登山をもっと自由にするソフトシェルとは? 季節別の使い方とおすすめブランド7選

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「ソフトシェルとは?」登山でよく聞くけれど、実際どんなウェアなのか迷う人も多いはず。風を防ぎ、ムレを逃がし、動きやすい――。ハードシェルでもフリースでもない、“ちょうどいい1枚”の魅力をやさしく解説します。

登山では、気温・風・行動量が刻々と変化します。そんな中で頼りになるのが「ソフトシェル」。ストレッチ性・撥水性・通気性のバランスに優れ、春から秋の行動着としても、冬の中間着としても活躍します。

本記事では、ソフトシェルの特徴と選び方、登山初心者にもおすすめのブランドをまとめました。「どんな季節で使える?」「雨の日は着ていいの?」といった疑問にも丁寧に答えながら、あなたにぴったりの1枚を見つけるお手伝いをしていきます。

2025年11月21日 更新

ソフトシェルとは? 登山中の風を防ぎ、ムレを逃がす「行動着」の定番

登山中、気温や風、体の動きは刻々と変わります。そんな不安定な環境で活躍するのが「ソフトシェル」と呼ばれるウェアです。

ソフトシェルとは、撥水性・防風性・通気性を兼ね備えた“動きながら快適に過ごせる上着”のこと。

英語で soft shell(柔らかい殻)という名のとおり、体をやさしく包み込みながら、風や冷気から守るシェルジャケットです。

ソフトシェルの特徴

 

特徴 説明 登山でのメリット
防風性 生地の密度が高く、風をしっかり遮断 稜線や風の強い日でも体温を奪われにくい
撥水性 小雨や朝露を弾く表面加工 雨具を出すほどでない天候で便利
通気性 内側のムレを逃がす構造 行動中も快適、汗冷えしにくい
ストレッチ性 ポリウレタン混素材などで高い伸縮性 岩場や急登で動きやすい

これらの性質をバランスよく備えているのが、ソフトシェル最大の魅力。「ハードシェル(防水ジャケット)」ほど完全防水ではないけれど、“常に着て歩ける快適さ”が多くの登山者に支持されています。

ハードシェルやウィンドシェルとの違い

ソフトシェルのことを調べていると、よく目にするのが「ハードシェル」、「ウィンドシェル」という単語。3者の違いはどこにあるのでしょうか?

種類 特徴 主な用途
ハードシェル 防水・防風性が最も高い。やや重く、通気性は低い 雨・雪・冬山の悪天候対応
ソフトシェル 防風+撥水+通気のバランス型。動きやすく快適 春〜秋の登山、行動中のアウター
ウィンドシェル 超軽量で携帯性◎。防風のみで保温性は低い 夏山・行動時の簡易防風用い

ソフトシェルとは、防風・撥水・通気性を備えた登山用ウェア。ハードシェルより軽く、ウィンドシェルより温かく、行動中もムレにくい“バランス型アウター”です。

登山でソフトシェルを使うおすすめシーン


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ソフトシェルを実際に登山で使うとしたら?季節別のおすすめシーンを見ていきましょう。

季節 シーン ソフトシェルの使い方
春・秋 風の強い稜線歩き、朝夕の冷え込み 行動中のアウターとして最適
標高の高い山や早朝登山 軽量タイプを羽織り、冷気を防ぐ
雪山や低温環境 中間着としてハードシェルの下に

「登ると暑い、止まると寒い」そんな登山の悩みを解決してくれるのがソフトシェル。状況に応じてレイヤリング(重ね着)を変えれば、1年を通して使える万能アイテムです。

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失敗しない!ソフトシェルの選び方 登山の快適さを左右する5つのポイント

「ソフトシェルとは?」と検索する多くの人が、次に気になるのが「どれを選べばいいの?」ということ。登山用ソフトシェルは、見た目が似ていても素材や性能の差が大きく、自分の行動スタイルに合わないものを選ぶと、せっかくの登山が不快に感じてしまうこともあります。

ここでは、登山歴の浅い方でも“自信をもって選べる”ための判断基準を5つにまとめました。それぞれのポイントを押さえておくことで、快適さと安全性がぐっと高まります。

① 通気性と防風性のバランスをチェック

登山では、「動いている時間」が長いぶん、ムレにくさが快適さのカギ。ただし、通気性が高すぎると風を通しすぎて寒くなります。

種類 特徴 向いている登山タイプ
防風性重視 風をしっかり遮る。やや厚めの生地。 春・秋の稜線、風の強い日
通気性重視 内側の熱を逃がす。軽量で柔らかい。 夏の縦走、低山トレッキング

ポイントまとめましょう。

◉標高が高い山・風の強い稜線歩き中心 → 防風性重視タイプ
◉ハイキングや夏山中心 → 通気性重視タイプ

② フィット感と動きやすさを確認


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登山では腕の上げ下げ、ザックを背負う動作が多く、「サイズ感が合わない」=行動ストレスにつながります。

チェックポイント
◉肩・肘がつっぱらず、腕を動かしても裾が上がらない
◉袖口・裾にドローコードがあり、風の侵入を防げる
◉ストレッチ素材(ナイロン+ポリウレタンなど)を採用しているか

「普段Mサイズでも、登山ウェアは“動きの余裕”で選ぶ」のがコツです。

③ 撥水性の持続力も要チェック

「小雨や朝露に耐えられるか?」は、ソフトシェル選びの重要ポイント。新品時はどれも水を弾きますが、長く使うと撥水効果は落ちていきます。

撥水性を保つポイント
◉DWR(耐久撥水)加工ありのモデルを選ぶ
◉撥水力が落ちたら、専用スプレーで簡単に復活できる

以上の2点を押さえておきましょう。

④ 重さと収納性のバランスを考える

200〜400g前後のモデルが多いソフトシェル。重すぎるとザックの中でかさばり、軽すぎると保温力が不足することも。

迷ったときにおすすめしたい重さは、以下のとおりです。

用途 推奨重量 特徴
行動中のアウター 250〜350g前後 通気・防風バランス型
サブウェア(中間着) 200g前後 軽量・薄手で携帯しやすい

⑤ 季節・レイヤリングとの相性を考える

ソフトシェルは、他のウェアとの重ね着(レイヤリング)で性能を最大限に発揮します。具体的な使い方を見ていきましょう。

季節 レイヤリング例 ポイント
春・秋 ベースレイヤー+ソフトシェル 行動中ずっと快適
夏(高山) ベースレイヤー+薄手ソフトシェル 風対策におすすめ
ベース+フリース+ソフトシェル+ハードシェル 保温+防風の両立

これまでの5つのポイントを振り返ってみると、「ソフトシェルとは、万能だけれど万能すぎないウェア」ということが見えてきます。選ぶときは、どんな登山をしたいかを基準にするのがいちばんの近道。

◉風の強い稜線で使いたい → 防風性とフィット感重視
◉汗をかきやすい夏山中心 → 通気性と軽量性を優先
◉年間通して活用したい → バランス型+レイヤリング対応を選ぶ

その1枚が、登山を「より安心に」「より快適に」変えてくれますよ。

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登山で頼れるソフトシェルとは? おすすめブランド7選

登山用ソフトシェル選びに迷ったときは、まず信頼できるブランドから絞り込むのがコツ。ここでは定番&注目のブランド7社をご紹介していきます。

コロンビア(Columbia)


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安心価格で機能も揃う、初心者に優しい定番ブランド

コロンビアは、登山を始めたばかりの人でも手が届く価格帯で、ソフトシェルの機能性をきちんと備えたモデルを展開しています。代表モデル「ライトキャニオンソフトシェルジャケット」は、4-wayストレッチ素材と撥水・防風機能を搭載し、春・秋の行動着として快適に使えます。

特徴

・4-wayストレッチで動きがラクに
・防風+撥水仕様で山の気候変化にも対応

こんな人におすすめ

・春や秋中心に登山を楽しむ人
・安心と価格のバランスを重視する人

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モンベル(mont-bell)


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日本の山に合った設計で、安心して選べるブランド

モンベルは、日本の山岳環境をよく熟知したブランドで、ソフトシェルを「行動中に快適で、変わりやすい気候にも対応できるウェア」として設計しています。人気モデル「ノマドパーカ」は、防風・撥水と、起毛裏地による保温性・速乾性を両立させ、登山歴の浅い方にも非常に使いやすい仕上がり。

特徴

・表面が防風+撥水、裏面は起毛素材で保温&速乾
・ストレッチ性が高く、ザックを背負っても動きやすい

こんな人におすすめ

・日本の気候(朝夕の冷え込み・変わりやすい天候)に対して安心感を求めたい人
・ソフトシェルを年間通して使いたい人

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マムート(MAMMUT)


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本格派のための一枚、機能性で差をつけるブランド

マムートはスイス発の高機能アウトドアブランドで、ソフトシェルの可能性を最大限引き出す設計が得意。代表モデル「マクン 2.0 ソフトシェル フーデッド ジャケット」は、4-wayストレッチ素材と耐摩耗構造、フード付き・ハーネス対応ポケットなどを備え、風・冷え・動きやすさのすべてを高レベルでカバーします。

特徴

・高耐久素材で岩場・悪天候でも安心
・ストレッチ性と防風・撥水機能を両立

こんな人におすすめ

・より難易度の高い山域にも挑戦したい中級者
・ソフトシェルの機能性を理解した上で、次のステップを目指している人

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ブラックダイヤモンド(Black Diamond)


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軽量&動き重視、縦走・トレイルで活躍するブランド

ブラックダイヤモンドは登山・クライミング専門ブランドで、ソフトシェルを「軽く持てて行動中に快適なウェア」として重視しています。おすすめモデル「アルパインスタートフーディー」は約200gクラスの軽量設計で、ストレッチ性・耐候性ともに優れており、夏山や縦走など荷物を軽くしたい登山に最適。

特徴

・非常に軽量で携帯&行動中ともに扱いやすい
・伸縮、耐風、撥水のバランスが良く動きやすい

こんな人におすすめ

・荷物を軽くして行動したい人、特に夏山や縦走中心の人
・ソフトシェルをまず体験したい初心者〜中級者

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カリマー(Karrimor)


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実用性とコスパを重視、初めての1枚にぴったりなブランド

カリマーは英国発のアウトドアブランドで、ソフトシェルを「快適な行動着」として選びたい人に好まれています。代表モデル「ソフトシェル ジップアップ」はベンチレーションポケットや凸凹の裏地を備え、汗ムレや風冷えにも配慮された仕様。機能と価格のバランスが高く、使いやすさが魅力です。

特徴

・汗ムレと冷えに強い仕様(凸凹の裏地・ベンチレーション付)
・撥水、防風、ストレッチ性のバランスが優れている

こんな人におすすめ

・登山中の「汗ムレ」「風冷え」が気になる人
・ソフトシェルを実用的観点から選びたい初心者〜中級者

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アークテリクス(Arc’teryx)


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デザイン性も併せ持つハイスペックブランド、長く使える1枚に

アークテリクスは「山でも街でも通用する機能美」を追求するブランドで、ソフトシェルを多用途で長期的に使いたい人に最適です。人気の「Veilanceシリーズ」は、耐風・撥水・透湿性に優れ、さらに洗練されたデザインも魅力。

特徴

・耐風、透湿、撥水の性能が非常に高く、テクニカルな山行にも対応
・タウンユースでも違和感なく使えるデザイン性

こんな人におすすめ

・登山用もタウンユースも両立させたい人
・ソフトシェルという素材を多用途・長期視点で考えたい人

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アマゾン エッセンシャルズ(Amazon Essentials)


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コストを抑えて試せる、入門に最適なブランド

Amazonの自社ブランドであるアマゾン エッセンシャルズは、価格を抑えながらソフトシェルの機能をある程度備えている点が魅力。「まず1枚ソフトシェルを持ちたい」という登山初心者にぴったりな選択肢です。

特徴

・シンプルながら撥水、防風、ストレッチを備えるモデルあり
・価格が非常に手ごろで、初めてのソフトシェルとして選びやすい

こんな人におすすめ

・「まず1枚買って登山を快適にしたい」という初心者
・価格重視で、でも機能は最低限確保したい人

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よくある質問Q&A 登山でのソフトシェルとはどんなウェア?

Q. ソフトシェルとはどんなジャケットですか?

A. ソフトシェルとは「防風性・撥水性・通気性を兼ね備えた登山用ジャケット」です。

ハードシェル(完全防水の雨具)より軽く、ウィンドシェル(防風特化)より暖かい中間的存在。登山中に「動きながら快適に着続けられるウェア」として、春から秋を中心に活躍します。

Q. ハードシェルとの違いは何ですか?

A. ハードシェルは防水・防風性能が最も高く、悪天候用に作られています。一方、ソフトシェルは完全防水ではない代わりに、通気性と動きやすさが圧倒的に優れています。

特徴 ハードシェル ソフトシェル
防水性 ◎ 完全防水(GORE-TEXなど) △ 小雨程度の撥水
通気性 △ ややムレやすい ◎ ムレを逃がしやすい
ストレッチ性 × 少なめ ◎ 動きやすい
用途 雨・雪・強風時 行動中のアウター・中間着

晴天時や風の強い登山はソフトシェル。雨予報や高山の悪天候時はハードシェルという使い分けがおすすめです。

Q. ソフトシェルは雨でも使えますか?

A. 小雨や霧雨程度なら、撥水加工によって水を弾き問題ありません。ただし、長時間の雨や豪雨では防水性能が足りず、ハードシェルを重ねるのが基本です。
登山では天候の急変が多いため、ハードシェルをザックに入れておくと安心です。

◉ソフトシェルの撥水力が落ちてきた場合には、専用の撥水スプレーを使うと性能が復活しますよ。

Q. ソフトシェルはどの季節に使えますか?

A. 「春・秋」が最も活躍する季節です。朝夕の冷え込みや稜線の風対策にちょうどよく、動きながら快適さを保てます。

季節 使い方 ポイント
春・秋 行動中のアウター 気温変化に対応しやすい万能期
夏(高山) 早朝や稜線の防風用 軽量モデルがおすすめ
中間着(ミドルレイヤー) ハードシェルの下に重ねる

Q. ソフトシェルの洗濯方法は?

A. 家庭でも簡単に洗えますが、中性洗剤を使い、柔軟剤や漂白剤は避けるのが鉄則。洗濯後は陰干しし、完全に乾かしてから収納しましょう。

撥水性を保つコツ
◉低温のアイロン(スチームなし)で表面を軽く熱処理すると撥水効果が復活
◉長期保管前に汚れを落としておくことで、生地劣化を防げます

ソフトシェルは中性洗剤でやさしく洗い、撥水ケアをすれば長持ちします。

Q. ソフトシェルはどんな登山スタイルに合いますか?

A. 行動量が多い「ハイキング〜日帰り登山」に最適です。また、冬季にはミドルレイヤーとして、夏季には軽量アウターとしても活躍します。要するに「常に着ていられる快適ウェア」というのがソフトシェルの魅力。

登山タイプ ソフトシェルの使い方
日帰り・低山 アウター兼防風着
縦走・中級山岳 メイン行動着
雪山登山 ミドルレイヤーとして使用

Q. ソフトシェルを長持ちさせるコツは?

A. 以下のことに注意すれば長く使い続けることができます。

長持ちさせるコツ
◉帰宅後は汗や泥を落とし、陰干しでしっかり乾燥
◉濡れたまま放置しない
◉撥水性が落ちたら専用スプレーでケア
◉型崩れ防止のため、吊るして保管

ソフトシェルとは「使い方より“手入れ次第で寿命が変わる”ウェア」。少しのケアで3〜5年と長く使えるので、愛着を持って付き合いたいですね。

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あなたの登山を変える一枚、ソフトシェルとは

登山では、天候も体調も刻々と変わります。そんな中で「何を着ればいいのか」と迷う時間こそ、登山初心者や中級者にとっての小さなストレス。

そこで頼れる存在が「ソフトシェル」。風を防ぎ、ムレを逃がし、動きを妨げず、そして見た目もすっきり。登山中に“着たまま行動できる”という安心感は、一度使うと手放せなくなります。

ソフトシェルとは、登山をもっと自由に、もっと心地よくしてくれる相棒。この一枚があるだけで、春の稜線も、秋の風も、少しだけ優しく感じられるはずですよ。

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