四季折々の美しい自然が広がる尾瀬は、ハイキング初心者からベテランまで楽しめる人気スポット。
今回は、都内から日帰りで行ける、尾瀬沼コースと至仏山コースの2コースを厳選してご紹介します。
爽やかな湿原の風景や絶景トレイルを歩きながら、日常の疲れをリフレッシュしませんか?
日帰りも可能な尾瀬のハイキングコース

尾瀬国立公園にはたくさんのハイキング・トレッキングコースがありますが、今回は「尾瀬沼を回るハイキングコース」と、「尾瀬ヶ原と至仏山(しぶつさん)を回るトレッキングコース」の2つを紹介します。
尾瀬沼コースは、登山口から片道90分で尾瀬沼に到着できるハイキングコースで、普段履きなれた運動靴でも可能なコースです。
反対に、尾瀬ヶ原と至仏山コースは2,000mを越える山頂を目指し、滑り易い急坂もありますのでしっかりとした登山靴をお勧めします。
どちらのコースも最低でも1,500m級の高山湿地・山岳地帯ですので、どんな気候であっても天候の急変に備え、雨具・ライト・十分な防寒着・行動食・1リットル以上の飲料・地図・携帯電話などを携行して臨んで下さい。
ハイキングの前に知っておこう!尾瀬国立公園ってどんなトコ?

写真:123RF
尾瀬国立公園の歴史は古く、1934年には「日光国立公園」の一部として指定されていました。
その後、2007年に日光国立公園から尾瀬地域を分割。
そこに会津駒ケ岳、田代山、帝釈山などの周辺地域も編入され、現在では29番目の国立公園「尾瀬国立公園」として指定されています。
公園内には本州最大の高層湿地「尾瀬ヶ原」、噴火によって川がせき止められ作られた「尾瀬沼」の他、日本百名山にも数えられる以下三つの山があり、「名峰に囲まれ花咲き乱れる日本最大の山岳湿地」と呼ばれています。
・至仏山(しぶつさん) 標高2,228m
・燧ヶ岳(ひうちだけ) 標高2,356m
・会津駒ヶ岳(あいづこまがだけ)標高2,133m
尾瀬国立公園の総面積は37,200haもあり、新潟県・福島県・群馬県・栃木県にまたがる広大な公園です。
公園内には21の山小屋、3ヶ所のキャンプ場、2つのビジターセンターがあり、登山シーズン中には多くの登山者が訪れます。
緯度が高く、1年の半分は冬。入山できない程の雪が降る地域です。残りの半年で春・夏・秋が訪れ、目まぐるしく季節が移り変わります。
春は雪どけ後のミズバショウ、初夏は新緑、真夏には湿原のニッコウキスゲ、秋には草紅葉や紅葉が見られ、訪れる人を飽きさせません。
東西12キロ、南北9キロの広大な尾瀬国立公園には、総延長100kmを越えるトレッキングコースがあり、トレッカー憧れのエリアです。
- 群馬県
- 2,228m
- 百名山
- 福島県
- 2,356m
- 百名山
- 福島県
- 2,133m
- 百名山
【尾瀬日帰りハイキング:尾瀬沼コース】大清水登山口からスタート

まずは、尾瀬沼を訪れるハイキングコースをご紹介しましょう。尾瀬沼に行く場合は「大清水(おおしみず)登山口」がスタート地点。
尾瀬沼は園内で福島県と群馬県にまたがるように位置していますが、この大清水登山口は群馬県側にあります。
大清水登山口までは新宿のバスタ新宿から一日3便の高速バスが出ており、7:20新宿発のバスに乗れば、大清水には11:10に到着です。群馬県の上越線沼田駅から片品村の「尾瀬戸倉」停留所までもバスがあり、所要時間は75~85分。6時台の始発から15時台まで、1時間に1~2本の間隔で運行されています。戸倉で路線バスに乗り換えたら、約15分で大清水登山口に到着です(沼田駅~大清水のバスは一部直行便有り)。
関越交通 時刻表はこちら>>関越交通 新宿 → 大清水 高速バス「尾瀬号」 / 上毛高原駅・沼田駅 → 片品村・尾瀬方面

登山口にある休憩所内のジオラマとギャラリー
大清水登山口には「大清水小屋」という宿泊施設が一軒、お土産屋兼休憩所が一軒あります。前日入りする場合はこちらを予約するのもよいでしょう。
また、登山口に昼前に到着するのであれば、ここで昼食を取ってから出発することもできます。休憩所にある国立公園のジオラマや、地元の写真家が撮影した美しいギャラリーも見てみてください。ジオラマを見ておけば公園全体を把握できますし、四季折々の見どころを頭に入れて登山することができますね。
一ノ瀬~三平峠

いよいよ大清水登山口から一ノ瀬にある休憩所を目指してトレッキング開始です!休憩所までは約3.3km。午前中に大清水を出発できる場合は、1時間20分ほどのコースを歩いていきましょう。ほとんどが平らな道のりで、砂利で舗装もされ、歩きやすいコースです。初夏には新緑が、秋には紅葉が楽しめます。

一ノ瀬行シャトルバス
もし出発が午後になる場合は、一ノ瀬までシャトルバスで行くことをお勧めします。約15分で一ノ瀬に到着できるので、ここで時間短縮しておきましょう。体力に不安がある方にも便利ですね。
このシャトルバスは群馬県と地元のタクシー業界などが協力して運行しているもの。低公害車両を利用し、環境に配慮した運営をしています。
かつては一ノ瀬休憩所にも売店・軽食屋などがありましたが、現在はトイレと休憩所のみです。一ノ瀬休憩所から尾瀬沼までは約1時間15分の樹林帯を歩きますが、三平峠(尾瀬峠)を越えると、尾瀬沼がちらちらと見えてきます。
尾瀬沼周辺を散策

写真:123RF
尾瀬湖畔は三平下(さんぺいした)と呼ばれる尾瀬沼山荘があります。目の前には尾瀬沼と燧ヶ岳(ひうちだけ)の絶景が!ここにたどり着くまでの道のりは木陰で景色が良く見えないだけに、尾瀬沼越しに見る燧ヶ岳の壮大な景色が見えたときには感動もの。湖の静寂と燧ヶ岳の雄大さのコントラストは圧巻です。
そこから30分ほど湖畔沿いを歩くと、「尾瀬沼ヒュッテ」「長蔵小屋」という山小屋と、尾瀬沼キャンプ場、そして尾瀬沼ビジターセンターが見えてきます。
尾瀬沼ビジターセンター

尾瀬沼ビジターセンターは環境省が管轄する「尾瀬保護財団」が運営しています。クマの目撃情報や花の開花など、最新の尾瀬の情報収集や、登山マップなどの入手も可能。
館内には、尾瀬沼周辺で見られる植生の写真ギャラリーや子ども用の絵本の展示コーナー、小動物の毛皮に直接触れたり、手作りスタンプで思い出のスタンプ帳を作成したりという体験コーナーもあります。
尾瀬沼周辺の山小屋と休憩処

尾瀬沼湖畔にある3つの山小屋には、カレーやうどんなどの簡単な昼食やコーヒー・紅茶・ケーキなどのカフェメニューが楽しめる食事処、尾瀬沼を一望できる場所などがあり、尾瀬沼の眺めを楽しみながら休憩できる最高のスポットです。
ここでしか入手できないロゴ入りのTシャツ・バッジ・その他お土産などもありますよ!

長蔵小屋売店
3つの山小屋のうち長蔵(ちょうぞう)小屋が運営する売店は、山小屋近くに建てられた、ログハウス調のお洒落なたたずまいです。
小窓から差し出される軽食をテラス席で食べる雰囲気などは、海外の山小屋風でとても特別感があります。
尾瀬沼エリアの山小屋は以下の3つです。
- 尾瀬沼山荘
- 尾瀬沼ヒュッテ
- 長蔵小屋
「尾瀬沼コース」後半は、同じ道を引き返して帰ります。一ノ瀬まで約1時間40分、そこから出発点である登山口に戻るには一ノ瀬からシャトルバスで15分ですので、帰りのバス時刻に間に合うように逆算し、尾瀬沼湖畔でのんびり時間を過ごしてみて下さい。
【尾瀬日帰りハイキング:至仏山コース】鳩待峠登山口から出発!

続いては至仏山(しぶつさん)コースをご紹介します。尾瀬を訪れる約半数のトレッカーは、群馬県にある鳩待峠(はとまちとうげ)登山口からの、こちらのコースをたどります。
鳩待峠までは上越新幹線で上毛高原駅か、JR上越線で沼田駅に向かい、そこから尾瀬戸倉までバスに乗ります。戸倉から鳩待峠まではさらにバスを乗り継ぎましょう。新宿から尾瀬戸倉までは一日に3便高速バスも出ており、約4時間で尾瀬戸倉に到着。新宿を7:20発のバスに乗れば、鳩待峠休憩所には11:30頃に到着できる計算です。
関越交通 時刻表はこちら>>関越交通 新宿 → 大清水 高速バス「尾瀬号」 / 上毛高原駅・沼田駅 → 片品村・尾瀬方面 / 戸倉~鳩待峠 乗合バス
鳩待峠休憩所には、簡単な昼食をとったり、おやつを購入したりすることも可能。トイレを済ませたら早速、尾瀬ヶ原へ向けてトレッキング開始です!
入山前に靴裏の汚れを落とすのがマナー

登山にあたり、自然を保護するためのマナーはきちんと理解しておきたいところ。入山口にマナーが書かれた看板がありますので、しっかり読むようにしましょう。
画像にある、地面に敷かれた緑色のマットは靴底の泥を落とすものです。山に生存しない生物・植物を運んでしまわないように十分靴の裏をぬぐっておいてください。尾瀬国立公園エリアは、国際的に貴重な湿地を守るための「ラムサール条約」に登録もされていますし、国の「特別天然記念物」にも指定されています。一人一人が注意をし、希少な高山植物を守りましょう。
尾瀬ヶ原の木道散策

写真:123RF
至仏山コースでは、鳩待峠登山口から川上川沿いの樹林帯を歩いていきます。通過地点の山ノ鼻までは約1時間です。途中1カ所、急な坂がありますので気を付けてください。山ノ鼻から2,228mの山頂までは、3時間ほど、山頂から登山口の鳩待峠まで戻るのに約2時間。計6時間のコースです。
山ノ鼻エリアは尾瀬ヶ原の西側に位置し、山の鼻小屋・至仏山荘・国民宿舎尾瀬ロッジという三軒の山小屋と「尾瀬山の鼻ビジターセンター」があります。山小屋の宿泊室は宿泊者専用ですが、日帰りの登山者もここで休憩したり、食事をとったりすることもできます。
山ノ鼻エリアの山小屋は以下の施設です。
- 山の鼻小屋
- 国民宿舎尾瀬ロッジ
- 至仏山荘
山ノ鼻の東側には、広大な尾瀬ヶ原が広がり、どの季節に足を運んでも、四季折々の表情で楽しませてくれます。
尾瀬山の鼻ビジターセンター

山の鼻ビジターセンターに入ってみると、いきなりクマの剥製がお出迎え!テンやハクビシンの毛皮などを実際に触ってみることができ、尾瀬の生態系を学ぶ事ができます。また、周辺エリアにおけるクマの目撃情報や花の開花状況など、その時々の貴重な情報が入手できます。山マップも配布していますので、休憩がてら情報収集しましょう。
尾瀬ヶ原 研究見本園

尾瀬山の鼻ビジターセンターから徒歩3分程の場所に、「研究見本園」があります。見本園と聞くと、人の手で作られた施設のように思いますが、ここは自然が作った見本園。高原湿地における様々な状態を見られることから、こうした名前が付けられました。
木道が湿地の周りに作られており、湿地の起伏や池塘(ちとう/高山の湿原や泥炭地にある池沼のこと)、浮島など、尾瀬らしい景色が楽しめます。周回コースが大小2つあり、大回りコースが一周約30~40分、その内側を通る小回りコースは一周20分ほどで巡ることができます。木道は平らで歩きやすく、散策にはもってこいですよ!
至仏山トレッキング

山ノ鼻から至仏山へのルートは登り専用で、かなり急な坂が続きます。木製のはしごや道は夜露や朝もやで滑りやすくなっていますし、冬の積雪で木製はしごが壊れていることもあります。状況に応じて、脇の岩や砂利を歩くようにしましょう。くれぐれも高山植物を踏みつけないように!

写真:123RF 至仏山 山頂周辺
トレッキング中や山頂付近からはこの絶景!至仏山はマグネシウムや鉄分を含んだ蛇紋岩層からできており、「オゼソウ」や「シブツアサツキ」などの希少植物も見ることができます。山頂到着後、ゆっくりと絶景を見ながら休憩を取りたいところですが、吹きさらしの山頂では体温低下も早くなりますし、夏の午後には落雷も発生しやすくなりますので、早めの下山をお勧めします。
※5月上旬~6月下旬の時期は至仏山の登山道は閉鎖されています。事前に情報収集を行って登山計画を立てましょう。
ルールを守って尾瀬でハイキングを楽しもう!
今回は日帰りハイキングコースをご紹介しましたが、公園内の山小屋やキャンプ地に宿泊すれば、朝・夜の絶景も眺める事ができます。新潟県や福島県からの登山口もありますし、公園内にある3つ目の百名山、「会津駒ケ岳」もトレッキングのしがいがある山です。様々なバリエーションでトレッキング計画を立ててみて下さいね!
※尾瀬は国立公園です。ルールやマナー(ゴミの持ち帰り・動植物を大切に・湿原に入らないなど)を守って、自然にも他の登山者にも優しい登山を心掛けましょう。
ハイキングに行く前のチェックリスト
- 登山口で登山届の提出をするのがベターです。登山届を印刷のうえ記入を済ませたら、登山口でポストに提出してください。
- 靴はスニーカーかトレッキングシューズ、歩きやすい服装を心がけましょう。
- 天候不良や体調不良(高山病)などの場合、決して無理をしないように。時には引き返すことも重要です。
- 食糧と水分は十分に持ち歩きましょう。
- 時間には余裕をもって計画しましょう。
- ルートを地図でよく確認しましょう。

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