高尾山の人気登山コース徹底ガイド 都心から日帰りで楽しめる!

東京都八王子市にある高尾山は、標高599mながら豊かな自然と手軽なアクセスで人気の登山スポットです。初心者でも楽しめるコースが整備されており、観光・レジャーの延長で訪れる人も多いのが特徴。

今回は、森と水の自然にふれられる6号路から、吊り橋のある4号路、そして表参道でもある1号路へと下る、変化に富んだルートをご紹介します。

2025年5月5日 更新

高尾山の登山コースについて知ろう

高尾山には全部で7つの登山ルートがあり、それぞれ道の雰囲気や所要時間、難易度が異なります。舗装路で歩きやすいコースから、沢沿いや吊り橋を通る自然豊かなコースまでバリエーションが豊富。自分の体力や気分に合わせて選べるのが、高尾山の魅力です。

1号路

表参道として整備されており、清滝駅前から薬王院を経て山頂を目指す全長約3.8kmのルートです。道の大半が舗装されているため、登山初心者や家族連れにぴったり。ゆるやかな坂道を進みながら、参道の雰囲気や茶屋めぐりも楽しめます。

距離:3.8km
所要時間:上り1時間45分、下り1時間30分
高低差:404m

2号路

わずか約0.9kmと短めながら、急登も含まれる周遊ルート。少しだけ山歩きの雰囲気を味わいたい方におすすめです。

距離:0.9km
所要時間:35分
高低差:100m

3号路

浄心門から分岐し、南斜面に広がる約2.4kmの自然道は、野草や樹木が豊富で、四季折々の植物観察が楽しめます。混雑を避けたいときにもぴったりのコースです。

距離:2.4km
所要時間:上り1時間5分、下り55分
高低差:114m

4号路

高尾山唯一の吊り橋「みやま橋」を渡るスリリングなルート。全長は約1.5kmと短めですが、橋を越えたあとの急坂が歩きごたえを感じさせてくれます。モミの木が生い茂る森の中を進む、変化に富んだ道です。

距離:1.5km
所要時間:上り55分、下り45分
高低差:114m

5号路

距離0.9km・高低差25mともっとも手軽なルート。山頂付近の景色や植物をゆったり楽しみたい人に向いています。

距離:0.9km
所要時間:30分
高低差:25m

6号路

自然をダイレクトに感じられる人気コース。清滝駅横から始まり、苔むす岩や琵琶滝といった見どころを経て、しっとりとした森のなかを山頂まで登ります。高低差はあるものの、しっかり整備されていて初心者でも挑戦しやすい道です。

距離:3.3km
所要時間:上り1時間35分、下り1時間20分
高低差:389m

稲荷山コース

高尾山の尾根を歩く全長3.2kmのルート。展望台もあり、開放的な眺望が魅力です。登り応えのある尾根道が続き、登山気分をしっかり味わいたい方におすすめです。

距離: 3.2km
所要時間:上り1時間40分、下り1時間20分
高低差:389m

高尾山へのアクセス情報


高尾山口駅

電車でのアクセス

・京王線新宿駅から「高尾山口駅」まで直通約55分

・JR中央線新宿駅から「高尾駅」約42分 、京王線に乗り換え「高尾山口駅」まで約2分

車でのアクセス

中央道・高尾山ICから約3分(駐車場は混雑するため公共交通推奨)

高尾山登山Q&A 準備の基本を押さえよう

靴と服装は?

・6号路や稲荷山コースを歩く場合は、滑りにくいトレッキングシューズがおすすめ。

・動きやすい服装で、速乾性のあるインナー+重ね着が基本。雨具・帽子も忘れずに。

持ち物は?

・水分は最低1リットル、行動食(飴やナッツ)も用意を。

・トイレは山中に少ないため、出発前に済ませておくと安心。

自然を体感する王道登山ルートを歩こう

紹介する登山ルートは、清滝駅近くからスタートし、沢沿いの道をたどる6号路を登ります。滝や伝説の残るスポットを巡りながら、山頂での絶景に癒され、下山は吊り橋「みやま橋」がかかる4号路を経て、整備された1号路を通ってふもとへ戻ります。登山の魅力を一度に味わえる、おすすめの王道ルートです。

所要時間:約3時間40分(休憩を含まず)
距離:約7km
難易度:★★★☆☆
最高地点:599m
高低差:約408m

【START】高尾山口駅〜清滝駅|登山前の準備を整えよう


駅左側のゆるやかな傾斜の舗装路へ

高尾山口駅を出て徒歩5分ほどで、ケーブルカーの発着地である清滝駅に到着。ここには売店や自動販売機があるので、飲み物や軽食の準備を忘れずに。この先、山頂までの間に補給できる場所はほとんどありません。

妙音橋〜岩屋大師|いよいよ6号路の沢沿いトレイルへ


大自然を満喫できる6号路への入口

清滝駅の左手から始まる舗装路を10分ほど歩くと、森へと入る「妙音橋」に到着。ここが6号路の起点です。橋を渡った先からは一気に雰囲気が変わり、木々に囲まれた山道が続きます。


多くの人が祈りに訪れる岩屋大師

少し進むと「岩屋大師」と呼ばれる洞窟のような場所が現れます。雨に濡れた母子に弘法大師が祈りを捧げ、岩を崩して雨宿りをさせたという言い伝えが残る、静寂に包まれた神秘的な場所です。

琵琶滝〜大山橋|自然の音に包まれて進む森の道


mの小さな滝「琵琶滝」

さらに進むと、6号路の見どころのひとつ「琵琶滝」に到着。薬王院の水行道場として使われるこの滝は、一般の立ち入りは禁止されていますが、事前予約をすれば滝行体験も可能。ごうごうと流れる滝の音が、森にこだまします。


6号路全行程の2/3あたり「大山橋」 

滝を過ぎると、道は徐々に傾斜を増しつつ、杉林の中へと続きます。途中にある「大山橋」は沢にかかる小さな橋。周囲にはヤマアジサイやセッコクなどの植物が群生し、季節によってさまざまな表情を見せてくれます。


杉の木に咲く白いセッコクの花

最後の登り〜山頂|達成感あふれる展望スポットへ


足場が悪く勾配もある区間

大山橋を渡ると、6号路はいよいよ終盤戦。清らかな沢と別れを告げるように道は徐々に急勾配になり、足元は濡れた岩や木の根が複雑に絡む滑りやすいコンディションへと変わっていきます。ぬかるんだ箇所や細い山道もあるため、すれ違う登山者への配慮も忘れずに、安全第一で進みましょう。

やがて目の前に現れるのが、6号路の名物スポット「飛び石」。靴裏をしっかりと確かめながら、焦らず慎重に渡り切りましょう。飛び石の手前からは、稲荷山コースへ抜ける分岐もあります。


最後の難関は木製階段

飛び石を越えると、最後の登りが待ち構えています。前方に姿を現すのは、延々と続く長い木製の階段。6号路を象徴するクライマックスともいえるこの階段は、まさに登山者への“最後の試練”。太ももにじわりと効く感覚と戦いながら、一段一段を噛みしめるように上がっていきます。

 
5号路との合流地点手前の広場

階段を登りきると、木立に囲まれた小さな広場が登場。ここは息を整え、汗をぬぐい、リュックを下ろして一息つくのにちょうどいいポイントです。木漏れ日が差し込む穏やかな空間で、6号路を登りきった達成感を味わいましょう。

広場の先には5号路との合流点があり、ここから山頂まではあと少し。次に見えてくるのは、高尾山の頂きと、その先に広がる絶景です。


大見晴園地からの展望

天気が良ければ、遠く富士山の姿や丹沢の山なみも望むことができます。高尾山を登りきった達成感を味わいましょう。

4号路〜みやま橋|吊り橋を渡る爽快な下りルート


8頂上から少し下ったところにある4号路入口

山頂で景色と達成感を堪能したあとは、少し戻って4号路の入口から下山を開始します。4号路はより自然に近い雰囲気が残る静かなルート。


木の根が覆う山道を行く

足元には太く張り出した木の根が走り、木漏れ日が揺れる森の中を縫うように進んでいきます。耳を澄ませば、野鳥のさえずりや風が葉を揺らす音が心地よく、登りの疲れもいつの間にか癒されていくような感覚になります。


8自然のなかに架かる吊り橋

木の根が張り出した緑の道を進んでいくと、やがて「みやま橋」が見えてきます。高尾山で唯一の吊り橋であり、このルートの大きな見どころのひとつです。


橋上で記念撮影を

木々に囲まれた静かな谷に架かるみやま橋は、四季折々の自然と調和する美しさをまとい、特に春の新緑や秋の紅葉シーズンには、まるで絵画のような景色です。

浄心門〜かすみ台展望台〜金比羅台園地|眺望も充実の終盤


坂を上って1号路へ 

吊り橋を過ぎると、やがて表参道でもある1号路に合流します。ここからは舗装された広めの道が続くので、歩きやすさもアップ。


眺望を楽しもう 

舗装路をしばらく歩いていくと現れるのが「かすみ台展望台」。高尾山駅方面を見晴らすことができる、開放感のあるビュースポットです。石畳の上にベンチが並び、ちょうどいい休憩スポットです。天気がよければ青空の下に街の輪郭がくっきりと浮かび上がり、遠くには都心のビル群が小さく見えることも。

高尾山ケーブルカーの高尾山駅に隣接しているので、疲れていればケーブルカーで下山するのもおすすめです。眺望を楽しんだら、リフト乗り場方面へ進みましょう。


万惣大師を過ぎたところで、1号路から離れてまっすぐ向かう

さらに進み、1号路を外れて少し歩いた先には「金比羅台園地」という穴場の展望台もあります。


ベンチなどもあり、休憩にも便利 

ここでは八王子の街並みや遠くの高層ビル群まで見渡せ、最後の休憩にぴったりのスポットです。

【GOAL】清滝駅前|無事下山!温泉で疲れを癒そう


大きな石畳の道になったらゴールはもうすぐ

金比羅台園地からの展望を満喫したら、いよいよ登山のラストステージへ。木々に囲まれた緩やかな下り坂を進むと、やがて足元は整備された石畳へと変わります。


4「髙尾山薬王院」の大きな石柱が立つ

やがて視界が開け、出発地点だった清滝駅前に到着。高尾山の自然を全身で感じながら完歩できたことに、心からの満足感を味わえるはずです。


京王高尾山温泉 極楽湯

歩き終えたらぜひ「京王高尾山温泉 極楽湯」へ。高尾山口駅に隣接しており、露天風呂や檜風呂などの多彩な湯がそろっているので、登山の疲れをゆっくりと癒やすことができます。

高尾山でぜひ立ち寄りたい2つのスポット

自然豊かな高尾山では、登山そのものはもちろん、道中や下山後にも立ち寄って楽しめる魅力的なスポットが点在しています。

京王高尾山温泉 極楽湯|登山後のリフレッシュに最適な天然温泉

高尾山でたっぷり汗をかいた後は、「京王高尾山温泉 / 極楽湯」でのんびり癒やしのひとときを。高尾山口駅に直結するこの温浴施設は、駅構内から専用通路でアクセスでき、登山や観光の締めくくりに立ち寄りやすいロケーションが魅力です。

「自然のなかで心と体を整える」をコンセプトに、露天岩風呂、檜風呂、炭酸風呂、サウナなど多彩な浴槽が揃い、男女ともにゆったりと湯浴みが楽しめます。特に檜の香りが漂う露天風呂は、自然に囲まれた高尾山ならではの開放感があり、登山後の疲れた体をじんわりと癒してくれます。

湯上りには館内の食事処で地元食材を使った料理や、季節限定の甘味を楽しむことも可能。また、マッサージや休憩スペースも完備されており、帰宅前のリフレッシュにぴったりです。

京王高尾山温泉 極楽湯
料金:大人1,100円(平日)、1,300円(土・日曜、祝日・繁忙期)
営業時間:8:00~22:30(最終受付21:45)
休業日:無休
アクセス:京王線高尾山口駅となり

髙尾山薬王院|山岳信仰の歴史が息づく祈りの聖地

尾山の中腹、標高約500メートルの位置にあるのが「髙尾山薬王院」。真言宗智山派に属する祈祷寺で、奈良時代の天平16年(744年)、僧・行基が聖武天皇の勅命により薬師如来を祀ったのが起源と伝えられています。

薬王院は古来より修験道の霊場として多くの修行者が訪れ、今もなお全国から参拝者が絶えません。特に1月の初詣、2月の節分、3月の火渡り祭などには大勢の人が訪れ、境内には神秘的な祈りの空気が満ちています。

境内には本堂のほか、天狗像、願掛けの輪くぐり、金運・縁結びなどご利益スポットも点在しています。

髙尾山薬王院
営業時間:8:30~16:00
休業日:無休

高尾山登山を楽しむためのアドバイス

 

靴の選び方

舗装された1号路のみならスニーカーでも問題ありませんが、今回のような山道を含むコースでは、トレッキングシューズがおすすめ。滑りにくく足への負担も軽減されます。

服装のポイント

山頂は気温が平地より2~3度低いため、脱ぎ着しやすいレイヤリングが基本。速乾性のある素材を選び、帽子とレインウェアも忘れずに。

持ち物

水分は必ず持参し、できれば1リットル以上を目安に。道中に茶店は少ないため、行動食として飴やチョコレートなども用意しましょう。

トイレ事情

1号路以外ではトイレの数が限られます。事前にマップでトイレの位置を確認し、余裕を持った行動を心がけてください。

高尾山で気軽に日帰り登山を楽しもう

四季折々の自然と静けさにふれながら、都心からわずか1時間で「登った満足感」が得られる高尾山。なかでも6号路〜4号路+1号ルートは、沢・滝・吊り橋と変化に富み、登山ビギナーからリピーターまで幅広くおすすめできるコースです。

ぜひ週末のリフレッシュに、高尾山での登山を楽しんでみてください。

登山地図ナビアプリ
山と高原地図ホーダイ
山と高原地図ホーダイ
登山のための専用地図
60年以上の実績を誇る「山と高原地図」がスマホで使える!各山の専門家の現地調査に基づいた信頼できる登山情報アプリ。
登山道、コースタイム情報、コースの見どころ、山小屋や水場など登山者に必須の情報がすべて掲載!