京都の日帰り登山スポット6選 初心者におすすめ!歴史と自然が織りなす絶景登山

古都・京都は寺社仏閣や町並みだけでなく、豊かな自然にも恵まれた里山や名山の宝庫です。市街地からアクセスしやすく、登山初心者でも無理なく楽しめるコースが多いのも京都の魅力。中級者向けのルートも点在しており、レベルに応じた山選びができます。
この記事では、歴史や文化と自然の魅力が調和した京都の日帰り登山スポットをご紹介。神社仏閣を訪ね歩く登山道や、夜景、紅葉、湖といった絶景をめぐるルートなどなど、京都ならではの日帰り登山へ出かけましょう。
目次
愛宕山 京都の信仰をたどる日帰り登山で火伏せの神に出会う

本能寺の変を起こした明智光秀も参拝したと伝わる愛宕神社
標高924mの「愛宕山(あたごやま)」は、京都市の北西に位置し、古くから信仰の対象とされてきた霊峰です。山頂には火伏せの神として知られる愛宕神社が鎮座し、今も多くの人が参拝に訪れています。メインルートとなる表参道の登山道はよく整備されており、石段や茶屋跡が点在。かつて多くの参詣者が行き交った往時の面影を今に伝えています。
道中では、修験道の名残を残す月輪寺参道とも交差し、山に根づく歴史を感じられるのも魅力です。山頂直前の展望地では、京都市街を一望できるパノラマが広がり、達成感もひとしお。

表参道の途中、京都の街を一望できるパノラマポイント
道は比較的なだらかで歩きやすいものの、標高差はしっかりあるため、登山らしい充実感も味わえます。早朝のご来光登山や、元旦の初詣登山など、年間を通じてさまざまな楽しみ方ができるのも愛宕山の魅力。中でも夏に行われる「千日詣」は多くの参拝者でにぎわい、山全体が特別な空気に包まれます。
登山口の清滝までは市バスでアクセス可能。公共交通機関を使って気軽に訪れることができ、登山初心者でも挑戦しやすい整備された道が続く、京都を代表する信仰の山です。
比叡山 歴史と癒しの道を歩く、京都の定番日帰り登山

京都のいたるところから眺めることができる雄大な比叡山
京都と滋賀の県境にそびえる「比叡山(ひえいざん)」は、標高848mの山で、天台宗の総本山・延暦寺(えんりゃくじ)を有する歴史ある霊峰です。信仰の山として知られる一方で、「京都一周トレイル」のルートのひとつとしても知られ、自然の中を歩きながら歴史的な名所をめぐることができます。
叡山ケーブルとロープウェイを利用すれば、八瀬(やせ)から山上まで一気にアクセス可能。比叡山の登山道は緩やかで歩きやすく、初めての登山にもちょうどいい一座です。山頂からは、琵琶湖や京都市街を見渡す大パノラマが広がり、訪れる季節ごとに異なる美しさが魅力です。

一度は訪れたい、世界遺産に登録されている延暦寺の根本中堂
延暦寺の境内は東塔・西塔・横川の3つのエリアに分かれており、それぞれに趣の異なる見どころがあります。苔むす杉木立の中、静寂に包まれた境内を歩いていると、まるで日常から離れた別世界に足を踏み入れたような気分に。
また、比叡山は縦走ルートとしても玄人な登山愛好家から人気があり、静かな山道を一歩一歩進んでいく時間は、まさに心を整える修行のよう。信仰と自然、そして歴史が交差する、奥深い魅力に満ちています。
大文字山 京都を見渡す日帰り登山、「大」の字に立つ感動を!

火床からは京都の街を一望できる大パノラマが広がる
京都五山の送り火で知られる「大文字山(だいもんじやま)」は、標高472mと登りやすい高さながら、京都市街を一望できる絶景スポットとして人気の山です。京都駅からバスで1時間ほど、銀閣寺道または北白川で下車すれば、すぐ目の前に山の姿が現れます。
登山口は銀閣寺のすぐ近くにあり、登り始めて40分ほどで、あの有名な「大」の字の形に石が並ぶ「火床(ひどこ)」に到着します。ここが中間地点で、さらに30分ほど歩くと大文字山山頂へ到着します。

夕暮れの時間帯の登山や夜景を見るナイトハイキングもおすすめ
春は桜、夏は新緑、秋には紅葉と、四季折々に違った表情を見せる自然の中を気軽に歩けるのも魅力のひとつ。火床からは京都の街並みが眼下に広がり、特に夕焼けや夜景の美しさは格別。
また法然院や南禅寺の水路閣など様々な場所へと下山することもできます。アクセスの良さと手軽さ、そして見どころの多さから、何度も登りたくなる“京都の定番登山コース”と言える存在です。
深山 登山のあとは“るり渓温泉”、癒しの日帰りご褒美コース

緑美しい山並みが青空と対比する、初夏の深山山頂のパノラマ
標高791mの「深山(みやま)」は、京都・大阪・兵庫の3つの県の境に位置し、落ち着いた雰囲気のなかで山歩きが楽しめる低山です。登りはじめの前半は、ゴルフ場の景色を横目に、緩やかに続く樹林帯の中を歩く心地よいルート。四季折々の自然が色彩豊かに迎えてくれます。
深山展望所で一度景色が開けたら、再び樹林帯へ。約20分の道のりを歩いた先、山頂には「深山宮」と呼ばれる祠が静かに建っています。

京都・大阪・兵庫の県境にあるからこそ、360度様々な山を望む
山頂に立てば、比叡山や六甲山地を望む360度の大パノラマが広がり、天気が良ければ大阪方面まで見渡せます。ルートは整備されていて歩きやすく、登山初心者や体力に自信のない方でも無理なく歩けるコース設計です。週末でも登山客が少なく、自分のペースでのんびりと自然を満喫できるのも魅力です。
下山後のおすすめは、るり渓温泉。広々とした露天風呂や一人でゆったり入れるつぼ湯が整っており、歩き疲れた体をゆっくりと癒せます。
錦雲渓 秋色の絵巻を歩く絶景ルート!京都奥座敷の日帰り登山へ

歴史情緒を感じながらハイキングが楽しめるのは京都ならでは
京都の街をぐるりと囲むように整備された「京都一周トレイル」は、総距離80kmを超える本格的なロングトレイル。その中でも、愛宕山のふもとを通る「錦雲渓(きんうんけい)」は、自然の美しさと歴史文化が交錯する、特に人気の高い区間です。
錦雲渓は、古くから修験道や参詣の道として人々が行き交った歴史ある谷筋で、愛宕山山麓の清滝から高雄・槙尾・栂尾の三尾(さんび)と呼ばれる古刹が点在するエリアをつなぎます。特に紅葉シーズンには谷全体が燃えるような赤や橙に染まり、澄んだ空気の中で幻想的な風景が広がります。

ここが京都市街だとは思えない、秘境の渓谷が続く
渓谷を流れる水音と、色づく木々のコントラストが、まるで絵巻物の一場面のような趣を演出してくれます。はじめて京都で山歩きを楽しみたい方にもぴったりな、登山初心者向けの入門コースとして人気。京都の奥座敷らしい静けさと、歴史ある寺院の存在感が調和し、ただのハイキングを超えた深い体験が待っています。
中級者の方は、愛宕山への登山と組み合わせることで、よりアクティブなコースにアレンジするのもおすすめです。
音羽山 静寂に包まれる日帰り登山で、京都と滋賀の景色を堪能

音羽山頂から山科と京都の中心部まで一望
京都市山科区と滋賀県大津市の境にそびえる「音羽山(おとわやま、標高593m)」は、都市部からのアクセスの良さと、静けさに包まれた自然の風景が魅力の隠れた名山です。京都一帯から日帰りで訪れることができ、登山初心者でも無理なく歩けるルートが整備されており、京都で静かな山歩きを楽しみたい方に人気のスポットです。
登山道は山科側からのアプローチが主流で、スタート地点はJR山科(やましな)駅から徒歩やバスでアクセス可能。住宅地を抜けるとすぐに自然の空気に包まれ、緩やかな尾根道をたどりながら標高を上げていきます。

京都だけではなく道中、滋賀側の琵琶湖のパノラマも楽しめる
山頂に近づくと視界が一気に開け、そこからは琵琶湖を望む圧巻のパノラマが広がります。晴れた日には、琵琶湖の向こう岸まで収められる景色が広がり、京都と滋賀、二つの風景を一度に楽しめる貴重な展望スポット。ベンチも設置されており、景色を眺めながらゆっくりと休憩するのにもぴったりです。
賑やかな街のすぐ近くにありながら、驚くほど静かで穏やかな山時間を味わえるのが、この山の大きな魅力と言えるでしょう。
京都の日帰り登山で出会う、歴史と自然が織りなす山の風景

秋色に包まれる名ハイキングルート・錦雲渓
京都には、自然の風景と歴史の趣が融合した日帰り登山スポットが数多く点在しています。市街地から気軽に訪れられる低山も多く、登山初心者が初めての一歩を踏み出すのに最適な山もそろっています。一方で、本格的なロングトレイルを楽しみたい中級者向けコースも充実しており、幅広い選択肢があるのも魅力です。
春夏秋冬それぞれに異なる表情を見せてくれる京都の山々で、日常から少し離れて、ありのままの自分と向き合う非日常な時間を過ごしてみませんか?
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