山歩きやハイキングの計画・安全対策に欠かせない登山GPSアプリ。電波の届かない山奥でもスマホ内蔵のGPS機能を使って現在地を確認できるため、今や安全登山に欠かせない必須の装備となっています。
しかし、アプリによって機能や特徴が異なるため、「どれを使えばいいか分からない」「自分のスタイルに合うものが知りたい」と迷ってしまう方も多いはず。
この記事では、現在多くの登山者に支持されている定番・実力派の登山GPSアプリ6選を徹底比較し、それぞれの特徴や、登山の目的に合わせた選び方のポイントを分かりやすく解説します。
目次
徹底比較:定番・実力派の登山GPSアプリ6選
主要6大アプリの機能と料金の比較一覧です。(※料金・機能は最新のデータに基づきます)
| アプリの名称 | 予定ルート | 離脱監視 | 状況案内 | 独自情報量 | コースタイム | 実績グラフ | 地図の範囲 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ヤマチズ (旧 山と高原地図) |
〇 | △ (簡易通知) |
△ (通知のみ) |
◎ (プロの調査員) |
〇 | 〇 | 山岳地域 |
| YAMAPアプリ | 〇 | △ (一部・有料) |
× | 〇 (ユーザー情報) |
〇 | 〇 | ほぼ全国 |
| ヤマレコアプリ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 (ユーザー情報) |
〇 | 〇 | 全国 |
| ジオグラフィカ | 〇 | 〇 | 〇 | × (地理院ベース) |
× | △ (ログのみ) |
全国 |
| スーパー地形 | 〇 | 〇 | 〇 | × (地理院ベース) |
× | △ (ログのみ) |
全国 |
| 山旅ロガーGOLD ※Androidのみ |
〇 | 〇 | 〇 | × (地理院ベース) |
× | △ (ログのみ) |
全国 |
※◎:極めて優秀、〇:可能、△:一部可能(有料機能など)、×:できない・情報なし
※製品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です
<比較表を見る際のアドバイス>
音声案内やアラームを中心とした「歩行中の電子ナビゲーション機能」に特化したアプリもあれば、プロの調査データやタイム表示を中心とした「事前の徹底的な計画と確実な情報収集」に特化したアプリもあります。
「どれが優れているか」ではなく、「自分が山で一番重視したい機能はどれか」という視点でそれぞれの特徴を見ていきましょう。
登山GPSアプリの個性を知る「6つの快適・安全機能」とは?

出典:Canva
上記の比較表にある各機能が、「どんな登山のシーンで活躍するのか」を具体的に解説します。アプリによって得意分野が異なり、それぞれのスタイルに合わせた強みを持っています。
予定ルート
登山に出発する前、あらかじめ「自分が歩く予定のコース」をアプリ上の地図に表示させておく機能です。単に現在地を表示するだけでなく、「目指すべき正しい進路」が一目でわかるため、分岐の多い山や複雑なルートでも進むべき方向を迷わずにすみます。
離脱監視(ルート外れ警告)
歩いている最中、事前に設定した予定ルートから一定の距離外れてしまったときに、音やメッセージで自動通知してくれる機能です。画面をずっと見つめていなくても、うっかり道を間違えたときにすぐ気づいて引き返せるため、ソロハイカーや初めての山を歩く際のセーフティネットになります。
状況案内(音声ガイダンス)
一定時間ごと、あるいは標高が変わるごとなどに、現在の時刻や標高、目的地までの距離を音声でアナウンスしてくれる機能です。岩場などで手が離せないときや、スマホを取り出すのが難しい悪天候時でも、耳から安全に必要な情報を得ることができます。
独自情報量(プロの現地調査)
地図上に、単なる地形だけでなく「水場の有無」「鎖場や滑落注意などの危険箇所」「山小屋の営業情報」など、登山に特化したプロの解説がどれだけ書き込まれているかです。ネット上の噂や推測ではない「確実な情報」が網羅されているため、事前の綿密なシミュレーションや、現地での臨機応変なリスク回避に最も威力を発揮します。
コースタイム
予定ルート上や分岐の間に、「標準的な歩行時間(コースタイム)」が最初から分かりやすく表示されているかどうかです。これがあることで、「次のチェックポイントまであと何分かかるか」がパッと見て計算でき、日没までに安全に下山するための無理のないペース配分が可能になります。
実績グラフ
自分が歩いた記録や標高の推移、歩行スピードの傾向などを自動でグラフ化し、記録・分析できる機能です。自分の体力の傾向(登りが得意、後半にペースが落ちるなど)が視覚的にわかるため、次回の登山計画をより現実的で安全なものにブラッシュアップするために役立ちます。
地図の範囲
アプリで使える地図が「日本国内どこでも隙間なくカバーしている(全国)」か、「登山・ハイキングの対象となるエリアに特化している(山岳地域)」かという違いです。全国版はどこでも使える万能さがある一方、山岳地域特化版(ヤマチズなど)は、エリアを絞る代わりにプロの濃密な現地調査データを丸ごと詰め込めるという、それぞれ異なる考えのもと作成されています
各アプリの詳細特徴とメリット・デメリット
ヤマチズ(旧 山と高原地図) — 60年の実績!プロの調査による圧倒的な情報量
1965年の創刊以来、登山者の必需品として愛され続けてきた「山と高原地図」が、より見やすく便利に生まれ変わった新定番アプリです。

<特徴>
最大の強みは、各エリアに精通した“山のプロ”が実際に歩いて集めた現地調査データの濃さです。「迷いやすい分岐」「危険な岩場」「水場の状況」など、通常の地形図には載っていない安全のための書き込みが手のひらで見られる安心感は唯一無二です。また、倍率を設定して自動計算できる登山計画機能や、歩行傾向が視覚的にわかる「グラフと記録」機能も備わっています。
- ● 信頼できる正確な情報を重視する人
- ● 初めてのルートでも事前に徹底的なシミュレーションをして安全に登りたい人
- ● 歩行中のルート外れアラームや、音声での状況案内ナビを最優先したい人
ヤマチズ アプリダウンロードはこちら
YAMAPアプリ — シェアNo.1!直感的で使いやすさ抜群
初心者から上級者まで幅広く使われている、画面のシンプルさとSNS機能が特徴のアプリです。

出典:Google Playストア
<特徴>
地形図に主要登山道の色付けと所要時間を表示。地図は山単位でダウンロードできます。ただし、無料プランの場合は「月に1枚まで、端末への同時保存も1枚まで」という厳しい枚数制限があります(※アカウント登録から6ヶ月間のみ月2枚まで可能)。また、ルート外れを知らせる離脱監視は有料版(プレミアム)限定の機能となっており、音声による状況案内機能はありません。
- ● 難しい設定なしにすぐ使いたい人
- ● 他の人の写真付き活動記録を参考にしたい人
- ● 月に2箇所以上の新しい山へ行く無料ユーザー
- ● 手厚い音声ガイドが欲しい人
YAMAPアプリ アプリダウンロードはこちら
ヤマレコアプリ — 圧倒的な総合力と「みんなの足跡」
安全機能とガイド機能が充実した、道迷い対策に強みを持つGPSアプリです。

出典:Google Playストア
<特徴>
地形図に予定ルートが表示され、ルート外れも音声案内してくれます。また、多くのユーザーが実際に歩いた軌跡である「みんなの足跡」がオレンジ色の点で表示されるため、実際に人が歩いているルートが直感的に分かります。
- ● 初めて行く山で道迷いを徹底的に防ぎたい人
- ● Apple Watchを手元でナビ代わりにしたい人
- ● 画面の情報量は少なく、スッキリしたデザインの地図を好む人
ヤマレコアプリ アプリダウンロードはこちら
ジオグラフィカ — 音声ナビが秀逸な電子の「地図とコンパス」
「スマホを本格的な登山用GPS専用機にする」というコンセプトの、一回限りの買い切り型アプリです。

出典:Google Playストア
<特徴>
ポイント毎のルート案内や、登山道毎のトラック案内が可能。一定時間毎に現在時刻や標高等を音声案内してくれるなど、ナビゲーション能力に特化しています。地図は国土地理院の地形図ベースのため、コースタイムや山の詳細情報は自分で補う必要があります。
- ● サブスク(月額課金)を避けたい人
- ● 画面を見ずに音声だけでナビしてほしい人
- ● コースタイムを自動で計算してほしい人
- ● スマホの細かい設定作業が面倒な人
ジオグラフィカ アプリダウンロードはこちら
スーパー地形 — 地形の凹凸が圧倒的にわかりやすい
地形の立体表示やパノラマ展望図に強い高機能GPSアプリです。

出典:Google Playストア
<特徴>
地図の一括ダウンロードやキャッシュの枚数制限がなく、広い範囲をカバーできます。ジオグラフィカ同様、地形図ベースのため登山道自体の詳細な「山の解説情報」は載っていません。
- ● 尾根や谷などの地形を深く読み解きたい人
- ● 城巡りや街歩きも兼用したい人
- ● シンプルな地図で直感的に歩けるアプリを探している人
スーパー地形 アプリダウンロードはこちら
山旅ロガーGOLD — 木目細かな音声案内が魅力(Android専用)
Android端末で根強い人気を持つ、GPSログ記録と案内に特化したアプリです。

出典:Google Playストア
<特徴>
地点や標高等の音声案内回数を細かく指定可能。「地図ロイド(無料)」アプリとセットで利用します。ログの保存能力は高いですが、単体でのコースタイム表示保存や登山情報はありません。
- ● 音声案内やアラームを自分好みに細かくカスタムしたいAndroidユーザー
- ● iPhoneユーザー
- ● 1つのアプリだけで完結させたい人
山旅ロガーGOLD アプリダウンロードはこちら
登山地図アプリのよくあるQ&A

Q1. スマホが圏外(電波が届かない場所)になっても現在地がわかるのはなぜ?
A.スマホ内蔵の「GPS機能」が宇宙からの電波を直接受信しているからです。
携帯電話の電波が届かない山奥でも、事前にアプリ内に地図データをダウンロードしておきさえすれば、宇宙のGPS衛星からの電波をスマホが直接キャッチして現在地を正確に表示します。そのため、圏外であっても現在地の青いドットが動かなくなる心配はありません。
Q2. バッテリーを長持ちさせるためのコツはありますか?
A. 「機内モード」の活用が最も効果的です。
スマホは電波が届かない圏外エリアにいるとき、基地局の電波を必死に探そうとして激しくバッテリーを消費します。山に入ったら、スマホを「機内モード(通信オフ)」に切り替えましょう(※機内モードにしても内蔵のGPS機能はしっかり働きます)。これだけで電池の持ちが劇的に変わります。さらに、画面の明るさを少し落とすことも大幅な節約につながります
Q3. アプリをインストールしたら、すぐに山で使えますか?
A. 必ず「自宅などの電波がある場所で地図をダウンロード」してから山へ向かってください。
アプリ本体を入れただけでは、山奥の地図データはスマホの中に保存されていません。事前のダウンロードを忘れて山へ行くと、圏外の場所で地図画面が真っ白になってしまいます。登山計画を立てたら、出発前(前日までがおすすめ)に必ずWi-Fi環境などで該当エリアの地図データをスマホ内に保存しておきましょう。
Q4. 谷間や深い森の中でも、GPSの電波は正確に届く?
A. 現代のスマホGPSは非常に高精度ですが、まれに地形の影響で一時的にズレることがあります。
数年前の機種に比べて現在のスマホのGPS精度は極めて高くなっていますが、切り立った崖の真下や、深い岩の谷間、密集した樹林帯などでは、衛星からの電波が遮られて数十メートルほど現在地がズレて表示されることがあります。少し開けた場所に出るとすぐに正しい位置に戻りますが、過信はせず周りの実際の景色と見比べる癖をつけましょう。
Q5. 便利なGPSアプリがあれば、もう紙の地図やコンパスは持たなくていい?
A. 万が一の機器トラブル(故障・紛失・バッテリー切れ)に備え、紙の地図とコンパスも必ず持参してください。
GPSアプリは道迷いを防ぐ最強のツールですが、「スマホが岩に当たって壊れた」「雨や寒さで突然電源が落ちた」「谷底へ滑落して紛失した」といった物理的なトラブルには太刀打ちできません。メインのナビゲーションは便利なアプリに頼りつつ、バックアップ(予備)として紙の地図とコンパスをザックに忍ばせておくのが、安全に登山を楽しむハイカーの鉄則です。
Q6. GPS地図アプリを使うと、地図読みの能力が衰えてしまいませんか?
A. むしろ、現在地がすぐにわかるからこそ、地図読みの良い練習になります。
紙の地図だけで読図をするのは初心者にはハードルが高いですが、アプリなら「今自分がいる場所」が答え合わせのように常に表示されています。「地図上のこの等高線の凹凸は、目の前にあるあの尾根のことか!」と、実際の地形と地図をリアルタイムで見比べることができるため、むしろ直感的に地図が読めるようになるスピードが格段に早くなります。
自分の登山スタイルに合ったGPSアプリを選ぼう

登山GPSアプリは、山歩きにおいて道迷いを防ぐ最強の命綱です。事前計画でのリスク管理を強みとするものや、歩行中の音声ナビゲーションに秀でたものなど、それぞれの機能の違いを理解し、自分の登山スタイルに最も合うものを見つけてみてくださいね。

登山の専門家が調査した正確なルートやコースタイム、見どころ情報までを一つにまとめました。
紙地図「山と高原地図」として60年以上の信頼を重ねてきた情報が、アプリ「山と高原地図ホーダイ」で。
今すぐダウンロードして安全登山を楽しみましょう。







