)
 ヒサゴ沼分岐から左手の木道に進み、遅くまで雪渓の残る斜面に出ます。進む方向を示してくれるものはないので、視界不良時は要注意。雪がなくなった後は敷設された階段が壊れかけているのでこちらも注意が必要です。晴れていれば眼下にヒサゴ沼、そのほとりに三角屋根の避難小屋、正面にトムラウシ山が見えます。沼まで下りて分岐を左に進めばヒサゴ沼避難小屋です。水は7月なら小屋のそば、8月なら分岐のあたり、9月になるとヒサゴ沼西端の大きな雪渓尻と、季節が進むごとに少しずつ小屋から離れていきます。人気のある避難小屋ですが管理人はいません。利用者同士譲り合って使いましょう。野営指定地はぬかるみやすいので場所選びは慎重に。
4日目:ヒサゴ沼避難小屋〜天人峡温泉
 東西に長いヒサゴ沼の東側にはニペソツ山が見えていて、そこから射す朝陽が沼西端の雪渓を赤く染めます。風があたりにくい地形なので、水面が鏡のようになり朝焼けの山が映ることもあります。
 化雲岳まで昨日のルートを登り返します。小化雲岳までは高山植物を左右に見ながら歩きやすい道が続きます。「小さい」という意味のアイヌ語を冠する通り小さなポン沼からは表大雪がきれいに見えます。小化雲岳の山頂からそれるように登山道は第二公園に向かって下ります。第二公園は地図上に表記があるものの、実際には標識もなく公園と呼べるような場所もありません。ハイマツの根が張り出し段差が多く、水が少ない時でも歩きにくい場所ですが、雨の後は一面に水が流れその中を歩かざるをえません。ハイマツの根も段差も流れの下で見えなくなるので危ない場所です。
 沢状の登山道が終わるとやがて木道が現れ第一公園に着きます。湿原の向こうに旭岳・白雲岳が見え景色も良い場所です。
 第一公園から急斜面を下り滝見台までは深い森の中の尾根歩き。滝見台にはベンチが置かれ、いよいよ人里が近付いてきました。ここから見える羽衣の滝は北海道最大の落差270mを誇ります。天人峡温泉に向けて急な坂を九十九折りに下り、化雲岳登山口で舗装路に出ます。左に進むと公共駐車場があり、橋を渡れば温泉宿です。
1日目:ユニ石狩岳から音更山・石狩岳
2日目:石狩岳からニペの耳に続く稜線
2日目:大沼野営指定地。
3日目:五色岳から化雲岳に続く広い尾根。
4日目:ヒサゴ沼の朝焼け
4日目:ポン沼越しの表大雪
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