関東周辺の日帰り登山スポット10選　初心者でも絶景と達成感を楽しめる名山ガイド

歴史と自然が織りなす、都心のオアシス「高尾山」

東京都八王子市に位置する高尾山は、標高599mと低山ながら、関東エリアの初心者向け日帰り登山スポットとして絶大な人気を誇る山。都心の新宿から電車で1時間ほどとアクセスが良く、初心者でも気軽に登山が楽しめます。

また山頂周辺は高尾山薬王院の霊域となっており、登山と合わせて歴史に触れられるのも大きな魅力です。令和2年には「霊気満山 高尾山」として東京都内初の日本遺産に認定され、歴史と信仰の山としての価値が改めて注目されています。

山頂からは、雄大に佇む日本最高峰「富士山」を望む

おすすめは、吊り橋が楽しめる4号路。自然林の中を縫うように進むこのコースは、舗装されていない土の道が中心で、木漏れ日を浴びながら静かな山歩きが楽しめます。そのほかにも、薬王院を巡りながら山頂を目指す王道の1号路や、自然観察が楽しめるコースなど、バリエーション豊富な登山道が整備されています。

山頂からは晴れた日には富士山（標高3,776m）まで望め、春は桜、初夏は新緑、秋は紅葉と、いつ訪れても違った表情に出会えるのも魅力です。下山後は天狗焼（高尾山スミカ）や、名物のとろろそばを味わったりと、登山以外の楽しみも充実。登山初心者でも安心して楽しめる、関東屈指のやさしい山です。

日本百名山デビューにぴったりの「筑波山」

茨城県つくば市にそびえる筑波山は、標高877mと日本百名山の中では最も標高が低く、関東の日帰り登山スポットとして初心者にも人気の山です。「西の富士、東の筑波」と称されるほど、古来から親しまれてきた信仰の山で、山頂からは関東平野を一望できます。

男体山と女体山の二つの峰があり、登山初心者でも安心して登れるのが魅力です。ロープウェイやケーブルカーも整備されているので、体力に自信がない人でも安心。

頂上の先に待つ、関東平野の大展望に感動

おすすめは、筑波山神社から白雲橋（はくうんきょう）コースを登り、御幸ヶ原（みゆきがはら）コースを下る約3時間〜3時間半の周回ルート。途中には奇岩怪石が点在し、神話の世界に迷い込んだような雰囲気が楽しめます。女体山の山頂からは、関東平野を一望する息を呑む風景が広がります。

山頂の拠点になっている御幸ヶ原には売店や展望台があり、地元の食材をふんだんに使った「つくばうどん」が名物です。家族連れでも1日中楽しむことができ、初心者からリピーターまで、何度でも訪れたい山です。

建長寺の境内と太平洋を一緒に望む絶景パノラマ

神奈川県鎌倉市に広がる鎌倉アルプスは、正式には天園（てんえん）ハイキングコースとして親しまれています。最高峰の大平山（おおひらやま）でも標高は159mと低めですが、関東近郊の日帰り登山コースとして、鎌倉の街並みと相模湾を見渡す気持ちの良い尾根道が続き、歴史と自然を同時に楽しめる初心者向けのルートとして人気です。

コースは北鎌倉の建長寺からスタートし、瑞泉寺（ずいせんじ）までの約3.5km。途中には鎌倉時代の切通しや古道、鎌倉市街を見渡す展望台など見どころが点在しています。

陽光が透けて淡く輝く新緑は、心洗われる美しさ

アップダウンも緩やかで、登山初心者や家族連れでも安心して歩けるのが嬉しいポイント。春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉と季節ごとの風景も美しく、寺社巡りと組み合わせて半日から一日楽しめます。

途中でお弁当を広げてピクニック気分を味わったり、下山後に小町通りで食べ歩きをするのもおすすめ。東京都心からのアクセスも良好で、休日に気軽に自然とふれあえる日帰りハイキングスポットです。

山中湖に富士山が寄り添うような壮大な絶景パノラマ

山梨県山中湖村に位置する鉄砲木ノ頭（てっぽうぎのあたま、別称：明神山）は、標高1,291mと手頃な高さながら、関東エリアの日帰り登山として富士山の絶景を堪能できる隠れた名スポットです。

山中湖のすぐ脇にあり、登山口までは山中湖明神山パノラマ台の駐車場から徒歩すぐ。登山道は比較的短く、初心者でも1時間ほどで山頂に到着できるので、山中湖周辺に宿泊したときの朝の散策にもおすすめです。

日本屈指の高峰たちが浮かび上がるように佇む

山頂からは眼前に大迫力の富士山（標高3,776m）、眼下には山中湖が広がり、その景色の美しさは息を呑むほど。天気が良ければ南アルプスや八ヶ岳も遠望できます。周辺の草原では四季折々の花が咲き、春の新緑、秋のススキ野原も見事です。

往復およそ2時間と手軽に登れるため、初めての登山にも選ばれやすく、関東近郊で気軽に絶景を楽しめるルートとして人気があります。富士五湖周辺のドライブや観光と合わせて楽しめば、満足度の高いハイキング旅になります。短時間で絶景を味わいたい初心者ハイカーにイチオシの名山です。

初めての富士山展望ハイクにおすすめ「三ツ峠山」

山梨県都留市にある標高1,785mの三ツ峠山（みつとうげやま）は、富士山展望の素晴らしさで知られる日本二百名山の一つで、関東から日帰りで楽しめる人気の登山スポットです。

登山口はいくつかありますが、最もポピュラーなのは三ツ峠登山口からのコース。駐車場はすぐに満車になるので、朝9時前の到着がおすすめです。登山口から林道を進むなだらかな道は、初心者でも安心して歩けるコースで、木漏れ日を浴びながら爽やかな時間が過ごせます。

四季折々の花々が彩る静かな登山道

道中では高山植物や可憐な花々に癒され、季節ごとの一期一会も魅力の一つです。山頂手前には「三ッ峠山荘」があり、富士山の大パノラマを眺めながらひと休み。ここから山頂まではあと10分ほど、最後の階段を上れば甲州の山並みと雄大な富士山が迎えてくれます。

往復約3時間という手軽さと、秀峰・富士（標高3,776m）の絶景が人気の理由です。下山も往路と同じ道を戻ります。心地よい山の空気を感じながら歩ける、初心者にもやさしい関東近郊の絶景登山ルートです。

ロープワークが冒険心をくすぐる「伊予ヶ岳」山頂直下

千葉県南房総市に位置する伊予ヶ岳（いよがたけ）は、標高336mと低山ながら房総半島随一の展望を誇る、関東の初心者向け日帰り登山スポットです。「房総のマッターホルン」とも呼ばれる鋭峰で、小ぶりながら急峻な岩場があり、ちょっとしたスリルを味わえるのも特徴です。

アクセスはJR内房（うちぼう）線の岩井駅からバスを利用し、登山口へ。登山道はよく整備されていて道迷いの心配も少なく、体力的にも登りやすいですが、山頂直下にはロープを頼りに岩をよじ登る場所があるため、高所が苦手な方や登山に慣れていない方は慎重に進みましょう。

切り立った岩峰は、四国の名峰・石鎚山を思わせる

山頂に到達すると、南房総の海が360度広がり、晴れていれば遠くに富士山（標高3,776m）を望むこともできます。その一方で、房総半島特有の深い山の奥行きも存分に感じられ、標高200m～300mとは思えないほど雄大な山並みが、冒険心をかき立ててくれます。

また、南峰の山頂に立ったら、ぜひ隣接する北峰まで足をのばしてみてください。房総の山々に抱かれながら空と向き合うように立つその景色は、伊予ヶ岳の別名の由来ともなった石鎚山（いしづちさん、標高1,982m）の天狗岳を思わせる、迫力の絶景が待っています。都心から日帰りで訪れられるとは思えないような冒険心と絶景が味わえる、関東屈指の個性派低山です。

白馬のモニュメントは関東ハイカーに人気のフォトスポット

東京都と神奈川県の県境に位置する陣馬山は、標高854mのなだらかな山で、関東の初心者向け日帰り登山スポットとして人気を集めています。

白馬のモニュメントがシンボルで、山頂からは360度の大パノラマが広がり、富士山や南アルプスをはじめとして、奥多摩、丹沢の山並みを一望できます。JR高尾駅から陣馬高原下、JR藤野駅から陣馬登山口までバスが通じており、登山口へのアクセスも良好です。

山頂の茶屋で味わうグルメやドリンクも魅力の一つ

おすすめは、陣馬高原下バス停から登り、明王峠を経由して高尾山まで縦走するコース。変化に富んだ尾根道を歩け、体力に応じて途中で下山も可能です。山頂に立ち並ぶ茶屋では、登山の疲れを癒す名物グルメが味わえます。

陣馬山の茶屋では、山菜たっぷりの「陣馬うどん」や「陣馬そば」、手作りのこんにゃく、素朴な味わいの「けんちん汁」が人気。さらに、地元藤野産の柚子を使った爽やかなサイダーやシャーベットも好評です。

高尾山とセットで楽しめる奥高尾縦走コースは、初級者から体力を少しずつつけていきたい方にもぴったりのルートです。

澄んだ空に映える富士を望む「大岳山」山頂

東京都西多摩郡奥多摩町にある大岳山（おおだけさん）は、標高1,266mの日本二百名山で、関東の日帰り登山スポットとして初心者にも人気のある奥多摩エリアの名峰です。

御岳山から続く縦走ルートが人気で、初級者でも無理なく挑戦できるのが魅力です。御岳（おんたけ）登山鉄道のケーブルカーを利用して御岳山駅までアクセスした後、武蔵御嶽（むさしおんたけ）神社を参拝した後に登山道へと進みます。

岩と苔の芸術を味わいながら歩くロックガーデン

途中にはロックガーデンと呼ばれる渓谷沿いの美しい苔むした散策路があり、マイナスイオンを浴びながらの森林浴が心地よいです。山頂付近には少し岩場もありますが、手を使いながら慎重に進めば問題なく通過できる程度で、登山初心者でも不安を感じにくいレベルです。

山頂からは富士山、奥多摩の山並み、関東平野を一望でき、達成感もひとしおです。春の新緑、秋の紅葉、冬の澄んだ空気と、どの季節に訪れてもそれぞれの魅力があります。帰りには武蔵御嶽神社に再びお参りして、心身ともにリフレッシュできるのも大岳山登山の楽しみの一つです。

多くの登山者を魅了する、関東屈指の山域「丹沢山」

神奈川県のほぼ中央に位置する丹沢山（たんざわさん）は、標高1,567mの日本百名山のひとつで、首都圏を代表する山岳地帯・丹沢山地の主峰です。単独の山を指す場合と、丹沢山地の中央部をまとめて「丹沢山」と呼ぶ場合があり、関東から日帰り可能な登山スポットとして親しまれています。

登山道は複数ありますが、人気なのは秦野市の大倉から塔ノ岳（標高1,491m）を経て丹沢山に向かう「大倉尾根ルート」。道がよく整備されていて、登山に慣れてきた人のステップアップにも最適です。塔ノ岳からは富士山や相模湾、関東平野が一望でき、さらに丹沢山や蛭ヶ岳まで足を延ばせば、静かな稜線歩きも楽しめます。

丹沢山へ登ったら、爽快な稜線歩きを楽しみたい

春のヤマザクラ、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の霧氷など、四季折々の景色も魅力です。尊仏山荘や花立山荘などの山小屋もあり、初めての宿泊登山にも挑戦しやすい環境。下山後は秦野市内の温浴施設で疲れを癒し、地元グルメを堪能するのもおすすめです。

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神話の島ならではの独特の趣を放つ「天上山

東京都の伊豆諸島、神津島（こうづしま）にある天上山（てんじょうさん）は、標高572mと比較的低く、関東からアクセスできる離島の山として、初心者にも人気のトレッキングスポットです。「神々が宿る山」として島民に古くから崇められ、島のほぼ中央にそびえるその姿は圧倒的な存在感を放ちます。

登山口はいずれも神津島港から歩いてアクセスでき、海辺から山頂まで自分の足で登り切る“シートゥサミット”を気軽に体験できるのも魅力。文字通り、海から山頂までを踏破するという、離島ならではの登山体験が楽しめます。

雲の隙間から伊豆七島にスポットライトが当たる

おすすめは、白島登山道と黒島登山道を組み合わせて山頂をぐるりと巡る周回ルート。所要時間は2時間〜2時間半ほどで、急登も少なく歩きやすいため、初心者でも安心して楽しめます。

山頂付近には岩と砂が広がる荒涼とした地形が広がり、まるで別世界に足を踏み入れたような気分に。青く輝く太平洋と神津島の全景を一望できる山頂からの眺めは、息をのむ美しさです。「天上山」という名の通り、天を歩くような縦走路や伊豆七島・八丈島まで見渡せるパノラマ、山上に広がる砂漠のような風景など、東京とは思えない非日常の絶景が次々と現れます。

アクセスの都合上、都内からの日帰り登山はやや難しく、基本的には宿泊を前提に訪れるのがおすすめです。ただし、調布飛行場からの航空便を利用すれば、天候や時間帯がうまく合えば日帰りも可能です。 それでも足を運ぶ価値のある、離島トレッキングの魅力が詰まった一座です。

高尾山から陣馬山まで縦走する奥高尾縦走コースもおすすめ

関東には、初心者でも気軽に挑戦できる日帰り登山の名所が豊富に揃っています。それぞれの山に展望や歴史、茶屋グルメなど、登った人だけが出会える楽しみが詰まっており、都心からのアクセスも良好。ケーブルカーで山頂を目指したり、尾根歩きで少しずつステップアップしたりと、自分のペースで登山を楽しめます。

季節や天候によっても異なる表情が楽しめるため、何度訪れても新しい発見があるのも魅力。週末のリフレッシュやレジャーに、今回ご紹介した関東の山をぜひ訪れてみてください。

ルート確認や現在地の把握には「山と高原地図ホーダイ」も活用して、安心・快適な山歩きを楽しみましょう。