トレランシューズは、軽くて足さばきがよく、整備された登山道や日帰り登山では快適に歩きやすいシューズです。登山靴よりも軽快に動けるため、低山ハイキングや荷物の少ない山行で選ぶ人も増えています。
一方で、トレランシューズは登山靴の完全な代わりではありません。重い荷物を背負う縦走、岩場やガレ場が多いコース、悪天候が予想される登山では、足首のサポート力や保護力に優れた登山靴の方が安心な場合もあります。
この記事では、トレランシューズを登山で使うときの選び方、登山靴との違い、おすすめブランド6選を紹介します。
目次
トレランシューズが登山に向く場面・向かない場面
トレランシューズは、すべての登山に向いているわけではありません。軽くて歩きやすい一方で、登山靴に比べると足首のサポート力や足元の保護力は控えめです。
そのため、整備された登山道や日帰り登山では使いやすい一方、重い荷物を背負う縦走や、岩場・ガレ場が多いコースでは登山靴の方が安心な場合があります。まずは、どのような山行に向いているのかを整理しておきましょう。
| 項目 | 向いている登山 | 向かない登山 |
| 登山道の状態 | 整備された登山道、低山ハイキング、歩きやすい尾根道 | 岩場、ガレ場、ザレ場、ぬかるみが多い道 |
| 荷物の重さ | 日帰り装備、軽量装備の山行 | テント泊装備、重い荷物を背負う縦走 |
| 行動時間 | 短時間〜日帰りの登山 | 長時間歩行や連泊の山行 |
| 天候 | 晴天時、路面が乾いている日 | 雨天、ぬかるみ、低温時、悪天候が予想される日 |
| 重視するポイント | 軽さ、足さばき、スピード感、疲れにくさ | 足首の保護、防水性、安定感、足元の保護力 |
低山や整備された登山道なら使いやすい
トレランシューズは、軽くて足さばきがよいため、低山ハイキングや整備された登山道と相性がよいです。日帰り装備で荷物が軽い山行なら、登山靴よりも軽快に歩ける場面があります。
特に、足元が比較的安定しているコースや、長い林道歩き、アップダウンの少ない登山道では、トレランシューズの軽さがメリットになりやすいでしょう。
岩場・ガレ場・重い荷物の山行では注意
一方で、岩場やガレ場が多いコースでは、足裏やつま先をぶつけやすくなります。トレランシューズは登山靴よりも柔らかいモデルが多いため、足元の保護力や安定感に不安を感じる場面もあります。
また、テント泊装備や重いザックを背負う山行では、足首や足裏への負担が大きくなります。荷物が重いときや悪天候が予想されるときは、登山靴を選んだ方が安心です。
登山初心者は短いコースから試す
初めてトレランシューズを登山で使う場合は、いきなり長時間の山行で使うのではなく、まずは低山や短めのコースで試すのがおすすめです。
登山靴とは履き心地や足裏の感覚が違うため、下りでの安定感、足裏の疲れ方、つま先の当たり方を確認しておくと安心です。自分の歩き方や山行スタイルに合うかを見極めながら使いましょう。
トレランシューズと登山靴の違い
トレランシューズと登山靴の違いは、軽さ、サポート力、防水性、足元の保護力にあります。
トレランシューズは軽くて足さばきがよく、歩行中の負担を抑えやすいのが特徴です。一方で、足首まわりのサポートやソールの硬さ、つま先や足裏の保護力は、登山靴に比べて控えめなモデルが多くなります。
登山靴は、重い荷物を背負う山行や足場の悪い登山道で安定感を得やすいのが特徴です。ソールやアッパーがしっかりしているため、岩や木の根、ぬかるみなどから足を守りやすく、悪天候時にも安心感があります。
つまり、トレランシューズは軽快さを重視したい山行、登山靴は安定感や保護力を重視したい山行に向いています。どちらが優れているかではなく、登る山や荷物の重さ、天候に合わせて使い分けることが大切です。
登山で使うトレランシューズの選び方

画像:Canva
登山でトレランシューズを使うなら、軽さだけで選ばないことが大切です。トレランシューズは軽快に歩ける一方で、登山靴よりも足元の保護力やサポート力が控えめなモデルもあります。
低山ハイキングや日帰り登山で使う場合でも、グリップ力、足裏の保護力、フィット感、防水性の有無を確認して選びましょう。
グリップ力を確認する
登山道では、土、岩、木の根、濡れた路面など、さまざまな地面を歩きます。トレランシューズを登山で使うなら、アウトソールの凹凸がしっかりしていて、滑りにくいモデルを選ぶことが大切です。
特に下りでは、グリップ力の差が歩きやすさに影響します。整備された登山道が中心でも、雨上がりやぬかるみでは滑りやすくなるため、ソールの形状は確認しておきましょう。
足裏の保護力を見る
トレランシューズは軽さを重視したモデルも多いため、足裏の保護力に差があります。岩や木の根を踏んだときに足裏へ衝撃が伝わりやすいモデルだと、長時間歩いたときに疲れや痛みにつながることがあります。
登山で使うなら、ある程度ソールに厚みがあり、足裏を守りやすいモデルを選ぶと安心です。岩場やガレ場を歩く機会が多い場合は、軽さよりも保護力を優先しましょう。
フィット感とサイズ感を重視する
トレランシューズは、登山靴よりも足に近い感覚で履くモデルが多く、フィット感が重要です。サイズが合っていないと、下りでつま先が当たったり、靴の中で足が動いて靴擦れしやすくなります。
登山で使う場合は、普段履きのサイズだけで判断せず、登山用ソックスを履いた状態で試すのがおすすめです。下りでつま先が当たらないか、かかとが浮かないか、足幅がきつすぎないかを確認しましょう。
防水モデルか非防水モデルかを選ぶ
トレランシューズには、GORE-TEXなどの防水モデルと、通気性を重視した非防水モデルがあります。
防水モデルは、雨やぬかるみで足が濡れにくい一方、蒸れやすさを感じることがあります。非防水モデルは通気性が高く、乾きやすい反面、雨や水たまりでは濡れやすくなります。
低山や夏の登山では通気性を重視したモデル、雨やぬかるみが心配な山行では防水モデルを候補にすると選びやすいでしょう。
クッション性と安定感のバランスを見る
クッション性が高いトレランシューズは、足裏への衝撃をやわらげやすく、長く歩くときに快適です。ただし、厚底のモデルは足元の感覚がつかみにくく、岩場や不整地で不安定に感じる場合もあります。
登山で使うなら、クッション性だけでなく、横ブレしにくいか、下りで安定して歩けるかも確認しましょう。初めて選ぶ場合は、極端に軽いモデルや厚底すぎるモデルよりも、グリップ力と安定感のバランスがよいモデルを選ぶと安心です。
まずは日帰り・整備道向けに選ぶ
初めて登山でトレランシューズを使うなら、低山や整備された登山道、日帰り登山を想定して選ぶのがおすすめです。いきなり長時間の山行や岩場の多いコースで使うのではなく、短めのコースで履き心地を確認しましょう。
トレランシューズは、登山靴より軽快に歩ける反面、向き不向きがあります。登る山、荷物の重さ、天候に合わせて、登山靴と使い分けることが大切です。
登山におすすめのトレランシューズブランド6選
登山向けトレランシューズを選ぶときは、まず信頼できるブランドから比較すると選びやすくなります。
ただし、同じトレランシューズでも、軽さを重視したモデル、クッション性を重視したモデル、岩場や下りでの安定感を重視したモデルなど、特徴はさまざまです。登山で使うなら、走りやすさだけでなく、歩きやすさ、グリップ力、足裏の保護力、下りでの安定感も確認しておきましょう。
ここでは、登山でも使いやすいトレランシューズを展開しているおすすめブランドを、代表的なモデルの特徴とあわせて紹介します。
サロモン(SALOMON)
安定感とグリップ力を重視したい人に
サロモンは、トレランシューズの定番ブランドです。登山で使うなら、安定感とグリップ力のバランスがよいモデルを選びやすいのが魅力です。
おすすめモデルは「XA PRO 3D V9」シリーズです。足をしっかり支える安定感があり、整備された登山道から不整地まで対応しやすいモデルです。防水性を重視するなら、GORE-TEXモデルも候補になります。
登山靴からトレランシューズへ移行したい人や、下りで足元のブレが気になる人に向いています。
特徴
・グリップ力と安定感のバランスがよい
・登山向きに使いやすいモデルが多い
・防水モデルも選びやすい
こんな人におすすめ
・初めて登山でトレランシューズを使う人
・下りや不整地での安定感を重視したい人
・定番ブランドから選びたい人
ホカ(HOKA)
クッション性を重視して長く歩きたい人に
ホカは、厚みのあるソールと高いクッション性で人気のブランドです。登山で使うなら、足裏への衝撃をやわらげやすく、長時間歩行でも疲れにくいモデルを選びやすいのが特徴です。
おすすめモデルは「SPEEDGOAT」シリーズです。クッション性とグリップ力のバランスがよく、日帰り登山や整備された登山道を軽快に歩きたい人に向いています。
一方で、厚底に慣れていない人は、下りや岩の多い道で足元の感覚がつかみにくい場合もあります。試着時には、安定感や横ブレの少なさも確認しておきましょう。
特徴
・クッション性が高い
・足裏への衝撃をやわらげやすい
・長時間歩行と相性がよい
こんな人におすすめ
・下りで足裏が痛くなりやすい人
・クッション性を重視したい人
・日帰り登山を快適に歩きたい人
アルトラ(ALTRA)
つま先のゆとりを重視したい人に
アルトラは、つま先にゆとりを持たせた設計が特徴のブランドです。足指を自然に使いやすく、窮屈なシューズが苦手な人や、下りでつま先が当たりやすい人に向いています。
おすすめモデルは「LONE PEAK」シリーズです。足幅に余裕を持たせやすく、日帰り登山や軽量装備の山歩きで使いやすいモデルです。
ただし、アルトラは独自の履き心地に特徴があるため、初めて履く場合は慣れも必要です。特に登山靴から履き替える場合は、いきなり長時間の山行で使わず、短めのコースから試すと安心です。
特徴
・つま先にゆとりがある
・自然な足運びをしやすい
・足幅が広めの人にも選びやすい
こんな人におすすめ
・下りでつま先が当たりやすい人
・足幅に余裕のあるシューズを探している人
・軽量な山歩きに使いたい人
スポルティバ(LA SPORTIVA)
岩場やガレ場での安心感を重視したい人に
スポルティバは、登山靴やクライミングシューズでも知られる山岳ブランドです。トレランシューズでも、岩場やガレ場での安定感を意識したモデルを選びやすいのが魅力です。
おすすめモデルは「Bushido」シリーズです。足元のブレを抑えやすく、岩の多い登山道や段差のあるルートで安心感を得やすいモデルです。
軽さだけを重視するよりも、登山寄りの安定感や足裏の保護力を優先したい人に向いています。
特徴
・岩場や不整地での安定感を重視しやすい
・登山寄りのモデルを選びやすい
・足元の保護力を意識した作りが多い
こんな人におすすめ
・岩場や段差のある登山道を歩くことが多い人
・軽さより安心感を重視したい人
・登山ブランドのトレランシューズを選びたい人
メレル(MERRELL)
登山とトレランの中間的な履き心地を求める人に
メレルは、ハイキングシューズやアウトドアシューズで知られるブランドです。トレランシューズでも、登山で使いやすい安定感や足裏の保護力を備えたモデルを選びやすいのが特徴です。
おすすめモデルは「AGILITY PEAK」シリーズです。クッション性とグリップ力のバランスがよく、初めて登山でトレランシューズを試す人にも選びやすいモデルです。
極端な軽さよりも、歩きやすさと安心感のバランスを重視したい人に向いています。
特徴
・ハイキング寄りの安心感がある
・クッション性とグリップ力のバランスがよい
・初めてでも比較しやすいモデルがある
こんな人におすすめ
・登山靴ほど重い靴は避けたい人
・初めて登山でトレランシューズを使う人
・日帰り登山中心で使いやすい一足を探している人
アディダス テレックス(adidas TERREX)
登山にも普段使いにも使いやすい一足を探している人に
アディダス テレックスは、アウトドア向けのシューズやウェアを展開するシリーズです。トレランシューズでも、グリップ力とデザイン性のバランスがよく、登山だけでなく普段使いもしやすいモデルを選びやすいのが特徴です。
おすすめモデルは「TERREX AGRAVIC」シリーズです。トレイルでのグリップ力や安定感を意識したモデルがあり、整備された登山道や低山ハイキングで使いやすい候補になります。
登山専用というより、山歩きと街歩きを兼用したい人に向いています。
特徴
・グリップ力とデザイン性のバランスがよい
・普段使いもしやすい
・低山ハイキングにも使いやすい
こんな人におすすめ
・登山と普段使いを兼用したい人
・低山や整備された登山道が中心の人
・スポーティなデザインを重視したい人
どのブランドを選ぶべき?
登山で使うトレランシューズQ&A

トレランシューズを登山で使うときは、登山靴との違いや、どの山行に向いているのかが気になるところです。購入前に確認しておきたいポイントをQ&A形式で整理します。
Q1. トレランシューズは登山で使えますか?
A. 低山ハイキングや整備された登山道、荷物の少ない日帰り登山であれば、トレランシューズも選択肢になります。軽くて足さばきがよいため、登山靴より軽快に歩きやすい場面があります。
ただし、すべての登山に向いているわけではありません。岩場やガレ場が多いコース、重い荷物を背負う縦走、悪天候が予想される登山では、登山靴の方が安心な場合があります。
Q2. 登山初心者がトレランシューズを履いても大丈夫ですか?
A. コースを選べば使えます。まずは、低山や整備された登山道、短時間の日帰り登山から試すのがおすすめです。
登山初心者の場合、足場の悪い道や長時間の下りで疲れやすくなることがあります。いきなり難しい山で使うのではなく、短めのコースで履き心地や下りでの安定感を確認しましょう。
Q3. トレランシューズは登山靴の代わりになりますか?
A. 条件によっては代わりになりますが、完全な代替ではありません。軽量装備の日帰り登山や整備された登山道では使いやすい一方、足首のサポート力や足元の保護力は登山靴の方が優れています。
重い荷物を背負う山行や、岩場・ガレ場が多いコースでは、登山靴を選んだ方が安心です。山行内容に合わせて使い分けましょう。
Q4. 防水のトレランシューズを選んだ方がよいですか?
A. 雨やぬかるみが心配な山行では、防水モデルが候補になります。GORE-TEXなどの防水モデルは、足が濡れにくい点がメリットです。
一方で、夏の低山や晴天時の登山では、通気性や乾きやすさを重視した非防水モデルの方が快適な場合もあります。防水性だけでなく、季節や登山道の状態に合わせて選ぶことが大切です。
Q5. トレランシューズで岩場やガレ場は歩けますか?
A. 歩ける場合もありますが、注意が必要です。トレランシューズは軽くて動きやすい反面、登山靴に比べると足裏やつま先の保護力が控えめなモデルもあります。
岩場やガレ場が多いコースでは、ソールの硬さ、グリップ力、足元の安定感を重視しましょう。不安がある場合は、登山靴を選んだ方が安心です。
Q6. サイズは普段履きと同じでよいですか?
A. 普段履きのサイズだけで選ばない方がよいです。登山では下りで足が前に動きやすく、サイズが合っていないとつま先が当たったり、靴擦れが起きたりします。
登山用ソックスを履いた状態で試し、つま先に余裕があるか、かかとが浮かないか、足幅がきつすぎないかを確認しましょう。
Q7. 初めて買うならどのブランドがおすすめですか?
A. 初めて登山でトレランシューズを使うなら、安定感を重視しやすいサロモンやメレルが選びやすいでしょう。クッション性を重視するならホカ、足幅にゆとりがほしいならアルトラも候補になります。
岩場やガレ場を歩くことが多いならスポルティバ、登山と普段使いを兼用したいならアディダス テレックスも選択肢になります。まずは、自分が歩く山のタイプに合わせて選びましょう。
トレランシューズは登山スタイルに合わせて選ぼう

画像:Canva
トレランシューズは、軽さと足さばきのよさが魅力のシューズです。低山ハイキングや整備された登山道、荷物の少ない日帰り登山では、登山靴よりも軽快に歩きやすい場面があります。
一方で、岩場やガレ場が多いコース、重い荷物を背負う縦走、悪天候が予想される登山では、登山靴の方が安心な場合もあります。トレランシューズを選ぶときは、グリップ力、足裏の保護力、フィット感、防水性、安定感を確認しましょう。
まずは自分が歩く山のタイプに合わせて、登山靴とトレランシューズを使い分けることが大切です。気になるブランドやモデルを比較しながら、自分の登山スタイルに合う一足を選んでみてください。

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