【天城山】登山の楽しみは下山後まで!山頂からふもとまで、楽しみ尽くす山旅へ

伊豆半島の名峰・天城山は、登山だけでなく下山後の温泉やグルメ、絶景ドライブまで楽しめる人気スポットです。
原生林に包まれた縦走路を進めば、富士山や駿河湾の絶景が広がり、初夏にはアマギシャクナゲが咲き誇る幻想的な森が広がります。下山後は、海を望む温泉や西伊豆スカイラインの絶景ドライブ、新鮮な海鮮グルメなど、伊豆ならではの楽しみも充実。
本記事では、登山ルートの見どころに加え、下山後の温泉やグルメまで網羅した“天城山登山の決定版ガイド”として、その魅力をわかりやすく紹介します。
日本百名山・天城山を歩こう!登山デビューにも人気の伊豆の名峰

伊豆半島の屋根を形成する「天城山」
天城山(あまぎさん)は、静岡県伊豆半島の中央部に広がる山岳地帯の総称で、伊豆半島最高峰の「万三郎岳(ばんざぶろうだけ、標高1,406m)」を筆頭に、「万二郎岳(ばんじろうだけ、標高1,299m)」や「遠笠山(とおがさやま、標高1,197m)」などの山々が連なっています。日本百名山のひとつに選ばれ、豊かな自然と歴史が息づく名山です。

柱状節理の岩盤から轟く「浄蓮の滝」
天城山は、フィリピン海プレートの活動によって誕生した火山帯であり、伊豆半島が本州と衝突・合体する過程で形成された地質学的に貴重なエリアです。山頂付近にはブナやヒメシャラの原生林が広がり、四季折々の表情を見せる自然美が魅力。東側には天城峠、西側には浄蓮の滝など、歴史や文化と結びついた観光名所も点在しています。

王道は天城縦走路を使って、2座周回
登山コースはいくつかありますが、なかでも人気が高いのは「天城縦走路」です。正式には天城峠まで向かう全長約17kmの健脚者向きのコースですが、天城高原ゴルフ場から万二郎岳と万三郎岳を周回する区間が一般的で、ブナの森を抜け、シャクナゲやアセビのトンネルをくぐりながら、富士山(ふじさん、標高3,776m)や駿河湾を望む絶景を楽しめます。
- 静岡県
- 1,406m
- 百名山

- 静岡県
- 1,299m

- 静岡県
- 1,197m
天城山登山の魅力3選|富士山の展望・花・自然美に感動
四季折々に表情を変える天城山は、登るたびに新しい魅力と出会える名峰です。伊豆半島の雄大な自然を肌で感じながら、絶景や植生、地形の多様さを味わえるのが魅力。
ここでは、数ある魅力の中から「天城山でぜひ注目したい3つのポイント」をご紹介します。
魅力① 登山中も下山後も感動!天城山から望む富士山の絶景

樹林帯の向こうに、日本一の富士山を垣間見る
天気が良ければ伊豆半島の天城山からも、日本最高峰の富士山をはっきりと望むことができます。ただし、天城山は豊かな原生林に覆われているため、常に富士山の姿が見られるわけではなく、その分、ふと視界が開けたときの感動もひとしお。最初に富士山が姿を現すのは、登山を開始して約30分後。天城高原ゴルフ場を見下ろすポイント周辺で、木々の間から徐々に秀峰のいただきが顔をのぞかせます。

駿河湾と富士山のパノラマを眺める稜線の道
もうひとつの絶好のビュースポットは、万二郎岳から万三郎岳へと続く稜線上にある「馬の背」周辺。駿河湾を挟みながらも、その雄大な姿は圧倒的な存在感を放ちます。季節によって表情を変え、初夏から夏にかけては青々とした緑とのコントラスト、秋には紅葉と富士山が織りなす美しい景観が楽しめます。
魅力② 春から初夏に咲くアマギシャクナゲなど花の魅力

薄ピンク色の花が可愛らしいアマギシャクナゲ
日本百名山に数えられる天城山は、実は「花の百名山」にも選ばれるほどの花の楽園。春から初夏にかけて、色とりどりの花々が山を彩ります。
なかでも5月〜6月に見頃を迎えるアマギシャクナゲは、この山を代表する存在。伊豆半島の山地にのみ自生する固有種で、薄ピンク色の花を咲かせるのが特徴です。一般的なシャクナゲは鮮やかなピンク色のため、色の違いを意識すると見分けやすいでしょう。

新緑に包まれて、森の妖精のように咲く
アマギシャクナゲの群生が見られるのは、万二郎岳と万三郎岳の間に位置する「石楠立(はなだて)」付近。手つかずのブナの原生林に抱かれながら、可憐な花を点々と咲かせる姿は、まるで“森の妖精”がそっと息づいているかのような愛らしさです。
また同時期には、アマギツツジやトウゴクミツバツツジなどの花々も開花し、山を華やかに彩ります。ぜひ併せて楽しんでみてください。
魅力③ 原生林と火山地形が魅せる、天城山の奥深い自然美

万二郎岳の山頂からのぞむ南伊豆方面
天城山の奥深い魅力は、その壮大な成り立ちを今に伝えるダイナミックな地形美にあります。特に万二郎岳の山頂から広がる伊豆半島のパノラマは圧巻。南側の視界が開け、下田方面へと続く美しい海岸線や、連なる山々が一望できます。大地がプレートの衝突によって隆起し、荒々しくも雄大な風景を形作ってきたことを実感できるでしょう。

苔むした岩が転がる原生の自然の風景
さらに、万三郎岳から少し下った登山道では、岩を抱え込むように根を張る巨木や、深い谷へと続く細い道が現れます。足元に気をつければ危険はありませんが、火山地形ならではの荒々しさを間近に感じられ、まるで自然が生み出したアスレチックを冒険しているようなスリルと楽しさが味わえます。
天城山登山のあとは?下山後に楽しみたい6つの過ごし方
天城山の登山を満喫したあとは、伊豆ならではの楽しみがまだまだ待っています。自然の絶景に癒されたあとは、ドライブ、温泉、グルメ、ちょっとした寄り道まで、旅の余韻をじっくり楽しめるのが天城山エリアの魅力。
ここでは、下山後にぜひ立ち寄りたい“+αの楽しみ方”を6つ厳選してご紹介します。
下山後の楽しみ方① 絶景の富士山を望む「西伊豆スカイライン」ドライブ

富士山を見渡す絶好のドライブスポット「西伊豆スカイライン」
日本百名道のひとつに数えられる「西伊豆スカイライン」。伊豆市の土肥峠から戸田峠へと続く山岳観光道路で、西伊豆の尾根沿いをダイナミックに駆け抜けます。遠く天城山とも連なるこの道は、まさに伊豆半島の“屋根”を形作る壮大なルート。富士山や駿河湾を望む絶景が広がり、ドライブやツーリングスポットとして高い人気を誇ります。

空に吸い込まれるような風情も魅力
南の土肥峠から北へ向かうのが定番。広がる空と山並みに包まれるような開放感あふれる道の先には、圧倒的な存在感を放つ富士山の姿が待っています。見どころは景色だけでなく、舗装の美しさや走りやすさも折り紙付き。適度なアップダウンを繰り返しながら、まるで空へと吸い込まれるような長い直線が続く爽快なドライブルートです。
住所:静岡県伊豆市修善寺達磨山付近~土肥
下山後の楽しみ方② 達磨山へハイキング!もう一座楽しむ「天城山+α」プラン

西伊豆スカイラインからサクッと登れる「達磨山」
天城山を形成する万二郎岳と万三郎岳。その名からすると、ほかにも兄弟のような山がありそうな気がしませんか?実は、西伊豆スカイラインの戸田(へだ)駐車場から徒歩約20分で登れる「達磨山(だるまやま、標高982m)」は、別名「万太郎岳」とも呼ばれています。山頂は360度の大パノラマが広がり、戸田湾を見下ろす絶景のほか、富士山や箱根の山々まで一望できます。

富士山を見渡す山頂のパノラマも一級品
笹原が広がる稜線は爽快そのもので、青空と緑のコントラストがどこまでも美しく続きます。天城山の縦走には数時間かかる一方で、達磨山は1時間もあれば十分登れる手軽さが魅力。天城山登山の締めくくりに軽ハイキングとして加え、「伊豆三兄弟」を制覇するのも一興です。最短ルートに加え、戸田峠から金冠山(きんかんざん、標高816m)を経由するコースを選ぶと、さらに変化に富んだ山歩きを楽しめます。

- 静岡県
- 982m

- 栃木県
- 1,892m
下山後の楽しみ方③ 海と一体になれる!伊豆大川の波打ち際の絶景温泉

土管を潜って温泉へアプローチするユニークさ
温泉の宝庫・伊豆半島には、全国の温泉好きが唸る名湯が数多く点在しています。その中でも筆者が特におすすめしたいのが、「大川露天風呂 磯の湯」。まず、そのロケーションがユニーク。伊豆大川温泉の海岸沿いにあり、駐車場から温泉へ向かうには、なんと土管の中をくぐり抜けるというユニークなアプローチが待っています。

オーシャンビューを楽しみながら濁り湯を堪能
お湯は東伊豆では珍しい濁り湯で、ナトリウム・硫酸塩泉。とろみのあるお湯が肌に心地よく馴染みます。源泉温度は73℃と高温ですが、加水して適温に調整されているため、ゆったり浸かることができます。目の前には、雄大な相模湾が広がり、天気が良ければ伊豆大島が望めることも。波の音に耳を傾けつつ、入浴を楽しむ時間は、至福のひとときです。
住所:静岡県賀茂郡東伊豆町大川
電話番号:0557-95-0700(東伊豆町観光協会)
料金:500円
営業時間:11:00~18:00 (8月は12:00~19:00)、火曜定休(不定休あり)
下山後の楽しみ方④ 人気キャンプアニメの聖地巡礼!伊豆の風景に浸る

アニメの主人公も原付で走り抜けた「西伊豆スカイライン」
近年のアウトドアブームの中で、多くの人々をキャンプの世界へと誘ったアニメ「ゆるキャン△」。女子高生5人組がキャンプを楽しむ姿が描かれ、幅広い世代に愛されていますが、「ゆるキャン△ SEASON2」では伊豆半島のスポットが数多く登場します。中でも、西伊豆スカイラインは主人公の一人・志摩リンが原付で颯爽と駆け抜けたシーンが印象的です。

あのアニメの感動の絶景シーンを追体験!
そして、登山好きやハイカーにぜひ注目してほしいのが、細野高原から登れる「三筋山(みすじやま、標高821m)。山頂近くで登山道を振り返ると、相模湾の向こうに伊豆大島を望む雄大なパノラマが広がります。アニメのファンはもちろん、作品を知らない人でも、実際に視聴してから訪れれば、主人公たちの感動のワンシーンを追体験できるでしょう。

- 静岡県
- 821m
下山後の楽しみ方⑤ 登山後のご褒美グルメ!伊豆の新鮮あじ丼を味わう

海沿いは絶品海鮮グルメの宝庫である伊豆半島
山を歩ききった後、なぜか無性に海鮮が食べたくなることはありませんか?(笑)伊豆半島なら、山と海が近接しているので、登山後すぐに新鮮な海の幸に打つことができます。おすすめは、国道135号線沿いに佇む海沿いのお食事処「磯辺」。ここで味わうべきは、相模湾で水揚げされたアジがたっぷりのった名物「あじ丼」です。

清涼感と濃厚な旨さの絶妙なコラボレーション
ご飯の上に、アジの切り身がどっさり盛られています。あまりの身の多さに、ご飯までなかなか到達しないほど!醤油ベースのタレがアジの旨みを引き立て、ねっとり濃厚な味わいが口いっぱいに広がります。そこへ、大葉やおろしショウガ、白ネギが爽やかなアクセントを加え、後を引く美味しさに。店内は昔ながらの漁師食堂のような温かみのある雰囲気で、どこかホッと落ち着く空間です。
住所:静岡県賀茂郡東伊豆町白田1733-82
電話番号:0557-23-1160
営業時間:10:00~15:00、17:00~20:00
下山後の楽しみ方⑥ 温泉とグルメを堪能!天城山周辺の料理自慢の宿に泊まる

心温まるアットホームなペンションでホッと一息
伊豆半島は温泉地であり、有数のリゾート地。多彩な宿が点在していますが、間違いなくおすすめなのが温泉ペンション。家族経営ならではの温かみのあるおもてなしに加え、リーズナブルながらも充実したサービスが魅力です。温泉はもちろん、まるでオーベルジュ(料理をメインに楽しむ宿)のようなクオリティの朝夕食が味わえるのも大きな魅力。

ここだけでしか味わえないコース料理に舌鼓
中でも筆者のイチオシは「稲取リゾート」。贅沢なフレンチフルコースと、開放感あふれる露天風呂を堪能できます。特に名物の「金目鯛のカルパッチョ」は、ぷりぷりとした食感の金目鯛に、自家製ドレッシングが絶妙に絡み、トマトの爽やかな酸味がアクセントに。これだけでも十分なボリュームですが、雛鳥のオーブン焼きや伊勢海老まで味わえる、贅沢なラインナップがたまりません。
天城山登山と伊豆の絶景・グルメを満喫!心満ちる癒しの山旅へ

山と海が織りなす魅惑のスポットをめぐる伊豆半島の山旅
天城山は、雄大な自然と豊かな歴史が息づく日本百名山のひとつ。四季折々の風景を楽しみながら、縦走路の登山や富士山を望む絶景ポイント巡りが満喫できます。
下山後は、西伊豆スカイラインの爽快なドライブや、海を望む温泉、絶品の海鮮グルメで疲れを癒すのもおすすめです。
アマギシャクナゲが見頃を迎える5月〜6月には、山頂からふもとまで天城山の魅力を存分に味わう旅に出かけてみてはいかがでしょうか?
取材・撮影・文章:アウトドアライター土庄雄平

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