登山用の大容量リュックは何リットルが正解? 容量目安とおすすめブランドを徹底解説

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登山に欠かせない「大容量リュック」。容量の目安や選び方を間違えると、重さや背負い心地で失敗してしまうこともあります。本記事では、初心者でも安心して選べる大容量リュックの基準や、女性に合うフィット感・失敗しないポイントをわかりやすく解説します。

「40Lで足りるの?」「小柄でも背負いやすいリュックはある?」といった、登山歴の浅い方が抱きがちな疑問に寄り添いながら、登山用の大容量リュックの選び方を詳しく紹介。さらに、信頼できるブランドごとの特徴や容量別の比較表を用意しました。これからの登山をもっと快適に、安全に楽しむために、自分に合った大容量リュックを見つけましょう。

2025年9月30日 更新

登山で選ぶべき大容量リュックとは?容量の目安と特徴を解説

登山で使う大容量リュックは、普段の通勤や通学用リュックとは大きく違うもの。登山専用リュックは、長時間の行動を想定して設計されており、背中へのフィット感や荷重分散の仕組みが工夫されています。

特に初心者が意識したいのは「容量の目安」と「登山用ならではの機能」です。これを理解しておくことで、リュック選びの失敗を防げます。

容量の目安(登山スタイル別)

登山で必要なリュック容量は、山行スタイルによって大きく変わります。

登山スタイル 推奨容量 特徴・注意点
日帰り登山(軽装) 25〜35L 行動食・雨具・防寒着が入る。軽さ重視。
日帰り登山(しっかり装備) 30〜40L 防寒具や非常食も安心して収納可能。初心者の標準サイズ。
山小屋泊 40〜50L 着替え・寝具・飲料が増える。背負い心地の良さ必須。
テント泊・縦走 50〜70L テント・シュラフ・調理器具などが必要。重量管理が課題。

初心者の方は 「30〜40L前後」 を基準にすると安心です。女性や小柄な方の場合は、同じ容量でもリュック自体の重量が軽いモデルを選ぶと背負いやすくなります。

登山用大容量リュックの特徴


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続いて、「登山用の大容量リュックならではの機能」も見ていきましょう。

①荷重分散の仕組み

・腰ベルトやチェストベルトで重さを分散。肩への負担を軽減。

②背面構造

・メッシュタイプは通気性良好、フレーム入りは重い荷物も安定。

③収納の工夫

・ボトルポケット、アクセスジッパー、レインカバー収納など。

④男女別・体型別モデル

・女性専用モデルはショルダーハーネスが細め、背面長(はいめんちょう/首から腰骨までの長さ)が短めに作られていて、小柄な方でもフィットしやすい。

女性視点のアドバイス
・初心者の女性が大容量リュックを選ぶとき、よくある悩みは「大きすぎて安定しない」ことです。
・背負ったときに「リュックが腰骨にしっかり乗るかどうか」を必ずチェックしましょう。

登山に持っていきたい大容量リュックとは、「容量30〜40L前後を基準に、登山スタイルと体格に合ったもの」。日帰りなら軽量性を、泊まりなら背負い心地を優先するのが失敗しない選び方です。

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失敗しない、大容量リュックの選び方チェックポイント

登山で大容量リュックを選ぶときに大切なのは、「容量」だけで決めないことです。登山専用リュックには、快適に歩き続けるための工夫がたくさんあります。ここでは、初心者が特につまずきやすいポイントをチェックリスト形式でまとめました。

チェック項目 ポイント 初心者が失敗しやすい例
容量 日帰りなら30〜40L、小屋泊は40〜50Lを目安に 「荷物が入りきらない」or「大きすぎて重い」
背面構造 メッシュ=通気性重視、フレーム入り=安定性重視 夏山で通気性が悪く汗だくに…
フィット感 背面長に合うサイズを選ぶ 小柄女性が男性用を買い、腰に合わず体を痛めた
重量 本体重量1.5〜2.0kgが標準。軽量モデルは1kg前後 軽さだけで選び、荷物を入れたら型崩れした
機能性 レインカバー付き、アクセスジッパーあり、ポケット配置 雨で荷物が濡れた/必要な物が取り出しにくい
性別・体型対応 女性専用・ユニセックス・身長別モデルを確認 ベルトが肩幅に合わず、長時間使用で疲労度大

大容量リュック選びのポイント解説

1. 容量は「余裕」をもって選ぶ

初心者は「とりあえず40L」で済ませがちですが、登山スタイルに応じて最適な容量は変わります。特に秋冬は防寒具で荷物が増えるため、同じ日帰り登山でもワンサイズ大きめが安心です。

2. 背面構造は「季節」と「体力」で選ぶ

・夏の低山 → メッシュ背面で蒸れにくく快適。
・荷物が多い縦走 → フレーム入り背面で重さをしっかり支える。

3. フィット感は試着が最重要

リュックは「靴」と同じで、体に合わないと疲れやすくなります。特に女性はショルダーハーネスの角度や腰ベルトの位置が合わないと違和感が強くなるため、まず女性専用ラインを試してみるのがおすすめです。

4. 重量は「軽すぎても危険」

「軽量リュック=正解」ではありません。軽さを優先すると、生地が薄く安定性が落ちることがあります。初心者は 1.5kg前後を目安に選ぶと安心です。

5. 機能性は「登山中のストレス軽減」に直結

・アクセスジッパー → 荷物を全部出さなくても中身を取り出せる。
・ポケット配置 → ボトル・地図・スマホをすぐ出せるか確認。
・レインカバー付き → 突然の雨でも安心。

女性視点のアドバイス
・「ユニセックスモデル」でS/M/Lのサイズ展開がある場合、小柄な方は最初にSサイズを試しましょう。
・腰ベルトがしっかり腰骨に乗るかが重要。肩だけで支えているとすぐに疲れてしまいます。
・女性専用モデルはショルダーハーネスが細く、胸の圧迫も少ない設計なので快適。

登山用の大容量リュックを選ぶときは、容量だけでなく「背面構造」「フィット感」「重量」「機能性」を必ずチェックしましょう。特に初心者は「体格に合っているかどうか」を軽視しがちなので、店頭で背負って確認することが失敗回避の近道です。

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登山用の大容量リュック、おすすめブランド6選

大容量リュック選びに迷ったときは、まず信頼できるブランドから絞り込むのがコツ。ここでは、使いやすい大容量リュックを展開している、定番&注目のブランド6社をご紹介します。

オスプレー(OSPREY)


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抜群の背負い心地と調整機能で、荷物を背中に感じにくいモデル多数

オスプレーはアメリカの人気ブランドで、「背負い心地」が高く評価されています。フレーム構造や通気性の良い背面パネル、腰ベルト・チェストベルトの調整機能などが充実していて、荷物の重さを体にうまく分散できる設計が多いのが特徴です。

特徴

・背面長・ヒップベルトの調整が細かく可能 →男女・体格差にも対応しやすい
・重めの荷物でも安定するフレーム入りモデルあり
・耐久性のある素材+アクセスジッパーやポケット類の使い勝手が良い

こんな人におすすめ

・荷物が多くても背中の疲れを最小限にしたい人
・体格に合ったサイズで背負いたい(特に女性や小柄な方におすすめ)
・長時間の登山(山小屋泊・縦走)を考えていて、機能性を重視したい人

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ミレー(MILLET)


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アルプス仕様の頑丈さと日本人の体型にも配慮したモデル展開

フランス発祥のブランドですが、日本人の山行にもマッチするモデル展開が多いのがミレーの特徴。耐久性のある素材を使っていたり、背面やショルダーハーネスのデザインが日本の登山者にもフィットしやすいのがポイントです。

特徴

・防水、摩耗耐性の高い素材を使用
・容量バリエーションが豊富(30〜50Lあたりの大容量モデルもあり)
・日本でのサポート体制が整っていて、実際の口コミ・レビューも豊富

こんな人におすすめ

・コスパ良く、頑丈で長持ちするリュックを求める人
・小柄な体型だけれど、容量と耐久性もあきらめたくない人
・頻繁に山行に行くから手入れやサポートが安心なブランドがいい人

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カリマー(Karrimor)


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クラシックな設計+軽量性でバランスが良い英国ブランド

昔から使われてきた定番シリーズがあり、容量・価格のバランスが良いと人気のカリマー。雨蓋・レインカバーなどの基本装備が付いていたり、サイズ展開(S/M/Lなど)が豊かなモデルが多くて、「体に合う容量+フィット感」が選びやすいのが嬉しい点です。

特徴

・3サイズ展開等で体格に合わせやすいモデルあり
・軽量〜中容量(30〜50L)のモデルが得意
・雨蓋・レインカバー等の基本機能が揃っているものが多い

こんな人におすすめ

・どの大容量リュックを選べばいいのかわからなくなってしまった人
・山小屋泊くらいの荷物で「軽さと耐久性」のバランスを重視したい人
・だいたい30〜50Lで十分だけど、体格に合うモデルを探したい人

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ラドウェザー(LAD WEATHER)


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手頃な値段で防水機能付き、普段使いとの兼用も検討したい人向き

お手頃価格帯で人気のラドウェザー。特に「防水・撥水機能」「軽量性」を押し出したモデルが多く、普段使いや短めの山行にも使いやすいと評判。大容量モデルも取り扱っているので、「大容量×コスパ重視」の選択肢には入れたいブランドです。

特徴

・40L前後の大容量モデルあり、防水性が比較的高い
・価格が控えめなので、試してみたい初心者に選びやすい
・デザインがシンプル・汎用性が高く、普段使いにも使えるモデル多数

こんな人におすすめ

・まずは1つ、大容量リュックを手に入れて“どんなものか試したい”人
・価格を抑えつつ大容量・防水性を重視したい人
・シンプルなものを探していて、普段使いと山行で兼用したい人

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ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)


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トレッキングからテント泊まで、ラインナップ豊かな大容量モデル多数

ザ・ノース・フェイスは、日本国内での入手性・サポートともに安心感が強い人気ブランドです。容量40L以上のモデルや拡張ジッパー付きのタイプなど、荷物の多い登山でも対応できる機能的なモデルが揃っています。背面パネル・肩ベルト・腰ベルトなど、背負い心地の設計にもこだわっているのが特徴。

特徴

・容量40〜65L程度の大容量モデルが充実(テント泊・縦走にも対応)
・男女別(ウィメンズ)サイズありで、女性・小柄な登山者にも選びやすい設計
・耐久性、防水性、アクセス性のバランスが良い素材&構造を採用しているものが多い(拡張機能やレインカバー等)

こんな人におすすめ

・テント泊や2〜3泊の縦走を考えている人で、大容量かつ背負い心地も妥協したくない人
・体格が小さめだけど、サイズ展開があってフィットするモデルが欲しい人
・山以外の旅行・アウトドアにも使いたい「汎用性」を重視する人

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グレゴリー(GREGORY)


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背負い心地の定評と洗練された設計で「背負う疲れ」を減らすブランド

アメリカのアウトドア老舗ブランドで、「背負いやすさ」の設計が非常に丁寧。フレーム構造・背面長・腰ベルトの工夫などがあり、荷重のかかり方が体に負担をかけにくいのが特徴です。登山上級者からも容量大きめのモデルが評価されており、信頼できる選択肢のひとつ。

特徴

・中容量から大容量まで幅広く展開
・女性向け/小柄な人向けのサイズやラインもあり、フィット感が取りやすい設計
・ポケット配置・アクセス性・耐久性など細かい使い勝手が良好

こんな人におすすめ

・背負うときの痛みや疲れをできるだけ避けたい人
・荷物は多めだけど中身を整理整頓したい人(ポケット・アクセス性重視)
・良質で長く使えるブランドを選びたい人

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よくある質問Q&A 登山用大容量リュックの疑問を解決

Q1. 初心者は何リットルのリュックを選べばいい?

A.日帰り登山なら30〜40Lの大容量リュックが目安。小屋泊なら40〜50L、テント泊や縦走なら50L以上が必要になります。特に初心者は「余裕を持たせた容量」を選ぶ方が失敗しにくいです。

Q2.女性でも大容量リュックを背負える?

A.もちろん可能です。最近は女性専用モデル(ウィメンズモデル)が充実しており、ショルダーハーネスや背面長が女性の体型に合わせて設計されています。小柄な方はユニセックスモデルの「Sサイズ」も試してみましょう。

Q3.大容量リュックは重くて不安。軽量モデルを選ぶべき?

A.「軽さ=正解」ではありません。軽すぎるリュックは生地が薄く、荷物を入れると安定性に欠ける場合があります。初心者は本体重量1.5〜2.0kg前後を目安に選ぶと、耐久性と軽量性のバランスが取れて安心です。

Q4.大容量リュックに防水機能は必要?

A.大容量リュックの場合は必須に近いです。本体素材に防水加工が施されているものでも、縫い目から浸水することがあります。レインカバー付きモデルなら突然の雨でも安心。レインカバーが別売りなら、必ず追加で準備しましょう。

Q5.大容量リュックに荷物を詰めるときのコツは?

A.「重いものを背中側・上部に、軽いものを下部に」詰めるのが基本です。

①テント泊ならテントや食料は背中側に配置
②軽量ギアや着替えは下部へ
③雨具や地図など頻繁に取り出すものは外ポケットへ

こうすることで重心が安定し、長時間歩いても疲れにくくなります。

Q6.大容量リュックって普段使いもできる?

A.可能ですが、登山用リュックは機能が特化しているため、街中での使いやすさはやや落ちます。ただし40Lクラスのシンプルなデザインなら、旅行やアウトドア兼用で使えるケースもあります。普段使いを重視するなら「普段使い寄りアウトドアブランド(例:ラドウェザーなど)」が向いています。

Q7.大容量リュックをネット通販で買っても大丈夫?

A.Amazonや楽天市場でも購入可能ですが、初心者の場合は試着してから決めるのが理想です。背面長・腰ベルトの位置などは体格によって合う合わないが出やすいため、店頭でサイズ感を確認→通販で購入という流れがおすすめです。

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自分にぴったりの大容量リュックで登山をもっと快適に

登山で使う大容量リュックは、単なる「荷物を運ぶ道具」ではなく、登山の安全性や快適さを大きく左右する存在。容量を選び間違えると荷物が入りきらなかったり、逆に重すぎて歩行がつらくなることもあります。

大切なのは「自分にフィットするリュック」を選ぶこと。背中に心地よく収まるリュックがあれば、長時間の登山でも安心して山を楽しめます。もし次の登山に向けてリュックを探しているなら、今回紹介したブランドや容量別の目安を参考に、あなたにぴったりの大容量リュックを選んでみてくださいね。

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