関西の登山初心者におすすめの山10選 日帰りコースとアクセスを比較
関西で登山初心者が日帰りで計画しやすい山として、金剛山、ポンポン山、大文字山、愛宕山、六甲山、千ヶ峰、生駒山、大台ヶ原山、三上山、護摩壇山・龍神岳の10座を紹介します。
同じ山でも、どのコースを歩くか、どう登山口へ行くかで、歩く時間や道の険しさは大きく変わります。この記事では、各山から日帰りで歩けるコースを1本ずつ取り上げ、歩行時間、距離、注意したい区間、アクセスを比べられるようにしました。
関西で登山初心者におすすめの山10選を比較

新緑にアカヤシオが映える大台ヶ原山
10座の紹介コースを一覧にまとめました。まずは歩行時間と行き方で候補を絞り、気になる山の紹介を読んでみてください。
| 山名 | 紹介コース | 歩行時間・距離 | 主なアクセス | 選ぶ前に確認したいこと |
| 金剛山 (大阪府・奈良県・1,125m) |
千早本道→山頂→文殊尾(周回) | 2時間40分・5.4km (最大高低差570m) |
南海高野線 河内長野駅から南海バス | 寒い時期は凍結する箇所がある |
| ポンポン山 (大阪府・京都府・679m) |
神峰山口バス停→本山寺→天狗杉→山頂(往復) | 約4時間45分・13.8km (最大高低差568m) |
JR高槻駅北から高槻市営バス | 距離が長い。出発前に最新の登山道状況を確認 |
| 大文字山 (京都府・465m) |
蹴上駅→大文字山→火床→銀閣寺参道(縦走) | 2時間30分 | 地下鉄東西線 蹴上駅から歩く | 登り始めに分岐が多い。登山口と下山口が違う |
| 愛宕山 (京都府・924m) |
清滝→表参道→愛宕神社→表参道→清滝(往復) | 約4時間 | 清滝バス停まで京都バス | 標高差が大きい。下りに急な石段がある |
| 六甲山 (兵庫県・931m) |
記念碑台→六甲ガーデンテラス→六甲山最高峰(山上の縦走路) | 記念碑台→最高峰 1時間45分・4.5km(最大高低差141m)+復路 | 六甲ケーブルと六甲山上バスで記念碑台へ | 車道を何か所か横断する。帰りは六甲ガーデンテラスまで戻ってバスに乗る |
| 千ヶ峰 (兵庫県・1,005m) |
三谷登山口→三谷大滝→山頂→岩座神登山口→三谷登山口(周回) | 約4時間・約5.5km (高低差約730m) |
車が中心。JR西脇市駅からバスとタクシーでも行ける | ロープを使って登る急傾斜の区間がある |
| 生駒山 (奈良県・大阪府・642m) |
生駒駅→宝山寺参道→生駒山上遊園地(往復) | 約3時間10分・6.9km (最大高低差495m) |
近鉄 生駒駅から歩く | 階段が多い。途中のケーブルカー駅から下山できる |
| 大台ヶ原山 (奈良県・三重県・1,695m) |
ビジターセンター→日出ヶ岳→正木ヶ原→大蛇嵓→尾鷲辻→中道→ビジターセンター(周回) | 約4時間・約9km | 車、または季節運行・事前予約制の直通バス | 冬期はドライブウェイが通行止め。大蛇嵓の先端は高度感のある岩場 |
| 三上山 (滋賀県・432m) |
御上神社→裏登山口→裏登山道→山頂(往復) | 御上神社側→山頂 約1時間+下山 | JR野洲駅南口から滋賀交通バス | 岩場や急な箇所がある。御上神社では入山初穂料の協力をお願いしている |
| 護摩壇山・龍神岳 (和歌山県・奈良県・1,382m) |
護摩壇山バス停→護摩壇山→龍神岳→ワイルドライフの森→護摩壇山バス停(周回) | 4時間30分・11.6km (最大高低差282m) |
車が中心(高野龍神スカイライン)。季節運行のバスがある | 冬期は道路に夜間通行止めなどの規制がある。距離が長い |
表の時間は各コースの目安です。コースデータ、取材時の区間タイム、公式情報の所要時間など、山によって時間の性格が異なり、縦走・往復・周回などコースの形も違うため、数値だけで登りやすさを比べないでください。実際の計画では、休憩時間も見込んで余裕を持たせましょう。なお、生駒山・ポンポン山・千ヶ峰の時間は、取材時の区間タイムを合計したものです。
初めての1座なら、歩行時間が2〜3時間台の金剛山、大文字山、生駒山が候補になります。三上山は比較的短時間で山頂を目指せますが、登山道には岩場や急な箇所があります。六甲山は、ケーブルカーと山上バスを使って標高の高い場所から歩き始められる候補です。4時間を超える山は、短い山歩きに慣れてから選ぶと計画を立てやすくなります。
金剛山

金剛山は、バスで登山口へ行き、標高1,125mの山を2時間40分ほどの周回で歩ける山です。コースには岩場やクサリ場がなく、山頂広場には食堂や売店、トイレがあります。
南海高野線の河内長野駅から南海バスに乗り、金剛登山口(千早本道口)バス停で降ります。登りに使う千早本道は、階段や手すりが整備された道です。道沿いの石仏や合目の表示を目安にすると、自分のペースをつかみやすくなります。五合目には、トイレとベンチがある休憩場所があります。
八合目の分岐は、右の新道を進みます。左(北側)の道は、寒くなると凍結するおそれがあります。山頂広場からは六甲の山並みや淡路島方面を望めます。最高地点の葛木岳は、葛木神社の神域で立ち入りできません。
下りの文殊尾は、ブナ林の広い尾根です。木の根が出ている場所があるため、足元に注意しましょう。途中の分岐で馬場谷方面へ下るとバス停から離れるため、金剛山(伏見峠口)バス停へ下りる道を選びます。寒い時期は凍結する箇所があるため、積雪・凍結状況を確認し、必要に応じてチェーンスパイクなどの滑り止めを準備しましょう。
ポンポン山

ポンポン山は、バスで登山口へ行き、往復13.8kmを歩く山です。前半は舗装された道が続き、本山寺の先から落ち葉や木の根のある山道に変わります。半日以上かけて距離を歩きたい人の候補になります。
JR高槻駅北から高槻市営バスに乗り、約25分の神峰山口バス停で降ります。神峯山寺から本山寺までは、東海自然歩道のコンクリート舗装の道です。取材時の区間タイムは、バス停から山頂まで約2時間25分、山頂からバス停まで約2時間20分でした。
宝篋印塔のある分岐では、登りは右へ進みます。左は神峯山寺方面へ下る道です。倒木などで登山道の状況が変わることがあるため、出発前に最新の登山道情報を確認しましょう。トイレは神峯山寺前と本山寺にあります。
山頂は広場になっていて、大阪・京都・奈良方面の街並みを見渡せます。車で行く場合は、本山寺駐車場を起点にすると往復の距離を短くできます。
大文字山

大文字山は、地下鉄の駅から歩き始め、2時間半ほどで山頂と火床を経て銀閣寺側へ下りられる山です。登山口と下山口が別の場所になるため、同じ道を戻らずに歩けます。
地下鉄東西線の蹴上駅を出たら、三条通を山科方面へ進み、疎水沿いから京都一周トレイルの道標をたどります。日向大神宮の奥から登山道が始まりますが、神社の境内まわりは枝道が多く、道が分かりにくい区間があります。道標が「38番」の峠は道が5つに分かれるため、標識の番号を確認しながら進みましょう。
「45番」の道標で京都一周トレイルから離れて急坂を登ると、大文字山の山頂です。山頂から20分ほど下ると視界が開け、「大」の字の火床に出ます。ここから京都市内を広く見渡せます。
下山は火床の中心から階段を下り、雑木林の道を進むと銀閣寺の参道に出ます。
愛宕山

愛宕山は、バスで行ける京都の山で、清滝から表参道を往復して山頂の愛宕神社を目指します。歩行時間は往復約4時間が目安で、神社の参拝や休憩の時間は別に見込む必要があります。登って下りる「登山らしい1日」を経験できる山です。
JR嵯峨嵐山駅近くの嵯峨小学校前バス停や、阪急・嵐電の嵐山駅から、京都バスで清滝バス停へ向かいます。清滝バス停から車道を歩き、表参道の入口となる二の鳥居へ向かいます。
表参道は道標が整い利用者も多い道ですが、急な坂や石段が続き、標高差も大きい道です。途中には壺割坂と呼ばれる急な石段があり、疲れた足で下るときは特に注意が必要です。帰りは二の鳥居から清滝バス停まで車道を10分ほど登り返します。
往復で長時間の行動になるため、早めに歩き始めるようにしましょう。
六甲山

六甲山は、ケーブルカーと山上バスで標高の高い場所まで上がり、山上の縦走路を歩いて最高峰(931m)を目指せる山です。記念碑台から最高峰までは1時間45分・4.5kmで、最大高低差は141mと小さく、岩場やクサリ場もありません。
六甲ケーブルで六甲山上駅まで上がり、六甲山上バスに乗り換えて記念碑台で降ります。記念碑台からは神戸ゴルフ倶楽部の間の道を抜け、階段を登って六甲ガーデンテラスを通り、極楽茶屋跡へ向かいます。極楽茶屋跡から大阪湾を見下ろしたら、ドライブウェイを縫うように小さな上り下りを繰り返して最高峰に着きます。途中で車道を何度か横断するため、車に注意してください。
最高峰の東に下ると一軒茶屋があり、トイレと自動販売機があります。この先には有馬温泉へ下る道があるため、間違えて進まないようにしましょう。最高峰からは、来た道を六甲ガーデンテラスまで戻り、六甲山上バスで六甲ケーブル山上駅へ向かうと帰りやすくなります。この戻り道の時間は、上記の1時間45分に含まれていません。山上バスやケーブルカーの最終便から逆算して計画しましょう。
阪急芦屋川駅からロックガーデンを登って最高峰を目指す定番コースは、約15km・約6時間で、岩場や急な登りを含みます。山上のコースで歩くことに慣れた後の次の候補です。
千ヶ峰

千ヶ峰は、兵庫県の内陸にある標高1,005mの山です。滝や渓流、山頂からの展望を約4時間の周回で楽しめます。一方で、登りの後半にはロープを使って登る急傾斜の区間があります。短い山歩きに慣れ、次の段階の山を探している人の候補になります。
起点の三谷登山口には、無料の登山者用駐車場とトイレがあり、車で行くのが基本です。公共交通を使う場合は、JR西脇市駅からウイング神姫の路線バスで加美農協前まで行き、そこからタクシーを利用します。タクシーで約10分(徒歩なら約60分)です。
三谷登山口から渓流沿いの比較的緩やかな道を約20分歩くと、2段に流れ落ちる三谷大滝に着きます。その先で岩座神コースと合流し、ロープのある急傾斜の区間を越えて山頂へ登ります。開けた山頂からは、笠形山や氷ノ山方面を見渡せます。
下りの岩座神コースは傾斜が穏やかで、岩座神登山口から舗装路を歩いて三谷登山口へ戻ります。取材時の区間タイムの合計は約4時間、距離は約5.5km、高低差は約730mです。雨のあとは道が滑りやすくなり、残雪期はぬかるみや雪が残ります。
生駒山

生駒山は、近鉄生駒駅から歩いて登り、疲れたら途中のケーブルカー駅から下りる選択肢も持てる山です。山頂一帯は生駒山上遊園地の敷地で、展望台から大阪平野と奈良盆地の両方を見渡せます。
生駒駅から住宅街を抜けて宝山寺の参道に入り、道標に従って登山道を登ります。山頂まで石畳やコンクリートで舗装された道が続き、手すりや休憩所もあります。一方で階段が多く、特に下りでは足やひざに負担がかかります。取材時の区間タイムは、生駒駅から山頂まで約1時間45分、山頂から宝山寺を経て生駒駅まで約1時間25分でした。
生駒ケーブルには、鳥居前駅、宝山寺駅、梅屋敷駅、霞ヶ丘駅、生駒山上駅の5つの駅があり、登山道の途中から乗り降りできます。駅ごとに始発・終発の時刻が異なるため、利用する駅の時刻を事前に確認しておきましょう。
遊園地の休園日でも山頂一帯には立ち入れますが、休園期間は一部のトイレが使えません。
大台ヶ原山

大台ヶ原山は、標高約1,500mの大台ヶ原ビジターセンターから歩き始める日本百名山です。最高点の日出ヶ岳(1,695m)との標高差が小さく、約9kmの周回で立ち枯れの森や断崖の景観を歩けます。
ビジターセンターから樹林の道を登ると、日出ヶ岳の展望デッキに着きます。そこから木道の続く正木峠・正木ヶ原を進み、立ち枯れたトウヒと笹原の中を尾鷲辻、牛石ヶ原へ向かいます。大蛇嵓は断崖に突き出た岩場で、柵はあるものの高度感があります。雨や強風の日は、無理に先端へ進まないでください。
大蛇嵓からは尾鷲辻へ戻り、比較的整備された歩きやすい中道を通ってビジターセンターへ戻ります。より歩きごたえのあるルートとして、大蛇嵓からシオカラ谷を経て戻る道もありますが、シオカラ吊り橋まで長い下りが続き、その先は急な登り返しになります。コース上にトイレはありません。
車の場合は大台ヶ原ドライブウェイを使います。ドライブウェイは例年11月末ごろから4月下旬まで冬期通行止めになり、この間は駐車場とビジターセンターも閉鎖されます。公共交通は、大和八木駅・橿原神宮前駅から季節運行・事前予約制の直通バス(約3時間)を利用できます。帰りの便に間に合うよう歩く時間を決めておきましょう。天候が変わりやすいため雨具を携行し、季節や気温に応じて防寒着も準備しましょう。
三上山

三上山は、JR野洲駅からバスで10分ほどの御上神社付近から歩き始め、短い時間で標高432mの山頂を目指せる山です。富士山のような形から「近江富士」とも呼ばれています。御上神社側から登る道には表登山道と裏登山道があり、ここでは表登山道よりゆるやかな裏登山道を往復するコースを取り上げます。
JR野洲駅南口から滋賀交通バスに乗り、御上神社前で下車します。山中にはトイレがないため、御上神社のトイレを利用しましょう。御上神社から天保義民碑の前にある裏登山口へ向かい、裏登山道を登ります。御上神社側から山頂まではおおよそ1時間が目安です。下りは同じ裏登山道を戻ります。登山口の柵はイノシシの獣害対策のためのものなので、通った後は扉を必ず閉めてください。
裏登山道はゆるやかな区間が多い道ですが、急な坂には丸太の階段や手すりがあります。御上神社は、三上山の登山道について「岩場が多く、急で険しい箇所がある」と案内しています。表登山道は石段が多く、山頂付近に急坂が続くため健脚向きとされています。雨や雪の後は足元が滑りやすくなるため注意しましょう。
御上神社では、三上山の維持管理のため、入山初穂料として大人500円(小学生以下無料)の協力をお願いしています。納入場所は御上神社の授与所で、受付は午前8時30分から午後4時30分までです。車の場合は御上神社の駐車場(無料)を使い、利用は3時間以内とされています。裏登山口にあった登山者用駐車場は閉鎖されているため、利用できません。
護摩壇山・龍神岳

護摩壇山・龍神岳は、高野龍神スカイライン沿いの標高約1,300m地点から歩き始め、和歌山県最高峰の龍神岳(1,382m)に立てる山です。コースは4時間30分・11.6kmの周回で、最大高低差は282m、岩場やクサリ場はありません。
護摩壇山バス停(ごまさんスカイタワー横)から遊歩道を緩やかに登ると、護摩壇山の山頂です。護摩壇山からは展望がないため、東隣の龍神岳まで足をのばします。龍神岳の山頂からは、護摩壇山や紀伊山地の山並みを見渡せます。
護摩壇山に戻った後は、南尾根を下ってブナ林を歩き、スカイラインを横断してワイルドライフの森遊歩道へ入ります。シロヤシオやヤマツツジの森、モミやツガの森を抜けて、護摩壇山バス停に戻ります。高低差は小さいものの距離は長く、林道や車道を横断する箇所もあります。水場はなく、トイレは護摩壇山森林公園ワイルドライフにあります。
アクセスは車が中心で、高野山方面または龍神温泉方面から高野龍神スカイラインを走ります。公共交通は、高野山駅前と護摩壇山を結ぶ季節運行のバスがありますが、便数が限られます。冬期は路面凍結のため、夜間通行止めやチェーン規制が行われます。冬期の期間は年度ごとに変わるため、出発前に和歌山県の道路情報を確認してください。
歩行時間とアクセスから、自分に合う1座を選ぼう

護摩壇山遊歩道
関西には、短時間で山頂を目指せる低山や駅から2〜3時間で歩ける山から、乗り物で標高の高い場所へ上がって歩く山、車で行く高原の周回まで、さまざまな登り方を選べる山があります。比較表で歩行時間と行き方の合う山を選んだら、各山で紹介した注意区間とアクセスの条件を確認してください。
計画の際は、表の時間に休憩時間も見込んだうえで、日没と帰りのバス・ケーブルカーの最終便から逆算しましょう。季節運行の交通や冬期の道路規制、登山道の通行止めは変わることがあるため、出発前に最新の情報を確認してください。

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